[tunnel of Light]Ma Yansong / MAD Architects(大地の芸術祭)
水面に反転した峡谷。その美しい風景を見るために、
そしてその風景の一部になってポーズをとり、写真を撮影するために。
いま、新潟県十日町市の山奥にある〈清津峡渓谷トンネル〉には
連日続々と人が訪れています。
SNSなどでこの光景を目にしたことがある人も多いと思いますが、
Instagramでハッシュタグ検索してみると「清津峡」で投稿された写真は2万件を超え、
インスタ映えするフォトスポットとして非常に人気が高いスポットです。
リニューアル前年の2017年に年間5万人だった来場者数は、
2018年に18万人へと大きく飛躍。2019年のお盆には、
1日の来場者数が過去最高となる5000人を突破しました。
なぜこれほどの人気スポットになったのでしょう?
水鏡のアイデアで大人気の撮影スポットに
そのきっかけは、越後妻有で2000年から3年に1度開催されている
世界最大級の国際芸術祭〈大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ〉
(以下、大地の芸術祭)。清津峡渓谷トンネルは、
この芸術祭の作品のひとつとしてリニューアルされ、来場者数が激増しました。
もともとは、日本三大峡谷にも数えられる絶景「清津峡」を目にしようと、
全国から訪れる観光客のためにつくられた清津峡渓谷トンネル。
全長750メートルのトンネル内には、当時から3か所の見晴台と
終点のパノラマステーションが設けられています。
そう、トンネル自体は20年以上前から同じ場所にあり、
基本的な構造はほぼ変わっていません。
大きく変わったのは、現在フォトスポットとなっている終点のパノラマステーション。
リニューアル前は、清津峡の歴史を学べる資料館として開放されていましたが、
2018年の大地の芸術祭に合わせて、中国出身の建築家であるマ・ヤンソンと、
彼によって設立された建築事務所〈MADアーキテクツ〉が
『Tunnel of Light』というタイトルのアートへと昇華させたのです。
床一面に沢水を張り、壁面にステンレス板を貼ることで、
外の景色が水に反転して映る現在の姿へ。
落石から身を守るためにつくられたトンネルを、
人々にとって“ツール”から“目的”へと生まれ変わらせた、
発明と言えるほどの画期的なアイデアだったのです。
![終点の「ライトケーブ(光の洞窟)」。この日は風の影響で水面が波立っているが、普段はもっとくっきりと景色と人が反転して映る。水位が低い右端から壁を伝うように進んでいく。[tunnel of Light]Ma Yansong / MAD Architects(大地の芸術祭)](https://libs.colocal.jp/wp-content/uploads/2019/12/ode-niigata-kiyotsukyo-photo1.jpg)
終点の「ライトケーブ(光の洞窟)」。この日は風の影響で水面が波立っているが、普段はもっとくっきりと景色と人が反転して映る。水位が低い右端から壁を伝うように進んでいく。[tunnel of Light]Ma Yansong / MAD Architects(大地の芸術祭)