高山〈みかど〉
ドライな焼酎ハイボールに最高のアテ
飛騨牛を朴葉みそで
“チリチリ”と焼く幸せ

旅の醍醐味はローカル酒場!
全国おすすめ酒場探訪記 飛騨高山編
こだわる。でも飾らず、自然体で

今回のローカル酒場は岐阜県高山市で創業約80年、
高山の郷土料理にこだわった〈みかど〉。
酒場であり、郷土料理の定食店としても人気です。
地元の人にも愛されつつ、多くの観光客も迎え入れ、
外国人客向けに英語のメニューも用意されています。
現在、店を引き継ぐのは地元出身の加賀江徹さん。
3代目としてお店を引き継いで20年になります。

昭和の風情も残る商店街に、昔ながらの純和風な建物。でも近づいてみると英語の表記もあって、高山の昔と今が一緒に感じられます。

昭和の風情も残る商店街に、昔ながらの純和風な建物。でも近づいてみると英語の表記もあって、高山の昔と今が一緒に感じられます。

もともとは〈みかど食堂〉という名で長年愛されていたお店ですが、
店の継承で困っていたところ、加賀江さんのお父様が権利を取得。
板前さんを雇い存続していました。
そのころ加賀江さんはバックパッカーとして世界を放浪。
25歳、バンコクに滞在していた時に一本の電話。
「母親から店を継いでほしいと連絡がありました。さすがに親不孝も続けられないなと」
調理師免許を持っていたことも幸いし、〈みかど〉の名を継ぐことを決断したのです。

やわらかい笑顔でお客様を迎える加賀江さん。世界を訪ねるバックパッカーから、世界から訪れる人たちを迎え入れる仕事へ。

やわらかい笑顔でお客様を迎える加賀江さん。世界を訪ねるバックパッカーから、世界から訪れる人たちを迎え入れる仕事へ。

今回の案内人のふたり、朝倉圭一さんと、飲み仲間の中島亮二さんも、
加賀谷さんと同じように、一度は県外に出て、そして戻ってきたUターン組。
この〈みかど〉を紹介してくれた朝倉さんは、名古屋に出て、27歳で高山に戻りました。

自営業を継ぐ同級生たちが多い中で、サラリーマン家庭育ちの朝倉さん。
「一生続けられる仕事ってなんだろう?」と自問し、
「ここでこそやれる仕事をしたい」という思いから、
地元の器や民芸品を扱う〈やわい家〉を開業。

「高山市は、市区町村の面積で日本一。とはいえ98%は山と山林ですからね(笑)」
と笑う朝倉さんですが、だからこそ木材に恵まれ、
生活道具にも毎日を豊かに暮らす知恵が込められます。
2階にサロン的な古本屋を立ち上げましたが、
これも知の部分から高山を掘り下げていく試みです。

中島さんも新潟の建築会社に就職し、設計の仕事をしていましたが、
ほうれん草などを栽培する実家を継ぐために帰郷。
その傍ら、地元ゆかりの若手クリエイター7人で、アートイベント「山の日展」を開催。
今年8月に2回目を終えたこのイベントは、
デザイン、絵、写真、左官、猟&レザークラフト、
生態学研究に、中島さんが手がける建築&農業と多彩。
第1回では中島さんの実家にある築150年の蔵を、
多目的スペースに転用する事例を展示したのです。
さらに今年は、温室を使った空間の展示や表現に挑戦しました。

この取り組みを紹介するパンフレットで中島さんはこんな言葉を残しています。
「盆地である高山に、新しい道を通すことにもつながるのではないか」
高山を囲む自然は大いなる恵みをもたらす一方、
交流を阻む要因ともなっていたかもしれません。
だからこそ大いなる自然が残り、そこで幸せに生きる知恵が生まれ
独自の食文化、郷土料理が育まれました。

しかし、高山は不思議なまち。
江戸情緒が残る「さんまち通り」などを歩いていると
多くの人たちが行き交う豊かな商都としての賑わいがあります。

江戸時代の趣を残す昼のさんまち通り。外国人観光客も多く、平日にも関わらず賑わっています。

江戸時代の趣を残す昼のさんまち通り。外国人観光客も多く、平日にもかかわらず賑わっています。

朝倉さんによれば、
「江戸時代は幕府の天領でした。ということはそれだけ豊かなものがあり、
交流の地でもあったんです」
郷土の恵みがあるからこそ人々が集う。
そして集った人たちとともになにかが生まれる。それが飛騨高山。

ほろ酔いの会話も次々とすてきな言葉になる朝倉さん。郷土への愛を軽やかな言葉にのせて語っていただきました。

ほろ酔いの会話も次々とすてきな言葉になる朝倉さん。郷土への愛を軽やかな言葉にのせて語っていただきました。

今夜の酒は、タカラ「焼酎ハイボール」〈ドライ〉。
強炭酸のガツンとしたキレと、宝酒造ならではの焼酎の旨みが楽しめるお酒です。
朝倉さんはぐっとひと口飲んで、
「スッキリ感がいいですね。高山ならではの濃い味の料理にも合いますよ」
そういいながら朝倉さんはメニューから
定番料理とちょっと変わったものをセレクトしました。

「定番といえばやはり飛騨牛と朴葉みそ。味は濃いめですよ。
そして、あまり知られていないものでいえば、こもどうふ。
それから……これは僕もよく知らないのですが、かわきも」

郷土料理のこもどうふは、わらを編んだ「こも」で豆腐を包み、
だし汁などで煮込んだもの。
豆腐の表面の模様と、食感が特徴的で、お盆やお正月のごちそうでもありました。

料亭のだし巻き玉子焼きにも見えるけれど、これが豆腐。高野豆腐ほど濃い出汁ではなく、素朴な風味も味わえます。400円(税抜き)

料亭のだし巻き玉子焼きにも見えるけれど、これが豆腐。高野豆腐ほど濃い出汁ではなく、素朴な風味も味わえます。400円(税抜き)

かわきもは、鶏の皮とレバーを、甘くて濃い醤油ベースのたれで煮た、岐阜・郡上の郷土料理。
これがまたドライな焼酎ハイボールとよく合う。

こちらがかわきも。タレのコクとドライな焼酎ハイボールの相性は抜群。お酒はもちろん、残ったタレを白米にかけたくなる誘惑。500円(税抜き)

こちらがかわきも。タレのコクとドライな焼酎ハイボールの相性は抜群。お酒はもちろん、残ったタレを白米にかけたくなる誘惑。500円(税抜き)

酒場の定番コロッケは飛騨牛入り。フライものも手は抜きません。600円(税抜き)

酒場の定番コロッケは飛騨牛入り。フライものも手は抜きません。600円(税抜き)

ひとり旅にうれしい定食は、昼夜問わず提供。定食なら飛騨牛も手軽にいただけます。〈飛騨牛陶板焼き定食〉2000円(税抜き)

ひとり旅にうれしい定食は、昼夜問わず提供。定食なら飛騨牛も手軽にいただけます。〈飛騨牛陶板焼き定食〉2000円(税抜き)

二戸で見つけた「ほんもの素材」。 〈いわて短角和牛〉と〈南部美人〉、 “国産”漆を育むテロワールとは?

学びある二戸の旅を提案。〈ほんものにっぽんにのへ〉が始動!

〈二戸〉と書いて〈にのへ〉。
東京から東北新幹線で約2時間35分。
青森県・八戸からは、いわて銀河鉄道で約37分と、
青森県と接する岩手県最北端に位置する市の名前です。

聞き馴染みのない土地ですが、
二戸には、実は「ほんもののにっぽん」がある。
東端に〈折爪岳〉、西端に〈稲庭岳〉を有し、
その伏流水や、雪深い気候を生かした「ほんもの素材」が数多く育まれています。

学びある二戸の旅を提案するプロジェクト
〈ほんものにっぽんにのへ〉がスタートしました!

岩手生まれの短角和牛

〈稲庭岳〉のすそ野に広がる〈稲庭高原〉では、
雄大な土地に赤茶色の短角和牛の姿を見ることができます。

稲庭高原はツーリングコースにもなっていて、柵の外から牧野を自由に見ることができます。

稲庭高原はツーリングコースにもなっていて、柵の外から牧野を自由に見ることができます。

短角和牛は、日本固有の肉用専用種「和牛」として認定された
岩手生まれの食肉牛。
岩手県がまだ南部藩だったころ、
物資輸送に使われていた在来の〈南部牛〉と
ショートホーン種を掛け合わせ、品種改良を重ねて今に至ります。

二戸の気候に適した〈夏山冬里〉が生んだ肉質

短角和牛が放牧されるのは5月から10月の夏場だけ。
夏、穀物や葉タバコ栽培で忙しい農家にとって、
山への放牧は手離れがよく、
雪に閉ざされ農作業ができない冬場に里の牛舎で牛を育てる方式は、
「夏山冬里」と呼ばれ、負担なく営みを続けられる知恵でした。

浄法寺町牧野組合連合会の会長・斉藤さん。夏は葉タバコの生産や、牛の餌となる採草を行い、冬は牛舎で牛を育てます。二戸では、牧野組合連合会に委託して種牛や採草の管理・販売を行ってもらうなど、畜産支援が盛ん。

浄法寺町牧野組合連合会の会長・斉藤さん。夏は葉タバコの生産や、牛の餌となる採草を行い、冬は牛舎で牛を育てます。二戸では、牧野組合連合会に委託して種牛や採草の管理・販売を行ってもらうなど、畜産支援が盛ん。

牛は牧野で自然交配し、
子牛は自然栽培の牧草と母牛の乳だけで育ちます。
運搬につかわれていた筋肉質な南部牛のDNAや、冷涼な気候なため、
放熱しないよう脂肪が外につくこと、
広大な牧野で適度な運動ができることなどから、
健康的で、脂が少ない赤身主体の肉質が育まれます。
科学的にも黒毛和牛に比べてうま味成分の
グルタミン酸やアミノ酸が多いことが証明されているそう。

シェフの寺脇さんにより炭火で焼き上げられた短角和牛。あっさりとして重くなく、噛めば噛むほど肉のうま味を感じられます。

シェフの寺脇さんにより炭火で焼き上げられた短角和牛。あっさりとして重くなく、噛めば噛むほど肉のうま味を感じられます。

〈ほんものにっぽんにのへ〉プロジェクトが企画した旅のひとつ〈肉と酒のにのへ〉で、
二戸の食材を調理し紹介するアテンダーのひとりとして参加した
〈Globe Caravan〉の寺脇加恵さんは、
「牛がどこの餌を食べているかで安全性が決まるので、
今後日本の食は、意識がそこへ向かっていくと思う」と話します。
肉の等級は霜降り度合いで決まるのが現状。
「市場に迎合しないで、市が生産者と連携して
きちんとした生育環境を維持・保護しているのはすごいこと」と話します。

斉藤さんから育て方や飼料について話をうかがう寺脇さん。どう育成しているかを知ることは、私たち消費者にとっても、安心な食選びと、大切に育てられた命をいただく感謝を忘れない一歩。

斉藤さんから育て方や飼料について話をうかがう寺脇さん。どう育成しているかを知ることは、私たち消費者にとっても、安心な食選びと、大切に育てられた命をいただく感謝を忘れない一歩。

健康や食の安全を意識する傾向のなか注目される短角和牛は、
二戸の風土が育んだ「ほんもの素材」のひとつ。
二戸市内では〈Restaurant Bonheur〉や〈短角亭〉で味わうことができます。

〈茶寮原宿〉料理家・yoyo.さんの 人気フードイベントが 一夜限りの復活!

