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各地の人気店や、
パン事情をご紹介!
わたしのまちの「パン屋さん」

このまちのくらしとけしき
vol.009

posted:2019.3.2   from:全国(隠岐の島町・白川村・花巻市・久美浜町)  genre:食・グルメ

〈 この連載・企画は… 〉  毎月コロカル編集部からテーマを出し、
日本各地で活動している地域おこし協力隊の方から集まった写真とメッセージを紹介していきます。
その土地ならではのものだったり、自分の暮らしと変わらないものだったり……。
どんな暮らしをしてどんな景色を見ているのか、ちょっと覗いてみませんか?

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Ami Igarashi, Fuko Nagasaka, Kanta Suzuki, Kanae Fujiwara

五十嵐杏美/長坂風子/鈴木寛太/藤原可苗

今月のテーマ 「まちのパン屋さん」

フワフワやわらかの日本のパンや、外国のハード系パン、
こだわりが詰まった自家製酵母パン。
もはや日本の食卓には、パンは欠かせません!

各地に目を向ければ、じつにユニークなパン屋さんがいっぱい。
さらに、地域のパン事情もさまざまです。

今回は、全国のみなさんから、
地域に愛される「パン屋さん」を紹介してもらいました。

【島根県隠岐の島町】 子を想う母の、体にやさしい天然酵母パン

親子の笑顔マークが出迎えてくれます。

親子の笑顔マークが出迎えてくれます。

隠岐の島にある〈マムズ・ベーカリー〉。
“子どもが安心して食べられるパンを。”
そんな、お母さんの愛情から生まれたお店です。

マムズ・ベーカリーの自家製十勝あんぱん。

どのパンも、も~っちり。
餡やクリームなど、手づくりならではのやさしい甘みのなかに、
バターの香りと奥深さが広がって、ひと口ひと口の満足感がすごい。

「焼ける数に限りがあるんです……」というオーナーですが、
1点1点こだわっているのに、パンの種類は豊富で、
そこに、子を想う母の強さとやさしさが表れている気がしました。

オープン当時から人気を誇るクリームチーズパン。

オープン当時から人気を誇るクリームチーズパン。

お店を手伝うのはオーナーのお母さま。
お子さんへの想いから生まれたお店を、お母さんとおばあちゃんで守っている姿が
親子3代、家族の距離が近い隠岐らしくてほっこりしました。

ほかにも隠岐の島には、昔ながらのパン屋〈木村屋〉さんも。
5つの味がランダムに入った「夢がいっぱい! おやつあんパン」をはじめ、
島民に愛され続けています。

店内の様子。

information

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天然酵母のパン屋さん マムズ・ベーカリー

住所:島根県隠岐郡隠岐の島町西町八尾の一

TEL:090-6833-1404

営業時間:13:00~18:00

定休日:水・土・日曜・祝日

Facebook:https://www.facebook.com/momsbakery.oki/

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五十嵐杏美 いがらし・あみ

平成2年生まれ。元ギャルの島ガール。2017年3月末、東京から島根県隠岐の島町へ移住し、現在は地域おこし協力隊として活動中。移住のテーマは、【自然との共生】と【丁寧な暮らし】。四季の移ろいのなかで豊かに生きる術を学び中。また、自分らしく生きることを探求するためにヨガとアーユルヴェーダを学んでおり、同時に広める活動も行っている。

【岐阜県白川村】 パン屋がない! 白川村のパン事情

白川村にはパン屋さんがありません。
人口1600人あまりの小さな村なので、お店自体も少ない。
では、村民のみなさんはどうやってパン欲を満たしているのでしょう?

パンをゲットする手段は、主に5つ。

1.高山や富山など、まちのパン屋まで買いに行く

2.まちのスーパーマーケットへ買い物に出かけたついでにパンを購入

3.村内のスーパーマーケット、またはコンビニ(デイリーヤマザキ)にて購入

4.週に3回来る移動販売車にて購入

5.コープの宅配にて注文

陳列棚のパン。

移動販売車の店内。

移動販売車の店内。

市販の食パンを食べる方は、まちや村内のスーパーマーケットで。
買い物になかなか行けない方は、毎週届く宅配で。
それぞれの暮らしやパン欲に合わせて、調達手段を選んでいます。

デイリーヤマザキにて。ヤマザキの工場直送パンが売られています。

デイリーヤマザキにて。ヤマザキの工場直送パンが売られています。

パン屋のない白川村では、
ないものはないなりに手段を選び、パン欲を満たしているのです。

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長坂風子 ながさか・ふうこ

愛知県生まれ。大学卒業後、映像制作会社に勤務。地域の“今”を残したいと思い、岐阜県白川村に移住。好きなことは、映画を観ること、おいしいものを食べること。

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【岩手県花巻市】 本と文具店なのに、パン屋さん!?

