夏休みの自由研究にも!
「藁納豆づくり」から「太陽光発電」
まで田舎暮らしの“DIY”3本立て

こんにちは! 
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

我が家では今まで、暮らしのなかのあらゆるものを
「自分たちでつくってみる」という実験をしてきました。
きな粉、ヨーグルト、椅子、テーブル、小屋、発電機……。

今まで「買う」だけだったものを、手を動かしてつくってみると、
それをつくってくれていた人への感謝の気持ちが生まれたり、
自分でやってみた ! という達成感が、ささやかな自信を持たせてくれます。

糸島の青い海

新しい挑戦をするなら、ぜひ夏休みに!

「DIY、やってみたいけれど、普段は忙しくて」という人でも、
「夏休みならちょっと挑戦してみようかな」と思ってもらえるかな? と思い、
過去に評判がよかった3つの「DIY」をご紹介したいと思います。
夏休みの自由研究に、お子さんと挑戦してみるのもオススメです!

藁からつくる! 天然の納豆菌がいきる「藁苞(わらづと)納豆」

手づくり藁苞納豆!

昔々納豆は、藁によってつくられていたこと、知っていましたか? 
藁とは、田んぼで収穫した稲の、米の部分をとり除いた茎のこと。
藁の中には天然の納豆菌が住んでいるため、
昔の人はその藁を活用して納豆をつくっていました。

納豆ができる仕組みは以下の通り。

(1)稲の藁を使った藁苞に、蒸した大豆を入れる

(2)納豆菌が大豆を餌にして大豆の中で増える

(3)納豆ができる

いとしまシェアハウスの田んぼで収穫した稲藁。

納豆の誕生説は多数ありますが、
「聖徳太子が馬の飼料として残った煮豆を藁で包んでおいたら、できあがった」
「煮豆を藁で包んで保存しておいたら、いい香りがしてきた」など、
どれも藁に付着していた納豆菌による自然発酵がキッカケになっているそうです。

そして実は、藁と大豆には密接な関係がありました。
昔は田んぼで稲を育て、田んぼの畔で大豆を育てるのが一般的だったのです。

これは、大豆が空気中の窒素をかためて地面に流し込む習性があるため。
米の生育には窒素が必要なのですが、この大豆由来の窒素が天然の肥料となり、
田んぼを豊かにしていたんですね。
こうして同じ場所で育ったふたつのものが掛け合わされてできたのが、納豆なのです。

稲刈り時期の風景。

ちなみにスーパーで出回っている納豆は、人工的に培養された納豆菌を使っているので、
天然の納豆菌とはパワーが違います。
藁納豆の濃厚な豆の味わいと、とろける舌触り。
一度食べたら、その力強い味わいにやみつきになるはず! 

昨年、我が家で開催した納豆づくりワークショップでは、
一番下は2歳から、一番上は90歳まで、たくさんの方が参加してくれました!

藁苞納豆づくりワークショップの風景。

「蒸した大豆に納豆菌をふりかけるんですか?」という質問がありましたが、
藁にいる天然の納豆菌を使うので、使う材料は
我が家の田んぼでつくった無農薬無肥料のお米の藁と、無農薬の大豆のみ。

【用意するもの】

・藁(長くて丈夫なもの)

・大豆

・大きな鍋

・ホッカイロまたは湯たんぽ

・紙製の米袋、なければ新聞紙

・毛布

まずは納豆を入れるための「藁苞」をつくります。
藁の中央と端を紐で結んだら、半分に折り返して紐で仮止めします。

藁苞づくりの様子

藁苞には手刈り・天日干しをした丈夫で長い藁が必要です。最近は機械化や高齢化が進み、こういった高品質の藁を手に入れるのも難しくなっていると聞きました。

藁苞ができたら、納豆菌以外の菌を殺菌するために熱湯消毒します。

藁苞を熱湯消毒

納豆菌はほかの雑菌に比べて熱に強く、100度以上でも死滅しないのだとか!

その間に、藁苞に入れる大豆を蒸します。
ひきわり納豆をつくる場合は、蒸しあがった大豆を細かくカット。

藁苞の殺菌と、大豆の下準備が同時に終わるようにし、
蒸し大豆ができたら、熱々のうちに藁苞へ入れます。
もたついて温度が下がると雑菌が発生しやすくなるので、
手早く、ささっと入れるのがポイント。

藁苞に大豆を入れ藁で蓋をするようにして結ぶ

藁苞に大豆を入れたら、折り返した片方の藁で蓋をするようにして結びます。

藁で蓋をしたら、紙製の米袋やタオル、ホッカイロや湯たんぽで
ふた晩保温して、できあがり。

出来た納豆を試食中

食べ比べをして人気があったのが、ひきわり納豆。ひきわりのほうが納豆菌が豆の奥まで食い込んで、より“納豆らしい”味がします。

今はなかなか見ることができなくなってしまった藁苞納豆、楽しくつくってみませんか?
興味のある方は、こちらから納豆づくりキットが購入できますよ。

大豆2種類を食べ比べ! 無農薬大豆の藁苞納豆づくりキット

地域存続の鍵になる?
若い地域プレイヤーを育む
“未来への投資”のお話。

こんにちは!
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

食べることが大好きな学生シェアメイト“がんちゃん”が
この夏、旅に出ることになりました。
我が家で「料理人になりたい!」という夢を見つけた彼は、
料理の勉強をすべく修業先を探すことになったのです。

(集落で採れるビワをオンラインで販売し、旅の資金も自分で稼いでいました。
なんという成長! うれしい……)

がんちゃんがシェアハウスに住むことになったキッカケは、去年夏の学生合宿。
そこで我が家の暮らしに惚れ込み、内定を断り、
大学を休学してまで住人になってくれたのです。

納屋のDIYも学生さんたちと一緒に。

納屋のDIYも学生さんたちと一緒に。

住人になった彼が企画した学生合宿では、
これまでに20名以上の学生が参加してくれました。
教えることもたくさんありましたが、学生たちの瑞々しい感性や、
今の時代を反映した新しい価値観に、私たちが学ぶ場面も多く、
とにかく刺激的な時間でした。

そしてあらためて、「シェアハウスを長く続けていくためには、若手の存在が不可欠だ!」
ということに気がついたのです。

過去の学生合宿の参加者には、その後〈地域おこし協力隊〉になったメンバーも。

過去の学生合宿の参加者には、その後〈地域おこし協力隊〉になったメンバーも。

私の住む場所は、平均年齢65歳以上の集落。
周りはおじいちゃん、おばあちゃんばかりです。
こういう環境にいると30代の私もつい「自分たちは若者」と錯覚しがちですが、
今のまま何も行動しなかったら、私もシェアハウスもあっという間に年をとってしまいます。
それはマズい! 

里山は自然豊かで暮らしやすいけれど、最先端の情報や価値観を得にくい環境です。
だからこそ、世の中の人たちがどんなことを考え、
どんなものを求めているかを感じとって、変化していかないと、
人はまちに流れ出てしまうばかりです。

今回は、どうやったらこの場所に若い人たちを呼び、次世代のメンバーを育成していくか。
私たちシェアハウスが意識的に取り組んでいることについてお話ししたいと思います。

お酒、お酢、ワイン!
暮らしに欠かせない
わたしのまちの醸造所

今月のテーマ 「わたしのまちの醸造所」

日々の食卓に欠かせない、味噌、醤油、お酢、日本酒、ワインといった醸造品。
インターネットの普及で、全国の醸造品が気軽に入手できる時代ですが、
もともとは地域で親しまれ、消費されてきたもの。

「これがないと味が決まらない!」「イベントが盛り上がらない!」
そんなふうに地域住民から愛される醸造品をつくるのは、どんな蔵?

今回は、日本各地に暮らすみなさんに、
まちの小さな醸造所を紹介してもらいました。

【岩手県花巻市】 地域を活性させ、生産者の志気をあげるワインづくり

株式会社エーデルワインの外観

岩手県花巻市大迫町(おおはさままち)にある、
昭和37年創業の老舗ワイナリー〈株式会社エーデルワイン〉。
主に大迫産のぶどうを使用したワインづくりを行っています。

大迫町のぶどう栽培の歴史は、昭和25年まで遡ります。
同年、県立の農業試験場大迫葡萄試験地が創設され、
本格的にぶどう栽培がスタート。

昭和37年には、町役場と農協が中心となり、
〈岩手県ぶどう酒醸造合資会社〉(現エーデルワインの前身)が設立され、
ワインづくりが始まったのです。

青々と葉が茂る、ぶどう畑の風景

エーデルワインで醸造したワイン

大迫町の気候は昼夜の温度差が大きく、
弱アルカリ性の石灰岩土壌であることから、ぶどう栽培に適した土地とされています。

2018年には、オーストリア・ウィーンで開催される
国際ワインコンクール〈AWC Vienna〉で、
日本のワイナリーで初めて、ひとつ星を獲得しました。

エーデルワインの直営店〈ワインシャトー大迫〉のテイスティングルームでは、厳選されたワインを有料で試飲できます! 売店にも無料のワイン試飲コーナーが用意されています。

エーデルワインの直営店〈ワインシャトー大迫〉のテイスティングルームでは、厳選されたワインを有料で試飲できます! 売店にも無料のワイン試飲コーナーが用意されています。

また、既存のワインとは別に、ぶどうやワインの品質向上のため、
ぶどう生産者ごとのワイン(通称:個別ワイン)をつくる取り組みも。
小さいタンクでそれぞれつくられ、ボトルには生産者の名前が入ります。

ぶどう生産者の名前が入る個別ワイン。

ぶどう生産者の名前が入る個別ワイン。

自分の名前が入ったワインができると、その年のぶどうのできを自身で確認できるうえに、
ぶどう栽培に対する士気も高まります。
ぶどう農家は日々、品質を確認しながら、おいしいぶどうづくりに励んでいます。

information

map

ワインシャトー大迫

住所:岩手県花巻市大迫町大迫10-18-3

TEL・FAX:0198-48-3200 ※工場見学の予約受付はこちら

開館時間:9:00~16:30

休館日:年末年始(12月31日~1月3日)

入場料:無料

WEB:https://edelwein.co.jp/edel_info/wein_chateau

Facebook:https://www.facebook.com/edelwein.co.jp/

photo & text

鈴木寛太 すずき・かんた

1991年東京都出身。2011年に発生した東日本大震災以降、大学のボランティアプログラムで、繰り返し岩手県を訪れるようになる。一度は就職するも、2015年8月、地域おこし協力隊として花巻市に移住。大迫(おおはさま)地区で、減少が続くぶどう農家の支援やイベントの企画・調整を行っており、2018年5月にぶどう農家となる。2018年7月末、3年間の地域おこし協力隊の任期を終え、本格始動中。

ハッカ、ドクダミ、ビワの種!
身近な野草で
手づくり「虫除け&虫刺され薬」

こんにちは。
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

田舎に住んで一番最初に受ける洗礼、それは「虫刺され」です。
田舎暮らしを始めて気づいたことなのですが、
虫たちは今までになかった“新しい血”が大好き。
私はここに住んでもう6年も経つので全然狙われませんが、
住み始めたばかりのメンバーたちには、嬉々として襲いかかります。

裸足で行う田んぼ作業は、蚊にとって絶好のチャンス!

