〈Azumi Setoda〉と〈yubune〉 瀬戸田の歴史ある邸宅を 〈アマン〉創設者が旅館に

〈Azumi Setoda〉の客室。Photo Tomohiro Sakashita

瀬戸内海はしまなみ街道沿い、生口島の瀬戸田町にある
ノスタルジックな商店街〈しおまち商店街〉。

ここに、世界最高峰のリゾートブランド〈アマンリゾーツ〉の
創設者であるエイドリアン・ゼッカが提案する
旅館〈Azumi Setoda〉、銭湯付帯の旅籠〈yubune〉がオープンしました。

築140年〈旧堀内邸〉の趣はそのままに

エクスクルーシブなリゾートとは一線を画すコンセプトで、
幅広い客層に温かみのあるおもてなしを提供し、
地域全体に賑やかな連携をもたらす旅館として機能することを目指す同館。

〈Azumi Setoda〉の客室。Photo Tomohiro Sakashita

〈Azumi Setoda〉の客室。Photo Tomohiro Sakashita

2階にある客室の浴室からは美しい景観を眺めることができます。Photo Tomohiro Sakashita

2階にある客室の浴室からは美しい景観を眺めることができます。Photo Tomohiro Sakashita

夜はこのように暖かなライトの光が部屋中を包みます。Photo Tomohiro Sakashita

夜はこのように暖かなライトの光が部屋中を包みます。Photo Tomohiro Sakashita

晴れた日は美しい木漏れ日が差し込むことも。Photo Tomohiro Sakashita

晴れた日は美しい木漏れ日が差し込むことも。Photo Tomohiro Sakashita

京都を拠点とし、日本建築に精通する
六角屋・三浦史朗氏が手がけた〈Azumi Setoda〉は、
この地に約140年佇む邸宅〈旧堀内邸〉を改装した旅館です。

外観や柱、梁はもちろん、石や植物などまで、
従来のものを最大限に活かし、未来へと継承していけるように設計。
モダンでありながら旧堀内邸の佇まいを引き継ぎ、
「まるで邸宅に招かれているような」心遣いを表現しています。

檜の香りのする50~70平米の客室が22室用意され、
それぞれに三浦氏と造園設計集団〈WA-SO design〉による
個別に設計された坪庭つきという贅沢なつくりです。

Photo Max Houtzager

Photo Max Houtzager

Photo Max Houtzager

Photo Max Houtzager

Photo Max Houtzager

Photo Max Houtzager

食事は、魚介類や柑橘類、野菜など、地元の旬な食材や、
瀬戸田が海上交易の要所であったことから、
アジアやペルシャを感じさせるハーブやスパイスを使った、
おまかせコースやアラカルトがいただけます。
旧堀内邸に保管されていた貴重なお皿で出てくるというから楽しみ。

〈スノーピーク〉初の ホテル宿泊スタイルの グランピングリゾートが 徳島県小松島にオープン

ここ数年で一気に盛り上がりを見せるキャンプ・グランピング。
そのブームを牽引している〈スノーピーク〉が、
初のホテル宿泊スタイルの体験型グランピング施設
〈snow peak glamping TOKUSHIMA KOMATSUSHIMA(スノーピークグランピング徳島小松島)〉を
2021年4月16日(金)にオープンします。

2017年以降、神奈川県横須賀市の
〈snow peak glamping 京急観音崎〉や
新潟県阿賀野市の〈snow peak glamping swanlakeikarashiteigarden〉、
長野県白馬村の〈Snow Peak FIELD SUITE HAKUBA KITAONEKOGEN〉など、
全国3か所にグランピング施設を展開してきましたが、
今回はアウトドア気分を味わいながら、
リゾートホテルのようにリラックスできる滞在が叶います。

開業の地に選ばれたのは、徳島県

施設がオープンするのは徳島県小松島市。
徳島県の東部に位置し、“四国の東門”と呼ばれ、
四国と関西を結ぶ小松島港を中心に栄えてきた港まち。

日峰山や小松島湾に囲まれて、
澄んだ空気や豊潤な水に恵まれた土地で、
漁業と農業どちらも活発に行われています。

同施設でも小松島らしさを間近に感じながら、
思う存分くつろぐことができるようです。

「スノーピークグランピング徳島小松島」の客室は全室オーシャンビュー

客室は全室オーシャンビュー

他施設同様にスノーピーク製品でコーディネートされた客室は、全室オーシャンビュー。
穏やかな海を眺めているだけでも、心が全開放されそう。
客室タイプは3つで、全9室。

