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天下の奇祭から、
シークレットな祭りまで!
わたしのまちの「ユニークな祭り」

このまちのくらしとけしき
vol.010

posted:2019.3.27  from:全国(白川村・隠岐の島町・花巻市・一関市)  genre:エンタメ・お楽しみ

〈 この連載・企画は… 〉  毎月コロカル編集部からテーマを出し、
日本各地で活動している地域おこし協力隊の方から集まった写真とメッセージを紹介していきます。
その土地ならではのものだったり、自分の暮らしと変わらないものだったり……。
どんな暮らしをしてどんな景色を見ているのか、ちょっと覗いてみませんか?

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Fuko Nagasaka, Ami Igarashi, Kanta Suzuki, Yo Sakurai

長坂風子/五十嵐杏美/鈴木寛太/櫻井 陽

今月のテーマ 「まちのユニークな祭り」

「言葉」や「食べ物」など、その土地を象徴するものはいくつかありますが、
「祭り」もそのひとつではないでしょうか。
その地域ならではの、その土地でしか生まれ得なかった祭りが、
古今東西、いろんな季節に開催されています。

天下の奇祭と呼ばれるものや、村人しか参加できない祭り、
どういう経緯で始まった!? とルーツをたどってみたくなるような祭りまでさまざまです。

今回は全国の皆さんから、
まちに根づく「ユニークな祭り」を紹介してもらいました。

【岐阜県白川村】 本当の祭りは、夜に始まる! 〈どぶろく祭〉

白川村の5つの神社で開催される〈どぶろく祭〉は、
獅子舞、民謡、舞踊などの神事が繰り広げられる、歴史と伝統の祭り。
その名のとおり、御神酒にどぶろくが用いられ、人々にも振る舞われます。

どぶろくを振る舞うお母さん。

多くの観光客で賑わうどぶろく祭ですが、夜になり、観光客が帰路につくと、雰囲気は一変。
ここからが真の祭りとなるんです……! 

自然とはじまる一芸の披露。

自然とはじまる一芸の披露。

5つの地区のうち、とあるエリアでは、どぶろくが振る舞われるなか、
しばらくすると、「撮影禁止」の呼びかけが。
お囃子の音とともに、外からおもしろい格好をした男たちがやってきて、
室内を2周無言で回り、何ごともなかったように帰っていく……。

子どもたちも満面の笑顔。

夜の写真はお見せできないので(笑)、昼間のどぶろく祭と、夜の獅子舞の様子をどうぞ!

夜の写真はお見せできないので(笑)、昼間のどぶろく祭と、夜の獅子舞の様子をどうぞ!

簡単にいえばそれだけなのですが、
お酒が回っているせいか、その数分間、大笑いに包まれます。
男たちが帰ったあとは、誰が一番おもしろかったなどと話題が尽きません。

昼間の芸披露に、皆で大笑い!

昼間に行われた芸披露に、皆で大笑い!

人を楽しませるために―― 白川村の人々には、そういった村民性があると感じています。
住んでみないとわからない、光景と人柄。

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どぶろく祭

開催時期:9月下旬~10月にかけて

開催場所:白川村各神社

TEL:05769-6-1311(観光振興課)

WEB:白川村役場

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長坂風子 ながさか・ふうこ

愛知県生まれ。大学卒業後、映像制作会社に勤務。地域の“今”を残したいと思い、岐阜県白川村に移住。好きなことは、映画を観ること、おいしいものを食べること。

【島根県隠岐の島町】 酔っぱらって山を転げる!? 
日本最古の巨木信仰祭〈布施の山祭り〉

数ある隠岐の祭りのなかで、私が最も楽しんだのは〈布施の山祭り〉。
2日間にわたって行われ、日本最古の巨木信仰ともいわれています。

参加者は唄いながら山の中にある大山神社へ。見物人もついてきます。

参加者は唄いながら山の中にある大山神社へ。見物人もついてきます。

1日目は大事な準備となる「帯裁ち神事」などが行われ、2日目がメインの「帯締め神事」。
鳥居と御神木しかない〈大山神社〉で行われます。
朝からお酒を飲みかわし、唄ったり踊ったり、愉快な雰囲気のまま大山神社へ。
参加者が「木遣り歌」を唄いながら、樹齢数百年の御神木にカズラを巻いていくのですが、
皆酔っぱらっているので、転げたり、引きずられたり。

皆で思いっきりカズラを振り回しています。

皆で思いっきりカズラを振り回しています。

2日間でいくつかの神事が行われますが、なかには危険を伴うものも。
酔っ払った状態で参加するのは危ないような気がしますが、
どうやら酔いのおかげで体から力が抜け、大怪我にはつながらないのだとか。

このように山で大はしゃぎするその理由は、
「山神様は女性なので、男性が大騒ぎすると喜ぶそうだ」と聞きました。

飛ばされても転んでも、すぐに戻らなければいけません。酔っぱらっているので、皆大笑い!

飛ばされても転んでも、すぐに戻らなければいけません。酔っぱらっているので、皆大笑い!