裸足で行う田んぼ作業は、蚊にとって絶好のチャンス!

福岡に引っ越してきて驚いたのですが、こちらの蚊は関東の2倍くらいの大きさ。
腫れ方も、それはそれはたいしたものなのです。

今回は、そんなパワフルな虫たちと楽しく(?)共存していくために、
身近に生えている野草を使ってつくる「虫除け&虫刺され薬」を紹介します。
もはや田舎暮らしの、夏の “必須アイテム” と言っても間違いないでしょう。

爽やかな香りが虫除けに! 
リラックス効果もある、和ハッカの「虫除けスプレー」

和ハッカ。

我が家の庭にたくましく生える和ハッカ。
これに含まれるメントールという成分は、清涼感のある強い香りが特徴で、
虫たちはこの香りが大嫌いなため、防虫効果があります。
和ハッカはミント類のなかでもメントールの含有量が特に多いとされ、効果も絶大。

というわけで、この和ハッカを使って「虫除けスプレー」をつくります。
和ハッカは洗って瓶にパンパンに詰め、
アルコール(ホワイトリカーでもOK)をひたひたに入れます。
2週間程度冷暗所で保存したらできあがり。

和ハッカは洗っておきます。

リラックス効果もあり、クーラーは使いたくないけれど、
体感温度を下げたいときのリフレッシュとしても使っています。
(虫たち、こんな爽やかな香りが嫌いなんて信じられない!)

和ハッカを瓶に詰めてアルコールをひたひたに注ぎます。

生の和ハッカが手に入らない、という方には
お手軽にネットで買えるハッカ油が◎。

ハッカ油5~10滴と、無水エタノール10ミリリットルを振って混ぜ、
そこに水(精製水がベター)90ミリリットルを混ぜれば、虫除けスプレーの完成! 
ハッカ油はかなり強力なので、数滴で十分の効果あり。
(入れすぎると痛いくらいです!)

ハッカ油はポリスチレンを溶かす作用があるので、
ポリスチレン製ボトルはさけ、ガラス製のスプレーボトルがオススメです。

手づくりすれば、1本50円以下とコスパがいいので、ぜひお試しあれ! 
網戸に吹きかければ、爽やかな空気を楽しみながら、蚊の進入を防げちゃいます。
生ゴミ周りのコバエや、夏場のゴキブリ対策にも効果があるそうです。

岩手県〈とおの屋 要〉
佐々木要太郎さん
食、どぶろく、風土を味わう
オーベルジュ

訪れる人の約8割が、都心部や海外の料理人、食通、飲食関係者という、
少し風変りなオーベルジュが、岩手県遠野にある。

そこは、「料理人」「米農家」「どぶろく醸造家」「発酵のプロフェッショナル」と
複数の顔を持つ、佐々木要太郎さんが主を務める〈とおの屋 要(よう)〉。

〈とおの屋 要〉の外観。

〈とおの屋 要〉の外観。

ひとつひとつの仕事に、目、鼻、舌、耳、皮膚、すべての感覚を研ぎ澄ませ、
類稀なる感性で、“オリジナル” というべきものに仕立て上げる佐々木さん。
その仕事への情熱と妥協のなさが口コミで広まり、
噂を聞きつけたシェフや飲食関係者が、次々と遠野を訪れるようだ。

〈とおの屋 要〉の玄関にて。

オーベルジュの白い暖簾をくぐるとと、
重厚感のある木戸を構えた、趣のある建物が。
岩手県紫波の豪農宅にあった、築200年前後の「米蔵」を移築再生した建物で、
玄関の左手には米蔵をリノベーションしたダイニングと、右手には新設した宿泊棟。
ささやかながらも存在感を放つ、懐かしの調度品が空間を演出し、
その洗練された雰囲気は、宿泊への期待を一層高めてくれる。

〈とおの屋 要〉のエントランス。

佐々木さんは、ここ遠野で100年以上続く〈民宿とおの〉の4代目。
民宿は現在も営業しているが、「自分の力だけで勝負できる場を」と、
9年前に民宿の隣に米蔵を移築し、オーベルジュの営業がスタートした。

宿泊棟の廊下。

1日ひと組限定で、1棟貸し切り。
和室と洋室のふたつの寝室が用意されており、最大8名まで宿泊可能。

館内には、佐々木さんがこれまで収集してきた、姿の美しい家具、オーディオ、
佐々木家で代々大切に使われてきた暮らしの道具、
山仕事の合間に見つけた植物でつくったというリースやスワッグが、
しっくりと空間にとけこんでいる。

建物の2階は、ダイニング吹き抜けのメゾネットになっており、
広さも、淡い光の差し込み加減も、調度品も、その配置も、すべてが心地いい。
宿泊者が気に入って、寝室ではなくここで寝る人もいるのだそう。

天井には、どっしりとした継ぎ目なしの栗材の梁と、
通常より倍以上も多く使われているという垂木。
ここまで贅沢につくられた米蔵は滅多にないらしく、建築ファンをも喜ばせてくれるはず。

2階のメゾネット。

2階のメゾネット。

このオーベルジュの楽しみはさまざまにあるが、
特に期待が高まるのは夕食タイム。
日本や海外からのシェフが、その味を求めて訪れるという佐々木さんの料理は、
とにかく独創的で、これまで目にも口にもしたことがないようなものばかりが登場するのだ。

佐々木さんが敬愛しているという北欧のデザイナー、ポール・ケアホルムの写真も。

地域の自慢のひとつ!
わたしのまちを象徴する
花や植物

今月のテーマ 「わたしのまちを象徴する、花や植物」

奈良時代の末期に成立したという『万葉集』の
3分の1は“植物”を詠んだ句であるほど、
日本人は遠い昔から草花や木々に関心をよせ、愛でてきました。

また、南北に長く、地域によって風土も気候もさまざまな日本には、
その土地ならではの花々や、そこにしか生息しない植物も多く見られます。

住む場所が変われば、これまで身近にあった花が見当たらなかったり、
逆に、今まで見たことのないような感動的な植物に出合えたり。
そんな楽しみを見いだしてみるのも、乙なもの。

今回は、日本各地のIターン者の皆さんに、
移住先で発見した、地域を象徴する花や植物を紹介してもらいました。

【島根県隠岐の島町】 固有種のオキシャクナゲ守るため、●●を開発!

〈ユネスコ世界ジオパーク〉に認定されている隠岐では、
不思議な植生を身近で見ることができます。
町花の「オキシャクナゲ」も、隠岐で生まれた不思議な固有種のひとつ。
散歩中や、山登りの最中に、かわいいピンク色で目を楽しませてくれます。

葉が小さく丸みを帯び、花びらが7枚あるのがオキシャクナゲの特徴。シャクナゲの多くは高山植物ですが、オキシャクナゲは日本で最も低地に自生しているそうです。

葉が小さく丸みを帯び、花びらが7枚あるのがオキシャクナゲの特徴。シャクナゲの多くは高山植物ですが、オキシャクナゲは日本で最も低地に自生しているそうです。

そんなオキシャクナゲを一望できるのが、
島の北西、五箇地区にある〈村上家隠岐しゃくなげ園〉です。
約1万株の花が満開になると、それはそれは圧巻。

しかし園主さんもご高齢になり、維持管理が大変なのだそう……。
後継者もいない状態で、今後どうなるのか、地域からも不安の声が上がっていました。

終わりかけの花を摘むと翌年もきれいな花を咲かせるのだそう。ひとつひとつ手で摘んでいくのは大変な作業です。

終わりかけの花を摘むと翌年もきれいな花を咲かせるのだそう。ひとつひとつ手で摘んでいくのは大変な作業です。

そこで立ち上がったのが、地域おこし協力隊の先輩でもある吉田さん。
オキシャクナゲのエキスを抽出してつくった
〈OKI*HANA フェイシャルソープ〉を企画・販売し、
売上の一部をオキシャクナゲを守る活動に充てています。

毎年GWに同園で開催されるしゃくなげ祭や、島内各所のお土産屋さんなどで販売。
現在までに50万円以上を売り上げているとのことです。

オキシャクナゲのエキスは、お肌にハリを与えて整える効果があるとのこと。きめ細やかな泡立ちで気持ちがよく、私も愛用中。

オキシャクナゲのエキスは、お肌にハリを与えて整える効果があるとのこと。きめ細やかな泡立ちで気持ちがよく、私も愛用中。

太古の昔に大自然が生んだ美しい花を、私たちの代まで受け継いでくれた先人の想い。
それを含めて後世まで残す――。
ロマンを感じる活動だと思いませんか?

information

map

OHANA工房

住所:島根県隠岐郡隠岐の島町北方1535

TEL:08512-5-2083

オンラインショップ:https://www.oki-ohana.com/

photo & text

五十嵐杏美 いがらし・あみ

平成2年生まれ。元ギャルの島ガール。2017年3月末、東京から島根県隠岐の島町へ移住し、現在は地域おこし協力隊として活動中。移住のテーマは、【自然との共生】と【丁寧な暮らし】。四季の移ろいのなかで豊かに生きる術を学び中。また、自分らしく生きることを探求するためにヨガとアーユルヴェーダを学んでおり、同時に広める活動も行っている。

この美しい「棚田」を守るために――
小さなビジネスで
耕作放棄地を救え!