外観は、本と文具屋さん。
店に入ると、陳列棚には確かに文房具が並ぶのですが、
食欲をそそる焼き立てパンの香りが、ふんわりと漂います。
ここは文房具とパンを販売する〈ドン・ボスコ〉というお店。

ドン・ボスコの外観。

店内にはたくさんの種類のパンが並びます。

もともとは洋裁店であったり、文房具を中心に販売したり、
まち中の学校などに教科書を販売したりしていました。

パンを販売するようになったのは、16年前に遡ります。
店主の趣味であったパンづくりを仕事にと、販売がスタートしました。
最初は手探り状態で、趣味でつくってはいたものの、
販売用にはどうつくればいいかわからず、試行錯誤の日々が続いたそう。

人気商品のげんこつパン。

人気商品のげんこつパン。

人気商品はげんこつパンと、三つ編みパン。
店頭に並ぶパンはすべて無添加で、どれもおいしくて人気です。
現在は、近所の高校でもパンを販売しています。

そんなある日、高校を卒業した学生が母となり、
子どもと一緒にパンを買いにドン・ボスコへ。
「子どもはパンといったら、げんこつパンしか食べないんです」
そう言われたときはすごくうれしかったと、店主はその日を振り返ります。

information

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ドン・ボスコ(本と文具 いせかん)

住所:岩手県花巻市大迫町大迫第3地割208

TEL:0198-48-3435

営業時間:11:00~19:00(売れきれ次第閉店)

定休日:日曜

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鈴木寛太 すずき・かんた

1991年東京都出身。2011年に発生した東日本大震災以降、大学のボランティアプログラムで、繰り返し岩手県を訪れるようになる。一度は就職するも、2015年8月、地域おこし協力隊として花巻市に移住。大迫(おおはさま)地区で、減少が続くぶどう農家の支援やイベントの企画・調整を行っており、2018年5月にぶどう農家となる。2018年7月末、3年間の地域おこし協力隊の任期を終え、本格始動中。

【京都府・久美浜町】 食べた人の“糧”となる〈農家パン 弥栄窯〉

太田光軌くん、治恵ちゃん夫妻。

京丹後市のなかでも特に奥まった、弥栄町野間地区。
ここの6世帯、それも、ほぼ移住者だけの来見谷(くるみだに)という集落に、
2016年に移住してきた太田光軌くん、治恵ちゃん夫妻。
2017年に窯をオープンさせて以来、ふたりの自然体な人柄を表したようなパンが瞬く間に大人気に。

古民家の中につくった薪窯。

パンは来見谷の古民家の、自分たちでこしらえた薪窯で焼いています。
すべての生地は木桶で手ごね。発酵は自然まかせ。

飾らない、食べた人の“糧”となるパンを意識して、
ゆくゆくは野間地区で育った小麦と薪でパンを焼きたいと話すふたり。

たくさんのパン。

パンの種類は4種類。
ライ麦の入った「カンパーニュ・ビオ」、玄米粉とライ麦の「セーグル・エ・リ」、
全粒粉の「コンプレ・ビオ」、ふたりの農家パンの原点「ブリオッシュ・ペイザンヌ」。
京丹後市内での卸売に加え、京都市内、兵庫県でも販売されています。

長女のすずちゃんと3人で。

2018年の春には長女のすずちゃんが産まれ、すっかり野間のアイドルです。
今、パンは少しお休み中ですが、復活をみんなが心待ちにしています。

information

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農家パン 弥栄窯

住所:京都府京丹後市弥栄町野間

TEL:090-2938-1019

※店舗ではないため、前日午前中までの予約必須
※卸販売、工房や畑の見学は要予約

WEB:http://bread-lab.com/bakeries/1645

Facebook:https://www.facebook.com/yasakagama/

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藤原可苗 ふじわら・かなえ

平成元年生まれ。京都市内でwebデザイナーとして勤務したのち地元の丹後地方へUターン。2016年7月から京丹後市の地域おこし協力隊久美浜町担当として着任。フリーランスのweb・グラフィックデザイナーとしても活動中。趣味は民俗学とおじいちゃん採集。

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