トミトアーキテクチャ vol.1
どうもこんにちは、トミトアーキテクチャ(冨永美保+伊藤孝仁)です。
「リノベのススメ」には、横浜は東ヶ丘のプロジェクト
〈CASACO〉を紹介して以来の再登場です。
CASACOとは、地域と連動しながら木造二軒長屋を改修して、
2016年4月に誕生した地域拠点型シェアハウスです
(詳しくはこちらの記事からご覧ください)。
相変わらず仕事場はCASACOのすぐ横にあり、丘に広がる住宅地での生活を楽しみ、
そして自分たちで設計した建築の日常を傍らで見守りながら、
建築設計の活動に勤しんでいます。
今回は、神奈川県の真鶴半島で空き家を改修したプロジェクト
〈真鶴出版2号店〉についてご紹介したいと思います。
というのも、このプロジェクトは『コロカル』の記事をきっかけに始まったのです。

(撮影:小川重雄)
『コロカル』を通し、“スナック”で出会う
東ヶ丘での活動はCASACOにとどまらず、
事務所から歩ける範囲でプロジェクトは連鎖しています。
そのひとつに、大きな庭のある空き家を美容室とカフェに改修したプロジェクト
〈WAEN dining & hairsalon〉があります。
あたかも、地形的な単位である“丘”を、自分たちの活動の“フィールド”にすることに、
建築設計者としての喜びを感じていました。
一方で、その“町医者”的に限定された環境にとどまることで、
この先どう展開していくのかという悩みも感じていました。

CASACOと同じ東ヶ丘で2作目の〈WAEN dining & hairsalon〉。大きな庭がある環境を生かしている。(撮影:大高隆)
そんななか、CASACOで定期的に「スナックtomito」という会を開いていました。
1階のスペースを借りて、週末の夜にSNSなどで呼びかけをして、
30人くらいの人たちが集まって一緒にごはんとお酒を楽しむ会です。
私たちの知り合いが半分くらい、周辺住民の方が半分くらい。
最後は同じテーブルを共有してごちゃ混ぜになっている風景を、
毎回不思議な気持ちで眺めていました。
そこに〈真鶴出版〉のふたり(川口瞬さんと來住友美さん)が
遊びに来てくれたことをきっかけに、プロジェクトが始まりました。

スナックtomito「三浦展によるQUESTION 66-73」には総勢40名近くの人が集まった。
コロカルでとても人気の特集「真鶴半島イトナミ美術館」の一読者であった私は、
真鶴出版の活動にもともと興味をもっていました。
「真鶴」という地名は、建築やまちづくり関係者にとって、
どこか魅惑的な響きを持っており(その理由については後ほど)、
そこで生まれている新しい暮らしと仕事の姿を垣間見て、
同世代として共感していたのでした。
ところで、真鶴出版のふたりがなぜスナックtomitoに遊びに来てくれたのか。
聞くと彼らも、コロカルの記事を通じて私たちに興味を持ってくれたようです。
「2号店をつくろうと思っています」
真鶴出版(こちらの記事に詳しいのでぜひ読んでください)は
「泊まれる出版社」をコンセプトに、
真鶴に移住した夫婦が2015年から始めた活動です。
まちの魅力を暮らしの中で再発見し、オリジナルの本やウェブの記事、
まちの広報物などというかたちで広めていく“出版”と、
真鶴に興味を持った人の窓口や受け皿となるような“宿”の両輪からなっています。

左から真鶴出版の川口瞬さんと來住(きし)友美さん、トミトアーキテクチャの冨永美保、伊藤孝仁。プロジェクトのスタートを記念し、改修する空き家の前で。

1号店の玄関に置かれていた真鶴出版による出版物。(撮影:MOTOKO)
自宅兼オフィス兼宿であった1号店(現在の自宅)の前にある空き家を改修して、
そこを新しい拠点(2号店)にしたい。私たちにその建築設計を依頼したい。
そんな相談を、お酒を飲みながらラフに話すことができ、
近々真鶴に遊びに行くことを約束しました。
川口さんと來住さんが建築設計事務所に仕事を依頼するのはもちろん初めて。
どのようにコンタクトを取るべきか、断られてしまうのでは……と、
とても不安に感じていたなか、その事務所が開く“スナック”は、
気軽に行くことができたとふたりは振り返っています。
私たちにとっても、自分たちの仕事を知っていただいたうえで
依頼を受けた初めての経験でした。
500人ほどが暮らす“丘”の中で設計活動を展開していた私たちにとって、
7300人ほどが暮らす“半島”という地形からなる環境単位は、
まるで新しいフィールドに出会うような気持ちでした。
横浜から真鶴へ向かう1時間ほどの東海道線の車内では興奮がおさまりませんでした。












































































