こんにちは。
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

田植えの季節になりましたね! 
6月初旬は毎日田植えをするので、
昼間は限界まで体を動かして、夜は泥のように眠る日々。

田植え作業のあとって、なぜだかプールのあとのように深い眠気がやってくるんですよね。
おかげで夜はPC作業中に寝落ちしてしまうほど。
(この疲れ、なんだかんだで嫌いじゃないですけどね(笑))

というわけで、今も絶賛田植え後に原稿を書いているので、
まだ外は明るいのに、すでに眠気がMAXでやってきております。
どうか最後までおつき合いくださいませ。

田んぼの中でいろんな生き物を見つける子どもたち。

田んぼの中でいろんな生き物を見つける子どもたち。

裸足で田植えをすると、水中の生き物の動きや、泥の不思議な感触、さまざまな刺激によって脳が活性されるような気がします。

裸足で田植えをすると、水中の生き物の動きや、泥の不思議な感触、さまざまな刺激によって脳が活性されるような気がします。

さて、今回のテーマは「小さなビジネスで、地域が抱える課題と向き合う」です。

いとしまシェアハウスの田んぼがあるのは、
山の勾配に沿った、ユニークな形の田んぼが連なる棚田エリア。

水面に映り込む空、ふわふわと飛び回るホタルたち、カエルの大合唱。
こういう風景を見て「美しい棚田のあるところに移住してみたい」と
思っている方、多いのではないでしょうか。
私もそのうちのひとりでした。

移住して6年、変化する棚田の風景に毎日癒され、
この風景に心から惚れ込んでいます。

田植え前の、鏡のような棚田。1年に数日しか見られないこの景色は、住人だからこそ見られる特権。

田植え前の、鏡のような棚田。1年に数日しか見られないこの景色は、住人だからこそ見られる特権。

ところが、実際に住んでみると、
この美しい棚田が大きな課題を抱えていることがわかりました。
棚田の担い手不足が深刻化しているのです。

若者たちは皆、まちに出て働いているため、集落にある棚田管理のほとんどは
平均年齢65歳以上の高齢の方が担っていますが、後継者が見つかりません。

棚田は昼夜の温度差が大きいこと、水源に近く水がきれいなことなどから、
おいしいお米が育つといわれていますが、
平坦地の水田に比べると「労力2倍、収量半分」といわれるほど生産性が低く、
ビジネスとして回していくのは非常に難しい仕組みなのです。

水面に映り込む雲がきれい。

水面に映り込む雲がきれい。

田んぼの面積が小さく、収穫量が少ないこと、大型の機械が入れられないこと、
石垣を守るために除草剤は使わず、こまめに草刈りをしなければならないこと……。

こういう理由から、大規模農業が広まった1970年代から棚田の耕作放棄は加速、
今や日本の棚田は、全盛期の約4割が失われてしまったといわれています。

私たちの集落でも、田んぼを手放す人たちが増えてきました。
耕作放棄地が増えると、景観が損なわれるだけでなく、
荒れた土地に野生動物たちが下りてきて、石垣を崩したり、畑の作物を荒らしたり……。
その影響で、さらに耕作放棄が進むという悪循環も起きています。

大きく育った稲の苗。

大きく育った稲の苗。

確かに「食料の生産」だけの面から見たら、棚田は非効率かもしれません。
けれど、里山の棚田にはたくさんの“役割”があるのです。

・大雨の際に自然のダムの役割を果たし、増水を抑えて土砂災害を防ぐ

・水が地中にゆっくり浸透し、不純物をろ過することで、美しい地下水を蓄える

・土の水路やあぜ道には絶滅危惧種などの生き物が多く生息し、生物多様性が守られる

・美しい景観で人の心を癒す力がある

生きた化石、カブトエビ。田んぼの雑草を食べてくれるうえに、泥をかき混ぜて水を濁らせ、光を遮ることで雑草の発芽を防いでくれます。

生きた化石、カブトエビ。田んぼの雑草を食べてくれるうえに、泥をかき混ぜて水を濁らせ、光を遮ることで雑草の発芽を防いでくれます。

里山にとって、棚田はかけがえのない存在です。
けれど本来、棚田は日々の暮らしのそばで活用されてこそ、成り立つもの。
ライフスタイルや働き方、物の価値が変わり、
棚田の必要性を感じられなくなってしまった現代で、
その文化を守っていくことは簡単ではありません。
お金も稼げないし、手間も時間もかかるからです。

糸島の棚田。

そして、一度手放され、荒れた田んぼに
以前の生態系が戻ってくるまでには、長い時間が必要になります。
それがよくわかっているからこそ、
地元の人たちは1年でも「休めない」と、棚田での米づくりを続けています。
今、里山の棚田はそうやってふんばる地域の人たちの思いだけで
なんとか回っている状態ですが、それもいつまで保てるかはわかりません。

山が荒れれば、その先にあるまちにもいつか影響が出てきます。
土砂崩れ、洪水、川の氾濫……。
最近よく聞くこういった災害も、里山の荒廃が関係しているともいわれています。

手遅れになる前に、今ある棚田だけでもなんとか守っていかないと! 
それが、棚田の問題を目の当たりにしたこの場所で、強く思ったことでした。

無事田植えが終わって、達成感でいっぱい!

無事田植えが終わって、達成感でいっぱい!

そこで、この課題を解決すべく、去年からスタートしたのが〈棚田のオーナー制度〉です。

耕作放棄地を増やさず、棚田を管理していくには、
そこに小さなビジネスをつくることが欠かせません。

例えば、棚田を所有する農家の生活が守られるように、
ビジネスで小さくとも保障する、というイメージでしょうか。
農家が「儲かる」ということよりも、
棚田に関わる「時間やキッカケをつくる」ためのものです。

富山県で独自に進化!
幸せをシェアする
「かまぼこ」を掘り下げてみる

かまぼこには“板”がない、それが富山の常識

いきなり私ごとだが、20年ほど前に神奈川県から石川県にIターンで移住してきた経験を持つ。
最初の頃は、あっち(神奈川)では見たこともなかった食材が、
こっち(石川)のスーパーにはたくさん並んでいたり、
一方、あっちのスーパーではどこでも買えたものが、
こっちではどこにも売っていなかったり、そんなことに戸惑っていた。

だが、そう言いつつも、暮らしてみないとわからない
食文化の違いを知ることができたことで、ワクワクもしていた。
そしてそれは、独自の文化がしっかりと根づいている、
北陸のおもしろさを知った瞬間でもあった。

その代表のひとつが「かまぼこ」だ。
神奈川には〈小田原かまぼこ〉があり、かまぼこといえば“板”かまぼこが当たり前。
これは全国でも同じだと思っていたが、板かまぼこを石川で見かけることは少ない。
そのかわりに売られているのが、赤いうずを巻いた、板にのっていないかまぼこ。
赤いうずは、青色や黄色いもの、そして昆布になっているものもあって、
かまぼこというよりは、ナルトのようでもある。

富山や石川でおなじみの、板のないかまぼこ。(写真提供:梅かま)

富山や石川でおなじみの、板のないかまぼこ。(写真提供:梅かま)

石川に住み始めてすぐに
「どうやら、この辺りではかまぼこの常識が違うらしい」ということはわかってきた。
周りには富山出身の人間も多く、そんな話をすると、
「富山のかまぼこはもっとすごいゾ!」と教えられて、
富山のかまぼこ店をのぞきに行ったこともあった。
そのときに見た華やかな店先に、度肝を抜かれたことは今も鮮明に覚えている。
「これが全部かまぼこなのか?」と。

トラム(路面電車)が頻繁に発着する富山駅。

トラム(路面電車)が頻繁に発着する富山駅。

北陸新幹線が2015年に開通し、
同時に新しくなった富山駅構内のショッピング街へ行ってみた。
ここにはかまぼこを専門に扱うショップが3軒ほどあり、
それぞれの店先は、以前にも増して華やかになっている。

富山駅にある〈梅かま きときと市場 とやマルシェ店〉。

富山駅にある〈梅かま きときと市場 とやマルシェ店〉。

かわいらしいかまぼこは、旅行者のお土産に人気。小さくて手頃なものがよく売れているそうだ。

かわいらしいかまぼこは、旅行者のお土産に人気。小さくて手頃なものがよく売れているそうだ。

店頭には、大きな鯛を中心に据え、
縁起物をかたどったかまぼこの盛り合わせが、存在感を示している。

鯛も立派だが、値段も立派!

鯛も立派だが、値段も立派!

それにしても、なぜこのようにデコレーションされたかまぼこが富山では盛んなのか? 
無性に気になってきた。

5つのレシピ、教えます!
傷んだ梅も余さず使いきる、
私の“簡単”梅仕事

こんにちは。
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

梅干しに梅シロップ、梅ジャムに梅肉エキス……
梅仕事の季節がやってきましたね! 
我が家は毎年、田植えと時期がかぶって大忙し。
みなさんも、そろそろ梅の準備を始めている頃ではないでしょうか。

梅の木収穫の風景。

我が家は毎年、無農薬・無肥料の梅をオンラインで販売しています。
糸島の湧き水と、豊かな土ですくすくと育ち、野生味あふれる味わいで、
毎年完売する大人気の梅なのですが……今年は稀に見る不作の年! 

こういった果樹類は、

・実なりがよく、たくさん収穫できる“表年”

・収穫量が少なくなる“裏年”

が、だいたい交互にやってくるといわれています。
去年豊作の“表年”だったので、今年は収量がちょっと下がるかなあ? 
なんてのんきに構えていたのですが……

もう! びっくりするくらい! 
ない! 

梅がない!

梅がない!! 

葉っぱだけの梅の木!

1本の木にひとつも実がついてない! なんて木も。
これ、本当に梅の木よね……? 
(いやいや、毎年たっぷり梅を収穫している立派な梅の木のはず)

貴重な梅の実を収穫します。

どうしちゃったのでしょうか、今年は。
確かに暖冬で、梅の花はだいぶ早くに咲いていたけれど、
そのときに受粉がうまくいかなかったのでしょうか。

ご近所さんも「ここに嫁いできて、一番梅がなっていない」と驚いていたし、
熊本の梅農家のお友だちも、前年の半分程度の収量なのだそう。
みなさんの周りでは、どうでしょう? 

今年はスーパーにもあまり梅が出回っていないと聞きますし、
手に入れた貴重な梅は、多少傷があるものでも大事に使いたいですよね。

というわけで今回は、梅の状態別・オススメの仕込み方をご紹介します。

〈地域おこし協力隊〉の
皆さんに質問!
実際に、どんな活動をしているの?

