アイデアも製造も、 現場から生まれるものづくり。 ユカイ工学後編

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ロボットを使った子どもとのコミュニケーション。

ユカイ工学は、ロボットと暮らす未来を目指している。
最新の製品は〈BOCCO〉というロボット。
センサーとセットで販売され、センサーはドアなどに取り付ける。
すると子どもが帰ってきたときにセンサーが感知し、
自分が持っているスマートフォンなどに通知がくる設定になっている。
子どもが帰ってきたことがわかると、リビングなどに置いておいたBOCCO本体に、
スマホからメッセージを送ることができる。
スマホでテキストを打って送ると、BOCCOでは音声となって流れる。
もちろんスマホに直接音声を吹き込んで、ボイスメールを送ることも可能だ。
BOCCOのスイッチを押すと音声が流れてくる。
自分で声を吹き込んだ場合は、人間のあたたかい声が流れてくる。
子どもが学校から帰ってきたら、「おかえり〜、おやつは冷蔵庫にあるよ」と送り、
それを聞いた子どもはおやつを食べながら、
「ただいま〜、友だちの家に遊びに行ってくるね」と報告できる。
通話ではないが、リアルタイムなやりとりだ。

ユカイ工学のCEOである青木俊介さんが、
BOCCOをつくろうと思ったきっかけを教えてくれた。

「うちもそうですが、共働きの家庭が多いと思います。
そうすると、家で子どもが何をやっているか、知りたいですよね。
携帯電話はあまり持たせたくないし、カメラを設置するということはできますが、
それでは管理しすぎてしまいます。
ネットワークがこれだけ普及しているのに、
その部分がスポッと抜け落ちてしまっていると思うんです。
大人同士をつなぐツールはSNSなどたくさんあります。
でも、友だちがどこでランチしているかより、
自分の子どもがいつ帰ってきたかのほうが知りたいですよね」

モノのインターネットと呼ばれるIOT(Internet of Things)技術が発達して、
センサーをネットワークにつなげることが簡単になった。

「最近はスマートハウス化が進んで、
たくさんのコントロールパネルが家の壁に付いています。
これからもどんどん増えていく方向だと思いますが、
しかしメーカーはバラバラでデザイン的な統一感もない。
これ以上、家のなかに液晶パネルを増やしたくないし、
ルータのような機械的なものもなるべく増やしたくないですよね」

テレビやエアコンにオーディオ、すでにリモコンがたくさんある。
それに加えて壁の操作パネルも増えていったら、
便利になっているようで、それらに振り回される日常になってしまいそうだ。

「スマホのアプリでまとめて操作ということもできます。
しかし数百万という数のアプリがあるなかで、
ひとりが使うアプリは平均10個以下という統計もあります。
そんななかで、さらにスマホに集約させるようなことはしたくない。
そのような時代ではなくなってくると思います。
その代わりにロボットを使うことができないかなと思ったんです」

無機質なボックスやルータとは異なるロボットであれば、
デザインの幅も広がり、親しみやすい筐体にすることも可能だ。

「僕からは『首がゆれるようにしてほしい』、『鼻をボリュームにしたい』、
『ロボットに見えるように』などの指示をしています。
ロボット技術は寄せ集めといえます。
自動改札機もロボットといえばロボット。
子どもを認識して、子ども料金で通す判断を自分でしているわけですから。
しかしあれはロボットとして認識されてはいませんよね。
ぼくたちはロボットというからには、キャラクター性が重要だと思っています」

機能性の高さを目指すと、ムダを排除して無機質になりがちだが、
ユカイ工学では、あくまで人間の生活に馴染むような
やさしいデザインや設計を心がけているのだ。
それこそユカイ工学の考えるロボットの役割かもしれない。

ユカイ工学のCEO、青木俊介さん。さまざまな工作機械も並ぶ事務所にて。

ロボットを使った コミュニケーションが 家族団らんを取り戻す。 ユカイ工学 前編

ソフトウェアからハードウェアであるロボットへ。

ロボットといって、思いうかべるものはなんだろうか?
ガンダムや鉄腕アトム、あるいは実際につくられているASIMOなどもある。
それらには一般のひとが理解するのは難しい、
最先端技術が込められたモノというイメージがある。
しかし、それらの技術=ロボティクスを使って、
ユニークでかわいい商品をつくることも可能だ。
そんなものづくりに励んでいるのがユカイ工学。
社名からしてワクワクしてくる。

会社を立ち上げた青木俊介さんは、
学生時代に猪子寿之さんと一緒にチームラボを立ち上げたメンバーだ。
当時、チームラボはソフトウェア開発がメインだった。
しかし青木さん本人は、子どもの頃からロボットをつくりたいという思いを秘めていた。

「中学生のころに、『ターミネーター2』などの映画を観た影響が大きいです。
それで、ずっとロボットや人工知能をつくりたいと思っていました。
学生のときは、インターネットブームで、
ネットワークによっていろいろなものが大きく変わると言われていた時代。
それらを利用してビジネスをしていました。
逆にいうと2000年ごろは、
ロボットでビジネスができる環境ではなかったのだろうし、
イメージもできませんでしたね」

CEOの青木俊介さん。

ロボットをつくりたいと思っていても、
世の中はインターネットビジネス全盛の時代だった。それを見逃す手はなかったのだ。
しかし潮流に変化の兆しが表れたのが2005年頃だという。

「2005年は〈愛・地球博〉が開催されてたくさんのロボットが出展されたし、
『make:』という雑誌がアメリカで創刊されたのも2005年なんです。
ロボットベンチャーと呼ばれる会社も出始めてきました。
自分もソフトよりもハードウェアをつくったほうが面白いのではないかと感じたし、
“いつかロボットをつくりたい”という夢を持っていたので、
会社を辞め、2007年にユカイ工学を立ち上げました」

〈チームラボハンガー〉は、ショップ内のハンガーが手に取られたことを感知し、その着こなしをビジュアルに映し出すハンガー型販売促進システム。チームラボと共同開発した。(写真提供:ユカイ工学)

わくわくサンゴ石垣島(2)

日本一セクシーな料理ってなんでしょう。

これはもう個人的な趣味なんであれなんですけれど、
石垣島で見つけたんですよ。

地魚がうまいと評判の店に石垣島の漁師が連れて行ってくれて
その店の壁に張られていたメニューがこれ。

「浜崎の奥さんの姿煮」!
なんてインパクトのあるネーミングなんだ。
まさに昼顔ですよ、昼顔!

「奥さん」という魔法の言葉がついただけで、
何でもない「姿煮」という料理名が
とても艶っぽく感じるのは僕だけでしょうか。

いえ、男性なら必ず、奥さんがどんな姿で現れるのか、
ドキドキするはずです。
男とはそういう生き物なのです。

「オジサン」という変わった名前の魚もいますが、
女性は「オジサンの姿煮」というメニューを見ても
たぶんドキドキすることないでしょう。

で、待つこと20分。
奥さんはどんなだったかというとですね。

いたって正統的な魚の姿煮なのでした。
ま、たいがいの妄想は、なーんだという現実で終わるもの。

考えてみればこの魚、オスだって「浜崎の奥さん」ですから、
(ちぇっ、ドキドキして損した、バカだなあ俺)と思うわけです。

いいじゃあないか、男はバカで。

さて、この「浜崎の奥さん」は
イットウダイの仲間「トガリエビス」のこちらでの呼び名です。

きめ細やかな身質に上品な脂ののり
非常に美味で、高級魚として扱われています。

なぜそんな名前になったのかは
お時間のあるときに検索していただくとして、
このトガリエビスもサンゴ礁に生息する魚です。

長いまくらで失礼しました。
サンゴの話を続けましょう。

石垣島でサンゴの養殖を始めた
小林鉄郎さんという漁師さんのことをお話します。

新しい暮らしの楽しみ方。 「宇都宮ダブルプレイス」のすすめ。

「ダブルプレイス(二拠点生活)」というライフスタイル。

栃木の県庁所在地、宇都宮。
宇都宮の観光の盛り上げにひと役もふた役も買っているのは
何と言っても「餃子」なのだが、そのイメージがひとり歩きして、
なかなか土地の特色を打ち出せなかったのがこれまで。
最近の宇都宮は、「暮らす」というところに面白みがある。
何と言っても、東京から近い。
東京駅から宇都宮駅までおよそ2時間、新幹線なら50分弱。
高速でも2時間ほどで来られる“東京との適度な近さ”と、
市の中心部はショッピングビルや繁華街で利便性の高さを感じられながらも、
少し歩けば自然が豊かな住環境が魅力だ。

そこで、宇都宮市が打ち出したのは宇都宮の日常の暮らしの良さを感じられる
「ダブルプレイス(二拠点生活)」というライフスタイル。
「東京で働いて、週末は宇都宮で趣味などを楽しむ」
「宇都宮でのんびり暮らし、東京で仕事をする」
「宇都宮と東京を股にかけて仕事をする」「東京からのU・Iターン」など、
宇都宮とその他の地域(東京に限らず)に活動拠点を持ってもらおう
という試みなのだという。都心暮らしだけでは得られない、
地方暮らしの充実感を手に入れられるとあって、
これからの時代、確実に需要が増えることが予想される。
そんな宇都宮の日常の暮らしの良さをPRする宇都宮市と、
ダブルプレイスを実践する方にお話を伺った。

宇都宮市民が愛着を持てるまちに。

「地方への移住だとどうしてもハードルが高くなってしまいますが、
二地域生活なら気軽に始めていけるのではないでしょうか」と話すのは、
宇都宮市で都市ブランド戦略を担当する吉田和史さん。
確かに移住となると、仕事のことや住環境など、
めまぐるしく変わる身の回りの状況に、少なからず負担を感じることもあるだろう。
その点、ダブルプレイスは宇都宮に片足を置きながら、
その他の地域とも関係が持てるという柔軟性が受け入れられやすいのかもしれない。
また、完全な移住を将来的に考えている人でも、
徐々にその土地に慣れていくための「移住のお試し」という用途として、
ダブルプレイスはおすすめなのだ。

宇都宮市の吉田和史さん。「宇都宮にもうひとつ拠点を持ってみたい人や宇都宮で活動してみようと考えている人たちの受け皿となるような体制をつくっていきたいですね」

「東京などから来た人が、“宇都宮っていいところだね”と言ってくれるんです。
そういった外部からの評価によって、市民にも宇都宮の魅力に気づいてもらえれば」
という思いから、宇都宮に加えて他の地域にも活動拠点を置き、
宇都宮を(第1の、あるいは第2の)地元と捉えてもらう
「ダブルプレイス」を提唱したのだという。

吉田さんは、宇都宮でダブルプレイスを勧める理由として、
「宇都宮って“ちょうどいい”んです。東京との距離、自然と都会のバランス、
50万人都市という人口の規模。暮らしの拠点にちょうどいい環境と言えます」と語る。

「まずは、ダブルプレイス実践者に体験を語ってもらったり、
生活を見てもらったりして、希望者に“自分でもできそうだ”という
自信を持ってもらいたいです。今後は気軽に相談できるような
プラットフォームづくりを考えています。
最終的な狙いとしてはダブルプレイスを通じて、
宇都宮の暮らしの良さを知ってもらい
市民には宇都宮に対して“愛着”や、“誇り”を持ってもらい、
市外の方には、宇都宮に対して“行ってみたい”という思いや、
“好感”を抱いてもらえれば」と吉田さん。
そして、「宇都宮に来れば何か自分のやりたいことや面白いことがみつかるかも、
と予感させるようなまちでありたい」と話をしてくれた。

社会をちょっとよくする プロジェクトのつくりかた ソーシャルデザインのヒント 並河 進さん (電通/社会の新しいしくみ研究室)後編

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並河 進さんのソーシャルデザイン

「ものづくり」「ことづくり」のヒントはコミュニケーションのシフトにある。
ものを計る価値は「お金」だけではない。
前回はそんな話を並河さんにお聞きした。
今回はさらに一歩進めて「ソーシャルデザイン」について伺った。

「ソーシャルデザインとは、世の中のひと、ひとりひとりが、社会のために自分にできることがあるんじゃないかと考えていくこと。
プロジェクトとかアクションとかを考えていくということなんです。
ソーシャルデザインが政治家などの
限られているひとだけが関わるものだったら
ソーシャルデザインって言葉はいらないですよね」

社会を良くするためのコミュニケーションへ

並河さんの仕事はコピーライター。
本業の広告の仕事においては
「コミュニケーションをシフトさせる」ことを提唱している。
それは、シンプルに言えば
モノを売るためだけのコミュニケーションだったのが、
社会を良くするためのコミュニケーションへの変化ということだ。

今年の3月11日、ヤフーで「3.11」を検索すると、
検索した人ひとりにつき10円を、ヤフーが東北復興支援に寄付する
「検索は応援になる。Search for 3.11」プロジェクトが実施された。
昨年に引き続き、2回目となる今回も、
300万人近くの人が参加したこのプロジェクトに、
並河さんはクリエイティブディレクターとして関わった。

ヤフー「Search for 3.11」で掲出されたポスター。

3.11は、誰もが震災の記憶を呼び覚ます日。
並河さんは「検索」をきっかけに、東北の支援へとつながる広告を考える。
実際に「検索」によって被災地復興のために寄付されるが、
それ以上に「共有」することに何かを感じたひとが多いのではないだろうか。

「お金とものだけでない、いままで見えてないさまざまな矢印を
加速させていくようなことが広告でできたらいいなと思っています」と並河さん。

そして広告は「お金とモノのサービスの交換を促進するもの」から、
「さまざまな価値と価値の交換を促進する場」へ変化していくという。

未来をつくり、支える 10のコト・場所づくり

“場づくり” “サービスづくり” “プロジェクトづくり” のキーパーソンに出会う

「貝印×コロカル これからの『つくる』」では、
この1年でさまざまな分野の「つくる」のキーパーソンと出会ってきた。
これからの日本を牽引していくキーパーソンたちの言葉は実に力強い。
2014年度のまとめの後編では、
「場づくり」「サービスづくり」「プロジェクトづくり」など、
ものづくりの枠を超えた多角的な試みをピックアップした。
挑戦を続けるキーパーソンたちの言葉からヒントを得てほしい。

「食べ物と暮らす場所」をつくる。「KYOCA FOOD LABO」

「KYOCA FOOD LABO」のロゴ

前編 https://colocal.jp/topics/think-japan/tsukuru/20140506_32395.html
後編 https://colocal.jp/topics/think-japan/tsukuru/20140513_32759.html