おしゃれで独創的なyoyo.さんのヴィーガン料理

新潟市沼垂地区でセンス溢れるヴィーガン料理を提供しているカフェ〈mountain△grocery〉。
こちらを手がけているのが、料理家で〈VEGEしょくどう〉主宰のyoyo.さんです。

yoyo.さんは南インドをひとり旅した際に出会った菜食文化に感銘を受け、
都内各所で店舗を持たない定食屋〈VEGEしょくどう〉をスタート。

「たべることはいきること。おいしいやさいはみんなのいのちをつなぐ」
をテーマに、オリジナリティ溢れるヴィーガン料理で一躍人気に。
※過去の記録はこちらをどうぞ。

アート、カルチャー系イベントへの出店やオリジナルレシピも考案するなど、
ヴィーガン料理を通し、インディペンデントでさまざまな活動を行っています。

2016年からは新潟県内の里山に移住し、
お米を作ったり、ビーガンカフェ〈mountain△grocery〉をオープンさせました。

そんなyoyo.さんですが、
過去何度も料理を振舞った場所である原宿のイベントスペース・VACANTに
12月11日(水)、一日限定で〈VEGEしょくどう〉を復活。
12月末に閉館を迎えるVACANTのクロージングイベントとして帰ってきます。

〈岩の原葡萄園〉 マスカット・ベーリーAのふるさとへ。 老舗ワイナリーで味わう日本ワイン

〈マスカット・ベーリーA〉。
ワイン好きに限らず、この名を耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか? 
それもそのはず、マスカット・ベーリーAは
日本で生産されている赤ワイン用のぶどうのなかで最も生産量が多い品種だから。

そんな日本のワインぶどうの代名詞ともいえるマスカット・ベーリーAが生まれたのが、
新潟県上越市にあるワイナリー〈岩の原葡萄園〉です。

今年6月に開催された「G20大阪サミット2019」では、
赤ワイン〈深雪花(みゆきばな)〉が振る舞われるなど、
1890(明治23)年の開設以来、日本のワインのパイオニアとして、
ワイン界を牽引してきた同園。
ここでは、創業者であり「日本のワインぶどうの父」と称される
川上善兵衛氏と日本のワインがたどってきた歴史に触れることができます。

岩の原葡萄園のワインができるまで

岩の原葡萄園があるのは、新幹線の上越妙高駅から車で25分ほどの距離にある
上越市の頸城(くびき)平野。
1時間ほどあればすべてを見て回れる広さの園内には、葡萄畑はもちろん、
ワインを製造・販売する施設とオフィスが併設されています。

生産棟、第一号・第二号石蔵、雪室、
ワインショップ・レストラン・資料室からなる川上善兵衛記念館などがあり、
生産棟とオフィスを除くすべての施設が開放されています。

赤ワインの仕込み風景。ぶどうを除梗破砕機に入れ、果梗と実に分ける。

赤ワインの仕込み風景。ぶどうを除梗破砕機に入れ、果梗と実に分ける。

取材に訪れたこの日は、県外から仕入れた約600キロの
マスカット・ベーリーAを乗せたトラックが横づけされ、
赤ワインの仕込みをしているところでした。

「このマスカット・ベーリーAは、糖と酸のバランスがほどよくて、
そのまま食べてもおいしいんですよ」

善兵衛が生んだ日本固有種〈マスカット・ベーリーA〉。日本で最も多く栽培されている赤ワイン用ぶどうで、生食兼用のぶどう。

善兵衛が生んだ日本固有種〈マスカット・ベーリーA〉。日本で最も多く栽培されている赤ワイン用ぶどうで、生食兼用のぶどう。

ぶどうは丸ごと除梗破砕機に入れられ、まずは果梗と実に。
次に搾汁機で実を搾り、果汁になります。
常温だと発酵の温度が上がり、苦味や雑味が出てしまうため、
冷やしたぶどうを使ってなめらかに仕上げます。
園内で収穫したぶどうで仕込む際には、7度前後の冷蔵庫でひと晩冷やすのだそうです。
1キロの葡萄から約800ミリリットルのワインができます。

次に向かったのは葡萄畑。取材で訪れた10月上旬は収穫の最盛期。
晴天の空の下、約20名の方々が斜面に立てた脚立を器用に使って、
ロゼワイン用のマスカット・ベーリーAの収穫をしていました。

サイズと糖度の基準を満たしたぶどうから順に収穫。斜面に器用に脚立を立て、高いところのぶどうも手際よく。

サイズと糖度の基準を満たしたぶどうから順に収穫。斜面に器用に脚立を立て、高いところのぶどうも手際よく。

岩の原葡萄園のぶどう収穫

園内では、〈ブラック・クイーン〉、〈ローズ・シオター〉、
〈レッドミルレンニューム〉、〈ベーリー・アリカントA〉を主に栽培。
糖度とサイズを計測し、条件に達したぶどうから収穫していきます。

収穫したぶどうはカゴへ

仙台唯一のクラフトビール 〈穀町ビール〉と 麹の町・荒町がおもしろい!

仙台唯一のマイクロブリュワリー

仙台の住宅街で、おいしいクラフトビールに出会いました!
その名は〈穀町(こくちょう)ビール〉。仙台唯一のマイクロブリュワリーです。

〈穀町〉は地名で、伊達政宗公の時代、
米や穀物の専売権を与えられていたことに由来します。

〈穀町ビール〉の看板

「穀」物の「町」と書いて「こくちょう」。仙台に古くからある地名です。

「地名を知らない人が聞いたら、
“穀物の町でつくっているビール”ってイメージが広がる気がして」と話すのは、
代表の今野高広さん。

仙台市出身で、実家のガレージを改装し、醸造所とパブをつくりあげました。
店の住所は石名坂ですが、穀町商店街はすぐそばで、
子どもの頃はよく買い物に出かけた場所だそう。

自分がおいしいと思ったビールを商品に

醸造所に併設するパブ

醸造所に併設するパブ。店名の〈ビア兄(ビアニーニ)〉は「ビールをつくる兄さん」。今野さんのことであり、「派生してビール好きなみんな」が集まる場所です。

イギリス留学の経験があり、語学力を生かして
ベルギーチョコレートの輸入を手伝っていた今野さん。

「ベルギーで飲んだビールのなかで、
ビールなのにコクがあって度数が高く、飲みごたえがあるものが印象に残ったんだけど、
日本に帰ってくるとないんですよ。
これが決め手で、なかなか手に入らないので、
自分がおいしいと思ったものを自分でつくっちゃおう」と、
一から醸造の勉強をはじめます。

穀町からほど近い〈荒町(あらまち)〉にある〈森民酒造本家〉に勤務しながら、
東京の座学で知り合い、先に醸造所をオープンした島根県の〈石見麦酒〉で
ビールづくりの実習を行います。

〈森民酒造本家〉外観

1849年創業の〈森民酒造本家〉は、仙台市街に唯一残る酒蔵。

「大きなビール工場で一部分を担うより、
小規模に昔ながらの酒づくりをしているところの方が勉強になる」
と考えていた今野さん。

「そんな時ちょうど! 荒町をチャリンコで走っていたら、
森民さんに『バイト募集。ラベル貼りなど』って書いてあったんですよ」と笑います。

今野さんの思いが引き寄せた運命的な出会い。
4年間修行し、酒づくりはもちろん、酒屋や飲食店との人脈を築きます。

老舗酒屋〈及川酒店〉の外観

森民酒造本家の日本酒を多種扱う荒町の老舗酒屋〈及川酒店〉。穀町ビールを最初に卸したお店です。

「お酒をつくって瓶詰めした後、
どういう風に売るかは森民さんで学びました。
どこの酒屋さんへ卸したらいいか。お酒を配達しているとつながりができるんです」

〈貝印スイーツ甲子園〉に
青春をかける高校生。
未来のパティシエたちが躍動する!

キャベツを使ったシュークリーム!?
有名パティシエを唸らせる高校生のアイデア!

ケーキづくりに青春をかける高校生たちの物語。
それは〈貝印スイーツ甲子園〉という舞台で花開く。
1年に1回開催されているこの“甲子園”を目指し、
全国のパティシエ志望の高校生たちがしのぎを削っている。

2019年9月15日、
第12回決勝大会が〈武蔵野調理師専門学校〉を会場として開催された。
春から行われていた全国予選を、全350チーム(125校)から勝ち抜いてきたのは、
東京のレコールバンタン高等部「Rig(リグ)」、
愛知の学校法人糸菊学園 名古屋調理師専門学校「amusant(アミュゾン)」、
大阪のレコールバンタン高等部大阪校「etoile(エトワール)」、
そして福岡の嶋田学園 飯塚高等学校「muguet(ミュゲ)」の4チーム。

決勝大会の直前、そのうちの1チーム、
飯塚高等学校「muguet」の練習風景を取材した。
メンバーは永末優華さん、近藤愛華さん、片桐野慧(のえ)さんの3人だ。

 「muguet」の3人が通う飯塚高校。

「muguet」の3人が通う飯塚高校。

飯塚高校では、まず2月に8チームをつくった。
そのなかから5月に校内での予選が行われ、5チームに絞られた。
今年はその5チームすべてがそのまま書類審査に応募したという。
そして書類審査、予選と突破し、本選に出場したのが
永末さん、近藤さん、片桐さんの「muguet」だった。

今大会のテーマは「カスタードを使ったケーキ」。
3人はまずはどんなケーキにするか考えなくてはならない。

「カスタードと聞いて、代表的なスイーツとしてシュークリームが思い浮かびました。
“シュー”は本来フランス語でキャベツだと知り、
今回、材料として使ってみたいと思いました。
周りにシューであるキャベツを巻いたら、シュークリームになるかなと」
と教えてくれたのはチームのムードメーカーである片桐さん。

「muguet」は、最近はやりつつある野菜を使用したケーキに挑戦することにした。

当初の試作では「まったくおいしくなかった」らしい。
顧問の林田英二先生も
「物語としてはいいけど、本物のキャベツを使うと
ロールキャベツのような感じで切れるかどうか不安でした。
そこでチョコレートなどを使ったキャベツ風でもいいのではないかと提案した」
という。