リビングもリゾートらしい広々としたつくりで、
自然を近くに感じながら贅沢な時間を過ごすことができます。

アクティブスイート

アクティブスイート。

リビングから屋外へとつながるスペースには、
広いウッドデッキとガーデンを設け、BBQスタイルの食事や、
テラスでのスパ体験など雨天時でも安心して滞在ができます。

景色を一望できるエレガンススイートのスパ

景色を一望できるエレガンススイートのスパ。

天守閣でお酒を飲んで殿様気分!? 小倉城ナイトキャッスルが 4月から再開

お殿様気分を味わえる〈小倉城ナイトキャッスル〉

近頃は、天守閣への宿泊や天守閣の貸し切りなど、
お城の楽しみ方にもさまざまな工夫が凝らされています。
北九州市の小倉城は、〈小倉城ナイトキャッスル〉と題して、
週末限定で夜間に開城。天守閣最上階のバーでオリジナルカクテルを味わいながら、
小倉のまちの夜景を楽しむことができます。

緊急事態宣言等により営業できない状態が続いていましたが、
2021年4月9日(金)より営業を再開します。

夜の小倉城

夜の小倉城。

〈小倉城ナイトキャッスル〉は2019年11月にスタートしました。
夜間の天守閣を特別に開城して、1階から4階には日中と違ったライティングを施し、
天守閣最上階にはバーをオープン。夜間ならではの特別な小倉城を楽しめる企画です。

5階の天守閣BARでは、
小倉藩に関わりのある人物にちなんだ名前のカクテルなどを味わいながら
小倉の夜景を堪能でき、来城者からは好評を博しています。

また、2020年の8月と12月には小倉城近くにある
地図の博物館〈ゼンリンミュージアム〉とのコラボレーション企画を実施。
近隣の観光施設との連携も積極的に行っています。

〈小倉城ナイトキャッスル〉の2021年の営業は、3月からを予定していましたが、
緊急事態宣言や福岡県による時短営業要請延長により延期を余儀なくされました。
3月19日に福岡県による時短営業要請が終了したことに伴い、
4月9日(金)より営業を開始します。

気分は城主! 超ラグジュアリーな城ステイ 〈平戸城CASTLE STAY懐柔櫓〉

1泊66万円! 宿泊は1日1組限定

豊かな自然と美しい海を有し、九州の観光地としても人気の高い長崎県平戸市。
市の西部に浮かぶ平戸島に、日本100名城に定められている平戸城があります。

このたび、平戸城の懐柔櫓(かいじゅうやぐら)を宿泊施設化した
〈平戸城CASTLE STAY懐柔櫓〉が、2021年4月1日(木)にオープンします。

情緒にあふれた〈平戸城CASTLE STAY懐柔櫓〉内装

情緒にあふれた〈平戸城CASTLE STAY懐柔櫓〉内装。

〈平戸城CASTLE STAY懐柔櫓〉は2階建て。
リビング・ダイニングルームやベッドルーム、
和室コーナー、浴室が完備されています。
部屋は、桃山~江戸時代の美意識を現代に伝える贅沢な空間で、
伝統とモダンを融合させた華やかさの中に忍ばせた情緒ある日本らしさ、
平戸島らしさを体感できます。
海に面する3面ガラス張りの浴室からの眺めは抜群。
平戸大橋と美しい平戸島の海を見渡すことができます。

浴室から平戸島の海を一望できる

浴室から平戸島の海を一望できる。

夕食・朝食にはゆったりとしたリビング・ダイニングルームを利用。
夕食には、平戸島の海の幸、山の幸を中心とした新鮮な旬素材をふんだんに使った創作料理のフルコースが提供されます。

宿泊は1日1組限定(定員5人)。
約66畳の館内を独占して楽しむことができ、まさに「城主」気分を味わうことができます。
宿泊料金は1泊最大66万円(消費税込)。季節により料金が変動します。
また、サービス料、食事料金、オプション(体験メニュー)料金が別にかかります。

思わず見惚れる幻想的な雪景色。 新潟県が実施したフォトコンテスト 「#新潟冬物語2021」の結果は?

新潟県に住んでいると、「当たり前」に見える景色。
そんな「当たり前」な景色が、初めて訪れた人にとって
美しく感じることもたくさんあるはずです。

新潟の「当たり前」の魅力を集めた企画が、「新潟※(コメジルシ)プロジェクト」。
地元の人にとっては「当たり前」だけど、
県外の人からしたら新鮮な感動を覚える「新潟の魅力」が詰まっています。

この冬、新潟県の地元の魅力を募集した
第5回フォトコンテスト「#新潟冬物語2021」にて、
ガイドブックにも紹介されないような、「お気に入りの新潟」をテーマに募ったところ、
多数の応募がありました。今回はそのなかから最優秀賞と、優秀賞作品を紹介します。

「#新潟冬物語2021」最優秀賞は、雪山でわんこが戯れる様子

フォトコンテスト「新潟冬物語2021」最優秀賞を受賞した雪山で犬が戯れている様子

最優秀賞に選ばれたのは、@kotani1515 さんが、
阿賀野市・東部産業団地の近くで撮影した一枚。
この犬にとって生まれて初めての冬の新潟を見せてあげたいと散歩に連れ出したそうです。

「犬が水を覗けば地面にも雪山が映ります。犬はどんな気持ちだったかな? 
犬は何を想い、冬をどう感じたんだろう? 
新潟の雪景色の中で、愛犬の気持ちをめいっぱい考えました。
見る人によって、絵本のようにいろんなストーリーが浮かぶ写真になれば良いと思います」

@kotani1515 さんが話すように、初めての雪におそるおそる近づきながらも、
わくわくしている犬の気持ちまで見えるような写真。
きっと人によって、見えるストーリーは変わってくるのでしょうね。

小豆島ハイキング! 
景色を楽しみながら遍路道を歩く

お遍路歩いてみたいけど、どうすればいいの?