全国からの食材が集まり、京都の食を支える京都中央卸売市場第一市場。
鮮魚・塩干・青果、京野菜を中心に小売業者や料亭の求めに応じ多種多様な食材が集まる。
東京において築地が日本を訪れた外国人にも注目される観光スポットであるように、
京都の「市場」も「食」を体験するワンダースポットに変わろうとしている。
その中心となるのが、2014年7月にオープンしたKYOCA。
京都中央卸売市場に隣接した京果会館がリノベーションされ、
食とデザインのラボラトリーとして生まれ変わろうとしている。
新しい京都を「つくる人」として、
KYOCAの企画・運営をする株式会社ウエダ本社の岡村充泰社長にお話を伺った。

伝統に培われた日本の職人の 技術や芸術性を世界へ伝えるプラットホーム。 studio「仕組」

studio「仕組」が手がける靴型

前編 https://colocal.jp/topics/think-japan/tsukuru/20140603_33436.html
後編 https://colocal.jp/topics/think-japan/tsukuru/20140610_33588.html

studio「仕組」は工芸家、大工、グラフィックデザイナー、
映像制作者からプログラマーまで、各業界の職人たちからなる、
ものづくりに関わる人たちのための「職人組合」。
原宿の一角にヘッドオフィスがあり、
埼玉県朝霞市に、アーティストや職人たちが共同で運営する工房
「studio u5(スタジオ ユーゴ)」がある。
アーティストや職人に場を提供し、
作品制作支援や海外などに作品販売のマーケットを開拓することで、
伝統工芸職人や美術作家の制作支援を行っている。
「日本の技術を守る。それがスタジオ仕組の理念なんです」
とstudio「仕組」代表の河内晋平さんは話す。

関西から福井県に移住してきた20代による デザイン+ものづくりユニット。「TSUGI」

「TSUGI」のスタジオ

前編 https://colocal.jp/topics/think-japan/tsukuru/20140715_34653.html
後編 https://colocal.jp/topics/think-japan/tsukuru/20140722_34764.html

TSUGIとは関西から福井に移住した20代7名による
ものづくりとデザインのユニット。
木工、眼鏡づくり、デザイン、地域活性や自然環境NPOなど
それぞれが地域で仕事をしながら、
ものづくりをテーマとしたイベントの企画をしている。
河和田の「食」と「暮らし」の魅力を広めるべく、
鯖江の若者コミュニティづくりやコラボレーションに奔走する
若者たちの活動を追った。

きょうのイエノミ 旅するイエノミ レモンサワーと、小倉のぬかだき

仕事を終えたご褒美はおいしいお酒とおつまみ。
リラックスしたいなら、きょうはイエノミにしませんか。
神奈川県・横須賀市在住の料理研究家・飛田和緒さんに教わった、
手軽で簡単、しかもちょっとした旅気分が味わえる
日本各地のおいしいものと三浦半島の旬の食材を使った、
和酒に合うおつまみを季節感たっぷりにご紹介していきます。

ようやく暖かくなってきた今日この頃。
まだまだ春本番まで油断はできないけれど
せめてイエノミには春らしい彩りを添えたいものですね。
そこで、きょうの和酒にレモンサワーはいかが。
実はこれ、料理研究家・飛田和緒さん最近のお気に入り。
去年なら庭のレモンの樹に100個以上の実がなったのに
「今年は3個しか収穫できなくて」
レモンの買い置きがあっというまになくなると嘆きつつも
ご主人と一緒にさわやかな香りを毎晩楽しんでいるそうです。

相方は、いまの時期ならではのお楽しみ
ちょい甘めに仕上げた蕗(フキ)味噌を使ったバター風味のパスタと
出汁味が優しいふんわりとろける春野菜の卵とじ。
そして以前から食べてみたくて取り寄せた北九州の味。
「イワシやサバのぬかだきってどんな味なのかしらね」
マイ糠床はもちろん、味噌まで仕込む発酵食品好きなうえ
もともと青魚LOVEな飛田さんは興味津々。
仕事柄、地方色豊かな料理をいただく機会が多くても
糠で炊く魚料理はこれが初めてだそうです。

●ローカルな逸品「北九州市小倉・たちばなのぬかだき」
小倉藩主も愛した青魚&糠床の絶妙な味わい。

小倉の台所・旦過(たんが)市場から届いた
イワシとサバのぬかだきは、見た感じ味噌煮にそっくり。
ちょっと温めていただくと、なんと骨まで軟らかい!
「こんなに食べやすいとは思わなかったわ」
糠臭さもなくとろりとまろやかな味加減で
味噌煮より複雑な旨みがあってあとを引く感じ。
特に唐辛子がピリリと効いた辛口タイプはお酒のお供にぴったり。
「辛くないほうは、むしろご飯でがっつり食べたいかも」
もし私がつくるなら根曲がり竹と大根も入れて
北信州の「サバ缶汁」風にアレンジしたいかも、と飛田さん。
それもおいしそう、というかそんな料理があるんですね。
手軽なサバの水煮缶を出汁&具材として利用するなんて
海が遠い北信州ならではの暮らしの知恵かもしれません。
「ね、地方色豊かな料理って本当におもしろいの」
意外に思える素材の組み合わせでも、土地の人に聞いてみると
なぜその料理が生まれたか、ちゃんと背景が見えてくる。
「きっと小倉は、イワシやサバがどっさり獲れるまちなのね」

そこでさっそく電話をかけて聞いてみました。
「ここらは昔からイワシがトロ箱で売るほど獲れますもんねー」
そう教えてくれたのは「たちばな」ご主人の橘 英行さん。
また代々伝わる糠床、「百年床」を持つ家庭が小倉には多い。
新鮮な青魚とよく熟成した糠床がとても身近な存在のようです。
ぬかだきのつくりかたも極めてシンプルで
薄めの煮汁でさっと魚を煮て糠床を入れてじっくり炊くだけ。
つまり味の決め手は糠床を調味料として使うこと。
なんでも小倉藩主・小笠原公の好物で、献上品でもあったとか。
いわゆる旧小倉藩領内だけの伝統料理なので
「同じ福岡県でも博多の人やらは知らんと思いますよ」

ただ「あまりにも身近な家庭料理」だっただけに
地元では特に珍しいとも思われてなかったぬかだき。
それを初めて旦過市場で売り出したのが橘さん。
「私は直方出身なので、嫁の実家で初めて食べて驚いたんですわ」
青魚独特のクセが抜けて食べやすいうえに身体にも良さそう。
ぴんとひらめいた橘さんはおばあちゃんにつくりかたを教わり
小1時間ほどの炊き時間を4~5時間に増やすなど試行錯誤。
お惣菜店の片隅に置いてみると、そのおいしさがたちまち評判になり
自然と「ぬかだき専門店」になってしまったそう。
20年以上前には「たちばな」1軒だった専門店も次々に誕生し
いまではぬかだき目当てに旦過市場に来る観光客も増えたほど。
「年寄り臭い料理と思われていたのに、最近では好んでくれる人が多くて」
いまや地元客はもちろん、遠方からの取り寄せ依頼も多い。
それが橘さんにとっては、なによりもうれしいそうです。
家族4人で営む小さな店なのに、4つある糠床の樽はフル回転。
「10日で1樽は使いきってしまうかな」
ちなみにピリ辛味は橘さん考案のオリジナル。
お酒好き常連客のリクエストで誕生したそうですが
あいにく橘さん自身は下戸なんだとか
「それはもったいない(笑)」という飛田さんの声が聞こえてきそうです。

『たちばな』(福岡県/北九州市)のぬかだき

●お取り寄せデータ

住所:福岡県北九州市小倉北区魚町4-1-15 旦過市場

電話&FAX:093-521-2176

営業時間:10:00~18:00頃 不定休

Webサイト:http://tanga-nukadaki.com

※ぬかだきは通常の味付けと辛口の2種類。

※初めてならいわし2尾、サバ2尾の詰め合わせタイプがお薦め。1100円(辛口1180円)。賞味期限は真空パックで冷蔵1か月、冷凍2か月。

●便利な常備菜「蕗味噌」 蕗味噌&バターでとびっきりのパスタを。

飛田さんにとって春ならではの常備菜といえば蕗味噌。
「いまでも母がつくって送ってくれるからありがたいの」
ただ、雪深い北信州から届けられるので
飛田さんが住む三浦半島よりかなり時期的には遅め。
だいたいGW頃の「お楽しみ」になるそうです。
それが待ちきれなくて、自分でもついつくってしまう。
「だってね、本当にあっというまに食べてしまうから」
そう飛田さんがいうお母さん譲りの蕗味噌はちょい甘め。
油でさっと炒めるので、ほろ苦さも適度でとても食べやすい。
そのままお酒と一緒につまんでもいいし
おむすびの具にしたり、かまぼこに載せたりと大活躍。
「なかでもお薦めが、このパスタ」
つくりかたは蕗味噌さえあれば本当に簡単。
バターで蕗味噌を軽く炒め、そこに茹でたパスタをあえるだけ。
おいしくつくるコツはたったひとつ。
「それはバターをケチらずたっぷりつかうこと」
蕗味噌とバター? と思ってもぜひ試してみて。
これがもう驚くほどおいしい!
たくさん蕗味噌をつくっても、すぐになくなりそう。
フキノトウを見かけるとつい買ってしまう飛田さんの気持ちがよくわかります。

蕗味噌

●つくりかた

フキノトウをきれいに洗って細かく刻む。

1を水に放ち10分ほどおいてあく抜きをする。

2を油で炒めてしんなりしたら砂糖を入れる。

さらに水分を飛ばすように炒め、味噌を加えてなじませる。

最後に香り付けの胡麻油をひとたらし。

※蕗味噌は瓶に入れて1週間ほど冷蔵保存ができる。

※砂糖の量は使う味噌の甘みに応じて増減する。

●簡単おつまみ「春野菜の卵とじ」 ふわとろの卵とじで春の味覚を楽しんで。

春に発売される雑誌向けに、なぜか仕事依頼が多いのが卵料理。
「なぜかしらね、色が春っぽいからかしら」
首をひねる飛田さんですが
「でもたしかに卵は春になるとおいしくなるらしいのよ」
いつも買い出しに行く養鶏所のお母さんからそう聞いたとか。
冬の間にしっかり太った鶏が、春先は元気になるからだそうです。
そもそも飛田さんは卵料理が大好き。
レパートリーがどんどん増えているなかでも
卵とじは特にお気に入りで、おつまみに困ったときは
「なんでもとじてしまえばなんとかなるの」
特に春野菜は彩りも美しい定番の一品。
ただしふんわり柔らかく仕上げるにはタイミングが大事。
まだもう少し? と思う半熟状態で火をとめること。
すると余熱で固まってちょうどいいふんわり加減になるはず。
割りほぐした卵をボウルに少し残しておいて
最後にそれを流してから火をとめてもいいそうです。
新キャベツにワカメやヒジキ
春の味覚をあれこれとじておいしく召し上がれ。

春野菜の卵とじ

●つくりかた

菜の花は筋をとり食べやすい大きさに切る。

スナップエンドウは筋をとる。

アスパラは固い部分の皮をむき食べやすい大きさに切る。

グリーンピースは鞘から取り出す。

塩少々を入れた湯で1~4を下ゆでする。

5を冷水に入れて色止めしたらザルにあげる。

6を塩、薄口醤油を加えた出汁でさっと煮る。

割りほぐした卵を入れてとろとろになったら火を止める。

●きょうの和酒 宝焼酎「純」35度
レモンサワーをよりおいしくするロングセラー。
(写真は広島県産瀬戸田ハート型レモンを添えて)

いま密かにブームになっているレモンサワー。
そこでイエノミでのおいしいつくり方をご紹介しましょう。

 大き目のグラスを冷やしてからたっぷりの氷を入れる。

 甲類焼酎適量(グラス1/4が目安)を1に入れてマドラーでよくかきまぜる。

 炭酸水を氷に当てないようにグラス肌からそっと注ぐ。

 絞るためのレモンは両端を切り落としてから8等分する(スマイルカット)

 4をぎゅっぎゅっと皮からオイルが出るまで絞る。

 マドラーで底から軽くひと回ししてできあがり!

コツはグラスと焼酎をしっかり冷やすことと、最後にあまりかきまぜないこと。
しゅわっとした炭酸の刺激がより爽快に楽しめるはず。
またできれば、宝焼酎「純」35度を使ってみて。
これが本当にレモンサワーにベストマッチ。
明らかにおいしさがぐんとアップしますよ。
宝焼酎「純」は1977年に発売されて爆発的なヒット商品となり
いまでも熱いファンを多数持つ超ロングセラー。
11種類の樽貯蔵熟成酒を13%の黄金比率でブレンドした
まろやかで口当たりの良い味わいが特徴です。
レモンや炭酸水と一緒にお買い求めいただき
ぜひおウチで最高においしいレモンサワーを楽しんでくださいね。

宝焼酎「純」35度 720ml

○問合せ先/宝酒造株式会社

お客様相談室

TEL 075-241-5111(平日9:00~17:00)

http://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/jun/

profile

KAZUWO HIDA
飛田和緒

1964年東京生まれ。8年前からレーシングドライバーの夫、娘の花之子ちゃん、愛猫のクロと南葉山で暮らす。東京時代の便利な生活から一変し、早起きが習慣に。ご主人が仕事で留守がちなため、仕事はもちろん、買い出しやお弁当作りにと忙しい日々を過ごしている。毎日の食卓で楽しめる普段着の料理が得意。高校3年間を長野で暮らした経験もあり。

2014年度に出会った、 これからの「ものづくり」12

“ものづくり”の最前線を追う。

2014年。『貝印×コロカル これからの「つくる」』は、
日本全国のサービス・プロジェクト・ユニット・もの・場所などの
「つくる」にフォーカスを当てて、
22か所の取材テーマで取材を行い、全44回の連載となった。
ここで、北海道の植松電機から始まった4年目の旅を振り返ってみたい。
前編は人類の営みの原点である“ものづくり”にまつわる記事ををまとめた。

1 どうせ無理だと思わなければ、宇宙開発だってできる。「植松電機」

「植松電機」のロケット

前編 https://colocal.jp/topics/think-japan/tsukuru/20140422_31887.html
後編 https://colocal.jp/topics/think-japan/tsukuru/20140429_32185.html