(左から)林田英二先生、永末優華さん、近藤愛華さん、片桐野慧さん。

(左から)林田英二先生、永末優華さん、近藤愛華さん、片桐野慧さん。

しかしメンバー3人で相談した結果、
本物のキャベツを使うことに挑戦すると決断した。ポイントはキャベツの甘み。
一番工夫し、労力を割いた点だという。

シロップで炊いてみると、キャベツが乾燥したように白くなってしまって、
切ることもできない状態に。
さまざまな手法を試したが、キャベツを茹でて、はちみつとレモンでつけ込むことになった。

ただおいしくつくるのと、予選や決勝ですぐに審査員に食べてもらうのでは
つくり方が微妙に変わってくる。
すぐ食べてもらうことを想定した甘みやかたさのバランスが必要になってくる。
そういった目線はすでにプロではないか。

学校での練習風景。

学校での練習風景。

はちみつとレモンでつけ込んでいるキャベツ。短時間で完成するよう試行錯誤を重ねた。

はちみつとレモンでつけ込んでいるキャベツ。短時間で完成するよう試行錯誤を重ねた。

「muguet」の3人は、飯塚高校・製菓コースのなかで、
部活動でも製菓部に所属している。
通常の授業コースでは、基本的なものを学ぶことに精一杯で、
細工などは部活動内で本などを見ながら、自主的に勉強しているという。

だからこのケーキの土台には、
ダックワーズ、サブレ、ダマンド、ババロアなど基本的なケーキが層となっている。
自分たちにできることの精度を高めつつ、さらに技術や知識を上乗せしているのだ。

大会序盤から真剣な眼差しだったリーダーの近藤愛華さん。

大会序盤から真剣な眼差しだったリーダーの近藤愛華さん。

土台をつくる永末優華さん。

土台をつくる永末優華さん。

初めてケーキをつくってみたときは、なんと5時間36分かかったという。
決勝大会の制限時間は2時間30分。
そこまで短縮するには、きっと練習・実習を繰り返し行ったに違いない。

林田先生は、全員がすべての作業をできるように指導したという。

「みんなでケーキをつくって、みんなで飾りをつくる。
もちろん基本的な担当分けはありますが、遅れたときに手伝えるように、
誰が何をやってもできるようにしておきました。
『考えてつくろうね』と、毎日、言っています」

バラの飾りひとつを1分半以内でつくるという細かい制約をつけて練習した。

バラの飾りひとつを1分半以内でつくるという細かい制約をつけて練習した。

予選も決勝も、その舞台は自分たちの慣れた環境ではないので、
現場対応力が求められる。
実際に決勝でも、冷蔵庫の“冷え”が悪いという事態も発生していた。
そんなときにでも、みんなでフォローしあえること、それがチームワークなのだろう。

〈COFFEE COLLECTION〉 カッピング審査によって選ばれた 国内外のコーヒー店が 神田錦町に集合!

サードウェーブコーヒーの上陸以降、
全国的にコーヒーイベントが盛り上がりを見せています。

喫茶店文化が根付く神田で、2015年にスタートした
〈COFFEE COLLECTION around KANDA NISHIKI-CHO〉もそのひとつ。

第8回目となる今回は、
11月2日(土)、3日(日)の2日間にわたって行われます。
メイン会場は、神田錦町の複合ビル〈テラススクエア〉。
コーヒーを味わいに出かけてみませんか。

11月2日と3日で別の店舗が登場!

コーヒーをカップに注ぐ

神保町の〈GLITCH COFFEE & ROASTERS〉が旗手となってスタートした、
〈COFFEE COLLECTION around KANDA NISHIKI-CHO〉。
今回はコーヒーの生豆のクオリティとポテンシャルにフォーカスします。

イベントに先駆けて、出店者を募集する企画
〈COFFEE COLLECTION DISCOVER〉が開催され、
国内外から45店舗が集結。
カッピング審査によって選ばれた上位9店が出店権を獲得しました。

〈GLITCH COFFEE & ROASTERS〉を含む計10店舗が出店し、
11月2日(土)と3日(日)の両日、5店舗ごとに〈テラススクエア〉へやってきます。

2日(土)の注目店舗は、
富山県のスペシャルティコーヒー専門店〈ハゼル珈琲〉。

ハゼル珈琲の外観

出店者の募集企画ではダントツの1位で優勝したお店です。

このほか、山形県の〈CoffeeRoaster & Cafe culmino〉、
北海道の〈時計のない喫茶店〉、海外からは中国から〈CHEMBOX COFFEE〉、
〈GEORGE COMMUNITY〉が出店します。

3日の注目店舗は、
奈良県のスペシャリティーコーヒーのロースタリー〈ROKUMEI COFFEE CO.〉。

〈ROKUMEI COFFEE CO.〉のカウンター

〈Japan Coffee Roasting Championship2018〉で
優勝した実力の持ち主で、
11月に台湾で行われる世界大会には日本代表として出場予定です。

このほか、イベントを主催する東京都の〈GLITCH COFFEE & ROASTERS〉、
福島県の〈nichi nichi coffee〉、海外からはカナダの〈ハッチコーヒーロースターズ〉、
香港の〈アンバーコーヒーブルーワリー〉が出店予定。

希少価値の高いコーヒーなど各店3種類のコーヒーを用意します。

フードはBean to Barチョコレートの〈ミニマル〉や、
小川町の洋菓子の名店〈ドース イスピーガ〉などがやってきます。
コーヒーと共に味わってみては?

お腹を空かせる暇がない!
幸せすぎる「おすそ分け文化」

今月のテーマ 「おすそ分け文化」

まちで暮らせば「買う」が中心になりがちな食べ物も、
地方に目を向ければ、多くの人が「育てる」「採る」ことで食べ物を得ています。
さらには「もらう」といったパターンも、一部の地域では日常的。

自家栽培の採れたて野菜、フルーツ、大量の魚介、狩猟したお肉。
普段使いの野菜から高級食材まで「食べて!」と分け与えてくれる、太っ腹なご近所さん。
都会に住む人にとっては、うらやましすぎる食事情です。

今回は、日本各地に暮らす皆さんから、
地域の特色が垣間見える「おすそ分け文化」を教えてもらいました。

※今回の「おすそ分け」とは、従来の「いただき物を分け与える」の意味以外に、
自家栽培品などを分ける意味も含みます。

【島根県隠岐の島町】 いただいたやさしさは、“恩送り”でお返し

隠岐の島のおすそ分け文化は、ひと言「すごい」です。
魚、貝、海藻、野菜、果物、お米、お蕎麦……。
春夏秋冬それぞれの、海の幸と山の幸をいただく日々。
おすそ分けレベルではないでしょう……! ということが幾度となく訪れました。

最初は、ある種の修業でもありました(笑)。
大量のメカブをキッチンで細かく刻んで、ネバネバ地獄から抜け出せなくなったり、
サザエの身を力ずくでとっていたら、疲れて食べる元気をなくしたり、
魚をどうにか捌いたときには、シンクが大惨事になってしまったり。

そんな状態でしたが、地域の方たちからいろいろなことを教えてもらい、
おかげさまで、自分なりにはひと通りのことができるようになりました。
成長させてもらったなぁと、ただただ感謝しています。

高級食材のカメノテ。磯の岩肌に固着する甲殻類の一種。最高においしいです。島に移住したての頃、「隠岐の人は亀の手を食べるんよ〜」という冗談を本気にして、びっくりしました(笑)。

高級食材のカメノテ。磯の岩肌に固着する甲殻類の一種。最高においしいです。島に移住したての頃、「隠岐の人は亀の手を食べるんよ〜」という冗談を本気にして、びっくりしました(笑)。

お返しをしようとしても、引き換えにまたいただいてしまうので、
「これはもう、物ではお返しできないのだ」と悟り、
そして、「見返りなんて求めていないのだ」と気がつきました。

だから、「地域おこし協力隊」を誠心誠意全うすることと、
いただいたやさしさを、ほかの人に渡していく“恩送り” をすることで、
お返しをしていこうと決めました。

物よりも、「やさしさをもらって、やさしくなれる」
その循環こそが本当にうれしいものなのです。

いただいた鮮魚のお刺身。

photo & text

五十嵐杏美 いがらし・あみ

平成2年生まれ。元ギャルの島ガール。2017年3月末、東京から島根県隠岐の島町へ移住し、現在は地域おこし協力隊として活動中。移住のテーマは、【自然との共生】と【丁寧な暮らし】。四季の移ろいのなかで豊かに生きる術を学び中。また、自分らしく生きることを探求するためにヨガとアーユルヴェーダを学んでおり、同時に広める活動も行っている。

青森・八戸の自然派ワインのフェス 〈Bon! Nature〉。 今年のテーマは「ペアリング」!

年々盛り上がりを見せる〈Bon! Nature〉。

今年で4年目を迎える、青森県八戸市のワインフェス〈Bon! Nature〉は、
自然派ワインを意味する「ヴァンナチュール」のイベントです。
10月20日(日)に開催される回では、料理とワインの「ペアリング」をテーマに、
インポーターと飲食店がタッグを組むという初の試みにも注目を。

昨年の会場は、地元新聞社の運営する「デーリー東北ホール」

昨年の会場は、地元新聞社の運営する〈デーリー東北ホール〉でした。

各インポーターのブースが設けられています。

各インポーターのブースが設けられています。

参加するインポーターは、昨年に引き続き、
ヴァンクゥール、ヴォルテックス、ヴィナイオータ、日仏商事と、
初登場となる野村ユニソンを合わせた計5社。

いずれもナチュラルワイン業界を牽引する各社から、
選りすぐった40種類以上のワインが出品されます。

〈花の将 伊吹いりこだしパック〉 讃岐うどんの名店で使われる 〈伊吹いりこ〉を 「そのまま」詰めこんでお手軽に

〈花の将 伊吹いりこだしパック〉。80グラム(20グラム×4パック)税込648円。160グラム(20グラム×8パック)税込1,296円。

上質な〈伊吹いりこ〉本来の味を楽しめる

だしパックといえば、
家庭でも気軽に使えるようにと粉末状になっているのが一般的。
ですが、今年6月に発売された、
いりこが丸ごと詰めこまれている〈花の将 伊吹いりこだしパック〉
(以下、伊吹いりこだしパック)はその概念を覆す存在です。

いりこの存在感あふれるビジュアルだけでなく、その味も確かなもの。
〈伊吹いりこだしパック〉には、
高品質な素材として名高い香川県伊吹島産の〈伊吹いりこ〉が
使用されています。

「いりこ」とは煮干しのことで、西日本エリアでの呼び名です。

「いりこ」とは煮干しのことで、西日本エリアでの呼び名です。

この〈伊吹いりこ〉とは、
香川県観音寺港沖にある伊吹島の沖合「燧灘(ひうちなだ)」
近海で獲られたカタクチイワシを使い、
伊吹島で加工され伊吹漁業協同組合が取り扱うものだけに許された称号。

いりこの品質を決定づけるのは「鮮度」といわれていますが、
〈伊吹いりこ〉は漁場と加工場が非常に近く、
網上げされてからたった30分ほどで釜に入れられます。
このように新鮮さを保ったまま加工され、
旨みがぎゅっと凝縮された〈伊吹いりこ〉は、
選ばれし「いりこ」として世に流通しているのです。

伊吹いりこだし

そうした〈伊吹いりこ〉の風味を飛ばさず、
なるだけ手を加えずにありのままのおいしさを味わってほしいという願いから、
〈伊吹いりこだしパック〉はすべて手作業でつくられています。
化学調味料や添加物が一切入っていないのも安心。
水に入れて数分煮るだけで、誰でも手軽に素材本来の味を引き出せます。

粟島の秋を代表する郷土料理が集合! 離島キッチン日本橋店で 〈粟島フェア〉が開催

焼き石でグツグツ煮立たせた〈わっぱ煮〉が食べられる!

