〈岩の原葡萄園〉 マスカット・ベーリーAのふるさとへ。 老舗ワイナリーで味わう日本ワイン

ショップで「ペルレ」を試飲、レストランで食事とワインも

園内をぐるりと巡ったあとは、川上善兵衛記念館のワインショップや
レストランでひと休み。
岩の原葡萄園のワインがフルラインナップされたワインショップでは、
お土産を選んだり、さまざまな銘柄の試飲ができます。

同園の顔ともいえる〈深雪花〉の赤(2219円・税込)は、完熟したマスカット・ベーリーAを厳選して醸造したもの。先のG20大阪サミットでも振る舞われた。

同園の顔ともいえる〈深雪花〉の赤(2219円・税込)は、完熟したマスカット・ベーリーAを厳選して醸造したもの。先のG20大阪サミットでも振る舞われた。

なかでもぜひトライしてほしいのが、一般には流通していない
「ペルレ」という発酵途中のワイン。
通常ぶどうの果汁は仕込みからワインになるまでに1~2週間かかるところ、
ペルレはまだ2、3日目という“赤ちゃんワイン”。
やさしい甘さとしゅわしゅわとした泡とが合わさって、
まるでぶどうサイダーのような飲み心地です。

一般に流通していない発酵途中の赤ちゃんワイン「ペルレ」。30ミリリットル400円で試飲できる。

一般に流通していない発酵途中の赤ちゃんワイン「ペルレ」。30ミリリットル400円で試飲できる。

お腹が空いたら2階のワイナリーレストラン〈金石の音(きんせきのね)〉で舌鼓を。
以前は上越市の市街地で長年フレンチレストランを営んでいたシェフのおすすめは、
岩の原葡萄園で人気の赤ワイン〈善〉を贅沢に使用した「和牛ほほ肉の赤ワイン煮」。
じっくりと煮込まれたお肉は、箸でも切れるやわらかさです。

赤ワイン〈善〉で煮込んだ「和牛ほほ肉の赤ワイン煮」(単品1800円、ランチコース3200円ともに税別)。

赤ワイン〈善〉で煮込んだ「和牛ほほ肉の赤ワイン煮」(単品1800円、ランチコース3200円ともに税別)。

ほかにもぶどうの木を燃やして焼く「和牛サーロインの薪火焼きステーキ」や
ハンバーグ、オムライスなど、家族連れでも楽しめる
スタンダードな洋風メニューが並びます。

ランチコースは「和牛ほほ肉の赤ワイン煮」、
「和牛サーロインの薪火焼きステーキ」、「本日の地魚料理」などのメインに、
雪室で貯蔵された野菜を使った前菜盛り合わせ、デザート、パンとコーヒーが付きます。
それぞれの料理に合わせてワインを楽しんで。

コースの前菜盛り合わせも地の食材を主に使用。

コースの前菜盛り合わせも地の食材を主に使用。

日本ワインの未来を変えた善兵衛の思い

岩の原葡萄園のある頚城平野は、いまでこそのどかな田園風景が広がっているものの、
善兵衛が自宅の庭園に鍬を入れ、葡萄園を創業した当時は、
豪雪と平野を横切る河川の洪水のために「三年一作」と表現されるほど
米が収穫できず、苦労する農民たちの姿があったといいます。

創業者で“日本ワインぶどうの父”と称される川上善兵衛の銅像。

創業者で“日本ワインぶどうの父”と称される川上善兵衛の銅像。

葡萄園がある一帯に50ヘクタールもの土地を有する
大地主の6代目として生まれた善兵衛は、
人々の生活をどうにか楽にできないものかと、
川上家とつながりのあった勝海舟のもとを訪ね、相談をしていました。

そこで振る舞われたワインが、善兵衛とその周りの人々と、
日本ワインの未来を変えました。
ワインの原料となるぶどうは、田畑を潰すことなく、
荒れ果てた土地でも栽培できることを知ったのです。

葡萄園の向こうに田んぼが広がるのもこの地域らしい風景。

葡萄園の向こうに田んぼが広がるのもこの地域らしい風景。

善兵衛は、1万回以上にも及ぶ交雑の末、
日本のワインぶどうの代名詞的存在となっているマスカット・ベーリーAをはじめ、
日本の風土に合った22品種のぶどうを開発。

それだけにとどまらず、〈ナイアガラ〉など海外の優れた品種を輸入し、
その栽培に取り組み、自らの体験をもとに
『葡萄全書』や『交配に依る葡萄品種の育成』など、
後の日本ワインの発展に寄与する多数の著書を執筆しました。
善兵衛なくして、日本のワインの歴史を語ることはできないのです。

老舗ワイナリーを訪れ、その歴史や創業者の思いに触れると、
ワインがまた一段と味わい深くなりそうです。

左からローズ・シオターのみを使った〈ローズ・シオター2018〉(3300円・税込)、マスカット・ベーリーAとブラック・クイーンを15か月かけて熟成させた〈ヘリテイジ2016〉(5500円・税込)、2016年産の有機栽培ぶどうによる〈マスカット・ベーリーA2016〉(4950円・税込)。すべて岩の原葡萄園のぶどうを使用。

左からローズ・シオターのみを使った〈ローズ・シオター2018〉(3300円・税込)、マスカット・ベーリーAとブラック・クイーンを15か月かけて熟成させた〈ヘリテイジ2016〉(5500円・税込)、2016年産の有機栽培ぶどうによる〈マスカット・ベーリーA2016〉(4950円・税込)。すべて岩の原葡萄園のぶどうを使用。

information

map

岩の原葡萄園

住所:新潟県上越市北方1223番地

TEL:025-528-4002(岩の原葡萄園)/025-520-9002(レストラン)

開園時間:9:30~16:30(見学、試飲の受付は16:00まで)

金石の音(レストラン)営業時間:11:00~16:30(水曜定休)

定休日:年末年始及び1~2月の日曜日、3月の特定日(冬季は天候などによる臨時休業あり)

Web:http://www.iwanohara.sgn.ne.jp/