父親が営んでいた車のモーターを修理する仕事からスタートし、

ロケットを自分たちの手でつくって、打ち上げ運用までできるようになった「植松電機」。
いつまでも宇宙に夢とロマンを馳せる心。

その心がロケットを飛ばすし、人工衛星も実現させる。

ものづくりを進化させるのは、いつも理想を高く持っているひとなのだ。
また、植松 努専務の教育論にも注目。
“どうせ無理だと思わなければ、宇宙開発だってできる”という言葉に、
取材陣も感銘を受けたようだった。

2 気鋭のジュエリーデザイナーが語るものづくり。「SIRI SIRI」

「SIRI SIRI」のジュエリー

前編 https://colocal.jp/topics/think-japan/tsukuru/20140520_32968.html
後編 https://colocal.jp/topics/think-japan/tsukuru/20140527_33137.html

既存の金属や宝石など、
常識的なジュエリーの素材から脱却したものづくりが特徴のSIRI SIRI。
江戸切子や竹を使ったジュエリーはファッション誌の常連。とても美しい。

デザイナーの岡本菜穂さんは、
「いまのほうが技術的には進んでいるはずなのに、
手でしかつくれない時代のものでしか
表現できないものが結構あります。

ありもののパーツなんかも売っていないので、

すべて自分たちの手でつくり出さなければなりません。

きちんとつくられているものは、とても美しいです」
と語っていた。

3 買う人もつくる人もハッピーに。
アフリカメイドのエシカルファッション。
「TEGE UNITED ARROWS」

エシカルファッションの作業中の女性

前編 https://colocal.jp/topics/think-japan/tsukuru/20140617_33738.html
後編 https://colocal.jp/topics/think-japan/tsukuru/20140624_33902.html

セレクトショップ・ユナイテッドアローズから
2014 S/Sのニューブランドとして
デビューした
「TEGE(テゲ)UNITED ARROWS」。
アフリカ各国やハイチ、パレスチナなどの女性の手仕事にフォーカスし、

世界のトップファッションデザイナーとともにものづくりを行う
エシカル・ファッション・イニシアティブと組んでスタートしたブランドだ。
アフリカのすばらしい手仕事を活かして、
援助という一時のものではなく、継続的なものづくりの仕事を一緒につくっている。
女性の雇用を創出し、社会進出などをうながすことも目的のひとつであり、
昨今ではTEGEに限らず多くのファッションブランドが取り入れている、注目の取り組みだ。

4 “使い捨ての器”のイノベーション。
「WASARA」

WASARAの皿とカトラリー

前編 https://colocal.jp/topics/think-japan/tsukuru/20140701_34205.html
後編 https://colocal.jp/topics/think-japan/tsukuru/20140708_34403.html

日本ならではの感性から生まれた紙の器、「WASARA」。

その製品哲学には、古来より自然と共存することで育まれてきた

日本の精神、技巧、そして美意識が込められている。
WASARAのクリエイティブディレクターの緒方慎一郎さん(SIMPLICITY代表)は
WASARAのほかにもプロダクトブランドを手がけ、

みずから和菓子店や和食料理店を経営している。

食を通して日本の文化を広めたいという思いがあるのだ。
「文化というのは食ありき。
私たちの生活の根源は、
“生きていくために食べること”だと思います」
と緒方さんは話をしてくれた。

瀬戸内のソファ屋さんが 主催する写真コンテスト テーマは「ソファと本のある愉しみ」

瀬戸内海というのは、言い方は悪いかもしれないけど、
どこも似たりよったりのところがある。
その風景は「多島美」とよく形容されるように、小さな島がやたら多いのだ。
海が穏やかで、沿岸の砂や岩がほんのり黄色がかっていて、
さらにぽつぽつと島があればヒントとしては十分、
「ああ、瀬戸内海なのね」と。
だから、福山市にある松永の海を初めて見たときは、一瞬、目を奪われた。
おびただしい数の材木を浮かべた貯木場のある港の光景、
それはまさしく東京湾の木場のそれだった。
と、同時に心までもわしづかみにされた。ぼくはその光景を前にして、
『鬼平犯科帳』の火付盗賊改方の面々が闊歩する
江戸の面影を強く感じていたのである。
以来、ぼくにとって松永は尾道市街への通り道ではなくなった。
とにかく粋なところなんだよ、松永ってぇのはよっ!

最近は製材所の数もめっきり少なくなって材木の数も少ないと地元の人たちは言うが、それでも貯木場の光景には江戸情緒というか、ぐっと惹かれるものがある。

古くは塩田の町であり、近年は下駄の産地として広く知られる。
といっても伝統的な桐の下駄ではなく、
輸入木材を使い生産工程を機械化したことで
国内随一の生産量を誇るようになった。
ピークを迎えた昭和30年には
年間5600万足もの下駄を世に送り出していたというから、
当時の松永湾は日本中から集められた木材で埋め尽くされていたに違いない。
さて、原料となる木材が豊富にあることに加えて行政のサポートもあり、
松永では木工加工の技術が発展を遂げる
(1953年に広島県立木履指導所設立。後に県立工芸試験場に改称)。
生活スタイルの変化によって下駄の産業は徐々に衰退し、
現在ではほとんど作られなくなってしまったものの、
しかし、木工の高い技術はしっかりと現在に受け継がれていく。
松永湾に面し、かつては広大な塩田があった柳津町に本社を構える
ソファ製造業の「心石工芸」。
1969年創業のこの会社は、松永が培ってきた木工技術を受け継ぐ
正統的な地場のメーカーといえる。
なにせ、現社長・心石拓男さんのおじいさんは下駄の仕事をしていたといい、
同社創業者であるお父さんの心石務睦さんは
特注家具を製造する木工所に勤めていたというのだから。

ソファの製造工程によって工房が分かれている。写真は縫製を担当する工房。巨大な裁断機がどんと置かれ、スタッフがミシンで縫製する光景は被服を扱う縫製工場と変わらないが、ミシンが縫っているのはとんでもなく厚い革だったりする。

各部門に必ず結構なベテランと思われる職人さんがいる。こちらはフレームの木工部門を担当している宮田住雄さん、67歳。創業の翌年にあたる1970年に入社したという超ベテランの職人さんだ。

革やファブリックをフレームに張る「張り場」と呼ばれる工房にて。ベテランになると、革を少し撫でるだけでウレタンに革が馴染むのだという。ソファ製造の奥の深いこと!

タンニンなめしというなめし加工をした革を使ったソファは心石工芸の十八番。業界で「ソファへの使用は困難」とされていた常識を覆した。経年の色味の変化が楽しめる味わい深い革だ。

ローカルというのはなめちゃいけないところがあって、
唐突に、世界が驚くような恐ろしいまでの高い技術をもった人や会社があったりする。
「心石工芸」がまさにそれで、この会社の製品がいかにスゴいかを書いても
十分読み応えのある記事ができそうなのであるが、
今回ここで紹介するのは同社が主催している写真のコンテストである。
2013年に第1回が開催されており、この春から第2回の公募が始まる。
これがローカルのレベルとは思えない、結構なスケールのコンテストになっている。
入賞者に賞品があるのはもちろん、受賞作を掲載した冊子も制作。
受賞者を招いての盛大な受賞パーティまですでに企画されているらしい。
心石社長にストレートに聞いてみた。
そもそもなぜに地方のソファのメーカーが写真のコンテストを?
「わたしたちは基本OEMメーカー(委託者のブランドの生産を担当する業者)なので、
普段接しているのは販売店の方たちが圧倒的に多いんです。
したがって、お客さんが家でソファをどのように使っているかを見るチャンスが
ほとんどないんですね。だったら、写真で公募すれば見ることができるのでは
というのでフォトコンテストを企画しました」
第1回のテーマは『ソファと家族』。ソファの上ではしゃぐ子どもたち、
楽しげにウクレレを奏でるお父さん、赤ちゃんのおむつを換えているお母さん、
赤ちゃんを膝の上に載せたままうたたねする若いお父さん、
ラフな下着姿でただお酒を飲んでいるお父さん、などなど。
全国から送られてきた写真には、ソファのあるさまざまな家族の日常があった。
……なるほど。
「どんな使われ方をしているかを知るのは、
ソファの商品開発にもすごく大切なんです。
それともうひとつ。お客さんがなにを買っているのかを深く考えたら、
お客さんは単にソファを買っているのではなくて、
ソファのある時間を買っているのではないかと。
であれば、ソファのある空間でどう暮らしているかを見てもらうことが、
効果的な広告になるのではと考えました。
作品を掲載した冊子を制作しているのはそのためなんですね」

第1回のコンテストで最優秀賞に輝いた作品『ソファが縮めるムスメとの距離』。ソファの深い緑の色合いがなんとも心地いい。このソファがあることによって、お母さんと子供の親密な距離感がより伝わってくる。

優秀賞の『我が家のヒエラルキー』は家族の素の感じが最高! 猫の重みだけでくたっとしたソファも素敵。すべてにおいて親近感のある写真だ。

まつどやさしい暮らしラボ

松戸市民とコロカルがコラボレーション!

小雨降り、特に冷え込む日となった2月7日。松戸市役所にて男女10名の市民が集まった。
彼らは「まつどやさしい暮らしラボ」の市民ライター。
松戸が誇れるひと・モノ・こと、おいしい場所、イベントなど、
あらゆる情報を取材し、発信している“特命記者”だ。
ラボという名の通り、松戸を研究し、「やさしい暮らし」について考えるという
ユニークな試み。2014年の秋から本格始動し、
松戸にまつわるモノ・ひと・ことを取材や撮影、記事にして、
「まつどやさしい暮らしラボ」のサイト内で発信している。

20代〜70代と年代も違えば、バックグラウンドも経験もそれぞれ違うけれど、
自分の住んでいるまちを心から愛する、やさしいメンバーだ。

きっかけは「まつどやさしい暮らしラボ」から、
コロカルに一件の依頼があったことにある。
『ウェブライティングとカメラ撮影のコツを教えてください!』
編集部一同びっくりしつつも、なんともありがたい依頼!
いいですね! ぜひやりましょう! とふたつ返事で決まった今回の企画。
「コロカルニュース」を中心に、数多くの
(なんとコロカルだけで1000本近くの!)記事を手がけている
ライター・斎藤あきこと、
連載「美味しいアルバム」など、
料理写真や地域住民の笑顔と魅力あふれる人物写真に定評がある、
カメラマンの津留崎徹花が講師役を拝命。
かくして、「コロカル編集部による、ウェブライティング&カメラ講座」のはじまりはじまり。

マイホーム

銀行から融資を見送られ、備前の古民家暮らしをあきらめたのが前々回の話。
常識的に考えて、1000万円の融資も受けられないのであれば、
普通はマイホームの購入自体をあきらめると思う。元来が淡白な性格で、
モノに対しては周囲が驚くほど執着のないぼくの場合はなおさらのこと。
しかし一方で、周囲があきれるほどのポジティブさももちあわせている。
「800万円あたりなら大丈夫なのでは?」
そして見つけたのである。深夜のネットで、まさしく800万円の物件。
場所は浅口市鴨方町。倉敷市の西に隣接する人口約1万8千人の町。
岡山のなかにあってもかなり地味なところなんだけど、
この半年で身につけたぼくの嗅覚が
その物件の放つオーラのようなものをかぎつけたのだった。
早速、不動産屋さんに電話を入れて、週末に見学の予約をした。
しかし、慎重には慎重を期すべし。
「物件を見て舞い上がって即決しないこと」と最近読んだ本に書いてあったし。
不動産屋さんには本のアドバイスにあった通り、
たとえ気に入ったにしてもすぐには決められないと伝えていた。
そんなことをわざわざ伝えなくてもいいことなんだけど、
たまたまそのときは「初めて物件を見るような素人じゃないんですよ」的な
見栄を張りたい気分だったのだ。そして見学日当日。
物件を見た帰りに立ち寄った不動産事務所。線の細い女性担当のMさんが
ぼくに感想を求めた。
「あ、あれ、買います、買うことにします」
絶対やっちゃいけないと本にあった「即決」をしたのだった。
そこはまさに『となりのトトロ』の世界だった。
のどかな村の小高い丘の上に築50年の母屋と蔵があり、
さらには客間として充分に使える古民家の離れまであった。
東側には地続きにぽつぽつと柿の木を植えた広大な畑、
そして家の北側には雑木林が控えている。
家と畑がそれぞれ300坪、裏の山林が400坪で敷地はしめて約1000坪。
ぼくが見ていたのは、『となりのトトロ』のさつきとメイのように、
裏山や野原のような畑でチコリとツツがはしゃぎまわる光景だった。
幼い子どもをもつ親として望むべくもない環境。
これを買わずして、オレ、なにを買うのだ?

わくわくサンゴ石垣島(1)

珊瑚礁は青なのか、白なのか問題。

3月5日はサンゴの日だそうです。
サンゴ……。

昨年秋、連日ニュースで報じられた
中国漁船による小笠原沖での大規模なサンゴ密漁。
200隻以上の漁船が並ぶ光景を見ると
心穏やかではいられなかったのではないでしょうか。

小笠原沖はどうやら落ち着いたようですが
現在、紛糾しているのが、普天間基地移転に伴う
名護市辺野古の米軍基地建設問題。

基地建設に反対する県知事が当選したにもかかわらず
政府は強引に大浦湾のボーリング調査を押し進め
県、基地建設反対派、自然保護派の住民と激しく揉めています。

小笠原と沖縄。
美しい南の島に緊張が走っていますが
どちらも社会問題の最前線に立っているのはサンゴです。

サンゴ……。

石のように固くて、植物のような形状でも
サンゴは動物……くらいは知っていても
どんな生き物なのか、あまり考えたことがありません。

そこで「UOCOLO シーズン2」のスタートは、
このサンゴを取り上げようと
日本を代表するサンゴ礁生態系スポットである
石垣島に向かいました。

八重山諸島の石垣島と西表島の間にある広大なサンゴ礁域は石西礁湖(せきせいしょうこ)と呼ばれ、わが国最大にして、サンゴの種類にも富んだ海域。

さて、南の島で見かけるサンゴと
宝石の材料になるサンゴでは種類が違うのはご存知の通り。

ざっくりいうと、宝石になるのは
水深100〜1000mと深い海に棲息する八放サンゴ。
一方、40mより浅い海に棲息して
珊瑚礁を形成する造礁サンゴは六放サンゴです。

造礁サンゴは1300ほどの種類がありますが
琉球列島には約400種が棲息しているそうで
これはグレートバリアリーフを上回るというからすごい。

今回取り上げるのは、この造礁サンゴ(以下、サンゴ)です。

淡路はたらくカタチ研究島 後編

淡路島はたらくカタチ研究島 前編はこちら

地域と商品の魅力をデザインする。彼らはどんなパッケージ・商品をつくったのか?