小豆島でもあちこちで桜の花が咲き始めました。
今年も春がやってきます。

ちょうど1年前のいまごろ、新型コロナウイルスの影響で
子どもの学校が急にお休みになってしまい、学校には行けない、
遊びにも行けない、これじゃひきこもりになっちゃう。と悩みました。
そのときに、「そうだ! こんなときこそ島を歩こう!」と思いたち、
友人たちと一緒に小豆島のお遍路道を歩き始めることに。

小豆島の桜は自然のなかにある。桜と山。桜と海。そんな景色を眺めながら歩くのが楽しい。

小豆島の桜は自然のなかにある。桜と山。桜と海。そんな景色を眺めながら歩くのが楽しい。

「お遍路」といえば四国が有名ですが、
実は小豆島にも八十八か所の霊場(お寺や庵など)があり、
その霊場をまわる遍路道があります。
小豆島遍路は、四国遍路に比べて距離が短く、
全行程で150キロほど(ちなみに四国遍路は10倍の約1500キロ)。
ひたすら長い距離を歩くというよりも、海や山など美しい景色を楽しみながら歩けます。

山の中の遍路道。ハイキングとしても楽しめます。

山の中の遍路道。ハイキングとしても楽しめます。

歩いていると、ぱっと美しい景色が広がったりする。

歩いていると、ぱっと美しい景色が広がったりする。

お遍路いいなぁ、歩いてみたいなぁと思っていても、

いったいどこからスタートしたらいいんだろう? 
白い服を着ないといけないのかな? 
何か必要なものはあるのかな? 

わからないことが多くて、そもそもスタートできない。
なんて人が多いんじゃないかと。

とにかく歩き始めてみる! 
私たちはまず「小豆島霊場総本院」に行きました。

小豆島霊場総本院と文字だけ見ると、なんだかすごそうな場所で
簡単には行けなささそうな感じがしますが、受付みたいな場所があって、
「これから遍路してみたいんです」と相談すればいろいろと教えてくれます。

そこでまずは「納経帳(のうきょうちょう)」と「納札(おさめふだ)」を購入。
納経帳は、般若心経などのお経を唱えたり、写経を納めたり、
奉納経した印として、御朱印を押してもらう冊子。
納札は、各霊場を参拝したときに納める紙札で、
自分の名前、参拝日、裏には願いを書きます。

このふたつと、遍路用の詳細な地図
「小豆島八十八ヶ所巡拝 おへんろ道案内図」、お賽銭を用意。

納経帳と納札。ちなみに納札は巡拝回数によってお札の色が変わります。巡礼70回以上からは錦のお札で納めてもよいそう。

納経帳と納札。ちなみに納札は巡拝回数によってお札の色が変わります。巡礼70回以上からは錦のお札で納めてもよいそう。

この「小豆島八十八ヶ所巡拝 おへんろ道案内図」なくしては歩けない。各お寺からお寺までの距離なども書いてあります。

この「小豆島八十八ヶ所巡拝 おへんろ道案内図」なくしては歩けない。各お寺からお寺までの距離なども書いてあります。

本格的にお遍路をしたい場合は、白衣(はくえ)や杖、経本など、
ほかにも用意したほうがいいものがあります。

でも、あるお寺の住職さんも言っていたのですが、
「まずは気軽に歩いてみたらいい。お経も完璧に唱えられなくてもいい。
まずは歩いてみる。歩いてお寺をまわっていくなかで少しずつ遍路のことを知っていく。
知りたくなっていく。そのときに必要なものをそろえていけばいい」と。

だから私たちは、いつもの服で歩きやすいスニーカーを履いて、
リュックには地図と納経帳と納札とお賽銭を入れて、
見た目はハイキングみたいな感じで歩いています。

地図を見ながら、次のお寺まで2.5キロだよ~と確認しながら歩く。

地図を見ながら、次のお寺まで2.5キロだよ~と確認しながら歩く。

見た目はハイキング。いまの私たちにはこれくらいのスタイルで遍路道を歩くのがちょうどいい。

見た目はハイキング。いまの私たちにはこれくらいのスタイルで遍路道を歩くのがちょうどいい。

文学の聖地、愛媛県松山市。
まちなかに、ことばの泉あふれて

穏やかな瀬戸内海に面したまち、松山は、
各所にことばがあふれている。

大通りを行き交う路面電車に、
街灯に取りつけられたタペストリーに、心に投げかけてくるような
ことばのかけらたちが描かれている。

―この先、足元にことばの落としもの あります。
松山城に向かうリフトに乗ると、そんな案内が支柱に貼られていた。

「松山はお湯とことばが湧いています。」
「かしとおみ! 心のリュック半分持つけん。」
「かあさんの瀬戸内の小学校、尋ねあてましたよ。」

足元に次々と現れる、ことばのバナー。
旅先で、いつもよりも自由な気持ちでいるなかで
目に飛び込んできたことばについて思いを巡らすのは、
旅行者にとっては有意義な時間の過ごし方でもある。