わずか周囲23キロ、日本海にぽっかり浮かぶ、自然豊かな小島、新潟県・粟島。
半日もあれば自転車で一周できてしまうほどの
とても小さな島でありながら、温泉やサイクリング、
バードウォッチングなどのアクティビティが充実しており、
特産物も多く、観光地としても賑わいを見せています。<

美しい粟島の海岸

美しい粟島の海岸

そんな粟島の食を特集したフェアが、現在、日本全国にある離島の
郷土料理が食べられるレストラン・離島キッチン日本橋店で開催中。

このフェアで出されるメニューは、粟島の代表的郷土料理と言われ、
熱した焼き石をお椀に入れて煮立たせるのが特徴の〈わっぱ煮〉をはじめ、
他人に教えたくないほどおいしいことから〈いうなよ〉という別名まで
つけられたえだまめ〈一人娘〉、
浅瀬でとれる磯ダコと粟島産のじゃがいもを一緒に煮詰めた〈芋だこ〉などです。

タコだけでなく、栄養満点で育ったジャガイモも抜群においしい〈芋だこ〉。

タコだけでなく、栄養満点で育ったジャガイモも抜群においしい〈芋だこ〉。

山の上に畑があるため、陽の光をいっぱいに浴びて育つ〈一人娘〉。

山の上に畑があるため、陽の光をいっぱいに浴びて育つ〈一人娘〉。

この〈わっぱ煮〉というのが、輪状の食器に粟島で採れた新鮮な魚とネギ、
味噌を入れ、食べる直前に真っ赤に焼いた石で一気に煮立たせた漁師料理。
漁師の方々の間で脈々と受け継がれてきた、これぞ伝統の味です。
マグマのようにグツグツ煮た立ち湯気に覆われた見た目と、
まるで海が近くにあるかのように漂う磯と味噌の香り、
それに香ばしく焼いた魚とのハーモニーが楽しめそうです。

粟島の人から愛され続けた郷土料理を
現地でいただくのと同じようにいただけるのはなんとも贅沢。
とこか懐かしく、味わい深く感じられるのではないでしょうか。

〈宗像日本酒プロジェクト〉
自然栽培米の山田錦で
酒を醸し、環境を保つ

2008年、自然栽培をスタートした〈農業福島園〉

福岡県宗像市内にある福島さんの田んぼ。ここで自然栽培の酒米・山田錦が栽培されている。写真は田植え時の様子。

福岡県宗像市内にある福島さんの田んぼ。ここで自然栽培の酒米・山田錦が栽培されている。写真は田植え時の様子。

本格的な夏が到来する直前の6月中旬。僕は田んぼにいた。
目の前には、背丈の低い苗が整然と並び、遠くのほうは霞む。
日差しは強く、とはいえ時折、吹き抜ける風のおかげで汗ばむほどではない。
視界いっぱいに広がる小さな、小さな苗が天に向かって背を伸ばそうとしている様子に、
なんともいえない力をもらった。

写真は8月下旬の田んぼ。すっかり緑が濃くなっていた。いよいよ収穫が近づいている。

写真は8月下旬の田んぼ。すっかり緑が濃くなっていた。いよいよ収穫が近づいている。

ここは福岡県のなかでも、北部福岡の中心都市・北九州市と、
福岡の中心地・福岡市とのほぼ中間に位置する宗像市。
近年では宗像エリアの「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群が
世界遺産に登録されたことで話題を集めた。

この地で、今、注目されているのが「宗像日本酒プロジェクト」であり、
プロジェクト名がそのまま銘柄となった純米酒〈宗像日本酒プロジェクト〉だ。
これから紹介するのはこの宗像の酒米から生まれた日本酒の誕生ストーリーだが、
実は酒づくりの前に、米づくりにおける物語があった。

酒米・山田錦の苗。「山田錦は粒が大きく、選別に特殊な網が必要。そのため、現在はそのような負担がない寿司専用米『笑みの絆』を、第2弾プロジェクトとして栽培しています」と福島さん。

酒米・山田錦の苗。「山田錦は粒が大きく、選別に特殊な網が必要。そのため、現在はそのような負担がない寿司専用米『笑みの絆』を、第2弾プロジェクトとして栽培しています」と福島さん。

冒頭で紹介したのは酒米と呼ばれる酒造用に植えられた山田錦の苗である。
この苗を育てているのが〈農業福島園〉の福島光志さん。
この福島さんこそ、「宗像日本酒プロジェクト」の発起人だ。

笑顔がさわやかな福島さん。事務所の一角で自社栽培の食材を販売している。

笑顔がさわやかな福島さん。事務所の一角で自社栽培の食材を販売している。

農業を営んでいた祖父母の影響で農業に興味を持った福島さんは、
現在の九州東海大学(以下、東海大)の農学部へ進学。
この大学での学びが、今日の福島さんの土台となった。

昨今、農業の従事者が年々、高齢化し、
跡を継ぐ人がいないという状況が全国的に問題となっている。
福島さんは東海大で過ごすなかで、先進的な農学の見地に触れてきた。
これからの農業の未来に何が必要なのか。
持続可能な農業、そして環境保全といった観点から農業を考えるようになった。

「今、僕が取り組んでいるのが、農薬や化学肥料を使わないことを前提とした農業です。
この宗像日本酒プロジェクトの根底にあるのも、無農薬、無肥料による米づくり。
この取り組みは環境保全にもつながっています」

写真中央、やや右あたりに写っているのが通称・ジャンボタニシ。水中の植物を食べるため一般的には害虫とされているが、福島さんはこれをうまく雑草駆除に活用している。

写真中央、やや右あたりに写っているのが通称・ジャンボタニシ。水中の植物を食べるため一般的には害虫とされているが、福島さんはこれをうまく雑草駆除に活用している。

2008年に東海大を卒業した福島さんは、22歳で祖父母の後 を継ぎ、農業に従事した。そして翌年、無農薬・無肥料栽培=自然栽培による米づくりを開始。

「本当は2008年の時点で自然栽培に取り組みたかったんですが、
大学卒業後の4月からでは、準備が間に合わなかったんです。
だから本当の意味での 僕の1年目は2009年。不安はありませんでした」

上尾〈ただ〉
“渋イイ”酒場で見つけた、
秘密のチューハイと郷土愛

旅の醍醐味はローカル酒場!
全国おすすめ酒場探訪記 埼玉編
愛は叫ばず、そっと出す

都会だけれど都会じゃない。でもやっぱり都会。
郷土愛があるかと言われればそう強くもない。でもこの場所は気に入ってる。
埼玉県人が語る埼玉は、ちょっと自嘲気味。
「お店に旬の魚料理も多いですね!」と聞けば、
大将はニコっと笑いながら
「海もないのにね!」

上尾丸山公園

JR上尾駅からバスで15分ほどの〈上尾丸山公園〉。自然豊かな上尾市民の憩いの場です。園内には大きな池や滝、水浴び場と水辺の景観が楽しめます。

今回のローカル酒場は埼玉・上尾の〈ただ〉。
上尾は大宮からJR高崎線で2駅。
さいたま市、都心へのアクセスも良くベッドタウンとして発展してきました。
「昔は大きな工場もあり繊維製品のまちでもありました。
実はうちも転業。父は学校の制服を手がけていたんです」と大将の齋藤芳男さん。

上尾〈ただ〉の暖簾

変体仮名を使った印象的で力強い暖簾。でもその暖簾をくぐると居心地のいい空間が待っています。

昭和44年、このまま繊維関係を続けても先がないと考えたお父様の決断により開店。
「ただ」という店名は、お父様の名前「唯夫(ただお)」から。
最初は絞り切ったメニューのコの字型の小さな店。
料理といってもお新香、冷奴、焼鳥だけ。
それが少しずつ広がって今の店、そして多彩なメニューへ。
店がある上尾駅西口側は再開発以降、全国展開のチェーン店が多く、
また東口側も酒場通り的なところはなく数軒が点在している程度。
酒場というイメージのないまちですが、
酒飲み、おいしいもの好きが愛して支えてきた店はここにちゃんとあります。

今回の案内人、風間夏実さんは、
埼玉で育ち現在は都内住まい。渋谷で企業広報として働いています。
渋谷で広報。行く店はおしゃれなバルや流行りの店というイメージですが……
「渋谷でよく行くのは、のんべい横丁ですね(笑)」
知人のお店があることがきっかけで踏み込んだ酒場街。
ひとりで大人の酒場の暖簾をくぐるのは少し躊躇するけれど、
入ってみれば得難い居心地の良さがあることは知っているのです。

今回の案内人、風間夏実さん

「お酒は好きだけど、そんなに強いというわけではないので」と夏実さん。レモンサワーなどを3杯ぐらいが適量。だから最初の1杯からちゃんとおいしいものをいただきます。

「お客さん、店員さんとの距離が近い飲み屋さんが好き」と言う夏実さん。
もうひとつ、選びたい酒場は「世話焼きのおばあちゃんがいてくれるような店」。
東京・赤羽や埼玉・大宮にもそんな好きな店があって、今回は上尾。
埼玉の酒場のおもしろさを一緒に探ってもらいましょう。

では乾杯。もう飲むものは決めています。
その名も〈ただでしか飲めない特製チューハイ〉。通称“ただスペシャル”。
宝焼酎をベースにした、だれもが頼む人気メニューです。
焼酎のハイボールに“秘密の”エキスを加えたチューハイで、
レモンとソーダが軽やかな味わいに整えつつも、宝焼酎の風味もしっかり感じる、
正真正銘、初めてのチューハイ体験です。

