連載
posted:2019.4.23 from:福岡県糸島市 genre:暮らしと移住 / アート・デザイン・建築
〈 この連載・企画は… 〉
田舎へ移住を考えている人、すでに移住した人。
そんな方の、暮らしの参考やアイデアになるはずです。農業、狩猟、人とのつながり、四季のこと。
福岡県糸島で自給自足生活を営む〈いとしまシェアハウス〉の暮らしをお届けします。
writer profile
CHIHARU HATAKEYAMA
畠山千春
はたけやま・ちはる●新米猟師兼ライター。3.11をきっかけに「自分の暮らしを自分でつくる」活動をスタート。2011年より鳥を絞めて食べるワークショップを開催。2013年狩猟免許取得、狩猟・皮なめしを行う。現在は福岡県にて食べもの、エネルギー、仕事を自分たちでつくる〈いとしまシェアハウス〉を運営。2014年『わたし、解体はじめました―狩猟女子の暮らしづくり』(木楽舎)。第9回ロハスデザイン大賞2014ヒト部門大賞受賞。
ブログ:ちはるの森
こんにちは。
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。
いきなりですが皆さん、ホームセンターには
DIY初心者にうれしい便利なサービスがあるって知っていますか?
例えば、
・購入した木材を希望の大きさにカットしてもらえる:
1カット10円~50円程度(無料のところもあり)
・インパクトドライバーや丸ノコなど、工具の貸し出しをしてくれる:
2泊3日200円~500円程度
どちらも有料ではありますが、
工具を持っていないけれどDIYを楽しみたい! という方や、
初心者でカットが苦手、という方には魅力的なサービスではないでしょうか。
そのときのためだけに工具を揃えなくていいのも、経済的でうれしいところ。
今回はこのサービスを活用しながら、手軽にできるDIYを紹介します。
DIYを教えてくれるのは、いとしまシェアハウスで行う
大工技術と暮らしの物々交換プロジェクト〈大工インレジデンス〉に参加する
ユニークな大工たち。
大工インレジデンスについてはこちらの記事をどうぞ!
初心者編、中級者編とあるので、お楽しみに!
【ふみよ】
リフォーム大工を5年経験したプロの大工。
足場づくり、屋根の葺き替え、雨漏り修理、ウッドデッキづくり、なんでも来い。
とにかく施工のスピードが速く、みんなから頼りにされている実力者。
ただし普段はゆるキャラ。
【ちーぼー】
美大で4年間みっちりとプロダクトデザインを学び、
今は仕事でDIYなどのワークショップに携わる。
パートナーと東京の築90年の平屋を7か月かけて改修。
自宅兼イベントスペース〈KiKi 千住東の家〉を運営。
写真撮影&廃材でかっこいいものをつくるのが得意。
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まず、ちーぼーが教えてくれるDIYは、初心者でも簡単につくれるテーブル。
ここでは、ホームセンターで手軽に手に入るツーバイフォー材を
テーブルの脚に大変身させる魔法の金具「ソーホースブラケット」を使います。
一時期は入手困難になるほどの人気でしたが、
今はネットで探せば、ひとつ500円程度で手に入ります。
ちーぼーのおすすめポイントはこちら!
「テーブルづくりは特に難しい技術ではないけれど、
測る・切る・ビスを打つ・組み立てるなどのDIYに必要な動作がぎゅっと詰まっているので、
基礎力をあげたい初心者さんにおすすめです」
とのこと。
材料はシンプルに、以下の4つだけ。
・天板用の合板1枚
・ツーバイフォー材4本
・ソーホースブラケット4個
・ビス
手順は以下の5つだけ。
(1)脚の部分になるツーバイフォー材を、丸ノコで好みの長さにカット
(2)ソーホースブラケットを差し込んでビスで留める
(3)クリップ部分に木材を挟み、バランスを確認
(4)ソーホースブラケット&脚板から木材を外し、天板と木材をビスで固定
(5)天板と合体した木材に、ソーホースブラケットを挟み込んで、できあがり
ホームセンターで材料をあらかじめカットしておけば、
家でやる作業はビスで打って組み立てるだけ、という手軽さ。
強度を出したいときは木材とソーホースブラケットをビスで固定しますが、
テーブルを解体して使いたい場合は、ビスの打ち込みはしなくて大丈夫です。
天板、脚部分と、分解して持ち運びができるので、移動も簡単。
アウトドアのバーベキューや、マルシェ出店にも大活躍します。
大きさや高さも自由に調節できるので、
欲しかった理想のテーブルがつくれちゃいますね。
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続いて、普通の床貼りじゃ物足りない、
ちょっとこだわってみたい、という方にピッタリなのが、
大工ふみよが教えてくれる、「ヘリンボーン」という板の並べ方。
複雑な形に見えますが、同じ長さにカットした板をV字に並べていくシンプルな構造なので、
コツをつかめば意外と簡単に挑戦できます。
まずは部屋全体の面積を測り、その面積を埋める分の板のサイズと枚数を考え、
ざっとした設計図をつくります。
そのデータをもとに、少し多めの板を用意します。
ここでも、事前にホームセンターで板をカットしてもらうと
作業の時間がグッと短縮できます!
