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この旬の里の成り立ちについて、あらためてお店の方にうかがってみました。
この店が立ち上げられたのは、いまから20年前のこと。
南伊豆や下田市の農家さん4人が発起人となり、
この下田市河内という場所で直売所を始めることとなりました。
そのきっかけはというと、当時から地元生産者さんが抱えていた
市場へ農作物を出荷することへの疑問。
「いくら自分が手塩にかけて丁寧につくったものでも、
市場に出荷するのではその思いを伝えることができないんですよね」
せっかく手間ひまかけてつくったものなのだから、
自分たちで値段をつけて売りたい。
そうした思いから、この旬の里が立ち上げられたのでした。
「生産者にとって農作物をつくることは生き甲斐でもあり、
喜びでもあるんですよね。だから、それを続けられたらいいですよね」
旬の里で出会った生産者さんが話していました。
「市場に出荷するのだと買う側がどんな人か見えないんだけど、
このお店だとお客さんの顔が見えるんだよね」
「つくり手が見えて安心して食べられるっていいでしょ。
やっぱり人間は食べるもので生きてるんですから」
下田で暮らすようになって、野菜を手にしたときの感覚が
少しずつ変わってきたように思います。
買う側がつくり手を想像して、
つくり手は買う側のことを想像しながらつくる。
直売所のその密な関係は、心にも体にもよいのかもしれません。
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朝獲り農産物直売所 旬の里