夏実さんはひと口飲んで驚き、そして幸せな笑顔へ。
「口あたりがまろっとしていて、余韻が心地いい! そしてなんだかジューシーです」
なるほど、炭酸もほどよく、パンチや爽快感というよりもゆったり。
抵抗なく体に溶け込んだあと、レモンの爽やかさが上品にとどまり、
そしてゆっくり焼酎のコクが溶け合い続いていく。
それでもちゃんとキレもあるから、夏実さんはこんな感想。
「最初は度数が低く感じるんですけど……危ない気がします(笑)」

大将はそれを聞くと満足そうに
「そう。『低いんじゃない?』ってよく言われるんですけど、
3杯飲めばわかりますよ、って答えてます」
とこちらも笑顔。そして裏話。

「どうやったらほかにないおいしいチューハイができるだろうって、
いろいろと試作して味をみました。
毎日昼からやって、いつもほろ酔いで店を開けてたんです」
こうしていつも変わらぬまろやかな〈ただスペシャル〉の味が完成。
そして、夏実さんの目はたまらず料理のメニューへ。
「早くいろいろな料理に合わせたいです。私、結構食べますよ(笑)」

メニューは王道酒場モノから洋食系まで多彩。
夏実さんは「よく食べますよ」という言葉通り、
最初からなかなかのオーダーっぷり! 
並んだ料理を見ると、なんとも色合いのバランスがいいおひとり様のカウンター。
もともと女性や高齢の方でも足がつけられて居心地がいいようにと
カウンターと椅子を低めにしたと言う大将。

女性がひとりでも心地よくおいしい酒と料理を楽しめる店にしたい。
そんな大将の想いがこうやって重なっていくのでしょう。

「常連の女性のおひとり様がいらっしゃるんですけど、
最初に来られたのは上尾から大宮に引っ越すという直前。
もっと前に知っていたら引っ越さなかったのに、なんて言ってくださって。
その方、会社は都内なんですけど、いまだにわざわざ大宮越えて来てくれるんです」
埼玉を愛しているというよりも、埼玉に好きな店がある。
ことさら郷土愛なんてことを持ち出さなくても、愛着はある。

大将が言います。
「別に埼玉の郷土料理があるわけでもないし
そういう素材を使おうってわけじゃないんです。
ただ、ゆるりとしていただければうれしいんですよ」

〈ただスペシャル〉とごぼうのから揚げ

〈ただスペシャル〉は合う料理の幅も広いのです。滋味深さとサクっと軽やかな食感がいい〈ごぼうのから揚げ〉の魅力をさらに広げてくれます。

カウンター越しの大将と談笑中

「お店の人との距離が近いほうが好き」と夏実さん。それはもともとの部分と仕事で得た楽しさと。カウンター越しの大将との話も好奇心いっぱい。

そんななかで、夏実さんが気になったのはぎんなん。
「秋と言えばこれ。すごく好きなんですけどとても鮮やかな緑ですよね?」
そう、これは旬よりも“はしり”。
わずかな期間、鮮やかな緑が楽しめるものを岐阜から取り寄せています。
広い埼玉には、自然豊かな環境がすぐそばにある秩父のような地域や、
旬の名産品が身近な深谷や狭山のような地域もありますが、大部分は都市部。
毎日都内に通う、忙しい人たちも多いのです。
その忙しさの中でいつしか旬という感覚も失われてしまいそうに。
だから地元に、行くだけで旬や季節の変化がわかる店があるのは貴重なのです。

食感が楽しいぎんなん

しっとりモチモチとした食感が楽しいぎんなん。この弾力は“はしり”のものだからこそ。目にも楽しく食欲がそそられます。

パウチされた定番メニューも充実していますが、
白い紙に書かれた日替わりメニューも同じぐらいのボリューム。
「毎日仕事をしていて、定番だけじゃつまらないじゃないですか!」
それだけですよと笑う大将ですが、
やはり、せっかくなら旬を感じてほしいという思いがそこにあります。

夏実さんもどうやらそれを感じていたようで、
「目に見えないところかもしれませんけど、それこそコミュニケーション。
見習いたいなって思います。
私も人と会うのが好きで広報や取材の仕事をしています。
結局やりたいって気持ちがあるから仕事って楽しくなるんですよね」

〈伊丹甘酒ちょい割るプロジェクト〉 清酒発祥の地・兵庫県伊丹で バラエティ豊かな甘酒を楽しむ!

伊丹市の飲食店20店がオリジナルの甘酒を振る舞う

清酒発祥の地である兵庫県伊丹市。
ここで、9月14日(土)より〈伊丹甘酒ちょい割るプロジェクト〉と題した
イベントが開催されています。

このイベントは、「飲む点滴」「飲む美容液」などと言われ、
今注目を浴びているスーパーフード・甘酒を
伊丹の飲食店20店舗が“ちょい割るアレンジ”して提供。

喫茶店、中華料理店、和食店、居酒屋、お茶屋、ラーメン店、
焼鳥屋、串揚げ屋やカフェ併設の書店、アロマセラピーのお店など、
さまざまなお店による趣向を凝らした甘酒を楽しむことができます。

こちらが参加店舗一覧。
「甘酒」のイメージを良い意味で裏切るような、組み合わせが目立ちます。
まさに、甘酒の無限の可能性を感じさせるような、
どれも名前からして気になるものばかりです。

01 ダイニングバル オンズ。:でこっとぽんスカッシュ甘酒(甘酒+でこっとぽん+ソーダ)

02 CAFE&DINING MELLOW:Amazake Blue(甘酒+ディタ+トニックウォーター+レモンスライス)

03 創作料理 かんな月:花と甘酒のハイボール(甘酒+ジャスミン茶+ウイスキー+ソーダ+食用花)

04 クロスロードカフェ:甘酒サワーソーダ(甘酒+ヨーグルト黒酢+炭酸水)

05 白雪ブルワリーレストラン長寿蔵:やみつき甘酒(甘酒+ミックスペッパー)

06 西洋懐石アンシャンテ:あまシャン(甘酒+発泡酒)ほか

07 ほこ~魚菜と地酒~:柑橘系が刺激的!白いレモン酒。(甘酒+シークワーサーレモン酒)

08 cafe Mon:SHIRAYUKI(甘酒+セロリやプチトマトなどの野菜+トニック)

09 旬菜料理 心ち:ちょいワルシークワーサー(甘酒+シークワーサー)

10 喫茶・軽食 ファイン:甘酒スカッシュ(甘酒+強炭酸+レモン汁+シロップ)

11 古書 みつづみ書房:甘酒+スパイシージンジャーシロップアイスクリーム(甘酒+スパイシージンジャーシロップ)

12 餃子酒家 金 GOLD:冷製甘酒ラーメンスープ(甘酒+ラーメンスープ)

13 創作・居酒屋・鉄板 市口:バナナ甘ッコリ(甘酒+マッコリ+冷凍バナナ)

14 みどり園リータ店:甘酒抹茶ミルク(甘酒+抹茶シェイク)

15 居酒屋さくら:甘酒のタピオカジンジャー(甘酒+ジンジャーエール+タピオカ)

16 開華亭:コメパワー(甘酒+紹興酒+レモン+カルピス)

17 やきとり毘沙:あま酒赤ワイン(甘酒+赤ワイン)ほか

18 串揚げの店Taららん:甘酒とサワーのごぶごぶ割り(甘酒+サワー)

19 植物セラピーあろあろ:白雪姫の美容液(甘酒+食べると幸せになるバラジャム)

20 MEN-YA KOTOHOGI:アーモンドITAMILK(甘酒+アーモンドミルク+キャラメルソース+牛乳ほか)

〈山里カフェ Mui〉
猟師である女性オーナーが
自ら猟をするジビエカフェ

年間100頭以上を狩猟し、自ら解体してカフェで提供

木の陰で息をひそめる、その女性が見つめる先には獣道が続く。

「勢子(せこ)と呼ばれる別働隊と猟犬が、追い込んでくる獲物をこうやって待ち伏せて、
通りかかった瞬間に銃で撃つんです」と教えてくれた。

いわゆる「巻き狩り」という伝統的な狩猟法で、
愛知県豊田市の山間部にある足助(あすけ)地区では、
多いときで10数人のハンターが集まり、この猟を行っている。
捕獲した山の恵みは、参加者全員で山分けするのが、昔からの習わしだ。

清水潤子さんは、猟師歴5年目。散弾銃が使える第一種銃猟免許に加えて、
わな猟、網猟免許も持ち、巻き狩りだけでなく単独でも猟を行い、
年間100頭以上の鳥獣を狩猟。
自ら解体、調理を行い、豊田市内の足助地区で営む〈山里カフェMui〉で、
ジビエ料理のランチとして提供している。

この秋から猟に出ることを目指し、現在訓練中の猟犬・ベリー(メス・4か月)と一緒に山へ。

この秋から猟に出ることを目指し、現在訓練中の猟犬・ベリー(メス・4か月)と一緒に山へ。

「イノシシ 捕る 資格」と、検索したのが始まり

「実は、結婚直後に、末期がんと診断されて。
私は新潟県長岡市の田舎育ちなので、
主人が『自然豊かなところで過ごせば、少しでも良くなるのでは』と考え、
間伐体験や米づくり体験など、いろいろな場所へ連れて行ってくれたんです」

最初は、横になって見学しているだけだったが、徐々に病状が回復。

「本当に、奇跡的に良くなったんです! 当時を知る人からは、
久しぶりに会うと『しぶといな~(笑)』ってからかわれます」

この足助地区を訪れたのも、米づくり体験がきっかけだった。
参加するたびに、地元農家の人たちからは、
イノシシによる農業被害について話を聞いていた。
昼食に登場するのも、イノシシ料理が中心。
そんなある日の昼休みに、目の前をイノシシが走り抜けた。

「それを見た農家の方が、『誰かとってくれ!』って口走ったんです。
しかしそこにいたのは、地域外からの参加者ばかり。
私たちのような“よそ者”にまで頼まなければならないほど、深刻な問題なんだと痛感して。
スマホで、『イノシシ 捕る 資格』と検索したら、狩猟免許のことが出てきて、
すぐに主人と、もうひとりの参加者と3人で申し込んだんです」

木の陰などで待ち伏せ、猟犬に追われ獲物が逃げてきたら、銃を構える。

木の陰などで待ち伏せ、猟犬に追われ獲物が逃げてきたら、銃を構える。

こうして、わな猟の免許を取得したのは2014年。
そのことを足助の農家の人たちに伝えると、
すぐに「今、罠にイノシシがかかっているけど来ないか?」という誘いの電話が。
1時間ほど車を走らせ、山の中に到着すると、大きなイノシシがかかっていた。

