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お腹を空かせる暇がない!
幸せすぎる「おすそ分け文化」

このまちのくらしとけしき
vol.016

posted:2019.10.29   from:全国(隠岐の島町・花巻市・一関市)  genre:暮らしと移住 / 食・グルメ

〈 この連載・企画は… 〉  毎月コロカル編集部からテーマを出し、
日本各地で活動している地域おこし協力隊の方から集まった写真とメッセージを紹介していきます。
その土地ならではのものだったり、自分の暮らしと変わらないものだったり……。
どんな暮らしをしてどんな景色を見ているのか、ちょっと覗いてみませんか?

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Ami Igarashi, Kanta Suzuki, Yo Sakurai

五十嵐杏美/鈴木寛太/櫻井 陽

今月のテーマ 「おすそ分け文化」

まちで暮らせば「買う」が中心になりがちな食べ物も、
地方に目を向ければ、多くの人が「育てる」「採る」ことで食べ物を得ています。
さらには「もらう」といったパターンも、一部の地域では日常的。

自家栽培の採れたて野菜、フルーツ、大量の魚介、狩猟したお肉。
普段使いの野菜から高級食材まで「食べて!」と分け与えてくれる、太っ腹なご近所さん。
都会に住む人にとっては、うらやましすぎる食事情です。

今回は、日本各地に暮らす皆さんから、
地域の特色が垣間見える「おすそ分け文化」を教えてもらいました。

※今回の「おすそ分け」とは、従来の「いただき物を分け与える」の意味以外に、
自家栽培品などを分ける意味も含みます。

【島根県隠岐の島町】 いただいたやさしさは、“恩送り”でお返し

隠岐の島のおすそ分け文化は、ひと言「すごい」です。
魚、貝、海藻、野菜、果物、お米、お蕎麦……。
春夏秋冬それぞれの、海の幸と山の幸をいただく日々。
おすそ分けレベルではないでしょう……! ということが幾度となく訪れました。

最初は、ある種の修業でもありました(笑)。
大量のメカブをキッチンで細かく刻んで、ネバネバ地獄から抜け出せなくなったり、
サザエの身を力ずくでとっていたら、疲れて食べる元気をなくしたり、
魚をどうにか捌いたときには、シンクが大惨事になってしまったり。

そんな状態でしたが、地域の方たちからいろいろなことを教えてもらい、
おかげさまで、自分なりにはひと通りのことができるようになりました。
成長させてもらったなぁと、ただただ感謝しています。

高級食材のカメノテ。磯の岩肌に固着する甲殻類の一種。最高においしいです。島に移住したての頃、「隠岐の人は亀の手を食べるんよ〜」という冗談を本気にして、びっくりしました(笑)。

高級食材のカメノテ。磯の岩肌に固着する甲殻類の一種。最高においしいです。島に移住したての頃、「隠岐の人は亀の手を食べるんよ〜」という冗談を本気にして、びっくりしました(笑)。

お返しをしようとしても、引き換えにまたいただいてしまうので、
「これはもう、物ではお返しできないのだ」と悟り、
そして、「見返りなんて求めていないのだ」と気がつきました。

だから、「地域おこし協力隊」を誠心誠意全うすることと、
いただいたやさしさを、ほかの人に渡していく“恩送り” をすることで、
お返しをしていこうと決めました。

物よりも、「やさしさをもらって、やさしくなれる」
その循環こそが本当にうれしいものなのです。

いただいた鮮魚のお刺身。

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五十嵐杏美 いがらし・あみ

平成2年生まれ。元ギャルの島ガール。2017年3月末、東京から島根県隠岐の島町へ移住し、現在は地域おこし協力隊として活動中。移住のテーマは、【自然との共生】と【丁寧な暮らし】。四季の移ろいのなかで豊かに生きる術を学び中。また、自分らしく生きることを探求するためにヨガとアーユルヴェーダを学んでおり、同時に広める活動も行っている。

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【岩手県花巻市】 お腹を空かすのを許してくれない地域に感謝!

こんなにもたくさんいただいたら、バチが当たるのではないかと思うくらいに、
地域の皆さんからの「おすそ分け」=「愛」を感じます。

ひとり暮らしとわかっているのか、わかっていないのか、
そんなことは関係なく、「たくさん食べてほしい」という思いは、
田舎ならではの文化なのだと、暮らしていて感じるところです。

段ボール箱いっぱいの野菜。

仕事柄、たくさんの農家さんと交流することから、
夏には家の前に夏野菜が置かれていたり、
去年は段ボール箱いっぱいの柿が置かれていたりと、
季節によっていただくものが異なります。
そのなかには、誰が置いて行ったのだろうか……と思うものもあります(汗)。

最近も、キャベツ1玉、
玉ねぎとじゃがいもがたくさん入った段ボール箱、
拾いたての栗を袋に詰めたものや、ぶどうの詰め合わせをいただきました。

いただいたたくさんの栗。

栗は近所の友人の家でロケットストーブ(一斗缶の一部をくり貫いてつくった)で
ぐつぐつと煮て、ほかほかの栗をいただきました。

手づくりロケットストーブ。

手づくりロケットストーブ。

新鮮なぶどうは、朝に食べて、
昼のデザートに食べて、夕食のデザートにもまた食べるという、
なんだか貴族のような食生活を送っています(笑)。

お腹を空かすのを許してくれない地域に、いつも感謝しています!

いただいたいろんな種類のぶどう。

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鈴木寛太 すずき・かんた

1991年東京都出身。2011年に発生した東日本大震災以降、大学のボランティアプログラムで、繰り返し岩手県を訪れるようになる。一度は就職するも、2015年8月、地域おこし協力隊として花巻市に移住。大迫(おおはさま)地区で、減少が続くぶどう農家の支援やイベントの企画・調整を行っており、2018年5月にぶどう農家となる。2018年7月末、3年間の地域おこし協力隊の任期を終え、本格始動中。

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【岩手県一関市】 大量のブルーベリーは果実酢に

地域の方のところへお邪魔すると、
帰り際にビックリするくらい、たくさんのおすそ分けをもらうことがあります。

手づくりのおやつに、果物、野菜、山菜など、ビニール袋にいっぱいのおすそ分け。
ときには、夕ごはんがつくれるくらいの種類と量の野菜をもらうことも。

採れたてのタケノコ。

山菜をこんなに!

山菜をこんなに!

先日は、「ブルーベリーがたくさん採れたので、持ってかい」と言われ、いただきました。
その量、約1キロ。

おすそ分けはうれしいのですが、「この量、どうしよう?」となることもあります。
たまたま行きつけのカフェの店主に果実酢のつくり方を教えてもらっていたので、
大量のブルーベリーは、一部は冷凍して、残りは果実酢で楽しみました。

おすそ分けをどう使うか。地方のうれしい悩みです。

手づくりブルーベリー酢。

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櫻井 陽 さくらい・よう

岩手県一関市出身。2016年よりUターンで一関市の地域おこし協力隊に着任し、農業分野の地域団体の活動支援を行う。好きな食べ物はカレー。趣味の硬式テニスをやらないと病にかかる体質。2017年より一関で楽しく暮らしたい20代のための地域団体〈TAKU。(たくまる)〉を発足し、各々がまちを楽しむためのさまざまな企画を実施する。

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