ルーヴィス vol.6
皆さま、こんにちは。
ルーヴィスの福井です。
最終回は2015年から新たに始めた「カリアゲ」というサービスについてお話します。
僕がこの仕事を始めた理由は以前お話ししましたが、
「家具は直せば価値が上がるのに、不動産はなんでだめなんだろう?」
という疑問があったからで、賃貸物件の空室をどうやって減らしていくかが、
自分の中で最も興味のあることのひとつでした。
この10年間いくつもの賃貸物件にたずさわる機会を得て、
リノベーションは空室改善に効果的な手法であることを確信しましたが、
空き家は統計調査ごとに増え続けており、
現在は東京都でも約81.3万戸の空き家があります。
空き家が社会問題化している昨今でも、
オーナーの不安である「こんなに古い物件を直して本当に入居者がいるかの?」とか
「数百万もかけて、資金は回収できるのか?」という疑問は拭い去ることはできず、
建物の老朽化や費用負担がオーナーの大きな不安となっているならば、
そのリスクをこちらで負うことにして、空き家を活用していこうと思い、
始めたのが「カリアゲ」というサービスです。
まず、このサービスは「築30年以上で1年以上空いている空き家」を対象にしたもので、
リノベーション後の想定賃料の42か月分(3年半)まで、
リノベーション費用を弊社で全額負担します。
その条件のもと、オーナーから借り上げ、入居者に転貸する取り組みです。
1年以上空いている空き家を対象としているのは
「1年以上空いている=打つ手がなく放置されてしまっている」と定義したためです。
現在の対象エリアは空き家が最も多い東京都内を対象としていますが、
少しずつ対象エリアは広げていこうと考えています。
第一号の「カリアゲ」についてお話ししていきます。
この物件は目黒区下目黒にある2階建ての空き家です。

元水路に面している、築年数不明の戸建。1階が住居で2階が下宿だったようです。
何年空いていたかもわかりませんが築年数は不明で、
この建物は元水路に面し、公道には面していないため、
建て替えることのできない、再建築不可の物件です。
建物は傾いていて、基礎と土台は白アリ被害や経年劣化で腐食し溶け落ちており、
建物自体が壁で支えられているような状態でした。
再建築不可物件が多くあるような住宅密集地において、
このような建物を放置し続けることは、建物倒壊のリスクがあり、
放置したまま空き家にしておくことは、放火による延焼など、
建物単体のリスクではなく地域全体のリスクとなっており、
第一号案件としては難易度が高いけれど、
モデルケースとしてはちょうどよく、チャレンジすることにしました。

解体前の1階です。傾きがあるものの、ある程度は綺麗な状態でした。

解体前の2階です。2階は4部屋に仕切られており、残置物も多く厳しい状態でした。
モデルケースとしては、ちょうどいいのですが、
実際のところ、放置された空き家の改修は結構大変です。
流通している不動産は古くても商品ですので、多少の劣化があったとしても管理されています。
空き家の場合は、ほぼ放置されてしまっているので、
建物に気を払う人が誰もいない状態のまま年数が経っていった結果、
見えないところからボロボロになり、内部へも影響が出てきます。
改修プロセスは以下の写真のとおりです。

内装は全解体しました。

ジャッキアップ:建物の傾きを補正するために、建物全体を1.5メートルほど持ち上げました。

柱を足して建物全体を補強しています。

断熱材が入っていなかったので、断熱材を敷き詰めています。

屋根もかなり厳しかったのではり替えます。
請負の場合は、クライアントの意向もあり、仕上げなど見栄えする所に
コストをかけることも多いのですが、今回は耐震や断熱など、
建物の基本性能をアップすることに重点を置いた結果、
仕上げにかけるコストが少なくなってしまったため、
本来見せ場になる部分は入居者に委ねることにしました。










































































