「最後に、ヤリを喉に突き刺してしとめるのですが、
ワイヤーが切れてこっちに突進してくるんじゃないかという恐怖心と、
返り血を浴びたときの罪悪感は、今でも忘れられません。
大切な命をいただいているのだからこそ、『無駄にしてはいけない』と強く思うのです」

駆除されたイノシシやシカの約9割が、埋設されている

猟友会に参加し、狩猟の現場に出るようになり、あらためて感じた問題がふたつある。
ひとつは、いわゆる鳥獣による農作物被害の深刻さだ。
豊田市では、イノシシやシカなどによる鳥獣被害が、
年間約1.2億円(豊田市産業部農政課「平成29年豊田市鳥獣被害状況調査結果」)に及び、
農家の人たちを悩ませている。

一方で、そういった有害鳥獣として駆除されたイノシシやシカは、
全国平均で約9割も、利用されることなく埋設されている。
ハクビシンやアライグマなどの小動物にいたっては、ほとんどが廃棄されているという。

緑色の大きな屋根の古民家が山里カフェMui。

緑色の大きな屋根の古民家が山里カフェMui。

「有害鳥獣といえど、命の重みに違いはありません。
せめて、最後までおいしく食べてあげたいと、
ちょうど募集中だった『三河の山里起業実践者』という制度に、
ジビエ料理を出すカフェのプランを提出したんです」

「三河の山里起業実践者」とは、愛知県の三河山間地域で起業に挑戦する人を支援し、
移住・定住を促進する県の事業。
清水さんのプランは見事採用となり、
当時暮らしていた愛知県刈谷市から足助地区への移住を決意。
すでに足助で購入してあった築150年の古民家を改装してジビエカフェを開く夢が、
現実のものとして動き出した。

猟師の先輩にもらった、20年前のシカの剥製。角が左右に広がっているのは、山がきれいに手入れされていた証。現在のシカは、角が上に真っ直ぐ伸びているそう。

猟師の先輩にもらった、20年前のシカの剥製。角が左右に広がっているのは、山がきれいに手入れされていた証。現在のシカは、角が上に真っ直ぐ伸びているそう。

東北が誇る美酒と食を、 風土や人の営みとともに感じて楽しむ。 〈東北・美酒と食のテロワージュ〉 が始動! 〈ビールの里〉遠野を巡る

つくり手と参加者がともにテーブルを囲むような旅

2019年8月、ウェブサイト〈東北・美酒と食のテロワージュ〉が公開になりました!

土地の気候や資源を生かし、特色ある美酒を生む酒蔵・ワイナリー・ブルワリーが
数多く存在する東北。

このウェブサイトでは、美酒を軸に東北を巡る、スペシャルな体験を紹介しています。

ツアー訪問地のひとつ、ビールの原料「ホップ」の畑(岩手県遠野市)。産地の風景は、ただその育つ姿や実りを眺めるだけでも美しい。

ツアー訪問地のひとつ、ビールの原料「ホップ」の畑(岩手県遠野市)。産地の風景は、ただその育つ姿や実りを眺めるだけでも美しい。

「テロワージュ」とは、
フランス語で「気候風土と人の営み」を表す「テロワール(terroir)」と、
「食とお酒のペアリング」を表す「マリアージュ(mariage)」を組み合わせた造語です。

提案するのは、美酒と食を味わうことはもちろん、
産地を訪れ、収穫体験や生産者の話を通じ、
産品が育まれた風土や人の営みをも体感する新しい旅のかたち。

産地である東北だからできる、
「つくり手と参加者がともにテーブルを囲むような旅」を目指しています。

「東北を味わい尽くす」イメージでつくられたウェブサイト。テーブルの上に東北6県の名産品が並びます。

「東北を味わい尽くす」イメージでつくられたウェブサイト。テーブルの上に東北6県の名産品が並びます。

ビールの里・遠野を巡るツアー

どんな体験ができるのか、テロワージュを体感するツアーのひとつ、
〈ビールの里・遠野ビアツーリズム〉(岩手県)に参加してきました!

集合場所の遠野駅舎。

集合場所の遠野駅舎は1950年竣工。レトロなたたずまいが印象的。

柳田国男の『遠野物語』や河童伝説などで知られ、
〈民話の里〉とも呼ばれる遠野は、半世紀にわたり続く、
ビールの原料「ホップ」の一大産地。
後継者不足による減産が問題視されていたなか、
「ホップの里からビールの里へ」という理想を掲げ、
行政・民間・生産者が連携したまちづくり〈Brewing Tono〉が成果を上げ、
国内外から注目を集めています。

遠野産のホップを使用した、遠野でしか味わえないビール

まずは駅から徒歩約3分の、マイクロブルワリーパブ〈遠野醸造TAPROOM〉へ向かいます。

東北電力が遠野市内の店にプランターで提供し、グリーンカーテン運動を行なっている。

店頭で栽培されているのはホップ。東北電力が遠野市内の店にプランターで提供し、グリーンカーテン運動を行なっているそう。

店はBrewing Tonoのプロジェクトの一環で、昨年5月にできたばかり。
県外から移住してきた3人が、ホップの産地遠野に、
遠野産ホップを使用したクラフトビールが飲めるブルワリーを誕生させました。

醸造所の見学後、2種類のビールを少しずつ試飲。
この日提供されたのは、イチジクと熟したイチゴのような甘い香りの〈ESB〉 と、
「畑で夏に飲みたいビール」をテーマに、
遠野のホップ農家と一緒にレシピを考え仕込んだ爽やかな〈サンクスセゾン〉。

醸造しているビールは約20種類。
春先にとれる白樺樹液や台風で落ちたりんごなど、
地元生産者から相談を受け企画するビールも多いとか。

ここでしか飲めないビールを味わいながら、
遠野という地で、ブルワリーと地元農家がつながり、
好循環が生まれていることをうかがい知ることができます。

伝承園でENGAWA BEER

ここからは貸切タクシーで〈遠野伝承園〉へ。

人と馬が同居していた「曲り家」などが移築されており、
かつての遠野の暮らしを垣間見ながら、縁側で3種類のビールを楽しみます。

ここにもホップのグリーンカーテンが。

ここにもホップのグリーンカーテンが。

味わえるのは、園内で販売している〈遠野麦酒ZUMONA〉の〈ZUMONAビール〉。
1789年に遠野で創業した建屋酒造店を前身とした〈上閉伊酒造〉が、
清酒の仕込みと同じ超軟水で仕込むビールです。
語り部が、「むか~し、あった“ずもな”~」と始まる遠野物語。
「むか~し、こんなところにおいしいビールがあった“ずもな”~」と
語り継がれるようにと願いを込めて名づけられたそう。

(左から)バナナの香りが楽しめる〈ヴァイツェン〉、「インターナショナル・ビアカップ2018」のKeg(たる)部門で、ライトラガーのカテゴリーチャンピオンを獲得した〈ゴールデンピルスナー〉、岩手県大槌町の大槌復興米を使用した〈TONO BEER GOLDEN ALE〉。

(左から)バナナの香りが楽しめる〈ヴァイツェン〉、「インターナショナル・ビアカップ2018」のKeg(たる)部門で、ライトラガーのカテゴリーチャンピオンを獲得した〈ゴールデンピルスナー〉、岩手県大槌町の大槌復興米を使用した〈TONO BEER GOLDEN ALE〉。

遠野産ホップを使用した〈ホップアイス〉も見つけました。
ホップをより身近に感じてもらうためのアイデア商品を、住民も日々考えているそう。
かつて廃棄されていたホップの蔓でトレーをつくるワークショップや、
蔓の繊維を利用した和紙も開発されています。

ほんのりとホップの香りがしてピリリと後から苦味が。地元小学生と高校生が協力して開発した伝承園限定商品で、ラベルも児童が描いたもの。ホップ産業が根づいていることを実感します。

ほんのりとホップの香りがしてピリリと後から苦味が。地元小学生と高校生が協力して開発した伝承園限定商品で、ラベルも児童が描いたもの。ホップ産業が根づいていることを実感します。

〈COFFEE & SHARESPACE tigris〉 北海道・羊蹄山の麓に町民待望の コーヒースタンドがオープン!

まちの真ん中に、新しい“なにか”が生まれる場所を

2019年5月、北海道虻田郡の喜茂別町(きもべつちょう)に、
〈コーヒーアンドシェアスペース チグリス〉がオープンしました。

国道230号と国道276号が交差するところにある、喜茂別町。
札幌や新千歳空港からニセコや
洞爺湖方面にいく際は、必ず通るまちです。
ところが以前は、まちの中心に喫茶店がなかったのだそう。
そこへ、町民待望のコーヒースタンドがオープン。
早くも人々が集い始めています。

羊蹄山の麓にある喜茂別町(きもべつちょう)。まちの名はアイヌ語「山にある川」を意味する「キム・オ・ペッ」に由来する。その名の通り、まちの8割近くを森林が占め、その森林を源にした多くの清流が流れる。

羊蹄山の麓にある喜茂別町(きもべつちょう)。まちの名はアイヌ語「山にある川」を意味する「キム・オ・ペッ」に由来する。その名の通り、まちの8割近くを森林が占め、その森林を源にした多くの清流が流れる。

店主は、デザイナーの加藤朝彦(ともひこ)さん。
時々店を手伝っているのは、奥さまであり、ライターの仲野聡子さん。

札幌に生まれ育った加藤さんは、上京し東京に暮らしていましたが、
いつかは北海道に帰り「気軽に立ち寄れるコミュニティを
つくりたい」と思っていたところ、帰省中に訪れた喜茂別町にある
〈ソーケシュ製パン×トモエコーヒー〉から見た羊蹄山(ようていざん)に感動し
「毎日この景色を見られるところに住みたい」と、移住を決意。
地域おこし協力隊として喜茂別町に移り住み、
拠点をつくりたいと模索していくなか、
「コーヒーを片手に、そこで知り合った人やものを楽しめる
場所にすればいいのではないか?」と思いたち、チグリスをオープンさせました。

だからこの店には、ゆっくり過ごすための工夫やおいしいもの、
人と人をつなぐきっかけがたくさん。

店内の様子

一押しメニューは、やっぱりコーヒー。
オリジナルブレンドやシングルオリジン、
喜茂別にある〈タカラ牧場〉のミルクを使ったカフェオレを、
〈のそら工房〉や〈HASU〉の焼き菓子などと一緒に楽しめます。

ロゴは仲野さんの同級生のデザイナー/アーティストの大西真平さんが描いてくれたもの。「チグリスの“リス”に引っ掛けてエゾリスモチーフでお願いしたところ、キュートなロゴを作ってくれました。今やファンも多いです」(仲野さん)