もし、胸がキュンとするような、もしくはずっしりと重く響くような、
そんなことばに出会えたなら、
土地の記憶も伴って、忘れられないことばになるに違いない。

松山市の中心部、海抜132メートルの勝山山頂に本丸にある松山城へリフトに乗って向かえば、足元にことばのバナーが登場する。

松山市の中心部、海抜132メートルの勝山山頂に本丸にある松山城へリフトに乗って向かえば、足元にことばのバナーが登場する。「松山はお湯とことばが湧いています。」

姫路城と並ぶ、連立式天守をもつ松山城。美しい城郭建築は慶長期の様式を保っており、重要文化財に指定されている。瀬戸内海、松山市街を望む天守からの眺望は壮観だ。 「松山や 秋より高き 天守閣」(正岡子規)

姫路城と並ぶ、連立式天守をもつ松山城。美しい城郭建築は慶長期の様式を保っており、重要文化財に指定されている。瀬戸内海、松山市街を望む天守からの眺望は壮観だ。 「松山や 秋より高き 天守閣」(正岡子規)

松山市内90か所以上に置かれている俳句ポストは松山城にも。年間で1万通くらい投句されている。3か月に1度回収し、俳人によって選句されている。

松山市内90か所以上に置かれている俳句ポストは松山城にも。年間で1万通くらい投句されている。3か月に1度回収し、俳人によって選句されている。

ことばは、リフト横を通っているロープウェーにも。「退職し 帰りました 松山に 還暦すぎて マドンナと」。 作者の故郷に戻った心境をしみじみと想像したりして。

ことばは、リフト横を通っているロープウェーにも。「退職し 帰りました 松山に 還暦すぎて マドンナと」。 作者の故郷に戻った心境をしみじみと想像したりして。

竹田市〈たけた駅前ホステルcue〉 フレンドリーな夫婦が営む 古民家ゲストハウス

城下町に馴染む古民家ゲストハウス

大分県の竹田市をご存知ですか?

地図で竹田市を見てみると、中心部の大分市や別府市よりも熊本県に近く、
くじゅう連山、阿蘇山、祖母山など、高さ1500メートル級の山々に囲まれた
自然豊かな場所であることがわかります。

そんな竹田市の玄関口となる豊後竹田駅までは、大分駅から鉄道で約60~70分。
うれしいことに面倒な乗り換えもありません。

この土地には瀧廉太郎の名曲『荒城の月』が生まれるきっかけとなった
岡城(現在は岡城跡)があり、駅前周辺はその岡城の城下町として
長らく栄えていた歴史のあるまち。

昔ながらの和の趣きが漂う城下町の雰囲気を求め、
コロナ前は外国人観光客も増加傾向にあったそうです。

そんな国内外の旅人たちを迎えるべく、
豊後竹田駅から歩いて約2~3分という便利な場所に、
今回紹介したいゲストハウス〈たけた駅前ホステルcue〉はあります。

カフェスペースの壁には廃材を利用。

カフェスペースの壁には廃材を利用。

入り口を入ってすぐの空間には、ベーカリーカフェ〈かどぱん〉と
ゲストハウスのフロントがあります。

ここはゲストハウスを訪れる人々が一番最初に足を踏み入れる場所。
改装の際、圧迫感のあった天井板を取り払い、築80年を超えて
建物を支えてきた大きな梁をあえて見せることにしたそうです。
また、古材を用いた明るい空間で、気軽に入りやすい開放感のある場所になっています。

かどぱんは、木曜日から日曜日の間、パンの販売とカフェの営業をしていて、
地元の方で賑わっています。

九州産小麦を使用し、オーガニックレーズンから起こした自家製酵母を使ったハード系のパンが人気の〈かどぱん〉。(写真提供:かどぱん)

九州産小麦を使用し、オーガニックレーズンから起こした自家製酵母を使ったハード系のパンが人気の〈かどぱん〉。(写真提供:かどぱん)

