odekake
posted:2019.11.6 from:新潟県妙高市 genre:旅行
PR 新潟県
〈 おでかけコロカルとは… 〉
一人旅や家族旅行のプラン立てに。ローカルネタ満載の観光ガイドブックとして。
エリアごとに、おすすめのおでかけ情報をまとめました。ぜひ、あれこれお役立てください。
writer profile
Hiromi Kajiyama
梶山ひろみ
かじやま・ひろみ●熊本県出身。フリーランスのライターとして、インタビュー記事を中心に執筆する。著書に『しごととわたし』(イースト・プレス)。最近興味があるのは湯治宿。
credit
撮影:川瀬一絵
日本百名山に選定される妙高山の麓、妙高高原。
新潟県と長野県の2県6市町村にまたがる妙高戸隠連山国立公園の一部で、
夏季はハイキングと登山、冬季はスキーが楽しめる山々に、
滝や湖、さらには豊富な温泉と四季それぞれの過ごし方ができる自然豊かな場所です。
〈björk 森の宿ビヨルク〉があるのは、左右と後方をぐるりと緑に囲まれた一角。
岡倉天心や与謝野晶子などの文化人が愛したという赤倉温泉郷から少し離れた、
静かなエリアです。
看板を頼りに車1台が通れるほどの道を分け入るように進むと、
木造の2階建てが目に飛び込んできます。
宿を正面に見て、左手には見事な妙高山、右手には森林が広がります。
オーナーの爲石篤史さん、麻美子さん夫妻により、
2018年11月にオープンしたビヨルク。
「ビヨルク」とは、スウェーデン語で白樺を意味する言葉ですが、
「宿の名前は、窓から見える白樺が印象的だったから」だそう。
1階は共用のバス、トイレのほか、
朝食や夕方から夜にかけてフードやドリンクをオーダーできるダイニング、
スピーカーとソファが配置されたくつろぎスペースが。
客室数は、4人部屋が1室、2人部屋が5室の計6室。
ベッドとその脇に小さなテーブルが置かれたシンプルな客室に入れば、
ふんだんに使われた木材、リネンの白、絨毯の深みのあるブルーの配色が、
窓の外の景色を引き立てているのに気づき、心がすーっと安らぎます。
通路に飾られた照明や椅子、生けられた野花と花器、
どれもさりげなく、だけどあるのとないのとではまったく違う。
すべてが大切に選ばれてきたのだろうなと想像できます。
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ビヨルクを営む前は、東京に暮らしていたおふたり。
篤史さんは学生時代にスノーボードをするためにホテルで住み込みのアルバイトをし、
大学卒業後はアウトドアメーカーに入社したという生粋のアウトドア好き。
ビヨルクの入り口脇の棚には、愛用の登山ブーツがずらりと並んでいます。
一方、麻美子さんはコスメ販売や飲食店で接客を経験。
「いつかは宿を仕事にしたい」という想いで、
仕事と並行しながら3年ほどかけて物件を探した結果、最終的にこの場所へ。
豊かな自然があり、季節ごとにさまざまな楽しみ方ができるのを
魅力に感じたからだそう。
「ゲストがそれぞれのスタイルや目的に合わせた旅をするために、
ここをその拠点として利用してもらえたら」と話します。
昔ながらの1泊2食付きというスタイルにとらわれることなく、
素泊まりをはじめ、朝食を付けたB&Bとしても利用できるのはうれしいところ。
そこにはゲストそれぞれの過ごし方を尊重したいという心遣いが反映されているのです。
近隣の温泉に入ってもいいし、ビヨルクのお風呂を利用するのもいい。
気になる飲食店で食事をするのもいいし、
ダイニングでおつまみや定食をオーダーするのもいい。
さまざまな状況に対応してもらえるという安心感は、自由と快適さを与えてくれるんだ。
そんなことに気づかされます。
もともとは古いペンションだったこの建物ですが、
床を剥がす、仕切りをなくすなどの大改装を行いました。
ビヨルクが建つのは標高720メートル地点。
冬は一夜にして1メートル近く雪が積もることもあり、
雪が降り始めるまでに工事を終えることを目標にしていたそう。
信頼できる大工さんとの出会いによって、
おふたりの要望を的確かつ柔軟に取り入れてもらえたことは
とても幸運なことだったと振り返ります。
未経験ながら篤史さん自らも手を動かし、家族や友人の手を借りて、
無事に雪の季節が到来する前に現在の姿へ。
ビヨルクがオープンしてもうすぐ1年。
その間、性別、年齢、国籍もさまざまなゲストが訪れました。
なかには宿の庭でバーベキューをしたり、テントでキャンプをする人も。
今後もいろいろな旅のスタイルに合わせて対応していけたらと話します。
ビヨルク(白樺)の花言葉は「あなたをお待ちしています」。
ふたりが営むこの場所になんてぴったりな名前でしょう。
information
björk 森の宿ビヨルク
住所:新潟県妙高市関川1252-8
TEL:0255-86-3772
アクセス:妙高高原ICより車で10分。妙高高原駅より車またはバスで10分。
料金:1泊1名5000円~(朝食付き6000円~)
*繁忙期は特別料金、その他アメニティ料金あり。詳細はHPなどで要確認。
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