淡路島の雇用創出をサポートする、淡路はたらくカタチ研究島。
厚生労働省の委託を受け、淡路地域雇用創造推進協議会が手がけており、
さまざまなバックグラウンドを持つ島民や移住希望者に対して、
淡路島でどんな仕事をつくり、どうライフスタイルを構築するかを、
ワークショップや講義を通じて学ぶ機会をつくっている。
そして、2013年からは、島民が主体となって「仕事をうみだす」ということを目的に、
研究島の事務局員と提案者、専門家、デザイナーがタッグを組んで、
商品の企画・開発・試験販売までを行っている。
後編では2年目となる2014年に開発された商品の全貌をお伝えする。

商品を開発するうえで大切にしていることは、
デザイナーを企画段階から巻き込むということだった。
デザイナーは淡路島在住デザイナーや、近県のデザイナーなど、
研究島のスーパーバイザー・服部滋樹さんや江副直樹さんと
つながりのあるデザイナーも多く参画した。
どの商品も、商品の持つ魅力や物語をそのまま伝えられるよう、
パッケージデザインにこだわったが、
表面的なデザインではなくしっかりと商品の背景を知ってつくったことが伺える。

前回お伝えした、鶏糞や菜種かすなどを肥料にした「島の土」は、
関西を中心に活躍するデザイナーの原田祐馬さん(UMA Design Farm)が担当した。
「コンセプトをつくる打ち合わせから原田さんに入っていただき、
ネーミングや、ブランディングに関してもアドバイスをいただきながら
開発しました」と話すのは、
淡路はたらくカタチ研究島の実践支援員・大村明子さん。
できあがったのは、非常にコンパクトでシンプル、素朴なデザイン。
500g入りの家庭菜園用と、主に島内の農家向けの15kg入りのパッケージができた。
500gの方には鶏糞を発酵させた肥料で農作物に栄養を与え、
その農作物をエサに鶏が育つという、
商品提案者・北坂養鶏場の北坂 勝さんが望む
「島の循環」の説明をイラストで入れた。
さらに、洲本市で菜種油をつくる生産者も「島の土」プロジェクトに参画し、
搾りかすを利用した肥料を製造。同時開発と相成った。

日本蜜蜂のはちみつをつくっていた淡路島日本蜜蜂研究会は、
淡路島在住のデザイナー森 知宏さん(森のいえ)とタッグを組んだ。
森さんは、昨年度に同事業で開発された
「かおりのまちのかおり」という線香の販売者でもある。
春のみつと秋のみつの違いが色でわかるパッケージは、
ごくシンプルに文字情報を少なくし、採取した年と季節のシールを蓋に貼った
(写真左の濃い色が秋のはちみつ、右の淡い色が春のはちみつ)。
「日本蜜蜂は多種多様な樹々からみつを集めるという性質があるので、
毎年・毎季同じ味にならないという変化を楽しんでもらえれば」
と淡路はたらくカタチ研究島の実践支援員の藤澤晶子さん。
春のスッキリとキレのいい甘さもいいけれど、
秋のまったりと濃厚でひとさじごとに印象が違うような複雑な味わいもよい。
日本蜜蜂たちがそれぞれ集めた樹々のみつが折り重なって
味わい深いものになっていくのだと感じられる。
今後は販売先の選定や少ないながらも安定した製造といった課題に挑む。

淡路島のギフトセット「GOTZO(ゴッツォ)」は、その内容でずいぶんと悩み、
試作とフィードバックを繰り返していたが、
なのはな油、ローズマリーとタイムのドライハーブ、淡路島産海塩、
日本蜂蜜のはちみつを使ったマリネビネガーのコンパクトなセットに決定した。
神戸を中心に活動する近藤 聡さん(明後日デザイン制作所)
がデザインをした箔押しの箱も、
ギフトセットという用途にふさわしい高級感・スペシャル感が出ている。
淡路島の素材をおいしく食べるというテーマで厳選された調味料たちは、
手作業で丹念につくられたものばかり。
淡路島の質の高い食材を更にレベルアップさせてくれる名脇役の集まりだ。
塩は、淡路の海水を丹念に釜炊きした海塩。
野菜や魚などを漬けて楽しみたいはちみつビネガーは、
洲本市のフレンチレストランのシェフ成瀬孝一さんの監修のもと製造。
淡路島のハーブ園育ちのローズマリーとタイムは、塩との相性も抜群で、
肉や魚のグリルに最適。
なのはな油は、油を搾り取った残りかすを「島の土」でも使用し、
島の循環のかたちを見せた。
淡路島で活躍する料理家のどいちなつさんのレシピ集もついていて、
すぐに試したくなる優れもの。料理のレパートリーが一気に広がりそうなセットだ。

祝・北陸新幹線開通! コロカルおすすめの北陸旅 の巻

北陸のおすすめスポットを紹介するでござる!

にんにん! コロカルくんでござる。
いよいよ2015年3月14日に北陸新幹線が開通するでござるね!
石川、富山が更に近くなり、福井もアクセスが良くなるでござるよ!
今回は、今までコロカルでお届けしてきた北陸の情報を厳選してご紹介。
北陸旅行の参考にしてほしいでござる〜

■石川県 和倉温泉「多田屋」6代目 多田健太郎さん

加賀温泉に代表される温泉どころ石川。
話題の和倉温泉「多田屋」を取材したでござる。
日頃の疲れを温泉で…… たまらないでござるな!
和倉温泉は七尾市ということで、アクセスは空の便(能登空港)も近いでござる!
新幹線開通で、ますます便利になったでござるな〜

北陸3県の魅力的なおみやげがいっぱい。メイドイン北陸だけ! 金沢のセレクトショップ[g]ift(ギフト)

輪島塗や九谷焼など、伝統工芸品が多い石川で、
魅力的なショップを発見したでござる!
北陸3県のお土産が一同に会するということで、
お土産には困らないでござるね! センスのいいセレクトにも注目でござる!

今日のおやつ:福を呼び寄せる猫もなか!開けるとさらに縁起良しの石川県・山海堂「福招き」

石川のおやつをご紹介するでござる。
もなか菓子が有名な石川の加賀山代温泉で、こんなかわいい猫もなかが!
山海堂の「福招き」は、貰った人の笑顔が目に浮かぶナイスお土産でござる〜
中をあけてみると、有平糖でできた千代結、干菓子の松葉、金平糖がちょこん♡
愛らしさだけじゃない、実力派のおやつでござる〜

■富山県 おでかけコロカル富山編

おでかけコロカルの富山編では、富山の今ホットな食やスポット、
アクティビティをご紹介しているでござる。
旅行前に行きたい場所をまずチェックしておくといいでござるな!
石川・能登方面へ出かける人は、おでかけコロカル能登編もチェックでござる!

美味しいアルバム 富山・魚津港

美味しそうなエビとかにに、コロカルくんもよだれ出ちゃうでござる!
食の宝庫・北陸では漁港も巡ってみたいでござるね〜
都心では出会えない食材に会えるかもでござる!
競りの見学はできないことも多いので、
事前に問い合わせることをおすすめするでござるよ!

■福井県 たびのみ散歩 坂井・海女小屋

福井県坂井市の「海女小屋」さんは新鮮な魚料理が自慢の、
地元の人から愛されるお店でござる!
海女さんの店長のお母さんが採ってくれるサザエやアワビは新鮮そのもの!
コロカルくんも日本海の幸をたらふく食べたいでござる〜!

貝印×コロカル これからの「つくる」 関西から福井県に移住してきた20代による デザイン+ものづくりユニット「TSUGI」

福井と言えば食とものづくりのまち!
若手のデザイン+ものづくりユニット「TSUGI」を取材したでござる。
鯖江で生産されるメガネ素材(アセテート生地)で作ったピアス「sur」(サー)は
TSUGIのオリジナル商品。
他県にないオンリーワンのお買い物ができそうでござる!

いかがでござるか?
春の訪れとともに、北陸3県のおでかけに行ってみてはいかがでござるか?
美味しいもの、伝統と歴史、あたたかい人々の出会いがたくさんあるでござるよ!
石川・富山・福井にいいスポットがあったらコロカル編集部に教えてほしいでござる〜
それではまたでござる!

〈ショコラティエ オウ・ルージュ〉 静岡のショコラティエが挑む、 伊豆でのカカオ栽培

生まれ育った伊豆で、カカオを栽培したい

熱帯植物であるカカオを、亜熱帯気候の沖縄でも小笠原諸島でもない、
日本の本州での商業栽培に挑戦しようとしているショコラティエがいる。
その人の名は、足立晃一さん。
東海道新幹線の三島駅にほど近い、静岡県駿東郡長泉町にある
ショコラブティック「オウ・ルージュ」のオーナー・ショコラティエだ。

足立さんは、小説「伊豆の踊子」やヒット曲「天城越え」で知られる
旧天城湯ヶ島町(現在の伊豆市湯ヶ島)の出身。
和菓子店に生まれた足立さんが、パティシエを志し
静岡県内のパティスリーで修行に入ったのは、
その理由が思いつかないほど、ごく当たり前のことだった。
その後、駿東郡長泉町にある美術館や文学館、
レストランからなる複合施設「クレマチスの丘」の
シェフ・パティシエを経てショコラティエとして独立。
その理由を尋ねると、
「誰をも魅了し、誰をも幸せにするスイーツは、ショコラしかないでしょう」
と、まるで子どもみたいな満面の笑顔で答える。
天真爛漫な人柄と屈託のない笑顔、そして何より足立さんのつくるショコラに惹かれ、
県内のほか、東京や名古屋からも多くのお客さまが来店する。

ブティックに足を踏み入れて最初に感じるのは、ふわりとしたチョコレートの香り。
ショコラを買いに行ったり、取材のためお邪魔したり。
そんなとき、足立さんが厨房へ入っていく機会を見計らって、
大きく、だけれどそっと、深呼吸を1回。
甘く、ほろ苦いショコラの香りを、体のなかにたっぷりと取り入れる。
はあ、幸せ。

足立さんのショコラは表面の“ポッチ”が目印。その数で、どの国のカカオで作られたショコラか判別できる。

ショーケースのなかには、原産地指定のカカオの個性を
シンプルに引き出したボンボン・オー・ショコラが並ぶ。

オランジェやナッツを使ったチョコレートも。

おすすめは、もちろん、原産地指定のボンボン・オー・ショコラ!
ガーナ産のカカオはまるでバニラのような甘さがあり、
ベネズエラ産のカカオは力強く男性的な味わい。
同じ「カカオ」なのに、生産国が違うだけでこれほどまでに味が異なるとは!
日本産のカカオでつくったら、一体どんな味がするのだろう……。

足立さんが今取り組んでいるのは、国内でのカカオ栽培の実現化に向けた活動だ。
「伊豆の温泉を利用して国産カカオを栽培」プロジェクトは、
2014年1月、経済産業省中小企業庁委託事業であるミラサポが主催する
第1回グッド・ビジネス・アワードの、食「ごはん」ビジネスの部門賞を受賞。
注目を集めるようになった。

店内には、第1回グッド・ビジネス・アワード部門賞受賞の盾が飾られている。

カカオノキは、赤道の南北緯度20度以内で年間の平均気温が27℃以上という、
高温多湿な地域でなければ栽培できない。
主な産地は、西アフリカ、東南アジア、中南米だ。

コートジボワール、インドネシア、ガーナ、ナイジェリア、カメルーンなど、
主要産地の国々の名前から思い浮かぶのは、
太陽の強い日差しと、熱帯特有の濃厚で熱い空気。
四季があり、冬は寒くて雪も降る日本の本州でどうやって栽培するのか……
その謎を解く鍵は「伊豆」の地中、奥深くにあった。

淡路島はたらくカタチ研究島 前編

島の雇用を生みだそう。商品づくりに留まらない“仕組み”づくり

人口14万人ほどの淡路島は、北に神戸、南に徳島という交通の便のよさと、
温泉や海水浴場、別荘地があることから、西のリゾート地としても親しまれている。
これらの観光と、名産であるたまねぎを始めとする農業や、
ちりめん、タコ、ハモなどの漁業が島を支える産業となっている。

そんな淡路島は、ここ数年で移住者が増えていることが話題となっている。
だが、地方での仕事探しは容易ではない。ここでは仕事を生み出すことが大切だ。
そのサポートをしているのが、淡路地域雇用創造推進協議会であり、
「淡路はたらくカタチ研究島」だ。

「淡路はたらくカタチ研究島」は、
厚生労働省の委託事業として、地域の雇用創出を図るプロジェクトである。
淡路島で仕事を探す人や、事業を立ち上げたい人が対象で、
島の豊かな地域資源を活かした家業・生業(なりわい)レベルの起業や
企業の商品開発をサポートするために、ワークショップを含めた18の講座と、
ツアーと商品の開発を行っている。

「淡路はたらくカタチ研究島」のプロジェクトメンバー。左から、魚﨑一郎さん、竹下加奈子さん、やまぐちくにこさん、藤澤晶子さん、大村明子さん、加藤賢一さん、平松克啓さん、松本貴史さん。

スーパーバイザーに、
関西を中心に活動するクリエイティブユニット「graf」の服部滋樹さんと、
「ブンボ株式会社」の江副直樹さんを迎えた。
コロカルでも昨夏取材を行った、建築家の「ヒラマツグミ」平松克啓さんも
アドバイザーとして参画しており、
陶芸家の西村昌晃さんも講座で移住の先輩として、
そして島で仕事をする同志として話をしている。

「graf」の服部滋樹さん(上)と、「ブンボ株式会社」の江副直樹さん(下)。写真提供:淡路地域雇用創造推進協議会

「淡路はたらくカタチ研究島」は、2011年から本格的な事業が始まり、
2013年からはより実践的に、と「淡路島ならではの付加価値商品開発プロジェクト」が始動。
淡路島ならではの価値を見直し、再発見し、商品開発の場をつくる。
そして販売拡大をはかり、より高い付加価値、より高度な実践を定着させ
淡路島での起業を応援するのだ。