営業日には約20種類のパンが並ぶほか、イートインもできます。
パン好きの旅行者は、木曜日から日曜日を狙って宿泊するのがベストかもしれません。

かどぱんの営業日以外でも、cueの朝食にはかどぱんのトーストがついてくるので、
朝食を予約するのがおすすめです。

〈たけた駅前ホステルcue〉の朝食は1食で700円。かどぱんのトーストは焼き加減も抜群でおいしい。

〈たけた駅前ホステルcue〉の朝食は1食で700円。かどぱんのトーストは焼き加減も抜群でおいしい。

フロントから奥はゲストハウスのスペースになっており、
1階はセレクトショップを併設したラウンジスペースのほかに、
宿泊客専用のシャワールーム、キッチン、リビングがあります。

湯船に浸かりたい方は、ゲストハウスの徒歩圏内にある温泉を利用しましょう。
ここは地元の人々が日常的に利用する温泉施設なので、
竹田の地元らしい雰囲気を満喫するにはピッタリの場所。
事前にゲストハウスで入浴チケットを購入すれば、割安で地元温泉が楽しめます。

2階に上がるとドミトリーと個室の部屋が全部で5つ。

「光」は角部屋で一番日当たりのいいお部屋。

「光」は角部屋で一番日当たりのいいお部屋。

それぞれ「光」「蒼」「星」と名づけられた個室は
壁の色や部屋のデザインが少しずつ異なりますが、
全体的にはとてもシンプルなつくりで、
旅の余韻にゆっくりと浸ることのできる落ち着いた雰囲気。

「光」の室内。大きな窓から差し込む光が特徴のお部屋です。

「光」の室内。大きな窓から差し込む光が特徴のお部屋です。

ドミトリーは男女混合と女性専用に分かれています。
どちらもプライバシーに配慮したカプセル型で、
全室にコンセント、読書灯、ハンガーを完備。
女性専用のカプセルは、荷物が個室内に持ち込めるようにと
広めにデザインされているので、女性の一人旅にもおすすめです。

ドミトリーはカプセル型で個室感のあるタイプ。

ドミトリーはカプセル型で個室感のあるタイプ。

新潟の魅力がたっぷり詰まった 「にいがた当たり前品質」 100記事が完成しました!

新潟県民にとっては「当たり前」でも、県外の人からすると魅力に見えるもの。
そんな新潟の魅力を、新潟にゆかりのある著名人や県民の100人が紹介する企画が、
「新潟※(コメジルシ)プロジェクト」の取り組みのひとつ
「にいがた当たり前品質100」です。

これまで新潟県のゆるキャラレルヒさんや、
芸人のハイキングウォーキング鈴木Q太郎さん、横澤夏子さんなど、
県内外・年齢・職業問わず、新潟にゆかりのある方から寄稿していただきましたが、
ついに100記事完成しました!

今回はそのなかからいくつかピックアップしてお届けします。

長岡市〈猟師食堂WADA正〉 森の恵みを家庭料理で。 女性ハンターが営むジビエ料理店

野性味あふれる肉をやさしい料理に

長岡駅からほど近い繁華街、殿町。
ここにカウンター席のみの小さなジビエ料理店があります。
名前は〈猟師食堂WADA正(ワダマサ)〉。
ジビエといってもフレンチではありません。こちらでいただけるのは、
コロッケ、パスタ、麻婆豆腐といった普段着の料理。

「ジビエのイメージと全然違うって言われます」と話すのは、
自身もハンターである店主の和田正子さん。

ビストロのような雰囲気の赤いドアが目印。

ビストロのような雰囲気の赤いドアが目印。

明るく気さくな雰囲気が印象的な和田正子さん。新潟県小千谷(おぢや)市の出身。ひとりで店を切り盛りしています。

明るく気さくな雰囲気が印象的な和田正子さん。新潟県小千谷(おぢや)市の出身。ひとりで店を切り盛りしています。

和田さんの料理の魅力は、素材のおいしさを引き出しながらも、
それが野生の肉であることを感じさせないところ。

たとえばクマ汁。
「クマ肉のおいしさは、何と言っても脂身です」という和田さんの言葉どおり、
脂の旨みと甘みがスープに深みを与え、
煮込むほどに真価を発揮する肉の力強さを感じます。
が、味わいはあくまでやさしく、それがジビエだということを忘れてしまうほど。

脂の旨さを味わいたいクマ肉は、自家製の三年味噌を使ってクマ汁(880円)に。肉は何度も噛み締めたくなる濃厚な味わい。

脂の旨さを味わいたいクマ肉は、自家製の三年味噌を使ってクマ汁(880円)に。肉は何度も噛み締めたくなる濃厚な味わい。

イノシシやシカ肉もしかり。和田さんの自由な発想から生まれる、
気負いのない料理を楽しんでいると、どの肉も慣れ親しんだ食材のように思えてきます。

里芋のコロッケ(1個495円)。大きめにカットされたイノシシ肉がゴロゴロ入った食べ応えのある一品。

里芋のコロッケ(1個495円)。大きめにカットされたイノシシ肉がゴロゴロ入った食べ応えのある一品。

自家製ラー油を使ったイノシシの麻婆豆腐(880円)。軽やかながら甘みの濃い脂身のおいしさも魅力。

自家製ラー油を使ったイノシシの麻婆豆腐(880円)。軽やかながら甘みの濃い脂身のおいしさも魅力。

お魚天国、島根県浜田市で
朝どれノドグロを食べ尽くせ!