ロゴは仲野さんの同級生のデザイナー/アーティストの大西真平さんが描いてくれたもの。「チグリスの“リス”に引っ掛けてエゾリスモチーフでお願いしたところ、キュートなロゴを作ってくれました。今やファンも多いです」(仲野さん)

長野県の白馬に工房を構える〈のそら工房〉の焼き菓子。元々は町内のソーケシュ製パンで、パンを焼いた後の釜の余熱を使って焼き菓子を焼いていたそう。ドーナツは町内にある〈藤田菓子舗〉が製造している定番商品。

長野県の白馬に工房を構える〈のそら工房〉の焼き菓子。元々は町内のソーケシュ製パンで、パンを焼いた後の釜の余熱を使って焼き菓子を焼いていたそう。ドーナツは町内にある〈藤田菓子舗〉が製造している定番商品。

最近では、喜茂別で活動している〈HASU〉の焼き菓子も提供を開始。
にんじんマフィンやごぼうショコラ、生姜ビスコッティなど、
野菜を使った体に優しいお菓子が並びます。

HASU

金〜日曜日は、今年から地域おこし協力隊に着任した
元フレンチシェフがランチを提供。

週替わりのランチ。メインのほかにパン、サラダ、ドリンクつき。

週替わりのランチ。メインのほかにパン、サラダ、ドリンクつき。

カウンターテーブルにはコンセントがあり、Wi-Fiも利用可。
デスクワークをする方も快適に作業できます。
また、イベントやワークショップを行うスペースとしてチグリスを利用することもできるそう。

「チグリスは、“人・もの・情報が集まり、
新しいなにかが生まれる場所”をコンセプトにしています。
“チグリスに行けばなにかおもしろいことがあるかも”と
気軽に立ち寄ってもらい、コミュニケーションの
ハブになれたらと思っています」と、加藤さん。

既に英語レッスンやオーダーメイドの帽子受注会、
町内の団体が会合を行うスペースとして活用されています。

丁寧につくられたものを 一番おいしい状態で届けたい。 仙台で〈量り売りマルシェ〉が 始まっています!

あらゆるロスをなくしてくれる量り売り

量り売りマルシェが開催されていたのは、
「仙台」駅からJRまたは市営地下鉄で約6分の「北仙台」駅にある、
〈紫山のごはん会 分室〉。
ふだんは料理教室が開かれるガラス張りのコンパクトな空間に、
宮城県内でつくられた新鮮野菜や発酵食品が並びます。

開催場所は「北仙台」駅と青葉神社参道入り口を結ぶ細い道路沿い。小さな入口なので、見逃さないように注意。

開催場所は「北仙台」駅と青葉神社参道入り口を結ぶ細い道路沿い。小さな入口なので、見逃さないように注意。

企画したのは、〈旅するイチとニ市〉や〈するめNIGHT〉など、
宮城県内でイベントを企画する〈PLANNING LABORATORY〉の渡辺さんと、
宮城県大崎市岩出山でハムとソーセージを手づくりする〈ジャンボンメゾン〉の高崎さん。

生産者である高崎さんと、生産者とイベントを企画することが多かった渡辺さん。
開封後すぐに捨てられてしまうプラスチック容器と、
必要以上に購入され捨てられる食品のロスを減らしたいという
思いを持っていたふたりが出会い、2019年6月に始まりました。

笑顔が素敵な高崎さんと渡辺さん。出店している店や商品の魅力を気さくに教えてくれます。

笑顔が素敵な高崎さんと渡辺さん。出店している店や商品の魅力を気さくに教えてくれます。

季節のおいしいものを楽しむことからはじめてほしい

量り売りマルシェは、月1回、太陽の動きに合わせて季節を表す
二十四節気に合わせて開催されます。

8月限定の出店者〈FARM OCHI〉のすいか。カットしてくれるので、食べられる分量だけ買うことができます。

8月限定の出店者〈FARM OCHI〉のスイカ。カットしてくれるので、食べられる分量だけ買うことができます。

取材したのは二十四節気の「処暑」にあたる、8月23日。
夏の気配が残るこの日は、山形県尾花沢で
無農薬・無化学肥料のスイカをつくる〈FARM OCHI〉や、
宮城県の農家の朝採れ野菜を販売する〈とうほく食育実践協会〉が出店。

来店者が毎回楽しめるよう、時季に合わせた
旬の商品を定番商品とともに並べるようにしているそう。

〈とうほく食育実践協会〉が販売する野菜。この日は宮城県の秋保や美里の農家の野菜がそろっていました。

〈とうほく食育実践協会〉が販売する野菜。この日は宮城県の秋保や美里の農家の野菜がそろっていました。

「環境保全や食品ロスを前面に押し出すと、構えてしまい、届けたい人に届かない。
まずは旬のものを純粋に楽しんでもらいつつ、
課題を考えるきっかけになってほしい」と渡辺さんは話します。
楽しみながら考えることが、長くつづける秘訣だと思っているからです。

季節のもののほかに、出店者同士のここだけのコラボレーションも楽しみのひとつ。
この日は、手ごねパン〈ecru〉が、
隣で出店する〈aroma-rhythm〉のミックスハーブを使用した
〈ハーブの丸パン〉を販売していました。

国産小麦と白神こだま酵母を使用した〈ecru〉の丸パンとベーグル。お昼時には、〈ジャンボンメゾン〉のハムをサンドして食べる人も。

国産小麦と白神こだま酵母を使用した〈ecru〉の丸パンとベーグル。お昼時には、〈ジャンボンメゾン〉のハムをサンドして食べる人も。

保存容器持参での買い物

主催者の願い通り、ほとんどの人が
エコバックや保存容器を持参して買い物にやってきます。

持参容器に入れてもらった〈ジャンボンメゾン〉の4種類のハム。いろいろな種類を少しずつ試せるのも量り売りの魅力です。

持参容器に入れてもらった〈ジャンボンメゾン〉の4種類のハム。いろいろな種類を少しずつ試せるのも量り売りの魅力です。

会場では、繰り返して使えるラップ〈Beeswax Wrap〉も販売しています。

カラフルでかわいい柄が多いので、選ぶのも使うのも楽しいBeeswax Wrap。

カラフルでかわいい柄が多いので、選ぶのも使うのも楽しいBeeswax Wrap。

Beeswax Wrapは、みつろう・ホホバオイル・松ヤニでできた専用シートを、
コットン素材の布に染み込ませた食品保存用のラップ。
洗って乾かすだけで4~5年繰り返し使うことができます。
みつろうの抗菌作用で、食品の鮮度を長持ちさせてくれるのも魅力です。

ワークショップも開催されているので、好きな布を選んで、自分で作ることもできます。

ワークショップでつくったラップはすぐに使うことができ、
量り売りマルシェで購入した商品を包んで持ち帰ることもできます。

Beeswax Wrapのように、環境にやさしい食品の保存方法も教えてくれるこのイベント。
渡辺さんは、「イベントをやることが目的ではない」
「今の状況が当たり前ではないことに気がついてほしい」と話します。

容器持参で買い物ができるお店が近くにあるのが理想ですが、
毎月イベントに来ることで、エコバックや保存容器を持って買い物に行く理由を考え、
ゴミを減らす習慣を日常の中に落としこんでもらうことが願いです。

地元の人が教える おすすめスイーツ店。 フルーツ王国・岡山で 「食欲の秋」デビューするなら、 この4店で!

〈nid sand〉のスイーツサンド。(左)グレープフルーツカスタード390円、(中)フルーツホイップ390円、(右)シャインマスカットホイップ420円。すべて税込。

夏が過ぎ去りましたが、ブドウを始め岡山におけるフルーツの勢いは衰え知らず。
岡山の民が編み出したフルーツメニューを食べ、秋のスタートを切りましょう。

岡山市中心部〈nid sand〉は断面命!のスイーツサンド専門店

岡山の交通の要・岡山駅に着いたら、まずは〈nid sand(ニ サンド)〉へ。
市民の憩いの場である西川緑道公園沿いにあるお店は、駅から徒歩20分ほど。

天然酵母の素朴なパンを歯切れの良い厚さにカット。一口食べるとフルーツ、パン、クリームの黄金バランスに思わずにんまり、シャインマスカット最高。

天然酵母の素朴なパンを歯切れの良い厚さにカット。一口食べるとフルーツ、パン、クリームの黄金バランスに思わずにんまり、シャインマスカット最高。

このすばらしき断面美。
サンドに使われるフルーツのうち、モモ(7月〜8月中旬頃)、ブドウ(7月〜9月頃)、
イチゴ(12月〜6月上旬頃)は
店主・宮脇直美さんの地元である岡山県赤磐市の農家さんから仕入れているそう。
※その年によって仕入れ時期は異なります

甘さ控えめのシンプルなホイップクリームは絶妙なあんばい。
そのままでもおいしい新鮮なフルーツがさらにおいしく……。
小さい頃からフルーツに慣れ親しんできた人のつくるサンドは美味なわけだと納得します。

常時10〜15種類のスイーツサンドが並びます。岡山県外のフルーツを使ったサンドや〈塩大福〉などの変わり種サンドも魅力的。

常時10〜15種類のスイーツサンドが並びます。岡山県外のフルーツを使ったサンドや〈塩大福〉などの変わり種サンドも魅力的。

素材によってクリームに塩や甘酒を足してみたり、
紅茶やチーズを合わせたり、宮脇さんの試行錯誤に感謝したくなる完成度の高さ。
定期的に繰り出される新商品を制覇すべく、足繁く通う男性のお客様が多いのも頷けます。

information

map

nid sand

住所:岡山県岡山市北区柳町2-9-13

営業時間:12:00〜売切次第終了

定休日:水曜、第一日曜(今後、定休日が増える可能性あり)

Web:https://www.facebook.com/pages/category/Dessert-Shop/nid-sand-205210869867469/

方言すぎる昔話! 鹿児島弁が炸裂する セイカ食品〈南国白くま〉 新Web動画

現地の人も喋れないレベルの鹿児島弁!?