ここだけではとても伝えきれない祭りの真髄。
次回は2020年4月に開催されます。
過疎地域の祭り存続のため、地域外からの参加者も受け入れています。
我こそは! という男性の皆さん。日本最古の巨木信仰をぜひ感じに来てください!

最後には、厳かな空気のなかで祈祷が行われます。右にはカズラを巻きつけた御神木が。

最後には、厳かな空気のなかで祈祷が行われます。右にはカズラを巻きつけた御神木が。

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布施の山祭り

開催時期:西暦偶数年4月第1日曜日とその前日(表祭り)

開催場所:隠岐の島町布施 大山神社

TEL:08512-7-4311(隠岐の島町役場布施支所)

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五十嵐杏美 いがらし・あみ

平成2年生まれ。元ギャルの島ガール。2017年3月末、東京から島根県隠岐の島町へ移住し、現在は地域おこし協力隊として活動中。移住のテーマは、【自然との共生】と【丁寧な暮らし】。四季の移ろいのなかで豊かに生きる術を学び中。また、自分らしく生きることを探求するためにヨガとアーユルヴェーダを学んでおり、同時に広める活動も行っている。

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【岩手県花巻市】 先祖も家族も帰ってくる! 〈大迫あんどんまつり〉

お盆の時期、花巻にはたくさんの方がふるさとへ帰ってきます。
〈あんどんまつり〉はそのお盆の時期に開催される祭り。
開催日は毎年8月14日、16日の2日間で、4台の山車がまちを練り歩きます。
中日の15日は、14日に出した山車をつくり変え、16日に再びまちに登場するのです。

大迫あんどんまつりの風景。

祭りのはじまりは、約200年前の江戸時代。
東北の大飢饉で亡くなった大勢の人々や、先祖への供養の意味が込められています。

山車の制作期間は、約1か月。
地域の皆で山車を組み立て、絵を描き、色を塗り、
山車の光がきれいに出るようにロウを塗ったり。
この祭りのために帰郷する人もいるほどです。

ものすごい人の出!

2年前には花巻市大迫町の開町400周年を記念して、
青森県の〈弘前ねぷた〉と、あんどんまつりがコラボレーション。
山車の上から撮った写真は、まるで東京の渋谷スクランブル交差点を思わせました。

交差点の真ん中にねぷた、周りにはあんどんの山車が集まりました。

交差点の真ん中にねぷた、周りにはあんどんの山車が集まりました。

祭りに参加しないと夏がやってこないのではと思えるくらい、地域にとって大事な祭りであり、
先祖だけでなく、家族までもがこの日のために帰ってくる。
あんどんまつりは、花巻の誇りなのです。

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大迫あんどんまつり

開催時期:毎年 8月14日、8月16日

開催場所:岩手県花巻市大迫町大迫

TEL:0198-48-2111(花巻市大迫総合支所地域振興課産業係)

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鈴木寛太 すずき・かんた

1991年東京都出身。2011年に発生した東日本大震災以降、大学のボランティアプログラムで、繰り返し岩手県を訪れるようになる。一度は就職するも、2015年8月、地域おこし協力隊として花巻市に移住。大迫(おおはさま)地区で、減少が続くぶどう農家の支援やイベントの企画・調整を行っており、2018年5月にぶどう農家となる。2018年7月末、3年間の地域おこし協力隊の任期を終え、本格始動中。

【岩手県一関市】 真冬のまちを水を浴びながら全力疾走! 
〈大東大原水かけ祭り〉

裸男が水をかけられながら走る。
“天下の奇祭”と呼ばれる〈大東大原水かけ祭り〉は、
毎年2月11日の、1年で一番寒さが厳しい時期に行われます。

大東大原水かけ祭りの風景。

「今年は暖かい」という話でしたが、それでも気温は3℃。
裸男たちは5区間に分かれる商店街を、
真冬の寒さを大声でかき消して駆け抜けます。

水をかける人も、写真を撮る人も、びしょ濡れ!

水をかける人も、写真を撮る人も、びしょ濡れ!

祭りの始まりは、江戸で起こった「明暦の大火(振袖火事)」。
火事のあと、江戸幕府から全国に発せられた「火防令」を受けて、
このまちの人が川で身を清め、防火祈願したことが始まりといわれています。

祭り半纏をまとった町民。

奇祭とは呼ばれますが、今でも大災害があったことを忘れないように、
まちの人、外の人が一体となって、そのおかしさを楽しみながら伝えていく水かけ祭り。
後世にもじんわりと伝わっていくような気がしました。

祭のあとの道路は水浸し。

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大東大原水かけ祭り

開催時期:毎年2月11日

開催場所:一関市大東町大原 大原商店街

TEL:0191-72-2282(大東大原水かけ祭り保存会)

WEB:いちのせき観光NAVI

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櫻井陽 さくらい・よう

岩手県一関市出身。2016年よりUターンで一関市の地域おこし協力隊に着任し、農業分野の地域団体の活動支援を行う。好きな食べ物はカレー。趣味の硬式テニスをやらないと病にかかる体質。2017年より一関で楽しく暮らしたい20代のための地域団体「一関を面白く企む会」を発足し、各々がまちを楽しむためのさまざまな企画を実施する。

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