2013年は4つの商品を展開し、2014年は6商品が開発された。
4月の公募で集まった19提案のうち6提案を採用し、
協議会で、実践支援員がデザイナーや専門アドバイザーとともに商品を開発する。
約半年間の開発期間でつくられた商品は、翌年1月の試験販売を経て、
そのレシピやノウハウまでを公開する。その上で事業社(者)を募集し、
提案者や開発者以外でも、淡路島内でに事務所のある事業社なら、
だれでも製造・販売できるようになる、というのがこの事業の特長だ。
「単なる商品開発ではなく、人をつなげて仕事や商品をつくる“仕組み”を生み出すのです」
と語るのは、「淡路はたらくカタチ研究島」の統括実践支援員の加藤賢一さん。
今回お送りするのは、2014年度に誕生した商品のうち、3商品にまつわる開発奮闘記だ。

母の遺影

母が脳梗塞で入院したのは2004年の9月末だった。
朝、電話で知らせを受け、すぐに新幹線で岡山に向かった。
入院先の病室に入ると、母はベッドで半身を起こした状態でまっすぐぼくを見た。
久しぶりに会うぼくの顔を見ても喜ぶでも驚くでもなく、
顔にはベニヤ板が張りついたようで表情というものがまるでなかった。
命には別状がなかった。でも、母は右半身に麻痺を負っていた。
言葉も思うように出てこない。
しかしそのときは、「こういうのってリハビリで結構治ったりするんじゃないの?」
とお気楽に考えていて、
まさかその後10年以上にわたって介護生活を送るなんて思いもしなかった。

かなり早い時期から、ぼくは母の介護態勢のなかで重要なポジションにいた。
入院の付き添いからしてそうだった。
月曜日から木曜日の4日間を父が病室に寝泊まりし、
金〜日曜日の3日間をぼくが泊まった。
ほぼ毎週、東京から金曜日の午後に新幹線で岡山に戻り、
月曜の朝に東京に戻る(その3日間は実家に帰ることはまずなく、
ずっと病室で母と過ごした)。
そんな慌ただしい生活を母が退院する12月まで約3か月続けた。
退院後は自宅での介護に切り替わるわけだが、
病院での付き添いがそうだったように、
母の介護態勢について家族で話し合うようなことは一切なく、
ぼくのポジションはそのままなしくずし的に継続となった。
でも、なしくずし的ではあったが、それはぼくが自ら選びとったポジションでもあった。
母は善い人だった。なにより善き母だった。

母は昭和4年、香川県の丸亀市で生まれた。
実家はうちわづくりをして生計をたてていた。
姉がふたりに妹が4人、兄弟も4人いた。総勢11人の兄弟姉妹。
家は相当に貧しかったが、にぎやかだったに違いない。
丸亀の女学校を出て、高松の看護学校を卒業した後、
看護師として自衛隊に入隊した。
いくつかの赴任地を経て、広島県の福山に赴く。そこで隊員の父と知り合った。
知り合ったのは、父が自衛隊を除隊するまさにその日の朝だった。
父は結核治療のため、実家のある倉敷の病院に向かってそのまま入院する予定だった。
同僚の隊員に見送られ乗り込んだバスに夜勤明けの母も偶然乗り込んだ。
そのバスのなかでどんなやりとりがあったかまでは知らない。
除隊していく部下へねぎらいの言葉をかけ、
そこから話が発展して「お茶でも飲んで行く?」と母の方から言ったのかもしれない。
七歳年上の母から見れば二十歳そこそこの父は異性として意識するには幼すぎた。
でも、母にまったくその気がなかったとも断言できない。
というのも、父はとんでもなくハンサムだった(悲しいかな、ぼくは母親似である)。
そのあたりの母の心情はいまとなっては薮のなかなのだが、
いずれにしても父を家に上げた時点で母の運命は決まってしまった。
命運が尽きた、と言い替えることもできる。父は母と違って善の人じゃない。
かといって、純粋に悪というわけでもないのだけれど、とにかく行動が尋常じゃない。
若かりし頃の父をあえて一字で記すなら、「狂」の人だった。

父はその日から母の家に強引に居座り、帰ろうとしなかった。
いったん倉敷の病院に入院はするものの、
病室を抜け出しては福山にいる母の下宿に舞い戻った。
倉敷にいる父の兄や従兄弟が福山まで行って実家に帰るように説得したが、
父は頑として受けつけなかった。
そんな父に対して、母は「好きなようにしたらいい」と言ったという。
ほどなくして籍を入れ、その報告にと父は倉敷の下津井にある実家に母を連れて行った。
当時、家で絶対的な権力をもっていた父の祖母は、ふたりに「帰りなさい」と言った。
正面の玄関からではなく、裏の勝手口から。事実上の勘当のようなものだった。
その当の祖母が亡くなった後は勘当も解かれているはずなのだが
(父の両親は実に穏やかで優しい人たちだった)、
当時受けた仕打ちを父はいまも忘れていないようで、
いまだに本家とはぎくしゃくした関係をつづけている。
ともあれ、母は父と一緒になったせいでしなくていい苦労をいやというほどした。
本家との間の気まずい関係もそのひとつに挙げていいと思う。

夫婦にとって激動の昭和三十年代。
その半ばに待望の第一子である兄が生まれた。父が24歳、母は31歳だった。
そして3年後に次男のぼくが生まれた。ぼくが生まれた当時、父は無職だった。
数か月前まで福山の建設会社に勤務していたが、
労働争議に巻き込まれて解雇されていた。
しかし、ぼくが生まれても家事を手伝うでもなく、
朝から家を出ては映画ばかり見ていた。
幼い子供たちの世話に追われる母のもとには、
4人いる妹のひとりが泊まりこみで手伝いに来ていた。
そしてぼくが1歳にもならないとき、一家は丸亀に移り住む。
住んでいたのは精肉店の2階で、
いつもコロッケを揚げる油の匂いがたちこめていたらしい。
丸亀には約2年いた。
それから、従兄弟の口利きで父が倉敷のバス会社で運転手の職を得て、倉敷の児島に移った。
丸亀から児島を結ぶフェリーを一家4人で降り立ったときの写真がある。
3歳になるかならないかのぼくが兄と一緒に笑っている。父と母も笑っている。
家族みんなが新しい生活に胸を躍らせていた。

児島での二十年間、母はぼくと兄を育てるためにすべてを捧げた。
趣味らしい趣味はもたなかったし、洋服や宝飾品にお金を遣うこともなかった。
旅行にも一切行っていない。
日々の家事をこなすだけでなく、
看護師として毎日ひたすら働いて一家の生計の柱となり、
貧しいなりにぼくら兄弟にはなにひとつ不自由な思いをさせなかった。
勉強しなさいなんてただの一度も言われたことがない。
ぼくの思い出しうるかぎり、なにかを禁止したり、
強制するようなことも一切なかった。甘いといえば甘かった。
原付免許をもっていることがバレて高校から呼び出されたときも
「そんなことでなあ」と笑っていたし、
ぼくが「しばらく旅に出ます」と書き置きして、
家のお金を持ち出して家出したときも、
翌日しらっとした顔で帰って来たら「お帰り、カレーあるけど食べる?」と
なにごともなかったように家に入れてくれた。
堅実で保守的ではあったけど、リベラルな面をもちあわせていた。
なにより、明るかった。
こうした母の性格には丸亀の家庭環境と温暖な気候が関係しているとぼくは思っている。

そんな母がぼくに一度だけ頼みごとをしたことがある。
小学校の教員をしている兄が
大腸の病気で数年にわたって入退院を繰り返していた頃のことで、
ぼくが正月休みに帰省していたときだ。
やせ細った兄を見舞った後、
母はぼくの目の前でぼろぼろ涙をこぼしながら一言、「帰ってきてや」と言った。
ぼくはなにも言えなかった。母もそれ以上なにも言わなかった。

昨年の秋になって、母は施設から病院に移されていた。
母の喉は切開され、そこに円柱のプラスチックの呼吸器がとりつけられていた。
両の底の部分から苦しげな呼吸音が漏れる。
喉を切開しているから声は一切出ない。
不規則に空気の漏れるヒューヒューという音が聞こえるだけである。
父もタカコさんも、母の病室に行くといつも目を閉じて眠っていると言う。
目を開けてもどこを見ているかわからないと言う。
でも、ぼくがひとりで病室に入っていくと、
うつろではあるが目を開けてまっすぐぼくを見た。
ぼくにはわかっていた。母がぼくに言いたかったことはひとつだけだ。
早く逝かせてほしい、と。
でも、その願いにもぼくは応えることができなかった。

2014年12月22日午後2時18分、
入院先の病院で母は亡くなった。享年85歳だった。

母にとってこの十年は苦しいことばかりだった。
いっそのこと、脳梗塞を起こしたあの日に亡くなっていたら
母はどんなに楽だったかと何度思ったかしれない。
この十年は母になんの意味があったのか。
でも、父にしてみれば、この十年があってはじめて善き夫になれた。
母はそのチャンスを父に与えた。そしてぼくには家族を与えてくれた。
母は最後まで自分を犠牲にして、父とぼくをまっとうな道に引き上げてくれた。

2004年に母が入院していた当時のこと。
東京から毎週末に帰って来ていたぼくは、
月曜日の朝に病院を出て児島駅を発車する瀬戸大橋線の電車に乗って岡山に向かった。
列車がホームを出てほどなくして、母の入院している病院の前を通過すると、
きまって父と母がふたり並んで病室の窓から手を振っていた。
電車は相応に混んでいるし距離もあるので、父と母にぼくの姿は見えていない。
にもかかわらず、
あたかもぼくが見えているかのように電車が見えなくなるまでずっと手を振っていた。
ふたりのその姿をはじめて見たときからぼくにはわかっていた。
母が亡くなって、思い出すのはあのときの姿だと。

遺影には5年前に父と一緒に家の前で撮った写真を使った。
数年ぶりに写真を見た。記憶していたよりも、母はずっと笑顔だった。

※著者・赤星 豊さんご尊母のご訃報に接し、コロカル編集部一同、謹んで哀悼の意を表します。

2014年 コロカル人気記事ランキング! の巻

2014年の人気記事をおさらいするでござる!

にんにん! コロカルくんでござる!
コロカルもこの1月で4年目に突入するでござる。
2015年もよろしくおねがいするでござる!
さてさて、2014年はどんな記事が人気だったでござるかな?
アクセスランキングトップの、あの人気記事をもう一度おさらいでござる!

第1位 CMで話題!島根&鳥取を結ぶ、急勾配の
スキージャンプ台のような「江島大橋」

次はコロカルニュースからランクイン。
島根県松江市と鳥取県境港市を結ぶ「江島大橋」の話題でござる。
全長1.7kmという長い長い橋で、6.1%という急勾配!
そびえ立つ坂のような姿は、まるでスキージャンプ台のようでござるね。
CMではアクセルを踏みっぱなしにしなければならない
「ベタ踏み坂」と呼ばれていたでござるよ。
現地には記念写真に訪れる人も多いのだとか。
近くに寄った際には行ってみたいでござるね!

第2位 秋田ゼロダテ アートセンターにカワイすぎる
「会いにいける秋田犬」登場!名前はののちゃん

第参位には人気者の秋田犬「ののちゃん」の初登場記事でござる!
NPO「ゼロダテ」で働き、
「大館・北秋田芸術祭2014」の広報戦略室室長を務めていたののちゃん。
その人気のあまり、コロカルでも連載をするようになったのでござるね。
子犬のののちゃんはフワフワで表情豊かでかわいいでござるな!
TwitterやFacebookでもたくさん拡散されていたでござるよ!

第3位 あなたの出身地、ズバリ当てます!
女子大生が作った「出身地鑑定方言チャート」

東京都・杉並区の閑静な住宅街にある東京女子大学。
ここで、学生たちが開発している
簡単な質問に答えるだけで出身都道府県がわかってしまう
出身地鑑定方言チャート」がWebサイトで公開され、
コロカルニュースでもとても話題になったでござる。
堂々のアクセスランキング第四位でござる!
みなさんも試してみてはいかがでござるか?

第4位 皆さんのお家のお雑煮は何式?伝承料理研究家
が作った、日本全国お雑煮分布図。

みなさん、お正月の定番料理「お雑煮」は食べたでござるか?
餅は四角いのか丸いのか、焼くのか煮るのか、
醤油味なのか味噌味なのか、地域によってレシピが違うので、
それぞれのお国柄が出て楽しいでござるね!
2014年の1月に出たこの記事も、
いいね!数は貫禄の1万越え!
料理研究家・後藤しおりさんに郷土食のレシピを教わる
日本列島カンタン郷土食」でも、
次回、お雑煮をフィーチャーするでござるよ!
近日中に公開予定でござる。
お楽しみに〜でござる!

みなさんが読んだ記事はランクインしていたでござるか?
これからもコロカルは、楽しくてためになる記事をお届けしていくでござるよ!
今年もコロカルをどうぞよろしくお願いするでござる〜!