今月のテーマ 「地域おこし協力隊として、こんな活動をしています!」

4月の〈このまちのくらしとけしき〉の連載では、
地域おこし協力隊のみなさんに、どんなキッカケで入隊したのかを尋ねました。
では、協力隊になって、どんな活動をしているのでしょう? 

さまざまな思いのなかで、一歩踏み出した新しい暮らしは、実際にどうなのか? 
どんな課題を感じ、どんなアクションを起こしたのか? 
今後、どんなことに取り組んでいくのか? 

各地で暮らすなかで得た思い、これまでのできごとを教えてもらいました。

【島根県隠岐の島町】 地域と、移住者の、架け橋となれるように

私は、島のなかでも特に過疎高齢化が進んでいる
「布施」という地区の活性化を担っています。
具体的なミッションはありませんが、
だからこそ、自分のアイデアをひとつずつ実現していくことにやりがいを感じています。

1年目は、あえて“何でも屋”になって、地域の実態を知ることに注力しました。
そのなかで、まず必要なのは“モノ”や“カネ”よりも、“ヒト”だと感じ、
2年目からは、布施の関係人口の創出をメインに活動を行うことに。

なにもかもが新鮮で、まるで長い旅をしていたかのような1年目。今は、同じ景色を見て“自分の故郷”のように感じられるようになりました。東京生まれのため、“故郷”への憧れを抱いていた頃には想像できなかった心境の変化です。

なにもかもが新鮮で、まるで長い旅をしていたかのような1年目。今は、同じ景色を見て“自分の故郷”のように感じられるようになりました。東京に生まれ、“故郷”への憧れを抱いていた頃には想像できなかった心境の変化です。

事業のなかで、「布施の美しい四季と暮らし」を広めるための素材が必要になり、
島の日常を切りとってもらうべく、写真家さんを招聘。
私が布施でもらったやさしさや、自然のパワーが、
そのままかたちになったような写真の数々に感激し、
これを多くの人に広めなければ……という使命感を強くしてくれました。

地域でなにかあるらしい……! と噂を聞けば参加して、皆さんの会話の中からカケラを拾い集めるように、地域を“知る”ことに費やしました。どこへ行っても温かく受け入れてくださるのでうれしかったです。

地域でなにかあるらしい……! と噂を聞けば参加して、皆さんの会話のなかからカケラを拾い集めるように、地域を“知る”ことに費やしました。どこへ行っても温かく受け入れてくださるのでうれしかったです。

また、人を呼び込むためには“場”も必要だと感じ、
「空き家を活用した場づくり」にも挑戦中です。
そして、地域おこし協力隊の最終年度の今年は、布施の「暮らし体験ツアー」も行うことに。

関東圏ではまだ認知度が低い「隠岐の島」を少しでも知ってもらえるようにと、関東でのイベントに参加したり、ときには自分で企画も行いました。

関東圏ではまだ認知度が低い「隠岐の島」を少しでも知ってもらえるようにと、関東でのイベントに参加したり、ときには自分で企画も行いました。

知らない土地で、初めてのことばかり。
価値観の違いもあり、おもしろい反面、大変なことも多いですが、
「島での豊かな暮らしを求めている人」と
「若い力を求めている地域」との架け橋になれるよう、挑戦し続けたいです!

* * * * *

具体的な活動内容はこちらでご紹介! ぜひのぞいてみてくださいね。

島暮らしとヨガのできる古民家 Danaの家

暮らし体験ツアー〈しまびとごっこ〉

布施地区の四季、美しい自然、島民の暮らしを綴ったPR動画

布施地区のInstagram

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五十嵐杏美 いがらし・あみ

平成2年生まれ。元ギャルの島ガール。2017年3月末、東京から島根県隠岐の島町へ移住し、現在は地域おこし協力隊として活動中。移住のテーマは、【自然との共生】と【丁寧な暮らし】。四季の移ろいのなかで豊かに生きる術を学び中。また、自分らしく生きることを探求するためにヨガとアーユルヴェーダを学んでおり、同時に広める活動も行っている。

移住を決断する前のトライアル!
田舎暮らしの“二拠点生活”
〈いとしまシェアハウス〉で
始めてみませんか?

こんにちは。
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

私たちが住む福岡県糸島市の集落も緑がどんどんと濃くなり、
カエルの鳴き声も、虫の音も、爽やかな初夏を感じさせる季節となりました。

冬の間、茶色い景色をずっと見てきたので(もちろんそれはそれで美しいのですが)、
初夏のこの眩しいほどの緑がうれしくてうれしくて! 
海も透きとおるように青く、これからやってくる夏にワクワクしています。

空を美しく映し出した棚田の散歩、海や川での水遊び、池で冷やしたスイカ割り、
今年はどこまでできるかなあ。

もうすぐこんな棚田の景色が見られます。

もうすぐこんな棚田の景色が見られます。

さて、“移住”はちょっとハードルが高いけれど、
こんな田舎での生活を体験してみたいなあと思っている人に、
我が家からひとつ提案があります。

便利な都心と自然豊かな里山、どちらも楽しめる二拠点生活(デュアルライフ)を
いとしまシェアハウスで始めてみませんか? 

我が家は築80年の古民家で、水道なし、湧き水暮らしという田舎暮らしですが、
福岡市内から電車1本で約50分、空港からも電車で約1時間という好アクセス。

お米の自給率も100%!

お米の自給率も100%!

この〈いとしま二拠点暮らし〉プロジェクトでは、まちと糸島を行き来しながら、
月に好きな日数だけ我が家に滞在してもらい、
田舎の楽しさを感じてもらいながら、
新しい生き方の実験をしてもらいたい、と思っています。

というのも最近、
日本のトップ企業による、終身雇用が難しくなったというニュースが話題になりました。
今までの「安定した働き方」や「堅実な生き方」のロールモデルが崩れていくなか、
仕事や拠点を複数持ちながら、変化する社会を自分らしく生きていこうと
挑戦する人が増えているような気がします。

そういう挑戦を、我が家をスタートにしてもらえたらうれしいなあ、
そのサポートができたらなあ、そんな気持ちもありました。
(まさに、我が家にはそういった暮らしや生き方をする仲間がたくさんいるからです)

さまざまな挑戦を続けるシェアハウスのメンバーたち。

さまざまな挑戦を続けるシェアハウスのメンバーたち。

太陽光パネルで
目指せ、エネルギー100%自給!
〈いとしまシェアハウス〉の
オフグリッド計画・その1

こんにちは。
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

エネルギーの自給を目指す我が家では、
シェアメイトひとりにつき1枚、モバイルソーラーチャージャーを配布し、
そのエネルギーでスマートフォンを充電する取り組みを行っています。
※過去記事はこちらから。

そして今回、ついに家で使うすべてのエネルギー自給100%を目指し、
太陽光発電システムを導入することになりました! きゃー! 

足場をつくり、その上で作業します。

足場をつくり、その上で作業します。

今回はその第一歩として、駐車場の屋根を葺き替え、
そこに18枚の太陽光パネルを設置することになりました。

この太陽光パネルは1枚で275ワット発電するので、
18枚で約5キロワットの発電量になります。
これは、標準的な家庭の電気消費量を十分まかなえる電気量だそうです。

今まで私たちが持っていた大きめの設置型太陽光パネルが50ワットなので、それの約99倍。
いつも使っているスマホ充電用の
折りたたみ式太陽光発電機が20ワットと考えると、約247倍。
すごいパワーです! 

屋根の葺き替えは、大工インレジデンスのメンバーとして我が家に住んでいる、プロの大工ふみよくんがあっという間にやってくれました。

屋根の葺き替えは、大工インレジデンスのメンバーとして我が家に住んでいる、プロの大工ふみよくんがあっという間にやってくれました。

まずは、強風でトタンが吹き飛ばされ、穴だらけになった駐車場の屋根を葺き替えます。
1枚10キロある太陽光パネルは、18枚で合計180キロ。
屋根材は、この重さに耐えられるものをセレクトしました。

すっかり屋根の準備ができたら、さっそく太陽光パネルを設置していきます。

すっかり屋根の準備ができたら、さっそく太陽光パネルを設置していきます。

〈地域おこし協力隊〉の
皆さんに質問!
どんなキッカケで入隊したの?

今月のテーマ 「こんなキッカケで、地域おこし協力隊になりました」

高齢化、人口減少が進む日本各地で、
意欲的に地域協力活動を行う都市住民を受け入れ、
彼らのニーズに応えながら、地域力の維持や強化に協力してもらう――
そんな目的をもって2009年に制度化された、〈地域おこし協力隊〉。

総務省によれば、2018年は5359人もの隊員が全国の自治体に所属し、
地域を盛り上げるべく活動しているようです。

「協力隊に興味はあるけれど、どんなキッカケで入隊するんだろう……?」
と、なかなか一歩踏み出せずにいる方も意外と多いのでは? 