高級魚で知られるノドグロ。
喉の奥が黒いことから、主に日本海沿岸地域でノドグロと言われているが、
正式名称はアカムツである。
「日本海の赤い宝石」と言われ、食通の間で好まれてきた白身魚だが、
全国的に知られるようになったのは2014年のこと。
その理由は、テニスの全米オープンで準優勝した錦織圭選手が帰国後に
「ノドグロが食べたい」と発言したからだ。
以来、価格は高騰。故郷・島根の味を懐かしんだ錦織選手の素直なひと言が、
ノドグロを高値のつくブランド魚へとのし上げた。

それから6年。依然として高級魚としての人気は保ったままだ。
ノドグロは、舌の上でとろけるような豊富な脂が特徴であるとともに、酸化しやすく、
鮮度が勝負の魚である。
ならば、新鮮であればあるほど魚本来の味わいが楽しめるに違いない。
全国屈指のノドグロの水揚げ量を誇る、島根県の浜田港を目指した。

平成17年に5市町村が合併してできた新しい浜田市。高台にある浜田城跡では、リアス式海岸の風光明媚な景色が見られる。

平成17年に5市町村が合併してできた新しい浜田市。高台にある浜田城跡では、リアス式海岸の風光明媚な景色が見られる。

浜田港のある浜田市へは、萩・石見空港から車で約1時間。
公共交通機関を使うならば、バスで空港最寄りのJR益田駅まで出て、
そこからJR浜田駅まで35分ほどの距離にある。
平成17年に5市町村が合併したため、市の面積は約69平方キロと
東京23区よりも広く、地形は山から海までとバラエティに富む。
今回、日本海に面した浜田港周辺と市街地のあたりを訪れ、
その日に水揚げされたばかりのノドグロを味わった。

浜田に着いたら、なにはなくともまずはノドグロ!

はまだお魚市場 商業棟2階にある〈めし処 ぐっさん〉は、
海鮮目当てに全国から浜田を訪れる人たちがこぞって目指す、
港のランドマークのような店である。

ノドグロや旬の魚がたっぷりとのった丼を目指し、
週末は朝から行列ができるほどだ。
まずは名物「のどぐろ炙り丼」を食べてみる。
ノドグロの身を3枚おろしにしたものを
下のご飯が見えなくなるくらいのせてから炙った、産地ならではの贅沢な丼だ。

さすが白身のトロと呼ばれるだけあり、
ノリにのった脂が白身の表面で艶やかに光っている。
口の中に入れた瞬間に舌の上でほろり崩れていくやわらかな身は、
ご飯とともにすいすいと口の中に収まっていく。
残ったノドグロもご飯もあとわずか、となったところで温めただしをかけ、
わさびを利かせて食べるのがぐっさん流のノドグロの食べ方だ。
うまい、もう一杯! とおかわりしたくなる、余韻の強さ。
それが食べる人を惹きつけてやまないノドグロ丼の魅力なのである。

浜田の弥栄米を使用。ノドグロの脂がご飯に移り、香ばしさを醸し出している。

浜田の弥栄米を使用。ノドグロの脂がご飯に移り、香ばしさを醸し出している。「ノドグロ丼」1850円(税込)

今回丼をつくるのに捌いたノドグロは、一匹2500円の立派なもの。〈めし処ぐっさん〉は、ぐっさんこと代表の山口隆さんが、港や市場で働く人がひと仕事終えた後に立ち寄れる店を、と2014年にオープンした。

今回丼をつくるのに捌いたノドグロは、一匹2500円の立派なもの。〈めし処ぐっさん〉は、ぐっさんこと代表の山口隆さんが、港や市場で働く人がひと仕事終えた後に立ち寄れる店を、と2014年にオープンした。

information

map

めし処 ぐっさん

住所:島根県浜田市原井町3050-46 はまだお魚市場 商業棟2階

TEL:070-5301-3893

営業時間:10:00~15:00

定休日:火曜・水曜

Web:めし処 ぐっさんホームページ

絵描き・Lee Izumidaの旅コラム
「大好きな家で旅の思い出に浸れる
本とかたいパン」

さまざまなクリエイターによる旅のリレーコラム連載。
第17回は、絵描きのリー・イズミダさんが旅するときに
はずせないという、本とパンの話。
旅は本屋とパン屋から始まり、
帰宅してからも、その旅の思い出を彩ってくれるようです。

旅行先で必ず探し訪れる場所

私は自分の家が世界中のどんな場所より好きだ!
休日に少しお出かけしてもすぐに家に帰ってしまう。
旅行へ行くときは家に持って帰って思い出に浸れるものを探す。
代表的な例でいえば「本とかたいパン」。

