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勝手に作る商店街サンド:
東京都・町田駅前編

LOVE、商店街
vol.007

posted:2015.5.1   from:東京都町田市  genre:食・グルメ / 活性化と創生

〈 この連載・企画は… 〉  ひとつの商店街(地域)をねり歩きながら、パンと具材を集めて勝手にサンドイッチを作る旅。
そこでしか食べられないオリジナルなサンド、果たしてどんなものができるのか?

writer profile

Kozakai Maruko

小堺丸子

こざかい・まるこ●東京都出身。読みものサイト「デイリーポータルZ」ライター。江戸っ子ぽいとよく言われますが新潟と茨城のハーフです。好きなものは犬と酸っぱいもの全般。それと、地元の人に頼って穴場を聞きながら周る旅が好きで上記サイトでレポートしたりしています。

商店街サンドとは?

「商店街サンド」とは、
ひとつの商店街(地域)で売られているパンと具材を使い、
その土地でしか食べられないサンドイッチをつくってみる企画。
必ずといっていいほど美味しいものができ、ついでにまちの様子や地域の食を知ることができる一石二鳥の企画なのだ。
今回は東京の西南端にある町田市の町田駅前にやってきた。

大にぎわいの町田駅前でつくる!

町田駅は新宿から小田急線快速急行で30分ほどのところにある。
駅の反対側にいけばもう神奈川県相模原市。東京と神奈川のちょうど境目にあるまちだ。
駅を降りてまず驚くのは、丸井、ルミネ、109といった大型デパートがずらりと並んでいること。
さらに、ドラッグストア、牛丼屋、雑貨屋にブックオフなど、
チェーン店が所狭しと軒を連ねている。
とても便利そうだがその密集ぶりに「雑多なまち」という印象を受ける。

買い物が一気にできるようなまち、町田。109もあるし、渋谷をギュッと凝縮したようなイメージかも。

渋谷との違いはいろんな世代の人がいるところか。

すべてのチェーン店が町田に集まっているのでは? と思うほどチェーン店が多い。でもその中に老舗が残っている。

雑多、というとあまり聞こえはよくないが、それが町田駅前の良さであり特徴に思える。
窮屈に感じるほどたくさんのお店が入っている建物には、
よく見ると明治時代から続く乾物屋さんが入っていたりする。
大きくてきれいなホテルがあるなと思ったら、よく見ると図書館が入っていたりする。
整備されたキレイな通りもあれば、酔客が似合いそうな味のある細道があったりする。
新しいものの中に古くから残るシーンを見つけるのが面白い。
まちを歩く人々も老若男女問わず。いろんな世代が楽しめそうなまちだ。

こんな細い道があったりもする。手前は行列のできるカレー屋さん。

写真館に寸法直し。同じエリアに、新しさと懐かしさが混在するのだ。

今回お世話になったのは本多さんとゴンちゃん。姉弟のように仲のいいふたり。

さて、今回の商店街サンドにつきあってくれるのは
町田市観光コンベンション協会の本多浩子さんと、
急きょ参加することになった中東辰哉さんこと通称ゴンちゃん。

これだけお店が多くて賑やかだと具材選びに迷ってしまいそうだが
ふだん町田の観光情報を発信してるふたりとなら「町田らしい」サンドが作れるに違いない。

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大事なパン屋さんが休み!

ガーン…定休日だ。あんこ入りきな粉パンが美味しいというパン屋さん。

しかしマズいことに、唯一個人商店でやっているパン屋さんが定休日であった。
ここで買えないとなると他はチェーンのパン屋さんしかないらしい。
しょっぱなピンチである。
しかしこの企画、いずれこういうこともあろうかと勝手に特別ルールを設けていた。
パンがないなら代わりに挟めそうなものを見つけるのだ。
初の試みだが、パン以外で挟めそうなものを探してみよう。
たとえば和菓子屋さんで餅を買ってきて挟むのはどうだろうか、
それか最中の皮とか?

鯛焼きの皮で挟むとか?

思い切ってパン作っちゃう? お菓子作りやパン作りの材料が揃う「富澤商店」。

富澤商店は日本全国に店舗があるそうだが、ここ町田店が本店なのだとか。
粉だけでもこの量、その品揃えに驚く。
ホームベーカリーも売っていたので、それでパンを作ろうという斬新なアイデアも出るが
日が暮れてしまうのでもちろん却下である。

富澤商店をちょっと引いて見てみると、お隣のお店との違和感がすごい。こういう風景があるのが町田。

これまで回った商店街の中でも群を抜いてお店がたくさん。目につくのはチェーン店が多いけど。

パンの代わりになるものと食材を探しながらまちを歩く。
道をちょっとそれると有名なオネエバーがあったり、
そのすぐ隣には自然派食材にこだわったお店があったりと安定の雑多さを見せてくれる町田。
歩いてるといろいろ見つけられて楽しい。

ペイントアートもところどころで見られる。町田では市制50周年の際に商店街の繁栄を願って地域の皆さんが建てたという七福神がいたるところに置かれている。これはその七福神をモチーフにした車止め。

町田を舞台とした瑛太さんと松田龍平さん主演映画「まほろ駅前狂騒曲」のポスターもまちのあちこちに貼ってある。原作者の三浦しをんさんが町田に縁があるのだそう。撮影場所を回るのも面白そう。