そこで今回は、実際に地域おこし協力隊の皆さんから、
協力隊を志すことになったキッカケを教えてもらいました。

【岩手県一関市】 初めて、地元の将来が明るく見えたワークショップ

地元の「一関」にも、おもしろい人がいる。
自分も何か一緒にできることがあるのでは? 
そう思ったのが、地域おこし協力隊になったキッカケでした。

それまでは被災した沿岸地域のボランティアや、それに携わる業務をしていました。
ふと思ったのが、沿岸地域は深刻な状況ではあるものの、
さまざまな支援があり、復興を目指す気運で地域に活気があるけれど、
高校を出るまで暮らしていた一関には、こんな活気はない。

地元の一ノ関駅前の商店街。

地元の一ノ関駅前の商店街。

そのときは、そう思い込んでいました。
ですが、一関で行われた、“地域おこし”がテーマのワークショップに
たまたま参加したところ、
地元で活躍されている社長や、同じ志を持つ同世代の人と出会いました。

“地域おこし”がテーマのワークショップにて。

彼らと話していると、地元を悲観するということはまったくなく、
「こうしたらおもしろそう!」というアイデアが次々と出てきて、
ワクワクしたのを覚えています。

このとき初めて、地元の将来が明るく見えた気がしました。
その後、自分の働き方について考えるタイミングがあり、
私は一関の協力隊に飛び込みました。

ワークショップで出会った方とは、今でもさまざまな場面でご一緒させてもらっています。

ワークショップで出会った方とは、今でもさまざまな場面でご一緒させてもらっています。

協力隊になって3年。
ワークショップで出会った仲間、そして、協力隊になってから出会った仲間とともに、
あの日語り合った明るい一関の未来を目指し、一歩一歩活動を続けています。

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櫻井陽 さくらい・よう

岩手県一関市出身。2016年よりUターンで一関市の地域おこし協力隊に着任し、農業分野の地域団体の活動支援を行う。好きな食べ物はカレー。趣味の硬式テニスをやらないと病にかかる体質。2017年より一関で楽しく暮らしたい20代のための地域団体〈TAKU。(たくまる)〉を発足し、各々がまちを楽しむためのさまざまな企画を実施する。

【島根県隠岐の島町】 地方に暮らす人々の、生きる強さと、真のやさしさを感じて

私の場合は、地域おこし協力隊のネガティブな噂を聞いたり、
おかたいイメージの行政に所属することへの抵抗感があったりして、
正直なところ、まさか自分が協力隊になるとは思ってもみませんでした。

一度訪れてから、ずっと心に残り続けていた御神木「乳房杉」のある集落に住めることに。勝手に乳房杉が私を呼んでくれたような気持ちになりました。

一度訪れてから、ずっと心に残り続けていた御神木「乳房杉」のある集落に住めることに。勝手に乳房杉が私を呼んでくれたような気持ちになりました。

大学卒業後はOLをしていましたが、東京での生き方への違和感を払拭できず、
自分なりの答えを見つけたくて各地を旅していました。

衣食住にまつわることを自分たちで何とかするような地方の暮らし方に触れるたび、
人々の生きる強さと、真のやさしさを感じて、衝撃が走ったのを覚えています。

そのうちに、私には自然のなかで暮らすことが合っていると確信し、
漠然と憧れていた島への移住を決意。
暮らすならここ! と思ったのが隠岐の島町でした。

当時持っていた理想の移住先のイメージは、「四季を感じられる」「山や田畑などの日本の原風景がある」「伝統文化が残っている」「田舎すぎず都会すぎず」そんな島でした。

当時持っていた理想の移住先のイメージは、「四季を感じられる」「山や田畑などの日本の原風景がある」「伝統文化が残っている」「田舎すぎず都会すぎず」そんな島でした。

移住するにあたって、仕事と家も希望に近づけたいと考えていたところ、
仲よくなった協力隊の友人に、次年度の募集があることを教えてもらいました。
自分の願望と募集条件がぴたっと重なり、
「これは私のための仕事だ!」と直感的に感じ、応募。
こんなふうにして、流れ着いた先が協力隊でした。

結局、1番大切なのは人とのご縁。「この人と一緒に働きたい!」と思う担当者さんに出会えたことが決め手に。地域からの信頼も厚い方だからこそ、私もすっと溶け込めたのだと思います。

結局、一番大切なのは人とのご縁。「この人と一緒に働きたい!」と思う担当者さんに出会えたことが決め手に。地域からの信頼も厚い方だからこそ、私もすっと溶け込めたのだと思います。

理想のライフスタイルを目指しながら活動させていただけることになり、
「ご縁の国しまね」でのご縁を信じてよかったと思っています。

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五十嵐杏美 いがらし・あみ

平成2年生まれ。元ギャルの島ガール。2017年3月末、東京から島根県隠岐の島町へ移住し、現在は地域おこし協力隊として活動中。移住のテーマは、【自然との共生】と【丁寧な暮らし】。四季の移ろいのなかで豊かに生きる術を学び中。また、自分らしく生きることを探求するためにヨガとアーユルヴェーダを学んでおり、同時に広める活動も行っている。

プロの大工直伝!
初心者でもつくれる
簡単DIY術、教えます

こんにちは。
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

いきなりですが皆さん、ホームセンターには
DIY初心者にうれしい便利なサービスがあるって知っていますか? 
例えば、

・購入した木材を希望の大きさにカットしてもらえる:

1カット10円~50円程度(無料のところもあり)

・インパクトドライバーや丸ノコなど、工具の貸し出しをしてくれる:

2泊3日200円~500円程度

どちらも有料ではありますが、
工具を持っていないけれどDIYを楽しみたい! という方や、
初心者でカットが苦手、という方には魅力的なサービスではないでしょうか。
そのときのためだけに工具を揃えなくていいのも、経済的でうれしいところ。

今回はこのサービスを活用しながら、手軽にできるDIYを紹介します。

セカンドシーズン!大工インレジデンス

DIYを教えてくれるのは、いとしまシェアハウスで行う
大工技術と暮らしの物々交換プロジェクト〈大工インレジデンス〉に参加する
ユニークな大工たち。
大工インレジデンスについてはこちらの記事をどうぞ! 

初心者編、中級者編とあるので、お楽しみに! 

講師プロフィール

プロの大工、ふみよ。

【ふみよ】
リフォーム大工を5年経験したプロの大工。
足場づくり、屋根の葺き替え、雨漏り修理、ウッドデッキづくり、なんでも来い。
とにかく施工のスピードが速く、みんなから頼りにされている実力者。
ただし普段はゆるキャラ。

KiKi 千住東の家を運営する、ちーぼー。

【ちーぼー】
美大で4年間みっちりとプロダクトデザインを学び、
今は仕事でDIYなどのワークショップに携わる。
パートナーと東京の築90年の平屋を7か月かけて改修。
自宅兼イベントスペース〈KiKi 千住東の家〉を運営。
写真撮影&廃材でかっこいいものをつくるのが得意。

熟成肉専門店〈格之進〉
食、農業、環境の未来を育む
“ハンバーグ工場”とは?

「熟成肉」という新たなジャンルの食文化が日本で定着している。
牛肉を一定の温度と湿度で管理し、水分を抜きながら旨みを増殖させ、
肉の質感さえも変化させるという技術だ。
おいしい肉をさらにおいしく食べられるとあって、首都圏を中心に
人気を博しているのは周知の通り。

この熟成肉にいち早く着目・開発し、開花させた会社が岩手県一関市にある。
東京を中心に、現在16の店舗を構える熟成肉専門店〈門崎熟成肉 格之進〉だ。

「格之進肉学校」と書かれた本社の門。

その格之進が、2018年4月、一関にハンバーグ工場を新設。
代表の“肉おじさん”こと、千葉祐士(ちばますお)さんは一関生まれ。
7年前に廃校になった千葉さんの母校をまるごと買いとり、
体育館を大規模なハンバーグ製造工場に生まれ変わらせ、
旧校舎には格之進の母体である〈株式会社 門崎〉の本社を置いた。

でも、都心に十数店舗を構える有名店が、なぜ一関に本社を? 
その答えは、定期的に開催される“ハンバーグ工場見学ツアー”で明らかに。
格之進のものづくりの哲学や、経営理念、この地域にかける思いが見えてきた。

本社が置かれている旧校舎。

本社の中身をご紹介!

小学校の面影がそのまま残る旧校舎。
旧職員室はそっくり事務所として使われている。日当たりもよく、快適そう。

旧職員室を利用した格之進の事務所。

社長室、ミーティングルーム、資材置き場と、各教室があてがわれ、
千葉さんの実家にあったという農機具や、ドジョウやカニをとる罠などが展示された
ミニ資料館のような部屋も。
校舎は2階建て。教室数が多いため、今は空き部屋も少なからずある。

ミーティングルーム。

実際に千葉さんが子どもの頃に使っていたという道具たち。ドジョウをとる筌(うけ)や、山菜籠などがずらり。

実際に千葉さんが子どもの頃に使っていたという道具たち。ドジョウをとる筌(うけ)や、山菜籠などがずらり。

「本社をここに移したのが2年前で、まだすべての部屋を使いきれていません。
でも、ここを自分たちの会社だけで使うというのではなくて、
首都圏に住む人や会社が、地域とつながってなにかやりたいといったときの
サテライトオフィスにしていきたいと思っているんです」

交流、発信、クリエイティブの拠点にし、イノベーションを起こせるような場所にしたいと語る千葉さん。

交流、発信、クリエイティブの拠点にし、イノベーションを起こせるような場所にしたいと語る千葉さん。

すでに千葉さんの頭の中は、この先展開するさまざまな構想でいっぱい。
2階にあるステージつきの音楽室は、千葉さんが敬愛する
一関のジャス喫茶〈ベイシー〉のマスター・菅原正二さんと、
ジャズレコードをかけたり、コンサートやライブを開いたりと、
音楽をフックに、人が寄り集まるスペースにしたいと考えているのだとか。

今後の使い道のイメージがさまざまにふくらむ音楽室。

今後の使い道のイメージがさまざまにふくらむ音楽室。

またゆくゆくは、つくりたてのハンバーグが食べられるレストランや、
広い校庭で定期的にハンバーグ祭りを開催するなど、遠方からも人が訪れ、
地域住人と県外から訪れた人の交流の拠点となることを目指しているという。

しかし、都内に12店舗のレストランを構える格之進。
都心に拠点を置くという選択肢もあったはずだが、
一関に本社を置き、拠点とする理由はなんだろう? 

代表の千葉祐士(ちばますお)さん。

「ここは現在“川崎町”という地域ですが、
合併する前は“門崎村(かんざきむら)”という名前でした。
私の祖父は、門崎から東京芝浦まで牛を運んで売買する馬喰(ばくろう)をやっていて、
牛を通じて地方と首都圏をつなぐ仕事をしていたんです。
きっと祖父も同じように感じていたと思うんですが、
私も食に携わるようになって、首都圏と地方のものの評価、
価格の差をすごく感じるわけです。
それらの差をどうやって埋めるか、あるいはものの価値をどのように最大にしていくか。
以前からそこに興味を持っていて、いずれ一関と東京を食でつなぎ、
格差を埋める事業をやりたいと思っていたんです」

社名の〈門崎〉は、千葉さんの決意表明に違いない。
静かな山間部にある小学校跡地で、格之進の熱い思いがふつふつと沸き立っている。

環境にやさしい“洗剤なし”生活!
シャンプー、洗顔、
どうしてる?

こんにちは。
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

桜が咲き始めると、新しい季節になんだかワクワクしませんか。

いとしまシェアハウスの集落には
海が見下ろせる絶景のお花見スポットがあるのですが、
菜の花と桜が同時に咲いて、まるで桃源郷のようになります。
圧倒的な美しさ! 