私が旅行へ行く機会が増えたのはちょうど2年前、
絵描き一本で仕事を始めたのがきっかけだ。
今回書くことも2年前ぐらいになんとなく空港の搭乗アナウンス待ちで
時間を持て余したときに思いつき、続けている。

京都にて。今回の旅写真は、すべてフィルムで撮影したものです。

京都にて。今回の旅写真は、すべてフィルムで撮影したものです。

私の場合、旅行といっても仕事で行くことがほとんどだ。
そしていつも仕事柄、大荷物を持って旅行へ行くことが多く、基本的に単独行動だ。
旅行鞄の中は絵の具やスケッチブック、筆など、どれも重くかさばるものばかり。
プライベートの旅行でも、
スケッチブックや絵の具は少しでも持って行かないと落ち着かない。
いくら荷物を減らせといわれても、減らすのは洋服で画材は持っていくだろう。
そんな性格なので、私の旅行に持っていく荷物はスマートだったことがない。

はりきって沢山行動するのもそこまで好きではないので
みずから事前に計画を立てることもない。
そんな私だがホテルに着くとまずは近くにパン屋と本屋があるかどうかを
グーグルマップで確認する。
近くになければ歩く、見つからなければ現地の人に聞く。
おもしろいことにパン屋と本屋はどこに行っても1軒や2軒はある。
これは国内だけではなく海外も一緒だ。

パン屋の店員さんにはなぜか話しかけやすい。
人見知りの私でもパン屋の店員さんには
「ここらへんでおいしいご飯ありますか?」とか
「観光できる所ありますか?」と気軽に話しかけることができる。
調子がいいときは「今日は天気がいいですね〜」なんて話しかけることもある。
そしてみんな親切に教えてくれる。
本屋にはガイドブックがあるので、人に聞かなくとも探すことができる。
本も親切に教えてくれる。
おもしろいことに、これも国内だけではなく海外も一緒だ。

鹿児島。

鹿児島。

はなれていても、あったかい。 今は会えないあの人へ、 別府温泉のポスト投函型 「湯の花」を送ろう!

会えないからこそ、届けたい

日本一の湧出量を誇る、大分県の別府温泉。
その別府温泉で有名な「湯の花」をご存知でしょうか?

湯の花は、薬用効果の高い天然の入浴剤。
江戸時代から続く製造技術によって採取される別府温泉の湯の花は、
「重要無形民俗文化財」にも指定されている特産品です。

その湯の花を、ポストに投函するだけでワンコインで送れる、
ポスト投函型 天然入浴剤〈湯の花ギフト〉が登場しました! 

葉書サイズの箱に湯の花が2包封入されて本体価格380円(税込)。

葉書サイズの箱に湯の花が2包封入されて本体価格380円(税込)。

別府の温泉街がデザインされたこちらのギフトボックス。
120円切手(※)を貼れば、そのままポストへ投函できるんです。

住所と宛名欄に加えて、メッセージを書き込める欄もあり、
送る相手にひと言添えられるのがうれしいですね。

※開封せずに発送する場合の切手料金。(2021年2月1日現在)
※国内向けの発送を前提とした商品です。

切手代と本体を合わせて500円(税込)。切手を貼ってそのままポストに投函できます。

切手代と本体を合わせて500円(税込)。切手を貼ってそのままポストに投函できます。

こちらのギフトボックスは、JR別府駅内にある
〈WANDER COMPAS 別府〉での販売に加え、
こちらのオンラインショップでも購入可能です。

「WANDER COMPAS 別府」のスタッフ三浦さん。

〈WANDER COMPAS 別府〉のスタッフ三浦千佳さん。

ワンコインで郵送できる手軽さが好評で、
1月に発売した1500個はすでに完売。
追加生産を行い、2月5日より再販がスタートしました。

昨年から続くコロナ禍で、別府温泉へ訪れることができない人も
湯の花で温泉気分を味わってもらいたい、
そして今は会えない人に「あったかい」気持ちを届けてほしい。
そんな思いから生まれた湯の花ギフト。

誰に送ろう、なにを伝えよう。考えるだけでワクワクします。

誰に送ろう、なにを伝えよう。考えるだけでワクワクします。

発売元である〈B-biz LINK〉の後藤寛和さんは、
「使用している湯の花は、職人さんの手作業でつくられるので
一度に大量生産が難しい商品です。
今までは別府市内の流通が主でしたが、このプロジェクトを通して、
全国の人に別府の特産品である湯の花を知ってもらう
いいきっかけになれば」と話します。

多島美を愛でる穴場スポット。
山口県下松市の笠戸島は、
トレイルランでの島旅がちょうどいい

トレランで回れる距離感がちょうどいい笠戸島観光

自分の足で直に自然を感じられるからと、
世界的に人気が高まっているトレイルランニング。
日本でも、全国各地で地域おこしを兼ねた大会が開かれている。
そのなかで毎年リピーターを増やし、存在感を高めている大会のひとつが
〈くだまつ笠戸島アイランドトレイル〉だ。
舞台となるのは山口県下松(くだまつ)市の笠戸島。
住みよいまちランキングの上位常連である下松市から、
瀬戸内海にひょっこりと突き出す、三日月形をした12平方キロ弱の島になる。