本多さんがずっと気になっているという洋品店。掘り出し物がありそうだと言っていた。

私のオススメは「まちだの泉」。隠れた待ち合わせスポットだそうだ(それもおかしな話だが)。いい表情なのだが取り壊しの危機にあっているのだとか。ぜひ残してほしい。場所は70歳以上のボランティアからなる民間交番サルビアの裏。(こちら参照

最近できたという町田シバヒロ。毎月第4日曜日に骨董市をやっているらしく、貸切イベント時以外は自由に開放されている。申し込みすればイベントなど個人利用にも使える。

駅前の商店街をグルグルと探したあと、
旧市役所の跡地を使った広場・ 町田シバヒロまでやってきた。
駅前は賑やかだったがちょっと足をのばせばこんな静かなところもあるのだ。
ベンチ以外なにもないのだが、天然芝が気持ちよく
子どもたちがキャッキャと駆けまわっている。
駅前で買い物に疲れたらここでひと休みするといいかもしれない。
いろいろ回ったあと目星をつけていたところに戻り具材を買い集めた。

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町田と言えばここはハズせない「町田仲見世商店街」。

町田仲見世商店街は、手を広げたら塞がってしまうくらいの狭い通りで、
ペットショップ、雑貨屋、沖縄料理のお店、魚屋さん、占いの店などが
ギュギュっと入っている。

レトロな実用品が揃っている日用品のお店から、食べ物屋さんまで。

この中はチェーン店はほとんどないぞ。

海鮮丼やマグロステーキなど、安くて美味しそうな魚屋さんを発見。ここで揚げマグロを購入。

反対の入り口にある超人気店で小籠包を購入。

たくさんあるお店の中でもその人気ぶりから、
町田にきたら食べておくべきだろうと予想される2品をゲットした。
もうひと品は、チェーン店に負けず残り続けている老舗の乾物屋さんで探してみることに。

町田の賑やかな通りには乾物屋さんいくつか並んでいる。こちらのお店ではお孫さんがお手伝い。

サンドに挟めそうなものを無事ゲット! (なお、こちらの柾屋商店さんは5月19日(火)より、左隣に移転予定)

パンの代わりはクレープの生地に決定。ようやく全部集まった嬉しさが本多さんの足に出てる。

パンの代わりはいろいろ候補があがったものの、結局クレープ生地にした。
というのも、町田ではマップができるほどたくさんクレープ屋さんがあるのだ。
ハムレタスのクレープと、特別にお願いして皮だけをいただく。
さあ、これで材料がそろった。
おふたりの勤める町田市観光コンベンション協会がある「ぽっぽ町田」の前の広場で
サンド作りをさせてもらうことに。

乾物屋さんで買ったのは「たこカマ」である。ほんのり塩味の、食べだすと止まらないやつだ。

揚げマグロと小籠包の名コンビが超美味しそう。これで映画撮れるんじゃないか。

本多さんはクレープ生地のみバージョン。私はハムレタスクレープに挟んでみる。

できた! 小さいブーケみたいになった。

左は本多さん作。右はゴンちゃんの愛妻弁当のサンドイッチ。そう、なんと偶然サンドイッチだったのだ! 最初にそれを知っていたらこのパンを使わせてもらうところだった。

クレープ合う! 

愛妻サンドに負けてない! 新旧混在の町田サンド

若者たちに人気のクレープに、昔から残り続けるお店の具材をくるむ。
まるで新旧が混在する町田のまちを表したようなサンドの完成だ!

モッチリとしつつもカリカリとした食感が楽しめる味付け揚げマグロに、
フカフカと厚めの皮からあふれ出る小籠包の肉汁が絡んですごく美味しい。
鼻に抜けるのは小籠包にのったゴマの香りと、
噛めば噛むほど染み出てくるたこカマの風味だ。ああ、ビールがほしくなる。
クレープに入っていたハムやキュウリの爽やかな存在も嬉しく、
マヨネーズの酸味が全体をひきしめてくれた。
本多さんのほうはマヨネーズがない分ほんのり甘く、
クレープの存在感を残す優しい食べごたえだ。これはこれでまた美味しい。

ゴンちゃんの愛妻弁当にも負けてない、町田の愛がつまったサンドであった。

町田に本社がある老舗の醤油屋・岡直三郎商店の調味料「SHOYUSCO(しょうゆすこ)」でピリリと辛みを効かせるのもオススメ。ゴンちゃんが売り場に立つ「町田ツーリストギャラリー」に売られています。

小籠包の肉汁が口の周りについてしまうのはご愛嬌。ごちそうさまでした。

町田サンドレシピ

・マルハチの揚げマグロ 200円

・小陽生煎饅頭屋の小籠包6個入り 600円

・柾屋商店のたこカマ 324円

・Carrot Houseのクレープ ハムレタス 280円

・岡直三郎商店のSHOYUSCO(しょうゆすこ)486円

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合計 1890円

Post from RICOH THETA. -- Spherical Image -- RICOH THETA

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Information


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町田駅周辺

住所:東京都町田市原町田
http://machida-town.jimdo.com/

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