花見シーズンの糸島には、トタン屋根を吹き飛ばすほどの激しい“春の嵐”がやってきます。葉桜にならない前に、なにかにつけてシェアメイトと花見へ。今年はあと何回、この景色が楽しめるかなあ。

花見シーズンの糸島には、トタン屋根を吹き飛ばすほどの激しい“春の嵐”がやってきます。葉桜にならない前に、なにかにつけてシェアメイトと花見へ。今年はあと何回、この景色が楽しめるかなあ。

さて、前回の記事、たくさんの方に興味を持っていただけたようで、とてもうれしいです。
あのあと、読者の方から「シャンプーやお風呂はどうしているのでしょう?」
という質問をいくつかいただいたので、
今回のテーマは“シャンプー&石鹸を使わない”お風呂事情です! 

シャンプーは「湯シャン」で!
湯シャン歴5年の私が実感したこと

上下水道のない我が家、生活排水は自分たちの畑や田んぼに流れ出るため、
化学的なシャンプーなどが使えません。

そこで私は5年前から、ぬるま湯で髪の毛をやさしく洗う
「お湯シャンプー」略して「湯シャン」をとり入れています。
タモリさんや福山雅治さんも実践されているというこの方法、
ご存知の方も多いのではないでしょうか。

今回は、いとしまシェアハウスの春の日常を写真でご紹介。晴れた日は納屋の漆喰塗りをします!

今回は、いとしまシェアハウスの春の日常を写真でご紹介。晴れた日は納屋の漆喰塗りをします!

私が湯シャンを始めたのは、髪の毛ツヤツヤのシェアメイトに
「湯シャンがいいよ!」とオススメされたことがきっかけでした。

その頃から、

・オーガニックシャンプー&リンスがお高くて、経済的にしんどい

 (しかも結構な頻度で買わないといけない)

・石鹸シャンプーは髪がきしんで苦手

 (実家では石鹸シャンプーで育ちましたが、使い心地が好きじゃなかった)

などなど、洗髪方法の悩みを抱えていたのですが、
シェアメイトの髪がとてもきれいで説得力があった(もちろん臭いもなし)こともあり、
「これは試してみる価値がありそう!」と思ったのです。

ちょうど使っていたシャンプーが少なくなっていたので、
シャンプーの回数を減らし、少しずつお湯だけの洗髪方法に切り替えていきました。

学生合宿で納屋のリノベーション。

学生合宿で納屋のリノベーション。

天下の奇祭から、
シークレットな祭りまで!
わたしのまちの「ユニークな祭り」

今月のテーマ 「まちのユニークな祭り」

「言葉」や「食べ物」など、その土地を象徴するものはいくつかありますが、
「祭り」もそのひとつではないでしょうか。
その地域ならではの、その土地でしか生まれ得なかった祭りが、
古今東西、いろんな季節に開催されています。

天下の奇祭と呼ばれるものや、村人しか参加できない祭り、
どういう経緯で始まった!? とルーツをたどってみたくなるような祭りまでさまざまです。

今回は全国の皆さんから、
まちに根づく「ユニークな祭り」を紹介してもらいました。

【岐阜県白川村】 本当の祭りは、夜に始まる! 〈どぶろく祭〉

白川村の5つの神社で開催される〈どぶろく祭〉は、
獅子舞、民謡、舞踊などの神事が繰り広げられる、歴史と伝統の祭り。
その名のとおり、御神酒にどぶろくが用いられ、人々にも振る舞われます。

どぶろくを振る舞うお母さん。

多くの観光客で賑わうどぶろく祭ですが、夜になり、観光客が帰路につくと、雰囲気は一変。
ここからが真の祭りとなるんです……! 

自然とはじまる一芸の披露。

自然とはじまる一芸の披露。

5つの地区のうち、とあるエリアでは、どぶろくが振る舞われるなか、
しばらくすると、「撮影禁止」の呼びかけが。
お囃子の音とともに、外からおもしろい格好をした男たちがやってきて、
室内を2周無言で回り、何ごともなかったように帰っていく……。

子どもたちも満面の笑顔。

夜の写真はお見せできないので(笑)、昼間のどぶろく祭と、夜の獅子舞の様子をどうぞ!

夜の写真はお見せできないので(笑)、昼間のどぶろく祭と、夜の獅子舞の様子をどうぞ!

簡単にいえばそれだけなのですが、
お酒が回っているせいか、その数分間、大笑いに包まれます。
男たちが帰ったあとは、誰が一番おもしろかったなどと話題が尽きません。

昼間の芸披露に、皆で大笑い!

昼間に行われた芸披露に、皆で大笑い!

人を楽しませるために―― 白川村の人々には、そういった村民性があると感じています。
住んでみないとわからない、光景と人柄。

information

map

どぶろく祭

開催時期:9月下旬~10月にかけて

開催場所:白川村各神社

TEL:05769-6-1311(観光振興課)

WEB:白川村役場

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長坂風子 ながさか・ふうこ

愛知県生まれ。大学卒業後、映像制作会社に勤務。地域の“今”を残したいと思い、岐阜県白川村に移住。好きなことは、映画を観ること、おいしいものを食べること。

【島根県隠岐の島町】 酔っぱらって山を転げる!? 
日本最古の巨木信仰祭〈布施の山祭り〉

数ある隠岐の祭りのなかで、私が最も楽しんだのは〈布施の山祭り〉。
2日間にわたって行われ、日本最古の巨木信仰ともいわれています。

参加者は唄いながら山の中にある大山神社へ。見物人もついてきます。

参加者は唄いながら山の中にある大山神社へ。見物人もついてきます。

1日目は大事な準備となる「帯裁ち神事」などが行われ、2日目がメインの「帯締め神事」。
鳥居と御神木しかない〈大山神社〉で行われます。
朝からお酒を飲みかわし、唄ったり踊ったり、愉快な雰囲気のまま大山神社へ。
参加者が「木遣り歌」を唄いながら、樹齢数百年の御神木にカズラを巻いていくのですが、
皆酔っぱらっているので、転げたり、引きずられたり。

皆で思いっきりカズラを振り回しています。

皆で思いっきりカズラを振り回しています。

2日間でいくつかの神事が行われますが、なかには危険を伴うものも。
酔っ払った状態で参加するのは危ないような気がしますが、
どうやら酔いのおかげで体から力が抜け、大怪我にはつながらないのだとか。

このように山で大はしゃぎするその理由は、
「山神様は女性なので、男性が大騒ぎすると喜ぶそうだ」と聞きました。

飛ばされても転んでも、すぐに戻らなければいけません。酔っぱらっているので、皆大笑い!

飛ばされても転んでも、すぐに戻らなければいけません。酔っぱらっているので、皆大笑い!

ここだけではとても伝えきれない祭りの真髄。
次回は2020年4月に開催されます。
過疎地域の祭り存続のため、地域外からの参加者も受け入れています。
我こそは! という男性の皆さん。日本最古の巨木信仰をぜひ感じに来てください!

最後には、厳かな空気のなかで祈祷が行われます。右にはカズラを巻きつけた御神木が。

最後には、厳かな空気のなかで祈祷が行われます。右にはカズラを巻きつけた御神木が。

information

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布施の山祭り

開催時期:西暦偶数年4月第1日曜日とその前日(表祭り)

開催場所:隠岐の島町布施 大山神社

TEL:08512-7-4311(隠岐の島町役場布施支所)

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五十嵐杏美 いがらし・あみ

平成2年生まれ。元ギャルの島ガール。2017年3月末、東京から島根県隠岐の島町へ移住し、現在は地域おこし協力隊として活動中。移住のテーマは、【自然との共生】と【丁寧な暮らし】。四季の移ろいのなかで豊かに生きる術を学び中。また、自分らしく生きることを探求するためにヨガとアーユルヴェーダを学んでおり、同時に広める活動も行っている。

手軽に始められる“洗剤なし”生活!
食器洗い、洗濯、
どんな方法があるの?

こんにちは。
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

山の中腹の集落で暮らす我が家は、
上下水道が通っていないため、普段は湧き水暮らし。
自分たちが出した生活排水がそのまま畑や田んぼに流れ込むため、
化学的な洗剤などが使えない環境にあります。

糸島の菜の花畑。

自分たちが環境に与えた影響がダイレクトに自分たちに返ってくる場所だからこそ、
自分が食べたら嫌なものは外に出さない、というのが我が家のルールです。

生活排水はそのまま自分たちの米を育てる棚田へ。

生活排水はそのまま自分たちの米を育てる棚田へ。

ただ、化学的な洗剤を使わない暮らしについては
「汚れが落ちないんじゃない?」と不安に思う方も多いと思います。
でも、大丈夫。我が家で実践する方法は、

・汚れが落ちて

・お肌にやさしく

・環境にもよく

・さらに経済的!  

・我慢しなくてOK! 

という取り組みばかり。

もちろん、合う、合わないはあるかなと思いますが、
気軽に暮らしに取り入れられるものがあると思うので、気負わず覗いてみてください。
今の暮らしをちょっとだけ変えてみたいな、という方の参考になったらうれしいです。

糸島の海。

古民家1棟貸し
〈平泉倶楽部~FARM&RESORT~〉
世界遺産・平泉の
“風土”と“人”に出合う宿

平安末期、奥州藤原氏によって建立された寺院や歴史的建造物が残る、岩手県平泉。
〈中尊寺〉や〈毛越寺〉など、東北で初の世界遺産認定を受けたこの地に、
2018年7月、古民家ゲストハウス〈平泉倶楽部~FARM&RESORT~〉がオープンした。

築150年以上の古民家をリノベーションし、
1日1組限定(1組9人まで)の1棟貸しで、宿泊費は1泊10万円。
少々高い? と思う人がいるかもしれないが、
その値段にふさわしい設備や、行き届いたホスピタリティ、
特別な体験がいくつも用意されている。

まだオープンして半年だが、日本の伝統や文化、プレミアムな体験を求めて、
国内外からの問い合わせが多いのだとか。

自然光が差し込むリビングダイニング。古い建材にもしっかりとマッチしたモダンな内装。

自然光の差し込むリビングダイニング。古い建材にもしっかりとマッチしたモダンな内装。

広々としたエントランス部分には、囲炉裏と、窓に沿って据えられたベンチ。
その奥には、キッチンとカウンターが設置されたダイニング。
キッチンには調理器具、基本調味料、IHコンロなどが用意されており、
宿泊者はこれらを自由に使うことができる。

棚にディスプレイされているのは、
岩手県一関の伝統工芸品「秀衡塗(ひでひらぬり)」に「南部鉄器」。
これらももちろん使用可能。

キッチンの窓からは青々とした裏の林が見え、まるで絵画が飾られているかのような美しさ。

キッチンの窓からは青々とした裏の林が見え、まるで絵画が飾られているかのような美しさ。

漆を焼きつけた、秀衡塗のワイングラスで日本酒を。

漆を焼きつけた、秀衡塗のワイングラスで日本酒を。(写真提供:平泉倶楽部)

お風呂はふたつ用意されており、そのうちのひとつは総ヒノキ風呂。
やわらかな木目のあたたかさと、ヒノキの香りに、心身ともリラックス。
なんとも贅沢なバスタイム!

