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東京都町田市「セーフティボックスサルビア」。おじいちゃん、おばあちゃんが安全を見守る!

コロカルニュース

posted:2015.3.2   from:東京都町田市  genre:暮らしと移住

〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。

writer profile

Yu Miyakoshi

宮越裕生

みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。

東京都西部にあり、駅前に
にぎやかな繁華街が広がるまち、町田。
大通りにはデパートが立ち並び、
細い路地を一本入れば、大判焼き屋さんや
中華料理屋さんが軒を並べる、
親しみやすさにあふれたまちです。

そんな町田の駅周辺はつい10年前まで、
110番の通報件数が多いことで知られていました。
まちの一角に特殊飲食店街があり、
交通の便も良かったことなどから、
人口が増えるとともに
治安が悪化してしまったのです。

町田市民間交番運営委員会 事務局長の吉川直樹さん、委員長の宮代善司さん

そんな状況を見かねて「自分たちでまちの安全を守ろう!」と
市民の皆さんが立ち上がり、
町田市中央地区商業振興対策協議会と
町田市が中心となって開設したのが、
民間交番「セーフティボックスサルビア」。
サルビアロータリークラブから建物が寄贈され、
繁華街のまんなかに誕生。
運営には商店会や法人団体、町内会も参加し、
皆さんの希望がかたちになりました。

民間交番に立つのは、
70才以上のボランティアの方たち。
なんと、無償でこの活動に尽力されています。
現在20名の方が在籍し、一番高齢の方は84才だとか。
中には開設当初からこのしごとを続けている方もいます。

ここでは道案内をしたり、問い合わせに応じたりしながら、
日々、まちの安全を見守っています。
また、市と連携し、月4回のパトロールも実施。
この拠点ができた頃から駅周辺の整備や
美化活動が進んだことも幸いし、
刑法犯認知件数はここ10年の間で約3分の1まで減少したそう!

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おじいちゃんたちががんばる理由とは?

皆さんに「なぜこのしごとを続けてきたのですか?」とたずねると、
「そりゃあこのしごとに生きがいを感じているんだから、やめられないよ」
と元気なお答え。

町田市民間交番運営委員会の委員長をつとめ、
ご自身もこの場所に立つ宮代善司さんは、こう語ります。

「みんな町田が好きなんですね。
町田は昔から交通の要所として栄え、活気のあるまちでした。
二代、三代と住んでいる人も多いです。
ですから皆さん、そういった町田の良さを維持していこう、
この場所を起点に町田を良くしていこうという気持ちで、
やりがいを持ってこのしごとに取り組んでいます。」

宮代善司さん

事務局長の吉川直樹さんも
「私は民生委員としても働いているのですが、
家に閉じこもっているお年寄りの方が心配です。
このボランティアのしごとは、
お年寄りが家にとじこもらないひとつの方法としても
有効なのではないでしょうか」と語ってくださいました。

吉川直樹さん

都内各所や各都市には、
警察官のOBが勤務する「地域安全センター」という、
治安維持を目的とした施設が多くあります。
でも、ここのように市民からはじまり、
長い間続いているところはめずらしいそう。

こうした活動を続けていくには、
地域とのつながりやボランティアの人たちの力が
とっても大事なんですね。
まちを良くしていきたいという思いで
ボランティアを続けている皆さんのパワーは偉大です。
こうして二代、三代と受け継がれていく郷土愛が
元気なまちをつくっていくんだなぁと実感しました。
「セーフティボックスサルビア」は年末年始をのぞき、
年中無休で営業しています。
町田をおとずれた際は、ぜひたずねてみてくださいね。

左から宮代善司さん、木村将人さん、上田嘉明さん、吉川直樹さん

セーフティボックスサルビア
住所 東京都町田市原町田6丁目13番14号
時間 11:00〜20:00
休業日 年末年始

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