きょうのイエノミ 旅するイエノミ 日本酒と、大阪のフグ鍋

仕事を終えたご褒美はおいしいお酒とおつまみ。
リラックスしたいなら、きょうはイエノミにしませんか。
神奈川県・横須賀市在住の料理研究家・飛田和緒さんに教わった、
手軽で簡単、しかもちょっとした旅気分が味わえる
日本各地のおいしいものと三浦半島の旬の食材を使った、
和酒に合うおつまみを季節感たっぷりにご紹介していきます。

暖冬と聞いていたのに、この寒さはどうしたことか。
バタバタと忙しい日々が続きますが
なんとか寒波に負けず、暖かく過ごしたいですね。
そんなときこそ体を内側からホカホカに温めたい。
ならば、きょうのイエノミは鍋で決まりでしょ。
料理研究家の飛田和緒さんも、いまの時期は鍋三昧だそうです。
「年をとったせいかしら。もう毎日鍋でもいいくらい(笑)」
日本酒と、根菜を使ったおつまみも用意して
熱々の鍋を囲むのは冬ならではの楽しみ方ですよね。

「料理研究家としては、ちょっとどうかとは思うけど」
鍋といっても、飛田さんがつくるのはシンプルなものばかり。
たとえばセリとクレソンを鶏スープでしゃぶしゃぶ風に。
長野のご両親からどっさり京菜が届いたら
ニンニクと豆板醤を炒めて鶏団子と一緒にスープ煮風にしてみたり。
肉や魚も入れるけど、あくまでも鍋の主役は野菜。
「野菜をたっぷり食べたいから、鍋好きなのかもね」
その飛田さんが「この鍋だけは別格。野菜は脇役だからなんでもいいわよ」
と言い切ってしまうほど、最近ハマっている鍋があるのだとか。
それが大阪から届けてもらう「フグ鍋」です。

●ローカルな逸品「大阪市・丸兼水産のトラフグしゃぶセット」
浪速っ子好みの冬の鍋を自宅で気軽に。

しかしフグといえば誰もが認める高級魚。
ちょっとイエノミには豪華過ぎる?
「それがね、ここ数年でフグの養殖技術が急激に進んだらしいの」
だから、以前より手頃な価格でおいしいトラフグが食べられる。
そう飛田さんは、大阪の老舗フグ卸問屋の娘さんでもある
お友達に教えてもらったそうです。
きょうのフグ鍋もその友人の実家から送ってもらったもの。
フグ刺し用よりちょっと厚めの薄切りとぶつ切りのセットなので
最初はしゃぶしゃぶ、次にぷりぷりの身と2段階で楽しめる。
「しかもこのセットに付いているポン酢がおいしいのよ」
もうごくごく飲めちゃうくらい、と飛田さん。
きょうはシンプルに野菜は水菜とネギだけでしたが
フグはもちろんのこと、最後の雑炊のおいしさといったら!
さすが「出汁好き&鍋好き」を自認する飛田さんのお気に入り。
確かにちょっと贅沢かもしれないけど
おせちに飽きた頃にはぴったりのイエノミかも。
冬場のおもてなしにも良さそうですよね。

そこで丸兼水産の広報兼ネットショップ店長の
尾﨑あき子さんにお話を聞いてみました。
あき子さんは、飛田さんの友人のお姉さん。
多忙なラジオ構成作家でありながら「フグ活」を実践。
「世界フグ協会」に参加し、さまざまなイベントを開いています。
なかでも力を入れているのが、フグのおいしさを若い人に知ってもらうこと。
「鍋に出汁がいらないほど、フグは旨み成分が濃いんですよね」
なのに、高級魚のイメージが強すぎるのか
フグになじみがある関西や山口・九州以外のエリアだと
そもそもフグを食べたことがないという人が多い。
だとすると、それはあまりにももったいない。
ここ数年で、最高級といわれるトラフグの養殖技術は格段に進化し
良い味の国産ものが手頃に食べられるようになったのに。

トラフグは飼育が非常に難しく、養殖技術の差が味に出てしまう。
「だからみなさん、驚くほど努力をされていますよ」
餌をさまざまに工夫したり、育てる期間を長くしてみたり。
養殖現場も知る尾﨑さんだけに、言葉に力がこもります。
「このままフグの消費が減ると、世界に誇る日本の食文化がひとつ消えてしまうかも」
というのも、洗練を極めたフグ刺身盛りの包丁技と
毒を持つフグを食べられるようにする技術
これを身欠くというそうですが、これらの技の継承が難しくなる。
そんな突き動かされるような思いに駆られるのは
尾﨑さんの脳裏に、ある光景が思い浮かぶから。
丸兼水産が店を構えるのは大阪でも特に浪花情緒あふれたエリア。
通天閣や今宮戎にほど近い下町にある作業場には
家が離れているためあまり行ったことがなかったけれど
寒い作業場で黙々とフグをさばく父たちの背中
「それが幼いなりに印象的で、いま思えば感慨深いものがありますね」

だからこそ、ずっと関心がなかった家業を改めて見直し
3年前には自らネットショップを立ち上げたそうです。
「できれば、まずご自宅でフグのおいしさを知ってもらえれば」
と同時に、尾﨑さんが夢見ているのは
来日した外国人たちにもフグに親しんでもらうこと。
「現に、唐揚げを薦めたらすごく喜んでもらえて」
世界一のフィッシュフリッターだと絶賛されたとか。
縄文時代から食べられてきたフグはまさしく日本独自の食文化。
「WASHOKU」の粋として世界に誇れる味わいです。
その歴史と先人たちの知恵と勇気に敬意を表しながら
プチ贅沢なイエノミフグ鍋を楽しんでみてはいかが?

『丸兼水産』(大阪市/浪速区)のトラフグしゃぶセット

●お取り寄せデータ

住所:大阪府大阪市浪速区戎本町1-4-18 えびす大黒ビル3A

電話:06-6632-4445

営業時間:9:30~17:00 日祝休、水不定休(12月31日、1月1日、2日は配送休止)

Webサイト:http://www.marukanesuisan.com/

※トラフグしゃぶセット(3~4人前)は7800円(送料込み)
国産トラフグ薄造り身とぶつ切り身約700gとダシ昆布、ぽん酢、もみじおろし、焼きフグひれ付き。冬場のみ白子(2人前1550円、4人前3000円)も追加購入できる。

※ぶつ切り身は唐揚げや天ぷらにしても美味。おつまみとしてどうぞ。

●便利な常備菜「レンコンの柚子胡椒和え」
茨城のしゃきしゃきレンコンを柚子胡椒風味で。

寒さが厳しくなる時期に、飛田さんが心待ちにしているもの。
それが名産地・茨城の契約農家から届くレンコンです。
わざわざレンコンを取り寄せるなんてと思いますが
「もうとにかく好きだから。どっさりキッチンに置いておきたいのよ」
もともとは友人からいただいたレンコンがあまりにもおいしくて
すぐに調べて、毎年の取り寄せをお願いしたのだとか。
「なんというか、包丁で切った感じがすでに違うの」
このさくっと歯切れの良い独特の食感を活かして
大量のレンコンはきんぴらに梅和え、だし醤油漬けにと大活躍。
なかでもいまお気に入りなのが柚子胡椒とのマッチング。
つくりかたはきんぴらとほぼ同じだけど
柚子胡椒の色合いを活かすために、やや白めに仕上げます。
また「歯ごたえ命」の飛田さんなので
ちょい厚め、約5mmほどに切るのも大きなポイント。
たしかにきんぴらとはまたひと味違う、きりりとした清々しい風味が絶妙。
レンコンと柚子胡椒との相性がこんなにいいとは!
「そうでしょ、柚子胡椒も大好きだから自分でつくっちゃうのよ」
だってものすごくカンタンだからと飛田さん。
柚子皮と青唐辛子、自然塩をフードプロセッサーなどで混ぜればいいだけ。
「それでケチらずに、たっぷり使えるのだからいいでしょ」
なるほど、それでこんな鮮烈な柚子の香りが楽しめるんですね。
自家製柚子胡椒つくりも、チャレンジしてみたくなりました。

レンコンの柚子胡椒和え

●つくりかた

レンコンを厚めのイチョウ切りにする。

1を5分くらい水にさらす。

2をオリーブオイルで透き通るまで炒める。

日本酒、薄口醤油少々を加える。

火を止めて、柚子胡椒少々を加えて混ぜ合わせる。

※自家製柚子胡椒は瓶で冷凍保管できるので、柚子が手に入る時期につくっておきたい。青柚子でも黄柚子でもOK。

●簡単おつまみ「具沢山おろし」
三浦半島特産の大根をちょっとだけお洒落に。

飛田さんが通う野菜直売所にも
そろそろ地元名産の三浦大根が並ぶ時期になりました。
びっくりするほど大きくて、中央部がふっくら太い大根は
水気が多くきめ細やかな肉質で、とても柔らかく煮上がるのが特徴。
「だから煮ものはもちろん、なますやおろしにもいいのよ」
ただ、そのふっくらとした形と大きさが仇となり
畑から抜きにくく、高齢者が多い農家では敬遠され収穫量も減っている。
それを飛田さんは知っているだけに、見かけたら必ず買い求め
こんなおいしい大根をありがとう
そんな感謝の気持ちと一緒に最後まできれいに使いきるそうです。
きょうのおつまみも大根おろしにひと工夫し
鮭を焼いてほぐしたものや三つ葉、ナメコと和えてみました。
「こうすれば、おもてなしにも向く感じでしょ」
余ったお正月用イクラも加えれば、より豪華な「おろし」に。
美しい色合いが映えるように、味付けは塩が基本。
「とっても簡単だけど、これがまた熱々の鍋と日本酒に合うのよね」
もちろん和えるものは、なんでも大丈夫。
柚子皮を散らしても良さそうですよね。
いろいろ工夫して、見慣れた「おろし」をおいしく美しく
ちょっとだけ変身させてみるのもまた楽しいですよ。

具沢山おろし

●つくりかた

大根をたっぷりとおろす。

1をザルにあげて水分を切る。

ナメコ、三つ葉をさっとゆで、焼いた鮭をほぐす。

塩か薄口醤油少々を2に加える。

4に3を加え軽くあえる。

※イクラを入れるとおもてなしにもぴったり。

●きょうの和酒 特撰松竹梅「山田錦」<特別純米>辛口
「山田錦」全量使用の特別な純米酒です。

“よろこびの清酒”「松竹梅」のなかでも
とっておきともいえる存在がこちらの特別純米酒。
数ある酒米のなかでも王者と呼ばれる「山田錦」を100%使用。
しかも麹米、掛米ともに精米歩合70%まで磨きこんだという
「山田錦」ならではのおいしさにとことんこだわって造られた
すっきり辛口で後味にもキレがあるタイプです。
だから飲みごろの温度は10度前後。
冷やでいただけば、その旨みを存分に味わえるはず。
もちろん食事にも合わせやすく、鍋料理にもぴったり。
特に720mlは稲穂の曲線をあしらったオリジナルボトル入り。
上質な和紙ラベルに「山田錦」の筆文字と金色に輝く稲穂が目印で
特別感のある純米酒は贈答や手土産にも良さそう。
今度鍋パーティに呼ばれたら、ぜひお供にしてくださいね。

特撰松竹梅「山田錦」〈特別純米〉辛口 720ml

○問合せ先/宝酒造株式会社

お客様相談室

TEL 075-241-5111(平日9:00~17:00)

http://www.takarashuzo.co.jp/products/seishu/yamadanishiki/

profile

KAZUWO HIDA
飛田和緒

1964年東京生まれ。8年前からレーシングドライバーの夫、娘の花之子ちゃん、愛猫のクロと南葉山で暮らす。東京時代の便利な生活から一変し、早起きが習慣に。ご主人が仕事で留守がちなため、仕事はもちろん、買い出しやお弁当作りにと忙しい日々を過ごしている。毎日の食卓で楽しめる普段着の料理が得意。高校3年間を長野で暮らした経験もあり。

ひとの「想い」を伝える紙メディア オンデマンド出版ができること。 「コンテンツワークス」後編

前編:[ff_titlelink_by_slug slug='tpc-thi-tsukuru-033' append=' はこちら']

想いをより伝えるメディアをつくる

オンデマンド出版の黎明期から業界を牽引してきたコンテンツワークス。
紙は「想いをより伝えるメディア」と考え、
オンデマンド出版を通じて、変化するひととひとの関係性に着目してきた。

「わざわざ紙にしなくても出版できる時代に、
わざわざ紙にするというのは“想い”があるんです」
と語るコンテンツワークス社長の荻野明彦さん。

だからこそメディアの使い方から、コミュニケーションの方法を
提案したいと考えるのだという。
誰もが出版できる時代。「何」を伝えたいと考えるニーズがあるか。
そこにマスメディアと違ったメディアの意味がみえてくる。

「たとえば地域おこしやまちづくり、家族や介護の分野でも変化が起きる」
と考える荻野さん。
コンテンツワークスの考える「想いをより伝える」を取材した。

フォトバックのサービスで作られた本

自分や仲間が撮った写真を1冊の本にまとめるフォトバックのサービス。(写真提供:コンテンツワークス)

デジカメ撮影の様子

デジタルカメラやスマートフォンの普及でメディアがパーソナルなものとなり、紙を使った表現も変化してきている。(写真提供:コンテンツワークス)

もともとは親孝行から始まった「moca」

今年、絵はがきアプリ「moca」をリリースした。
コンテンツワークスが提案する「想いを伝えるメディア」のアプリ化だ。
スマートフォンで撮った写真をそのままハガキにして相手に送ることができる。

「写真を送るのっていま大変じゃないですか。プリントして封筒につめて。
だからスマホでいい写真がとれたら、そのままハガキで送れないかなと思って」
と荻野さん。
そのアイデアはこんなことから生まれた。

「もともとは“親孝行”から始まったんです。
スマホで自分の子どものかわいい写真が撮れたとき、
それを自分と妻の両親にそれぞれ送ったら喜んでもらえるのではないかと」

日々成長する「孫」の姿を絵はがきで両親に送る。
これはご両親にとっては嬉しいはがきだ。
スマホで撮って、mocaのアプリを立ち上げると
登録してある住所にそのまま送れる。
2枚で500円。夫婦がそれぞれの親に送るイメージなのだそうだ。
切手代も含まれている。

親孝行以外にもいろんなコミュニケーションの場面で使える。

「たとえばいま僕はこうしてインタビューを受けていますが、
いまこの場で写真を撮って“今日はありがとうございました”と
お礼状にして送ることができる。営業にも使えると思うんですよ」

簡単に絵はがきを送れる

スマートフォンから写真を一枚選んで、簡単に絵はがきを送れるスマホアプリ「moca」。(写真提供:コンテンツワークス)

きょうのイエノミ 旅するイエノミ 本みりん・料理用清酒と、 ハワイのおせち

仕事を終えたご褒美はおいしいお酒とおつまみ。
リラックスしたいなら、きょうはイエノミにしませんか。
神奈川県・横須賀市在住の料理研究家・飛田和緒さんに教わった、
手軽で簡単、しかもちょっとした旅気分が味わえる
日本各地のおいしいものと三浦半島の旬の食材を使った、
和酒に合うおつまみを季節感たっぷりにご紹介していきます。

そろそろまちはクリスマスモードですね。
となると、気になってくるのが年末年始の過ごし方。
おせちをどうしようか、考え始める人も多いのでは?
凝ったものを数多くつくらなくても、お煮しめやお雑煮さえあれば
十分、お正月気分には浸れますよね。
そんなときに参考になりそうなのが
料理研究家の飛田和緒さんがつくるお正月の定番料理。
想像以上に簡単でお酒のおつまみになるもの、
つまり普段のイエノミアップバージョンだと思えば
ずいぶん気が楽になると思いませんか?
というのも、飛田さんはいつも旅先でお正月を迎えているからです。

ここ10年以上、飛田さんの年末年始といえばハワイ。
ひたすら昼寝をしたり、本をあれこれ読んだり。
普段のあわただしい日常を忘れて過ごせる
年に1度だけ、思いっきりのんびりできる貴重な休暇です。
「でも外食はあんまりくつろげなくて」
予約したり、混んだ店に並んだり待たされるのも嫌。
それにお正月ならやはりおせちっぽい料理が食べたい。
なので、必ずキッチン付きの部屋を借りるんだとか。
「幸いなことに、ハワイだと日本の食材や調味料が現地調達できるの」
だから、持っていくのは包丁2本だけ。
愛用のペティナイフと三徳包丁さえスーツケースに入れておけば
あとは現地でなんとかなる。
そんな飛田さんにとって「おせちっぽい料理」の代表選手が
鍋ひとつでちゃっちゃとつくれる筑前煮なのです。