総ヒノキ風呂

3つの和室と、ベッドが設えてある洋間がひとつ。
廊下はぐるっと1周することができ、
和室を横切って次の部屋へ、という構造ではないので、
複数の家族や友人と訪れても、プライベートが守られるのはありがたい!

和室には、代々大切に祀られてきた立派な神棚が。

和室には、代々大切に祀られてきた立派な神棚が。

ベッドが置かれた洋間。こちらの部屋のみ施錠可能。

ベッドが置かれた洋間。こちらの部屋のみ施錠可能。

快適な設備が導入され、美しくリノベーションされているが、
天井の梁、太い柱、土壁など、可能な限り昔の建材を残しながら、
当時の家に刻まれた記憶も今に伝えたいという計らい。

さらには、先ほども紹介したとおり、館内には
岩手の伝統的工芸品である秀衡塗や南部鉄器だけでなく、
一関の染職人が手がけた〈京屋染物店〉の作務衣、暖簾、座布団なども。

古いタンスの上には、古民家に保管されていた農道具がオブジェとして飾られている。

古いタンスの上には、古民家に保管されていた農道具がオブジェとして飾られている。

「ここは、ゲストハウスでもありながら
ある意味、一関の伝統工芸品のショールームでもあるんです。
南部鉄器で飲む白湯、秀衡塗でいただくお食事、手染めした作務衣など、
一関・平泉地域の歴史や伝統を、五感で体感してほしいんです」

そのように語るのは、平泉倶楽部を手がけた〈株式会社イーハトーブ東北〉の松本数馬さん。
松本さんもまた、一関に生まれたひとりだ。

〈株式会社イーハトーブ東北〉の代表、松本数馬さん。

〈株式会社イーハトーブ東北〉の代表、松本数馬さん。

散歩しながら食料調達!
ずぼらでも楽しめる
春野草の料理のススメ

こんにちは。
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

山の谷間にある我が家の集落も、すっかり春めいてきました。
雨が降るたびに吹く風が暖かくなり、
小川のほとりに、散歩道の隅っこに、
春の野草たちがぽこぽこと顔を出し始めます。

カゴを背負って野草摘みへ!

今日は天気もよくって気持ちがいいので、
私と一緒に我が家の周りを散歩してみませんか?

せっかくなので、0円で手に入るごはんの材料、
“春の野草”をゲットしてきたいと思います。

「野草って、下処理が大変そう……」と思った方、ご心配なく! 
普段から野菜の皮はむかない、アク抜きもしない、
そんな私でも楽しく採れる野草が、野原にはたっくさんあるのです。

収穫した野草。

ここで私の、野草摘みのポリシーを紹介します。

(1)すぐ食べられるものを採る

(2)採りすぎない

(3)お気に入りスポットを愛でる

まず最初に「(1)すぐ食べられるものを採る」ですが、
アクを抜いたり、皮をむいたり……食べるまでに手間がかかる野草は
するりと避けて、すぐ食べられる野草をチョイスします。

例えば、このハコベ。

みずみずしいハコベ。

みずみずしいハコベ。

野草にしては珍しく、生でも食べられるお手軽野草です。
今の季節は水分をたっぷりと含んでいて、
茎を折るとジュワッと水分が染み出してくるほど。

さっと湯がいておひたしにすると、
青臭さが抜けてもっと食べやすくなります。

カラスノエンドウは、先っぽだけポキっと折って収穫!

カラスノエンドウは、先っぽだけポキっと折って収穫!

道端でよく見かけるカラスノエンドウも、
若芽なら生で食べてもおいしくいただけます。

エグみが少なく、枝豆のような風味がして、なかなかイケます。
ただ、アブラ虫がびっしりとついていることがあるので、
それだけはしっかりとチェック!

レンゲの花と、タンポポ。

レンゲの花と、タンポポ。

レンゲも同じマメ科なので、野草の中では比較的食べやすい味です。
花をサラダに入れると彩りのアクセントになって◎。

水辺には、キラキラと水を弾くセリが。ミツバのようなスキッとした風味がお吸い物にぴったり。

水辺には、キラキラと水を弾くセリが。ミツバのようなスキッとした風味がお吸い物にぴったり。

それから、初心者にオススメしたい野草は、なんといってもノビル。
葉っぱはニンニクとネギの合いの子のような風味で、
根っこはラッキョウのような不思議な野草。
どんなお料理にも合うため、我が家では重宝しています。
薬味としても、炒めても、茹でてもOK。
普通の野菜とほぼ同じように調理できます! 

ノビルは根っこの先の膨らんだ部分がおいしいのですが、
地面にしっかりと根づいたものだと
スコップで掘り返したりしなければ、根っこの先まで収穫するのは大変。

無理やり引っ張ると、この丸い部分がちぎれてしまいます、一番おいしいところ!

無理やり引っ張ると、この丸い部分がちぎれてしまいます、一番おいしいところ!

そのため、ノビルを探すなら道端の石垣周りが狙い目。
石垣の間に溜まったふわふわの土はやわらかいため、
そこに生えたノビルであれば、するりと抜くことができるのです。

さて、石垣の積まれた道を登り切ると、
昔畑だった空き地にびっしりとツクシが生えているのを見つけました。

ツクシの群れ。

ここはご近所さんたちのツクシ収穫スポット。
まるでツクシ畑のようにニョキニョキと生えています。

これぞ野草のずぼら料理。3分でつくれます。

これぞ野草のずぼら料理。3分でつくれます。

ちなみに私、つくしのハカマをとらずに調理します。
ご近所さんには「信じられない!」と驚かれましたが、
ハカマに毒はないようですし、
ちょっと歯ごたえはあるけれど全然気にせず食べられます。

ひとつひとつハカマをとるのは重労働ですから、
採ってきたツクシをそのままパッと鉄鍋に投げ入れて、
ジャッと強火で炒め、醤油と胡椒で味つけするのが大好きです。

各地の人気店や、
パン事情をご紹介!
わたしのまちの「パン屋さん」

今月のテーマ 「まちのパン屋さん」

フワフワやわらかの日本のパンや、外国のハード系パン、
こだわりが詰まった自家製酵母パン。
もはや日本の食卓には、パンは欠かせません!

各地に目を向ければ、じつにユニークなパン屋さんがいっぱい。
さらに、地域のパン事情もさまざまです。

今回は、全国のみなさんから、
地域に愛される「パン屋さん」を紹介してもらいました。

【島根県隠岐の島町】 子を想う母の、体にやさしい天然酵母パン

親子の笑顔マークが出迎えてくれます。

親子の笑顔マークが出迎えてくれます。

隠岐の島にある〈マムズ・ベーカリー〉。
“子どもが安心して食べられるパンを。”
そんな、お母さんの愛情から生まれたお店です。

マムズ・ベーカリーの自家製十勝あんぱん。

どのパンも、も~っちり。
餡やクリームなど、手づくりならではのやさしい甘みのなかに、
バターの香りと奥深さが広がって、ひと口ひと口の満足感がすごい。

「焼ける数に限りがあるんです……」というオーナーですが、
1点1点こだわっているのに、パンの種類は豊富で、
そこに、子を想う母の強さとやさしさが表れている気がしました。

オープン当時から人気を誇るクリームチーズパン。

オープン当時から人気を誇るクリームチーズパン。

お店を手伝うのはオーナーのお母さま。
お子さんへの想いから生まれたお店を、お母さんとおばあちゃんで守っている姿が
親子3代、家族の距離が近い隠岐らしくてほっこりしました。

ほかにも隠岐の島には、昔ながらのパン屋〈木村屋〉さんも。
5つの味がランダムに入った「夢がいっぱい! おやつあんパン」をはじめ、
島民に愛され続けています。

店内の様子。

information

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天然酵母のパン屋さん マムズ・ベーカリー

住所:島根県隠岐郡隠岐の島町西町八尾の一

TEL:090-6833-1404

営業時間:13:00~18:00

定休日:水・土・日曜・祝日

Facebook:https://www.facebook.com/momsbakery.oki/

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五十嵐杏美 いがらし・あみ

平成2年生まれ。元ギャルの島ガール。2017年3月末、東京から島根県隠岐の島町へ移住し、現在は地域おこし協力隊として活動中。移住のテーマは、【自然との共生】と【丁寧な暮らし】。四季の移ろいのなかで豊かに生きる術を学び中。また、自分らしく生きることを探求するためにヨガとアーユルヴェーダを学んでおり、同時に広める活動も行っている。

【岐阜県白川村】 パン屋がない! 白川村のパン事情

白川村にはパン屋さんがありません。
人口1600人あまりの小さな村なので、お店自体も少ない。
では、村民のみなさんはどうやってパン欲を満たしているのでしょう?

