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散歩しながら食料調達!
ずぼらでも楽しめる
春野草の料理のススメ

糸島での自給自足の日々を綴った
―田舎暮らし参考書―
vol.023

posted:2019.3.12  from:福岡県糸島市  genre:暮らしと移住 / 食・グルメ

〈 この連載・企画は… 〉  田舎へ移住を考えている人、すでに移住した人。
そんな方の、暮らしの参考やアイデアになるはずです。農業、狩猟、人とのつながり、四季のこと。
福岡県糸島で自給自足生活を営む〈いとしまシェアハウス〉の暮らしをお届けします。

writer profile

CHIHARU HATAKEYAMA

畠山千春

はたけやま・ちはる●新米猟師兼ライター。3.11をきっかけに「自分の暮らしを自分でつくる」活動をスタート。2011年より鳥を絞めて食べるワークショップを開催。2013年狩猟免許取得、狩猟・皮なめしを行う。現在は福岡県にて食べもの、エネルギー、仕事を自分たちでつくる〈いとしまシェアハウス〉を運営。2014年『わたし、解体はじめました―狩猟女子の暮らしづくり』(木楽舎)。第9回ロハスデザイン大賞2014ヒト部門大賞受賞。
ブログ:ちはるの森

こんにちは。
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

山の谷間にある我が家の集落も、すっかり春めいてきました。
雨が降るたびに吹く風が暖かくなり、
小川のほとりに、散歩道の隅っこに、
春の野草たちがぽこぽこと顔を出し始めます。

カゴを背負って野草摘みへ!

今日は天気もよくって気持ちがいいので、
私と一緒に我が家の周りを散歩してみませんか?

せっかくなので、0円で手に入るごはんの材料、
“春の野草”をゲットしてきたいと思います。

「野草って、下処理が大変そう……」と思った方、ご心配なく! 
普段から野菜の皮はむかない、アク抜きもしない、
そんな私でも楽しく採れる野草が、野原にはたっくさんあるのです。

収穫した野草。

ここで私の、野草摘みのポリシーを紹介します。

(1)すぐ食べられるものを採る

(2)採りすぎない

(3)お気に入りスポットを愛でる

まず最初に「(1)すぐ食べられるものを採る」ですが、
アクを抜いたり、皮をむいたり……食べるまでに手間がかかる野草は
するりと避けて、すぐ食べられる野草をチョイスします。

例えば、このハコベ。

みずみずしいハコベ。

みずみずしいハコベ。

野草にしては珍しく、生でも食べられるお手軽野草です。
今の季節は水分をたっぷりと含んでいて、
茎を折るとジュワッと水分が染み出してくるほど。

さっと湯がいておひたしにすると、
青臭さが抜けてもっと食べやすくなります。

カラスノエンドウは、先っぽだけポキっと折って収穫!

カラスノエンドウは、先っぽだけポキっと折って収穫!

道端でよく見かけるカラスノエンドウも、
若芽なら生で食べてもおいしくいただけます。

エグみが少なく、枝豆のような風味がして、なかなかイケます。
ただ、アブラ虫がびっしりとついていることがあるので、
それだけはしっかりとチェック!

レンゲの花と、タンポポ。

レンゲの花と、タンポポ。

レンゲも同じマメ科なので、野草の中では比較的食べやすい味です。
花をサラダに入れると彩りのアクセントになって◎。

水辺には、キラキラと水を弾くセリが。ミツバのようなスキッとした風味がお吸い物にぴったり。

水辺には、キラキラと水を弾くセリが。ミツバのようなスキッとした風味がお吸い物にぴったり。

それから、初心者にオススメしたい野草は、なんといってもノビル。
葉っぱはニンニクとネギの合いの子のような風味で、
根っこはラッキョウのような不思議な野草。
どんなお料理にも合うため、我が家では重宝しています。
薬味としても、炒めても、茹でてもOK。
普通の野菜とほぼ同じように調理できます! 

ノビルは根っこの先の膨らんだ部分がおいしいのですが、
地面にしっかりと根づいたものだと
スコップで掘り返したりしなければ、根っこの先まで収穫するのは大変。

無理やり引っ張ると、この丸い部分がちぎれてしまいます、一番おいしいところ!

無理やり引っ張ると、この丸い部分がちぎれてしまいます、一番おいしいところ!