●便利な常備菜「筑前煮」
お酒のつまみにも最適なおせちの主役。

休暇中はあまり気張って料理をつくらない。
むしろ目新しくアメリカンなキッチンにご主人の方が張り切るから
「おまかせしちゃうの」と話す飛田さんですが
元旦にいただく料理だけはやはり自分でつくります。
野菜の煮物が大好きだから、おせちでもお煮しめがいちばん好き。
でも旅先のキッチンだと鍋も少ないし手間だってあまりかけられない。
「そこで、筑前煮なのよ。全部一緒に炒めて煮ちゃえばいいだけでしょ」
鶏の旨みが加わるから、間違いなくおいしくできあがるし
材料を揃えてしまえば、あとは鍋ひとつでOK。
たっぷりつくって冷蔵庫に入れておけば、5日間は食べられる。
筑前煮をつくりながら甘辛醤油味の香りがふんわりしてくると
「よし、これでお正月気分がしっかり味わえる」
そんな心強い気持ちになれるそうです。

それにしても、ゴボウやレンコン、里芋がハワイで手に入るとは驚き。
「そうなのよ、日系の人が多いからでしょうね。ありがたいわ」
なによりうれしいのは、日本の調味料が揃っていること。
ナンプラーなどエスニックな調味料も使いこなす飛田さんですが
「やっぱりお正月はね、日本の伝統的な味を食べたいから」
基本的な調味料だけは、すぐさま買い出しに行く。
なかでもおせちづくりに活躍するのは
料理に美しいてりと上品なコクを与えるみりんと
素材を柔らかくして旨みをプラスする料理用の清酒。
特に筑前煮はどちらも欠かすことができません。
「最近までは、飲み残しの日本酒をよく使っていたのだけれど」
飲んでおいしいものと料理をおいしくする日本酒は違うんだとか。
え、それは初耳、というより全然知りませんでした。

そこで宝酒造の広報部に聞いてみました。
いつも窓口になってくれる奈良有里代さんに問い合わせてみると
すぐさま丁寧な答えが返って来ました。
「吟醸酒や本醸造酒ってお米を磨いてつくりますよね」
でもその削り取られてしまう部分に、料理をおいしくする旨み成分が含まれている。
だから、“大吟醸のような高価なお酒なら、きっと料理に使ってもおいしいはず”。
そう思いがちだけど、ちょっと違うんだとか。
「昔は二級酒と呼ばれる清酒の一升瓶が必ず台所にありましたから」
お父さんの晩酌用だけど、お母さんも料理をつくるときに少々拝借。
それがごく普通の光景だったし、日本の家庭料理のおいしさの決め手。
でもいまは、イエノミ用にはお気に入りの日本酒を買う人がほとんど。
「だから、料理のときには専用の清酒を使うことをお薦めしています」
特に宝酒造の「料理のための清酒」は独自に開発した酵母を使用。
料理をおいしくする旨み成分が約2倍になっているとか。
そういえば飛田さんもさりげなく
「最近の料理酒って結構イケるのよね」と言っていたような。
うーん、料理酒の世界も進化しているんですね、驚きました。

筑前煮

●つくりかた

干し椎茸は水にひと晩つけて戻し軸を落とす。

こんにゃくは熱湯でさっとゆでる。

レンコン、里芋、ニンジンは皮をむき、ゴボウは皮付きのままよく洗う。

1、2、3をひと口大に切る。

ごま油でひと口大に切った鶏もも肉を中火で炒める。

鶏肉の色が変わったら、4を加えてよく炒める。

6に干し椎茸の戻し汁と料理用清酒、砂糖、濃口醤油を加える。

ひたひたよりちょい少なめになるよう7に水を加えて落としフタをする。

8を弱めの中火で約20分煮る。

10 野菜が柔らかくなったらフタをとり、本みりんを加えて火を強くする。

11 ときどき鍋をゆすりながら煮汁が約半分になるまで煮詰める。

12 そのまま冷まして味をなじませる。

13 食べるときにさっと塩ゆでしたサヤエンドウを添える。

※せん切りの生姜を添えてもおいしい。

●便利なおつまみ「牛肉の八幡巻き」
お正月らしさを演出できる巻物系。

自称「アロハおせち」主役級の筑前煮をつくったら
お次はちょこちょこつまむのに最適な脇役たち。
そこで飛田さんの大好きな巻物系、牛肉の八幡巻きの出番です。
「食べやすいし、かたちもキレイでしょ」
それに中身を工夫する楽しみもある。
きょうは定番のゴボウとニンジンで市松模様風にしましたが
「他にもお気に入りはいろいろあるのよ」
ゴボウ×長芋、大根×ニンジン、じゃがいも×セロリなど。
色合いをキレイにするならインゲンやアスパラもお薦め。
ハワイでは薄切り肉を売っている店があまりないのですが
牛肉の八幡巻きのために、飛田さんはあちこち回って探したとか。
うまく巻くコツは、すき焼き用のように少し大きめの薄切り肉を使うこと。
2枚1組と考えて、牛肉の端を少し重ねるようにして広げれば
余裕を持ってくるくると巻けるそうです。
普段のイエノミやお弁当用なら、もっと手頃な切り落とし肉でも十分。
巻くというひと手間をかけることで、お重に詰めても見栄えがする
みんなが大好きなおいしいおつまみのできあがりです。

牛肉の八幡巻き

●つくりかた

ゴボウは皮付きのままよく洗う。

ニンジンは皮をむく

1と2を1cm角の棒状に切る。

3を柔らかくなるまでゆでて冷ます。

牛薄切り肉を広げて手前側に4をのせる。

5をくるくる巻いてしばらくなじませる。

フライパンに油少々で巻き終わりを下にした6を焼きつける。

焼き色が付いた7をフライパンから出す。

料理用清酒、本みりん、砂糖、濃口醤油を煮立たせる。

10 8を加えころがすように9をからめて味を含ませる。

11 食べやすい大きさに切る。

※牛肉はすき焼き用くらいの厚みと大きさがある方が巻きやすい。普段のおつまみなら切り落とし肉を何枚か重ねて使ってもOK。

●簡単おつまみ「みどり野菜のめんつゆ漬け」
さっぱり味だから箸休めにもぴったり。

本来のおせち料理はお正月の間ずっと保存できるようにと
しっかりした味わいのものが多いですよね。
でも、やはりサラダ感覚で食べられる野菜のおつまみも欲しい。
そう思って飛田さんがよくつくるのがこちら。
身近な緑野菜ならなんでも大丈夫。
きょうはホウレンソウ、ブロッコリー、キャベツを使いましたが
ハワイではクレソンを使うことが多いとか。
「だって、花束みたいにどっさり売っているのよ」
新鮮なクレソンをさっとゆでて、めんつゆに漬ける。
うん、想像するだけでもおいしそうですね。
つくりかたのポイントは、野菜はかたゆででなく極々普通にゆでること。
かためだと味の含みが悪いようです。
まためんつゆは自分好みの味で前もって用意しておけば
煮物や炒め物の味付けに重宝するので、ぜひお試しを。
このとき、本みりんを使えば旨みやコクがいちだんとアップ。
意外と知られていませんが、本みりんはもち米と米麹を熟成させた
日本の伝統的な調味料であり、和酒の一種でもあるのです。
だから加熱しない料理に使うときは「煮切り」
つまりアルコールを飛ばすひと手間がかかりますが
天然由来の旨み成分が、お料理をよりおいしくしてくれるはず。
ちなみに飛田さんちのお雑煮は、鶏ガラスープと昆布・かつお出汁を合わせた
コクのある東京風のお澄ましタイプ。
祖母、母と受け継がれてきた「我が家の味」でも
最後に本みりん少々を加えることで、味がぴたりと決まるそうですよ。

みどり野菜のめんつゆ漬け

●つくりかた

鍋に本みりん1/2カップを入れて中火で煮立てる。

火を止めて醤油1/2カップ、砂糖大さじ1~2を混ぜてひと晩おく。

2に出汁2カップを加えれば、めんつゆのできあがり。

ホウレンソウは長いまま、ブロッコリーは小房に切り、キャベツは一口大にちぎる。

4をゆでる。

5を冷水にくぐらせて色止めし、しっかりと水気をきる。

適量の3(濃いようなら出汁で割る)に漬ける。

30分ほど味をなじませる。

※ほうれん草は食べやすい長さに切って盛りつける。
めんつゆの仕上がりは約3カップ分。瓶で冷蔵保存すると便利。
出汁はかつお節やさば節で濃い目に取りたい。

●きょうの和酒 タカラ「料理のための清酒」とタカラ本みりん「醇良」
伝統的な和食に欠かせない調味料です。

いわゆる「みりん」には3タイプあることをご存じでしょうか。
本みりん、みりん風調味料、発酵調味料(みりんタイプ)。
宝酒造ではそのなかの「本みりん」だけを150年以上造り続けてきました。
本みりんとは、もち米と米麹を熟成させたお酒の一種。
だから驚くほどさまざまな調理効果があるんです。
味のしみこみを良くする、生臭みをとる、煮崩れを防ぐ、
てりやつやを出す、塩カドや酢カドを取るなど。
もちろん9種以上の糖や18種ものアミノ酸が含まれているため
上品でまろやかな甘み、コクやうまみでお料理をよりおいしくしてくれます。
江戸時代には、貴重なお米を使った調味料として
非常に珍重されていたというのも、これならわかりますよね。
またタカラ「料理のための清酒」は、料理をおいしくすることにこだわった清酒。
飲む清酒に比べて有機酸が約20%も多く、生臭みをしっかり消し去るうえに
うまみ成分も約2倍多く含まれているというのだから驚き。
食塩ゼロなので、よけいな塩味もつきません。
どちらも料理好きな人にとっては心強い味方。
ぜひおウチの台所にもコンビで揃えて使いこなしてくださいね。

タカラ「料理のための清酒」900ml 紙パック(左) 
タカラ本みりん「醇良」1Lペット(右)

○問合せ先/宝酒造株式会社

お客様相談室

TEL 075-241-5111(平日9:00~17:00)

http://www.takarashuzo.co.jp/cooking/

profile

KAZUWO HIDA
飛田和緒

1964年東京生まれ。8年前からレーシングドライバーの夫、娘の花之子ちゃん、愛猫のクロと南葉山で暮らす。東京時代の便利な生活から一変し、早起きが習慣に。ご主人が仕事で留守がちなため、仕事はもちろん、買い出しやお弁当作りにと忙しい日々を過ごしている。毎日の食卓で楽しめる普段着の料理が得意。高校3年間を長野で暮らした経験もあり。

おいしい新米とごはんのお供を お取り寄せするでござる! の巻

全国からおいしい新米が届いたでござる!

にんにん! コロカルくんでござる。
すっかり秋も深まってきたでござるね。
秋はおいしいものがたくさん出回るから、大好きな季節でござるよ!
コロカル商店にも、新米とごはんのお供が届いたでござる!
ホカホカの新米に、おかずを乗せて… あ〜 ごはんが進むでござるよ!!
「コロカル米」こと「産地限定の最上級米 食べ比べセット」のほか、
コロカルが自信を持っておすすめするごはんのお供を紹介するでござる。

スズノブ コロカル限定 「高知・隠岐・北海道 お米3種食べ比べセット」

各地の信頼できる生産者がつくるお米をお届けする米専門店「スズノブ」の
五つ星お米マイスター、西島豊造さんがコロカルのためにセレクトした、
おいしいお米の3種食べ比べセットでござる!
「もちもちごはん」「おにぎりにぴったり」「冷めてもおいしい」の
3種類のお米が1キロずつ入っているでござる。
産地はそれぞれ「高知」「隠岐の島」「北海道」。
食感も味も特長も異なる3種類を食べ比べて、好みのお米が見つかるといいでござるね!
コロカルオリジナルパッケージでお届けでござる!

マルナマ古清商店 「いくら醤油漬」

弾けんばかりの粒の大きさとハリ!
つやつやごはんにぴったり。たまらないでござる〜!
まさに、ごはんのお供の王道の、いくらの醤油漬けでござる。
北海道函館海域に遡上してくる秋鮭の卵を、
良質なものだけを吟味してていねいにほぐし、
無添加の特製の醤油だれにじっくりと漬け込んだでござるよ。
ほどよく脂とうまみののった秋の恵み、今味わいたいでござるね!

大江ノ郷自然牧場 ココガーデン 「天美卵」

炊きたての新米でまず味わいたいのが、卵かけごはん。
鳥取県八頭町の牧場「大江ノ郷自然牧場」の卵を紹介するでござる。
ここの鶏たちは、酵母で発酵させたおからや米ぬかなど、
自然だけの素材を使った飼料を食べた「平飼い」育ち。
ケージを使わず、日光を浴びながら自由に走りまわり、
砂遊びをして暮らしているでござる。
そんなストレスフリーの環境でのびのびと育った鶏たちの卵は、
こっくりとした濃厚な味わいが特徴でござる!
コロカル商店では採れたて卵10個セットでお届けするでござるよ。

宇佐もん工房 「一本釣りうるめいわし ぶっかけ漬け丼セット」

究極の鮮度を求めて、漁師が手間ひまかけて一本釣り漁法で釣り上げた、
こだわりの「宇佐もん一本釣りうるめいわし」。
その切り身を特製の甘辛タレに漬け込んだ「ぶっかけ漬け丼」は、
水に約10分浸して解凍。炊きたてのごはんに乗せて、タレをそのままかけるだけの手軽さで、
地元でしか食べられなかったような新鮮な味を堪能することができるでござる!
熱いお茶やだし汁をかけて、お茶漬けにするのもオツな食べ方でござる。
一杯で二度楽しめるのもうれしいでござるね!
ちょっと贅沢な丼がこんなにもお気軽にできるので、
急な客人が増える年末年始に、冷凍庫にストックしておきたいでござるね!

いかがでござるか?
新米の季節は、おうちごはんがはかどるでござるね!
この時期は秋の恵みに感謝して、飯炊き釜で炊くなど、
手間ひまをかけて新米を味わってみるのもいいでござるね!
いつもと違ったごはんの旨さに驚くはず! でござる!