パンをゲットする手段は、主に5つ。

1.高山や富山など、まちのパン屋まで買いに行く

2.まちのスーパーマーケットへ買い物に出かけたついでにパンを購入

3.村内のスーパーマーケット、またはコンビニ(デイリーヤマザキ)にて購入

4.週に3回来る移動販売車にて購入

5.コープの宅配にて注文

陳列棚のパン。

移動販売車の店内。

移動販売車の店内。

市販の食パンを食べる方は、まちや村内のスーパーマーケットで。
買い物になかなか行けない方は、毎週届く宅配で。
それぞれの暮らしやパン欲に合わせて、調達手段を選んでいます。

デイリーヤマザキにて。ヤマザキの工場直送パンが売られています。

デイリーヤマザキにて。ヤマザキの工場直送パンが売られています。

パン屋のない白川村では、
ないものはないなりに手段を選び、パン欲を満たしているのです。

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長坂風子 ながさか・ふうこ

愛知県生まれ。大学卒業後、映像制作会社に勤務。地域の“今”を残したいと思い、岐阜県白川村に移住。好きなことは、映画を観ること、おいしいものを食べること。

産みたて卵に感動したり、
癒されたり……
憧れの“ニワトリ”との暮らし。

こんにちは。
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

「田舎暮らしをしたら、いつかニワトリを飼ってみたい」
これが、地方移住する前の私の小さな憧れでした。

産みたての卵を収穫しながら、かわいいニワトリに囲まれて暮らす……。
本や映画で見てはいたものの、実際の暮らしはどんな感じなんだろう。
産みたて卵はどんな味がするんだろう。
ワクワクした気持ちと一緒にこの集落へ引っ越して、6年。
今は念願叶って6羽のニワトリたちと一緒に住んでいます。

いとしまシェアハウスの庭で過ごすニワトリたち。

今回は、ユニークでかわいいニワトリたちのとの暮らしのなかで感じた
学びや発見、実際に飼ってみて大変だったことについて
お話ししたいと思います。

まずは、ニワトリを飼ってみてよかったところから。

(1)おいしい産みたて卵が食べられる!

産みたて卵と手づくり納豆のぶっかけうどん。

産みたて卵と手づくり納豆のぶっかけうどん。

これはもう、ニワトリを飼って何よりもよかった! と感じたところ。
産みたての卵は臭みがまったくなく、贅沢な卵かけご飯が心ゆくまで味わえます。
さらに手づくりの餌をあげているので、安心・安全。
庭で放し飼いをしているので、ニワトリたちもストレスフリーです。

今でこそ卵の自給率100%ですが、ニワトリを飼う前は、卵は貴重品でした。
「自分たちでつくれないからこそ、身の丈にあった分だけ大事にいただこう」
というスタンスで使っていたため、
ひとり1個卵を使う“ゆでたまご”なんて、贅沢中の贅沢! 

ひとつの卵で8人のお腹をどうやって満たすか。
ときたま汁にしてみたり、豆乳を足して量増ししてみたり、
限られたものから知恵を絞っておいしいものを生み出す作業は
意外と楽しいものでした。

産みたて卵が5つも!

こういう暮らしが長かったからこそ、ニワトリがやってきてからは驚きの連続。
若い彼らが予想以上にぽんぽこ卵を産むものだから、
初めての収穫のときは、手の中にいっぱいの卵を見つめて
「こんなに贅沢に……卵を使ってもいいの!?」と感動で胸がいっぱいになったなあ。
これまでの暮らしでの卵の概念が覆るくらい、衝撃的な出来事でした。

(2)卵のありがたみを身近に感じられる

お尻に卵をくっつけたまま歩く、ちょっと間抜けなニワトリちゃん。

お尻に卵をくっつけたまま歩く、ちょっと間抜けなニワトリちゃん。

よくよく観察してみると、ニワトリの卵って彼らの頭と同じくらいの大きさがあるのです。
毎日、自分の頭ほどの大きさの卵を肛門から出していると考えたらどうでしょう……。
私だったら、痛みで失神しているかも。

こうやってひとつひとつ、体を張って産んでくれているんだと思うと、
卵に対する想いも一層強くなります。
ニワトリたち、いつも本当にありがとう。

ニワトリが卵を産む姿が大好きすぎて、
「あ、産みそう」と思うとつい覗いてしまいます。
ニワトリとしてはあんまり見られたくないだろうなあ……ごめんね。

(3)ご近所さんたちとのコミュニケーションツールになる

卵のお礼にと、ご近所さんからいただいたお野菜。

慎ましい卵生活を送ってきた私たちにとって、
卵が毎日増えていくのはうれしくもありつつ、
自分たちだけじゃ食べきれないなあ、と思う日もあります。

そんなときは、ご近所さんへおすそ分けです。
この集落ではニワトリを飼っている方がいないので、
皆さん大喜びしてくれて、お返しにたくさんのお野菜をいただきました。
田舎では「周りの人がつくっていないものをつくる」ことが大切。
我が家にとって、卵は食料でもあり、
ご近所さんとのコミュニケーションツールでもあるのです。

野菜の自給率が低い我が家は、
この「おすそ分け」や「物々交換」があるからこそ、
豊かな食生活を送れているのだと思います。
卵、ありがとう~! 

(4)放し飼いにしていると雑草を食べてくれる

庭でピザ窯づくりのお手伝い(?)をしてくれるニワトリ。

庭でピザ窯づくりのお手伝い(?)をしてくれるニワトリ。

庭で放し飼いにすると、ニワトリが草を食べてくれるので、
ぼうぼうだった庭の雑草もだいぶスッキリしました。
(庭で家庭菜園をしていると、その野菜も食べられちゃうので注意が必要ですが……)
さらにはニワトリたちの糞によって、土も豊かになります。

(5)人間が食べられないものを食べて、食べられるものを生み出してくれる

虫を食べるニワトリ。

虫を食べるニワトリ。

彼らを飼い始めて、小さく感動したことなのですが、
ニワトリって、その辺にいる虫、悪くなった野菜、料理で出た生ゴミ、雑草や野草など、
人間が食べられないものを「卵」というおいしい食べ物に変換してくれるのです。
おかげでちょっとした生ゴミも貴重なニワトリの餌になり、無駄になりません。

これだけでも、ニワトリってすばらしい! と思いませんか?

(6)ニワトリがかわいくて癒される

ニワトリはとっても温かい。

シンプルに、ニワトリはかわいい。
プリップリのお尻や、餌をあげるときの食いつき具合、
驚いたり怒ったり喜んだり、感情豊かな彼らに毎日癒されています。

我が家に遊びに来たゲストとも仲良くしてくれるので、
まちの人たちが生き物と触れ合う、いい機会になっているのかなとも思います。

古材・廃材を使って
築80年の納屋が
“劇的”ビフォー&アフター!
〈大工インレジデンス〉

こんにちは。
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

以前この連載で紹介した、
〈大工インレジデンス〉という取り組み、覚えていますか?

このプロジェクトは、大工は家賃&食費が“無料”になり、
我が家の暮らしを体験しながら、一緒に納屋をリノベーションして、
新しいコミュニティの場をつくろうというもの。
大工さんの技術と、我が家の暮らしの、物々交換のような取り組みです。

今回のプロジェクト第1期では、物置きとして使っていたボロボロの納屋を改修。
大工インレジデンスによる、その大変身ぶりを紹介していけたらと思います! 

大工インレジデンスのメンバーや、シェアハウスメンバーと集合写真!

さて。先に結論から言ってしまうと…… 
予想していた100倍、いいものができちゃいました!!!

納屋のBEFORE

納屋のAFTER

どうですか、この変身ぶり。
ビフォーの写真をたくさん撮っておかなかったことを後悔……。
だって暗くて、狭くて、撮ろうにも難しかったんです。

今回の大工インレジデンスのリノベーションで
こだわったポイント&目的はこの3つ。

(1)廃材・古材を活用する

(2)空間を明るくする

(3)狭い納屋を広く活用する

みんなの知恵や技術、ネットワークを駆使して、
木材はほとんど、廃材・古材のいただきものでまかなうことができました。
(木材を提供してくださったみなさま、本当にありがとうございました!)

まちで暮らしていた私が
糸島に移住して、“狩猟”と
“お肉の自給”を始めた理由。

こんにちは。
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

今回のテーマは、いとしまシェアハウスの「お肉」のお話です。
(記事のなかに動物の解体などの生々しい写真が入りますので、
苦手な方はご注意くださいね)

みなさん、ここ数日でどんなお肉を食べましたか?

居酒屋で食べた鶏の唐揚げ、
ふらっと入った中華屋さんで食べた酢豚、
デートで食べたちょっと高級な牛の厚切りステーキ。

普段食べるお肉といえば、
鶏肉・豚肉・牛肉あたりが一般的ですよね。

でも、お肉の自給率100%の我が家はちょっとだけ違います。
よく食べるお肉は、イノシシやシカ、アナグマやカモなど、野生肉がメイン。

イノシシ肉のソーセージ。

イノシシ肉のソーセージ。

お肉を食べるためには、
山に入って罠をかけ、イノシシをとったり、
ご近所さんからいただいた野生動物をさばいたり、
飼っている鶏をさばいたり……。

我が家では、野菜や米と同じように
お肉も“自分たちで得る”ことを大切にしています。

狩猟を始めたきっかけ

初めて自分の力でとったイノシシを持って、山を降りる。(photo:NONOKO KAMEYAMA)

初めて自分の力でとったイノシシを持って、山を降りる。(photo:NONOKO KAMEYAMA)

「お肉も自給してみよう」と思ったきっかけは、東日本大震災でした。

恥ずかしながら私は、震災を経験して初めて、
自分たちが使う“電気”のことを“自分ごと”として考えられるようになりました。
それまでは、電気がどうやってつくられ、私たちの家までやってくるのか、
知識では知っていても、どこか他人ごとのように考えていたのです。
そして事故が起きてしまってから、そのプロセスにきちんと向き合えていなかった
自分の無責任さを、深く深く反省しました。

できることなら、誰かを傷つけたり、環境を壊したり、
自分で責任をとれないような仕組みのものを使いたくない。

そして、こういったシステムに依存する暮らしから一歩踏み出すためには、
今自分が手にしている「コト・モノ」が辿ってきた道筋をきちんと知り、
そのうえで、その「コト・モノ」とのつき合い方を考えることが必要だ、
と思うようになったのです。

イノシシを解体する。

イノシシを解体する。

イノシシの毛皮でつくったサンダル。

イノシシの毛皮でつくったサンダル。

周りを見回してみると、世の中にはプロセスが見えにくくなっているものが
たくさんあることに気がつきました。
お肉も、そのなかのひとつです。
スーパーに並ぶ切り身のお肉のその先を知るために、
動物の解体の勉強を始め、その後は鶏を飼って絞めて食べることにも挑戦しました。

さらには、飼うだけでなく、山にいる野生動物と1対1で対峙し、
自分の力でお肉を手に入れられるようになりたい、と
2013年に狩猟免許をとったのです。