創業116年、株式会社設立100年。
菓子・アイスクリーム・冷凍食品製造卸を生業とする
鹿児島県の〈セイカ食品株式会社〉。

〈ボンタンアメ〉、〈兵六餅〉など、全国展開のあるお菓子やアイスを
多数製造している老舗食品メーカーです。

そのセイカ食品の主力商品とも言えるのが、練乳かき氷〈南国白くま〉。

昭和44年の発売以来長年愛され続ける〈南国白くま〉ですが
この夏、注目の新Web動画『方言すぎる昔話』が発表されました。

このWeb動画、誰もが知っている日本の昔話を
「南国白くま版」としてアレンジしているんです。

動物たちはとってもかわいらしいのですが、
なんとも鹿児島弁の存在感が際立つ仕上がりです。
島根県出身、東京都在住の筆者には、
ぶっちゃけ何を言っているのかほとんどわからない(笑)。
現地の人も、ある年代の人にとっては懐かしさを感じるそうですが、
それより下の年代になるとところどころ理解できるものの
同じようには話せなかったりするんだとか。

〈SAPPORTLANDER’S〉 60周年の友好を記念した、 札幌市とポートランド市による 限定コラボビール

ビール好きが一丸となって考案

札幌市とポートランド市。
両市は2019年の今年、姉妹都市提携60周年を迎えました。

これを記念して先日発売されたのが、限定醸造ブランド
〈SAPPORTLANDERʼS(サッポートランダーズ)〉の缶ビール2種
〈60TH IPA(シックスティース・アイピーエー)〉と、
〈60TH HOPPY WHEAT ALE(シックスティース・ホッピー・ウィート・エール)〉です。

日本国内におけるビール醸造の礎を築いたまちと言われている札幌市。
一方のポートランド市も、人口約65万人ながら、
約70もの小規模醸造所が存在します。

この両市に共通する“ビールのまち”というアイデンティティを活かし、
「60周年の乾杯ビールを自分たちでつくっちゃおう」ということで
スタートした今回のプロジェクト。

ビールを製造している様子

ポートランドにある1996年創業の醸造所〈Lompoc Brewing〉を朝7時に訪れ、ビールを製造している様子。

主に札幌側で構成された市民メンバー60名を1月に募集し、
彼らから資金を集め、4月に札幌の醸造家2名がポートランドの
醸造所2か所で2種類のコラボレーションビールを醸造。

ビールの香りや味の方向性、ラベルデザインなどは
市民メンバーが取り決め、札幌市内の輸入会社2社の協力を得ながら
醸造のレシピ作成や実務をブルワーとブルワリーに
託すかたちで今回の実現に至ったのだとか。

秋田〈いぶりがっこチーズディップ〉。 居酒屋で人気の黄金の組み合わせが、 いつでも手軽に食べられちゃう!

〈いぶりがっこチーズディップ〉税別400円。

チーズ好きにはたまらない、〈いぶりがっこチーズディップ〉が誕生

「チーズ好きが『ああああああああああぁぁぁぁぁ!!!!!』
ってなりそうな商品、新発売でございます!」

という、あきた県産品プラザの触れ込みで
SNSを席巻した〈いぶりがっこチーズディップ〉はもう試しましたか!?

かねてから居酒屋をはじめ家庭でも大人気の、
いぶりがっことチーズの組み合わせ。
ポテトチップスや、いぶりがっこが入ったお饅頭など、
関連する商品も多数生み出されてきました。

今回は、その最強タッグがディップとして巡り会ったのです。

ディップとして

大根をいぶって燻製にし、
米糠にじっくりと漬け込んでできるのが秋田名産のいぶりがっこ。
それを細かく刻み、チーズ風味のソースと和えることでディップとして仕上げました。
独特の風味とかぐわしさは、チーズのまろやかさと相性抜群。
いぶりがっこのパリパリっとした食感もお楽しみください。

野菜につけても

ディップになったことで、これまではシンプルに単品でいただくことの多かった
「いぶりがっこ×チーズ」の組み合わせを幅広く楽しめるように。

クラッカーやパンにつけてもよし、
バーニャカウダの野菜や白身魚のフライなどに合わせてみるのも最高です。
焼いた竹輪やはんぺんにのせれば、ちょうどよい酒の肴にもなりそうな……。
熱々の茹でたてパスタに和えて食べるのもおいしそうですね。
アレンジ自在の、なんとも魅惑的なディップソースができました。

夏休みの自由研究にも!
「藁納豆づくり」から「太陽光発電」
まで田舎暮らしの“DIY”3本立て

こんにちは! 
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

我が家では今まで、暮らしのなかのあらゆるものを
「自分たちでつくってみる」という実験をしてきました。
きな粉、ヨーグルト、椅子、テーブル、小屋、発電機……。

今まで「買う」だけだったものを、手を動かしてつくってみると、
それをつくってくれていた人への感謝の気持ちが生まれたり、
自分でやってみた ! という達成感が、ささやかな自信を持たせてくれます。

糸島の青い海

新しい挑戦をするなら、ぜひ夏休みに!

「DIY、やってみたいけれど、普段は忙しくて」という人でも、
「夏休みならちょっと挑戦してみようかな」と思ってもらえるかな? と思い、
過去に評判がよかった3つの「DIY」をご紹介したいと思います。
夏休みの自由研究に、お子さんと挑戦してみるのもオススメです!

藁からつくる! 天然の納豆菌がいきる「藁苞(わらづと)納豆」

手づくり藁苞納豆!

昔々納豆は、藁によってつくられていたこと、知っていましたか? 
藁とは、田んぼで収穫した稲の、米の部分をとり除いた茎のこと。
藁の中には天然の納豆菌が住んでいるため、
昔の人はその藁を活用して納豆をつくっていました。

納豆ができる仕組みは以下の通り。

(1)稲の藁を使った藁苞に、蒸した大豆を入れる

(2)納豆菌が大豆を餌にして大豆の中で増える

(3)納豆ができる

いとしまシェアハウスの田んぼで収穫した稲藁。

納豆の誕生説は多数ありますが、
「聖徳太子が馬の飼料として残った煮豆を藁で包んでおいたら、できあがった」
「煮豆を藁で包んで保存しておいたら、いい香りがしてきた」など、
どれも藁に付着していた納豆菌による自然発酵がキッカケになっているそうです。

そして実は、藁と大豆には密接な関係がありました。
昔は田んぼで稲を育て、田んぼの畔で大豆を育てるのが一般的だったのです。

これは、大豆が空気中の窒素をかためて地面に流し込む習性があるため。
米の生育には窒素が必要なのですが、この大豆由来の窒素が天然の肥料となり、
田んぼを豊かにしていたんですね。
こうして同じ場所で育ったふたつのものが掛け合わされてできたのが、納豆なのです。

稲刈り時期の風景。

ちなみにスーパーで出回っている納豆は、人工的に培養された納豆菌を使っているので、
天然の納豆菌とはパワーが違います。
藁納豆の濃厚な豆の味わいと、とろける舌触り。
一度食べたら、その力強い味わいにやみつきになるはず! 

昨年、我が家で開催した納豆づくりワークショップでは、
一番下は2歳から、一番上は90歳まで、たくさんの方が参加してくれました!

藁苞納豆づくりワークショップの風景。

「蒸した大豆に納豆菌をふりかけるんですか?」という質問がありましたが、
藁にいる天然の納豆菌を使うので、使う材料は
我が家の田んぼでつくった無農薬無肥料のお米の藁と、無農薬の大豆のみ。

【用意するもの】

・藁(長くて丈夫なもの)

・大豆

・大きな鍋

・ホッカイロまたは湯たんぽ

・紙製の米袋、なければ新聞紙

・毛布

まずは納豆を入れるための「藁苞」をつくります。
藁の中央と端を紐で結んだら、半分に折り返して紐で仮止めします。

藁苞づくりの様子

藁苞には手刈り・天日干しをした丈夫で長い藁が必要です。最近は機械化や高齢化が進み、こういった高品質の藁を手に入れるのも難しくなっていると聞きました。

藁苞ができたら、納豆菌以外の菌を殺菌するために熱湯消毒します。

藁苞を熱湯消毒

納豆菌はほかの雑菌に比べて熱に強く、100度以上でも死滅しないのだとか!

その間に、藁苞に入れる大豆を蒸します。
ひきわり納豆をつくる場合は、蒸しあがった大豆を細かくカット。

藁苞の殺菌と、大豆の下準備が同時に終わるようにし、
蒸し大豆ができたら、熱々のうちに藁苞へ入れます。
もたついて温度が下がると雑菌が発生しやすくなるので、
手早く、ささっと入れるのがポイント。

藁苞に大豆を入れ藁で蓋をするようにして結ぶ

藁苞に大豆を入れたら、折り返した片方の藁で蓋をするようにして結びます。

藁で蓋をしたら、紙製の米袋やタオル、ホッカイロや湯たんぽで
ふた晩保温して、できあがり。

出来た納豆を試食中

食べ比べをして人気があったのが、ひきわり納豆。ひきわりのほうが納豆菌が豆の奥まで食い込んで、より“納豆らしい”味がします。

今はなかなか見ることができなくなってしまった藁苞納豆、楽しくつくってみませんか?
興味のある方は、こちらから納豆づくりキットが購入できますよ。

大豆2種類を食べ比べ! 無農薬大豆の藁苞納豆づくりキット

ブドウ畑のパノラマが望める 湯宿〈カーブドッチ ヴィネスパ〉で 心ゆくままにゆったり過ごす

角田山の麓に広がる〈カーブドッチ ヴィネスパ〉へ

角田山

朝もやに包まれた角田山。

穏やかに波を打つような山容の「角田山」。
新潟県内に自生する大抵の草木が見られる自然豊かな山。

その麓には広大なブドウ畑と5軒の個性豊かなワイナリーからなる
〈新潟ワインコースト〉があり、
その中に、レストランやベーカリーなどからなる、
〈カーブドッチ ワイナリー〉があります。

今回ご紹介する宿は、同ワイナリー内にある雄大な自然を望める
温泉リゾート〈カーブドッチ ヴィネスパ〉。

カーブドッチ ヴィネスパの外観

カーブドッチ ヴィネスパ正面玄関。角田山を彷彿とさせる、なだらかなアーチの屋根が特徴的。

ワイン樽の蓋

ワイン樽の蓋が目印。

ヴィネスパとは“ブドウの湯”という意味。
角田山の緑豊かな風景とブドウ畑に囲まれながら、
ゆったりと天然温泉に浸かることができます。

1階ロビーのテーブル席

1階ロビーの中庭に面した空間。

ひとたび中に足を踏み入れると、
広々としたガラス張りの開放的な大空間に、
思わず心が解きほぐされます。

中庭の池

水の流れを目で追ってしまうほどに、ここは“静”を感じる場所。

手入れの行き届いた緑あふれる中庭には、
ゆるやかに螺旋を描きながら放出される小さな噴水があり、
それを眺めながら静かにやすらぎのひとときを過ごすのも乙。

ロビーは吹き抜け

自然のエネルギーをチャージできそう。

中庭を囲むようにして吹き抜けており、
たっぷりと日差しが差し込んできます。

2階に小さなライブラリーもあるので、そこから好きな一冊を取り出して、
コーヒーでも飲みながらインプットの時間を。

中庭を眺められるシート席

中庭を楽しむための席も。

エリアによって置かれているテーブルやイスのテイストが違うので、
その時の気分に合わせて、自分好みの場所を見つける楽しさも。

たとえ天候が悪くても、雨露が滴る葉やその雨音を感じて、
日常を忘れ、何もしない贅沢な時間を堪能できるでしょう。