そのため、ノビルを探すなら道端の石垣周りが狙い目。
石垣の間に溜まったふわふわの土はやわらかいため、
そこに生えたノビルであれば、するりと抜くことができるのです。

さて、石垣の積まれた道を登り切ると、
昔畑だった空き地にびっしりとツクシが生えているのを見つけました。

ツクシの群れ。

ここはご近所さんたちのツクシ収穫スポット。
まるでツクシ畑のようにニョキニョキと生えています。

これぞ野草のずぼら料理。3分でつくれます。

これぞ野草のずぼら料理。3分でつくれます。

ちなみに私、つくしのハカマをとらずに調理します。
ご近所さんには「信じられない!」と驚かれましたが、
ハカマに毒はないようですし、
ちょっと歯ごたえはあるけれど全然気にせず食べられます。

ひとつひとつハカマをとるのは重労働ですから、
採ってきたツクシをそのままパッと鉄鍋に投げ入れて、
ジャッと強火で炒め、醤油と胡椒で味つけするのが大好きです。

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野いちごを収穫する極意とは?

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私の一番の春のご馳走は、コレ!

フキノトウ。

そしてその隣には春の野草の大本命、
フキノトウがいっぱい生えている秘密のスポットがあります。
フキノトウって、春の野草の中でもワントーン“緑”が明るくて、
そこだけパアッと光って見えるのです。

冬の間に体に溜まった毒素を排出してくれるという、
フキノトウの独特の苦味が大好きで、
天ぷらにフキ味噌に、私にとって一番の春のご馳走です。

この季節は、ゲストが来るとかごを背負って山菜摘みへよく行きます。

この季節は、ゲストが来るとかごを背負って山菜摘みへよく行きます。

そしてここで大事なのが「(2)採りすぎない」ということ。

フキノトウ、見つけるとうれしくなってつい採り過ぎてしまいがちなのですが、
そうすると次の年に数が少なくなってしまったり、
同じように野草を楽しみにしているご近所さんたちもがっかりしてしまいます。

そもそも山や畑も、必ず誰かしら所有者がいらっしゃるはずなので
無断で立ち入ったり、大事な野草を採りつくしたりしないようにしましょう。
食べる分だけ、大切に。

本日のお散歩30分の収穫。ノビル、セリ、ハコベ、フキノトウ、カラスノエンドウ、椿、菜の花、ツクシ。

本日のお散歩30分の収穫。ノビル、セリ、ハコベ、フキノトウ、カラスノエンドウ、椿、菜の花、ツクシ。

そして最後に「(3)お気に入りスポットを愛でる」こと。

私には、家から歩いて10分以内のところに、
それぞれお目当ての野草が生えているお気に入りスポットがあります。
今日もいつものスポットがどうなっているかチェックするため
くるくると見回りをしていたのですが、
いつもと違う場所で、枯れ木や倒木に生えるキノコ、キクラゲを見つけました。

小さなキクラゲの赤ちゃん。

小さなキクラゲの赤ちゃん。

よく見てみると、周辺の枯れ木にいくつもの小さなキクラゲが! 
ただ、まだまだ爪の先ほどの大きさで、収穫はもう少し先になりそう。
大きく育ってくれるのが楽しみです。

それから、本日一番の収穫はこちら。
この白い花、なんだと思いますか? 

野いちごの花。

食べられる花、というわけではないのですが
実はこれ、野いちごの花なんです! 

野いちごはプチプチとした歯ごたえと、スッキリした甘さが最高のご馳走なのですが、
収穫の季節になると葉っぱの下に隠れて見つけるのが難しくなってしまいます。

今の時期なら、一面緑の野原に白く輝く花はよく目立ち、見つけやすい。
今のうちに野いちごのスポットを探しておいて、4~5月に収穫するのです。

果報は寝て待て?

果報は寝て待て?

すぐに収穫できなくとも、新しいスポットを見つけて、
次の季節に生えてくる野草をワクワクしながら見守れるのも、野草摘みの魅力です。

まだまだいろんな野草が生えてくる季節、しばらくは散歩するだけで楽しめそうです。
本格的な春が待ち遠しい! 

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今日のごはん

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今日のシェアハウスごはん

野草100%のサラダ。

今日摘んできた野草でつくった、野草100%のサラダ。
野草だけだとクセが強いな、という方は、
レタスやキャベツなどの野菜をミックスすると食べやすいですよ。

彩り美しく、おいしいなんて最高!

料理人の夫曰く、野草のように風味の強い野菜には「マスタードが合う」のだそう。
確かに、マスタードを入れてみるとエグ味がスッと消えて驚きました。
オススメのドレッシングは、オリーブオイル・塩・胡椒・マスタード・レモン、です。
お試しあれ!

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