〈 この連載・企画は… 〉
ひとつの商店街(地域)をねり歩きながら、パンと具材を集めて勝手にサンドイッチを作る旅。
そこでしか食べられないオリジナルなサンド、果たしてどんなものができるのか?
writer profile
Kozakai Maruko
小堺丸子
こざかい・まるこ●東京都出身。読みものサイト「デイリーポータルZ」ライター。江戸っ子ぽいとよく言われますが新潟と茨城のハーフです。好きなものは犬と酸っぱいもの全般。それと、地元の人に頼って穴場を聞きながら周る旅が好きで上記サイトでレポートしたりしています。
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協力:町田市
「商店街サンド」とは、
ひとつの商店街(地域)で売られているパンと具材を使い、
その土地でしか食べられないサンドイッチを作ってみる企画。
必ずといっていいほど美味しいものができ、
ついでにまちの様子や地域の食を知ることができる一石二鳥の企画なのだ。
今回は、老若男女が集う賑やかなまち、東京都町田市にやってきた。
実は商店街サンドを町田市でやるのは今回で2回目。(前回の様子はこちら)
なぜ再訪することになったかというと、
「まちだ自慢ミーティング」という、町田市を応援する人たちが定期的に行っている会で、
商店街サンドを一緒にやってみたいとお声がかかったからだ。
前回、埼玉県川口市でやってきたワークショップ(こちら)では、
平均年齢10歳くらいの子どもたちとサンドを作った。
それが今回はなんとその6倍の、
平均年齢約60歳の方々と一緒に作ることに。
時折奇声を発するような元気な子どもたちとのサンド作りも
どうなっちゃうのか心配だったけど、
今回の大人すぎるメンバーでのワークショップもどうなるのか予測不能だ。
急に振り切りすぎじゃないか、と驚きつつ
どんな違いが出るものか楽しみである。
当日の参加者は17名。
市役所の方々の挨拶から始まり、
進行役の方によって今回の目的が説明された。
みんなで商店街サンドを体験して町田のまちをもっと知ること、
そして同じように、町田の魅力をほかの地域の人に知ってもらうアイデアを
自分たちでも考えてみよう、というものだ。
大人チーム3組と、30代までの若者チーム1組に分かれた。
私が入ったチームには
町田のまちづくりにたくさん関わっている方が複数いて、
町田への愛をさっそく感じた。
もちろん、純粋にサンド作りの企画を楽しみにして来てくれた方もいる。
買い物の時間は1時間半と決め、ぞろぞろと駅前に向かった。
買うエリアは自由なのだけど、やはり食材は駅前に揃っているのだ。
なかには以前のミーティングで顔見知りの人もいるようだが、
初めて参加する人も多い様子。
それでも、町田をよく知る人たち同士なので
どの辺りに住んでいるのか聞いたりと話の取っ掛かりのハードルは低く、
会話を楽しみながら向かった。
井上さんはこの日のために、わざわざ予約をしていた。
予約してしまうとは、さすが大人である。
行き当たりばったりで買うのが商店街サンドの楽しみのひとつではあるものの、
生まれてからずっと住んでいる町田の代表としてはどうしてもここのチャーシューを
入れたかったそうだ。
うん、気持ちはわかる。
ちなみに一緒にいたほかの男性も
「今日の帰りにここで肉買って帰ろうと思ってた」と言うほどだ、
こちらのお店は間違いなくおいしいのだろう。期待は高まる。
歩きながら、住んでる人たちだからこそ見えてくるまちの様子を教えてくれた。
いまはダリア園の花がきれいでオススメとか、
どこそこの公園は散歩にちょうどいいとか、
市役所は週末開いてる日があって便利、
中野屋さんという老舗の和菓子はおいしい、などといいところをたくさん話してくれた。
さすがまちだ自慢サポーターだ。
散歩好きで地理に詳しい男性もいたりと、
地元の方と一緒に歩いているとディープな情報が入ってきておもしろい。
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いつもは食材選びに難航するのだけれど、
女性陣の決断が早くて、その勢いに乗ってか男性陣も
早々に買い物をしていった。
毎日のように買い物をしている女性のたくましさを見た気がする。
そしておいしそうなコーヒー屋さんを見つけるたびに
誰かしらかが休憩を提案してくるのも大人ならではだと感じた。
制限時間があるのでコーヒー休憩を断念し、市役所へ戻った。
市の職員さんたちがセッティングしてくれていたテーブルに
食材を並べ、オリジナルのサンドイッチ作りを開始。
自慢ミーティングで今回のように体を動かすのは初めてだそう。
戻ってきた人たちからは「初めて行くお店で買ってきた」、
「こんなのあるの知らなかった」という明るい声があちこちから聞こえてきた。
いい食材を見つけると手柄を立てたかのように報告したくなるのだ。
そして、ふだん料理しなれていない男性も、
すぐに作れちゃうサンドにご満悦そうな表情を見せていた。
みんなでワイワイと盛りつけをして、10分もすれば完成。
どれもおいしそうなのができたので一気に紹介したい。
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こうして並べていくと、町田の食の多様さがすごく伝わってくる。
チェーン店が多いまちながら、地元食材や老舗もたくさんあるのだ。
みんなで分けながらおいしくいただいた。
しかし食べただけで終わらないのが大人である。
今回の本来の主旨である「町田らしさを自分たちで見つける」ために、
みんなでまちを歩いてきた感想や町田の魅力を話し合った。
こんな感じで、町田の商店街サンド第2弾は終了。
地元の人たちが集まって、あらためてまちの魅力を再発見していくのは
見ていてとても勉強になった。
そして、私に投げかけられた
「なんで商店街サンド始めたの?」という問いに対し
とても単純だった企画のきっかけを思い出した。
それは「お肉屋さんのできたてコロッケと、パン屋さんの焼きたてのパンで
最高においしいコロッケパンを食べたかったから」というものだ。
最後に発表してくれた「年代別の古着マップをつくりたい」と言った彼も、
自分が好きである服に普段から注目しているからこそ出てきたアイデアだと思う。
なにもないところからひねり出すよりも、
自分が好きなもの・得意なものでまちの魅力を引き出せたら、
考えるのも行動するのも楽しいだろうな、とあらためて気づかされた。
何度やっても発見のある商店街サンド。さて、次はどこでやろうか。
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町田市に住んでいる方はもちろん、住んでいない方もぜひ。
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Information
町田駅周辺
住所:東京都町田市原町田
http://machida-town.jimdo.com/
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