東屋 飯炊き釜 三合

それではまた来月お会いするでござる〜

備前の古民家

風もなく、穏やかな日の秋の昼下がり、
元浜倉庫のウッドデッキはこのうえなく気持ちのよい場所となる。
その日、事務所で原稿の最中に睡魔に襲われたぼくは、
気分転換にと、デスクの横に置いてあるギターをもってウッドデッキに出た。
デッキには先客がいた。サブだ。
気持ちよさげに午後の陽をいっぱいに浴びてねそべっている。
ぼくは眠気覚ましにしばらく音を出して遊びながら、
曲のような曲でないようなものをつまびいていた。
ギターを弾きながら歌うようなことはまずしないんだけど、
そのときは温かな陽差しのせいか調子が出てきて、
小さな声でくちずさむようにして歌っていた。
サブはぼくの歌にうっとりしているかのように目を閉じている。
ぼくもサブもそれなりに幸せな午後のひとときを満喫していた、
あるいはそう思っていたまさにそのときだった。
サブがおもむろにすっくと立ち上がったかと思うと、
だしぬけに目の前でゲロを吐きなさった。
吐き終わると、顔だけこっちに向けて涙目でぼくを見る。
ぼくはというと、さっきから妙なカタチでかたまっていた。
厳冬の地で振り回された濡れタオルのように、
右手はかきならす直前の弦の上で止まったまま。
「お、おまえ……」
直前まで歌っていたのはテリー・リードの古い曲で、
ぼくはまったくコード進行を知らない。おまけに歌詞もおぼつかない。
弾いている気分でいい加減な音を出し、
さらにその無茶な音を無視して無茶な英語で歌っていたわけだ。
「にしても、吐くことないだろ」
つぶやきながらウッドデッキでサブの粗相の後始末。
元浜倉庫のとある日、穏やかな秋の昼下がりの光景……。

サブの家探しから始まった我が家の購入計画、今回はその後編。
前編の前回は購入を決意した物件の内覧の当日、
不動産屋さんからすでに契約がまとまったことを知らされたところで終わった。
その後はというと、ショックでめげるようなことにはならず、
それどころか勢いがついて、週末になると物件を見て回る日々を過ごした。
しかし、いくら児島が田舎とはいえ、
1000万円の予算でそう簡単に気に入るような家が見つかるわけがない。
住んだその後の生活が楽しみになるような、そんな物件は皆無だった。
そこでエリアを広げることにした。
倉敷市内から近郊のエリアへ、またその近郊のエリアへ。
そうこうしているうちに「県北」と呼ばれるエリア、
最長は岡山県の美咲町まで物件を見に行った。
東京にたとえるなら、都内での家探しが、
山梨を越えて長野の上高地まで来たような感じだ。
でも、その美咲町でさえ、
現地の不動産屋さんに案内されて見学した家は気が滅入るようなものだった。
「こりゃもう島にでも行くしかないか」とあきらめかけていた、そんな時期のこと。
物件Aと巡りあった。一目惚れまではいかない。
でも、初めてのデートで結婚を意識した女性のようだった。
Aの環境、まわりが見事に美しい棚田で静かなことこのうえない。
それでいて海も近い。近くに保育園も小学校もある。
Aの建物、築110年の古民家。風通しがいい上に日当りがよく、
古民家にしては室内が明るい。
屋根と基礎部分も数年前に補修してあり、
トイレやキッチン、お風呂もリフォーム済みなのですぐに住める状態にある。
おまけに庭は広々として、
隣には70坪ほどの空き地までついているので車は何台でも駐車できる。
将来的にはタカコさんのお店を建てることだって可能。
しかし、難点がないわけじゃなかった。
この物件のあるエリアは備前焼で知られる備前市内。
児島から車で約1時間半かかる。
でも、家探しをスタートして以来、こんなに条件が揃っている物件は初めてだった。
タカコさんに聞いたら、住んでみたいと言う。
子どもたちも部屋の中で走り回って楽しそうだ。
その後、2週間の間にAを3回見に行った。
3回目は古民家の再生を専門にしている知り合いの建築家の先生をお連れして
「建物はすごくいいですね」との太鼓判をもらった。決めた。この家、買おう。

早速、前回の児島の物件で
1000万円の融資を約束してくれた信用金庫のMクンに電話した。
新しい物件を見つけまして、つきましては融資をお願いしたい云々。
「場所はどこですか? 児島ですか?」
「いや、今度はなんと備前」
「び、備前!」
「なに、都合が悪いとでも?」
「はあ、備前だと難しいですね」
Mクンの話によると、信用金庫は地域密着の金融機関であるがゆえに、
住宅購入の際の融資は近郊での購入に限られる。
倉敷をベースとするその信用金庫では、融資できる範囲は倉敷市内、
遠くても岡山市内までだと説明してくれた。
だったら地元となる備前の信用金庫に相談するまでだ。あった、備前信用金庫。
これ以上ないぐらいに地元だ。早速その支店のひとつの扉をくぐった。
「家を買いたいんですが、融資をお願いできますか?」
「現在、お住まいはどちらですか?」
「都窪郡の早島です」
「ああ、それは無理ですね」
「……うん? 無理?」
「備前か近郊にお住まいの方でないと、基本、融資はできないんです」
結論を受け入れがたいという意味で、これはパラドックスと言えるだろうか。
まあ「できない」と言うものをくどくど言ってもはじまらないので、
信用金庫での融資はきっぱり無理と判断し、
間髪を入れず銀行に相談をもちかけた。
我が社アジアンビーハイブが日頃お世話になっているT銀行。
担当のSクン(推定25歳)は必要な書類をあれやこれやとメモ書きして、
「これがすべて揃ったら審査に入ります」。結構な数の書類だ。
会社の決算書のほか、ぼくの収入証明書、Aの固定資産税の支払い証明書などなど。
あと面倒なのがリフォームの見積書。
タカコさんが早島町の図書館から借りてきてくれた
古民家の本やらリフォームの本を参考にあらかたの筋書きを考え、
一度備前までお連れした先生に見積もりをお願いした。
上がってくるまで2週間かかった。
揃えた書類をすべてSクンに手渡し、あとは結果を待つだけということとなった。
その間もぼくたちは家族で何度か備前に足を運び、
周辺をドライブしたり、近所を散歩したり。
また、同じ集落の人たちに話を聞くなどしていたので、
ぼくもタカコさんもそこで生活しているイメージは日々リアルなものになっていた。

銀行に書類を提出して約3週間後。ついにSクンから連絡があった。
待ちに待った電話だ。
「例の融資の件ですが……」
「うん、で?」
「今回は見送りということになりました」
「…………」
「担保物件(A)の査定額と融資の額に隔たりがあるというのが理由です」
それがすべてってわけじゃないだろう? 
ソフトバンクの孫さんに同じような査定をするか? 
担保の査定額が云々って言うのか? 
オレに支払う能力がないって判断したってことだろう? 
なんて煮え返る胸の内は露とも見せず。
「そうか。いや、覚悟してたよ。そう簡単じゃないよね」
「すいません」
「気にすることないよ。またリベンジするから、そのときはよろしくね」
(なにが「よろしくね」だ! 覚悟なんかしてないって、
あんたの銀行が貸してくれるものだとばっかり思ってたよ、
だって1000万円だよ、たしかに大金に違いないけど、
いまのオレには1000万円の価値もないのか? 
金融機関から1000万円を借りられないオレって、男としてどうなんだ?)
電話を切った直後、そんなこんなの思いが脳内を駆け巡り、
やっと落ち着いたと思ったら、今度はタカコさんのことを思ってズンと落ち込んだ。
彼女は子どもたちを寝かしつけて自分の時間ができると、
それが一日の唯一の楽しみとでもいうように、
ぼくが作ったAの写真ファイルを取り出して楽しそうに眺めるのが日課になっていた。
そんな彼女になんて言えばいい?

その日の夜、場所は早島のアパート。
夕飯が終わって、一段落したところでぼくはついに話を切り出した。
「ええっと、今日はいいニュースと悪いニュースがあります。
さあ、どっちから聞きますか?」
 タカコさんは「なになに?」と言ってすぐ「じゃあ、いいニュース」
「あのね、いいニュースを聞いた後に悪いニュースを聞くと、
今晩ずっと気分悪くなるかもよ。逆に後にいいニュースを聞いたら……」
「じゃあ、悪いニュース」
「はい、いきます。今日銀行から融資を見送りますとの電話がありました」
「ええっ! そうなんだ」
「残念ながら。申し訳ない」
タカコさんはさほど気落ちしているようでもなかった。
むしろ、顔は半分笑っていた。
しかし、だからといって喜んでいるわけでもないのがわかっていた。
「じゃあ、いいニュースは?」
「ええとね、今回の一件で家を買うのはたやすくないということが身をもってわかった。
ハードルは高い、思いのほか高い。
でも、こんなことでへこたれない。みんなで頑張ってハードルを越えよう。
そのハードルが越えられたとき、オレたち家族の絆はさらに深まっていると思う」
きょとん、という音が聞こえそうだった。そのときのタカコさんの表情。
そして、2秒ほどお互い無言の妙な間があって。
「え、それがいいニュース……どこが?」
「だから……絆深まる、みたいな」
帰りの車のなかで考えたシナリオは、
タカコさんから思うような反応は引き出せなかった。
まあ、思い通りになるような人じゃないのだ。
「わたしだったら平気だよ、それより赤星さん、落ち込んでない?」
「いや、オレは大丈夫だって。よく考えると、備前は遠いしね」
その日以降、彼女が例のファイルを見ている姿を見たことはない。
かくいうぼくも一度も見ていない。
ふたりとも、もうなかったことと受け入れていた。
切り替えの鮮やかさは、ぼくとタカコさんに共通した
数少ない美点のひとつだと思っている。
ぼくたちはすでに、新しい物件探しという、ゴールが見えない旅に出ていた。
それにしても、家探しは連載の2回でカタがつくようなものではないようだ。
サブには「この冬までには」と思っていたけど、いましばらく辛抱してもらうしかない。

ヨーロッパの人たちは100年、200年と大切に住み継いでいく。日本でそれができるのが古民家だと思う。しかし、なにより日本の古民家は美しい。庭(外)とつながっているようなつくり、あるいは外を家にとり入れたようなつくりも素晴らしい。Aと巡りあったことで、いっぺんに古民家ファンになった。

Information

元浜倉庫焙煎所 岡山のおいしいコーヒー「コロカルオリジナルセット」

著者・赤星 豊さんのパートナー・タカコさんの元浜倉庫焙煎所から「コロカルオリジナルセット」がコロカル商店で発売中!
布製のバッグ付きで、贈り物にも。2,808 円(税込)
https://ringbell.colocal.jp/products/detail.php?product_id=5140

木製プロダクトの グッドデザインを探すでござる! の巻

おしゃれ&機能的な木製プロダクトが欲しいでござる!

にんにん! コロカルくんでござる!
突然でござるが、日本の面積のうち約何割が森林か知ってるでござるか?
実に、7割が森林で占められているのでござるよ!
そのうちの4割は、林業家が育てたスギやヒノキなどの森でござる。
日本は森と共に生きている国なのでござるね〜
そこで、コロカルは「木のある暮らし」をテーマに、「Life with Wood
という特集を展開しているでござる。
今回は、コロカルくんが、この連載の中から、
気になる木製プロダクトをピックアップするでござる!

其の壱 福島県・伊達クラフトデザインセンター

まずは、福島県北の伊達市を拠点に活動する、伊達クラフトデザインセンター。
検査で安全性に問題ないとされた木材を利用したプロダクトをつくっているでござる。
そうして生まれた商品のひとつが、写真中央の「伊達KUMIKO」。
組子細工の伝統模様をインテリアアイテムに仕上げた商品で、
福島県産のスギ・ヒノキを使用しているのでござる。
組子細工とは釘を使わずに木と木を組み合わせてさまざまな模様を表現する伝統技術。
障子や欄間の装飾として使われてきたのでござるよ。
1000分の1ミリ単位の精度で加工するため、紙1枚入る隙間もないそうでござる!
その精巧さにうっとり〜でござる!

其の弐 秋田・天然秋田杉でつくられる「曲げわっぱ」

秋田県大館市の「曲げわっぱ」メーカー「栗久」。
大館市に数多くある曲げわっぱメーカーのなかでも、
ひときわ人気が高いつくり手でござる。
「グッドデザイン賞」などに輝くモダンなデザインもステキでござる〜
栗久がつくるのは、北国の女性の肌のように真っ白で、細かくて
真っすぐな木目を誇る天然秋田杉だけを使った曲げわっぱ。
それらの木は、秋田県北部の白神山地、米代川流域の森で生まれているでござるよ!

其の参 山形・果樹でつくられたナチュラルな木の器

山形県上山市に工房を構える果樹木工の「くだものうつわ」は、
可愛らしいその名の通り、果実の木で製品をつくっているのでござる。
ピンクのような少し赤みがかかったさくらんぼや、
ナチュラルな木肌の色をしたラ・フランスなど、樹種によって色もさまざま。
くだものうつわでは、必ず使われた果樹の名前が裏に刻印されているので、
どの果物の木がどんな色をしているのか、知ることができて、
選ぶのもとても面白いでござるね〜。
ボウル、お椀、カトラリー、スツールなど、かたちは20種以上あるでござるよ!
コロカルくんはどの果樹のどのかたちにしようかな〜
迷ってしまうでござるね〜

其の四 山形・天童木工の国産スギの家具

山形県天童市に本社を構える「天童木工」は世界中で愛される家具メーカーでござる。
薄くスライスした木の板(単板)を重ねて自由な造形をつくりだす「成形合板」。
北欧で生まれたこの技術を日本で最初に取り入れ、
これまで天童木工の高い技術は、数々のデザイナーたちをうならせてきたでござるよ。
柳宗理デザインの「バタフライスツール」は、
昭和31年に発売され、いまもロングセラー。
時代を超えて愛される名品を生み出してきた同社が
2014年に発表したのは国産の針葉樹を使ったシリーズ。
特に自社製品の家具には、山形県産材を取り入れ生産を行っているでござるよ!
山形県産材の家具は木目の美しさが特長だそうでござるから、
ぜひ一度手に取って実感してほしいでござるね〜

いかがでござるか?
これからもどんどん「Life with Wood」で
グッドデザインな木製プロダクトを紹介するでござるよ!
更新を楽しみにしてほしいでござる〜
そして、身近にある国産材のプロダクトに目を向けてみてはいかが?
それではまた来月でござる!