V字の柄がずれないように床板にベースとなる線を引き、
その線に沿って用意した板を並べ、インパクトドライバーで細ビスを打ち込みます。
ここでふみよのDIYアドバイス!
「板を隙間なく貼らないこと」
木材は季節や素材によって伸縮し、カットも数ミリのズレが出るので、
隙間なく並べると最後のほうに大きな隙間ができたり、
膨張した木材同士がぶつかって膨らんだりすることがあります。
気にならない程度に「余裕」を残しつつ、
最初につけた印の線に沿って床貼りをするのがポイント。
小さなズレが、最終的に大きなズレにつながる……。
目先の美しさを優先してきっちり進めるより、
ゴールを定めて適度な距離をとったほうがうまくいく……。
なんだか人生の格言みたいな発見が得られました(笑)。
けれど、実際に手を動かして得られる学びや発見は、普遍的なものが多いのです。
DIY、侮れない!
ちなみに我が家は、キッチンの天井もこのヘリンボーン柄。
天井貼りの場合は、板の厚みを変えてデコボコしていたほうが
隙間やヨレが目立たなくてよい、という気づきがありました。
カラーも別々にするとさらに◎。
ヘリンボーンは見栄えがするので、
完成したときは空間がパッと華やかになってうれしかったなあ。
こうして日々暮らす場所が、自分たちの手で少しずつ
お気に入りの場所になっていくのがたまらなく幸せです。
というわけで、我が家の大工たちによるDIY講座、楽しんでいただけましたか?
ホームセンターのサービスを利用すれば、工具がなくても、初心者でも、
気軽に始められるので、小さなことからDIYを試してもらえたらうれしいです。
「なにかを自分の手でつくる」ってとても楽しいし、
意外と簡単にできちゃいますよー!
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そして今、いとしまシェアハウスでは
大工インレジデンスの第3期メンバーを募集しています!
・我が家の暮らしに共感する人
・大胆なリノベーションに挑戦してみたい人
・ものづくりが好きな人
いとしまシェアハウスの田舎暮らしを体験しながら、
築80年の我が家を舞台にコミュニティの場をつくってみませんか?
我こそは! という方、ぜひご応募くださいませ!
4月末~5月頭にかけて、いとしまシェアハウスでは
体験イベントをたくさん企画しています!
宿泊もできるので、遠方からの方も大歓迎です。
【2019年4月27日(土)、28日(日)】
目指せ、太陽光で100%エネルギー自給! 太陽光パネル設置ワークショップ
いとしまシェアハウス、ついに100%太陽光発電を目指します!
太陽光パネルを設置、配線などを体験してみたい方、
エネルギー自給に興味のある方、お待ちしてまーす!
【2019年5月1日(水)】
とり放題! 皮まで使える、無農薬の甘夏狩り
@いとしまシェアハウス(搾りたてジュースつき)
毎年恒例、いとしまシェアハウスの甘夏狩り!
無農薬だから安心安全、皮までしっかり使えます。
収穫した甘夏は制限なく好きなだけ持ち帰りOK。
その場で絞った100%の甘夏ジュースも飲めますよー!
【2019年5月2日(木)】
無農薬で野生のお茶摘み&お茶づくり&お茶の天ぷらワークショップ
(お茶の葉のお土産つき)
八十八夜の5月2日は、年に1度の新茶摘みの日。
その年の最初に摘みとる「一番茶」には、
1年のなかでも栄養価や旨み成分が最も多く含まれており、
「八十八夜に摘まれたお茶を飲むと長生きできる」といわれています。
お茶摘みからお茶づくり体験、お昼にはお茶の若葉の天ぷらも食べますよー!
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元シェアメイトのあかねちゃんが久しぶりに帰省して、
味噌玉のつくり方を教えてくれました。
お湯を注ぐだけで簡単にお味噌汁が飲めるのですが、
チョコレートみたいな形に女子たちも大興奮!
プレゼントにも喜ばれますね。
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