穏やかな瀬戸内海に囲まれた笠戸島。

穏やかな瀬戸内海に囲まれた笠戸島。

例年なら2月に行われる大会は、新型コロナウイルスの影響で
残念ながら2020年に続き、2021年も2年連続で中止となってしまった。
けれども「あのコースをもう一度、タイムを気にせず回りたい」と、
大会のコースを走りに訪れるトレイルランナーも少なくない。

くだまつ笠戸島アイランドトレイルのプロデューサーである、
プロトレイルランナーの奥宮俊祐(おくのみやしゅんすけ)さんもそのひとり。
実は、この大会が縁で「くだまつ観光大使」にも選ばれている。
トレラン×地域創生にも取り組む奥宮さんに、
コースを振り返りながら笠戸島の観光スポットを聞いた。

オーシャンビューの国民宿舎でインフィニティ風呂が待っている

「笠戸島は大部分が森林で、細長く延びた形をしています。
集落は山あいに点在していて、古くからそれぞれをつなぐ山道が切り拓かれていました。
それらの古道を整備した、
島の端から端までをつなぐ『スカイ・ハイキング・ルート』もあるんですよ。
こうした島の特徴は、
トレイルランニングの人気大会の舞台になりやすい条件が揃っているといえます。
もともとは縁もゆかりもない場所だったのですが、
今ではコースの準備や、トレイルランのセミナーにかこつけて訪れるのが待ち遠しくって」

日本各地から1000名近いエントリー者を集める。

日本各地から1000名近いエントリー者を集める。

コース上からはところどころで瀬戸内海の海と島、いわゆる多島美を眺められる。
日本ではそう数の多くないオーシャンビューのトレイルだ。
西側が開けているから夕陽も抜群に美しい。

〈国民宿舎 大城〉からの夕陽。

〈国民宿舎 大城〉からの夕陽。

「なかでも好きなのが、〈国民宿舎 大城〉から眺める夕陽です。
客室からもいいのですが、ここの温泉が自分史上最高クラス。
目の前のオーシャンビューを遮るものが何もない『インフィニティ露天風呂』があるんですよ。
陽が沈めば少し先の造船所の明かりが夜景を彩って、
何ともいえない雰囲気に浸れます」

大会でもスタート・ゴールの会場として使われ、
笠戸島唯一の温泉宿として島の観光では外せない。

大城のインフィニティ風呂。大人720円、小人310円

大城のインフィニティ風呂。大人720円、小人310円

笠戸島は魚の養殖も盛んだ。
「山を走るだけでなく、海で釣りをするのも趣味」という奥宮さんは、
大城に泊まるときに、新鮮な魚介に舌鼓を打つのも忘れない。

「『笠戸ひらめ』と呼ばれる養殖ひらめが特産品で、
ランチでも夕食でもひらめ尽くし。何といっても一番はお刺身ですね。
あとはとらふぐ。ヒレを熱燗に浸したふぐのヒレ酒は病みつきになります。
笠戸ひらめが恋しくなったら、
炊飯器で手軽につくれる〈笠戸ひらめパエリアの素〉をお土産にぜひ。
養殖ひらめをはじめ、きのこやレモン、にんにく、容器のブリキ缶にいたるまで、
オール下松産のお土産なんです」

ひとつで2合分が調理できる〈笠戸ひらめパエリアの素〉は1080円。お米と一緒になったギフトセットも。写真は調理例。

ひとつで2合分が調理できる〈笠戸ひらめパエリアの素〉は1080円。お米と一緒になったギフトセットも。写真は調理例。

〈TRIP BASE COCONEEL〉
松田寛之さん
美祢の観光体験を
1軒のゲストハウスから変える

日本最大級のカルスト台地・秋吉台。
春や夏は石灰岩が降り積もってできた台地に緑が生い茂る。
秋には枯れて黄金色になり、すすきが風にそよぐ。
地下には、日本最大規模の鍾乳洞・秋芳洞など400以上の洞窟が広がっている。

自然の力と雄大さを感じられるこの地で、
ゲストハウス〈TRIP BASE COCONEEL〉を営んでいるのが、松田寛之さん。
秋吉台のある美祢(みね)市で生まれ育ち、
東京での暮らしを経て、2019年4月にUターンした。

54平方キロメートルもの面積を誇る秋吉台。毎年2月には山焼きが行われる。一年を通して、さまざまな景色を見せてくれる。

54平方キロメートルもの面積を誇る秋吉台。毎年2月には山焼きが行われる。一年を通して、さまざまな景色を見せてくれる。

宿泊業はほぼ未経験ながら、ゲストハウスを開業。
以来、外からの観光客はもちろん、地元の人たちのたまり場としても親しまれている。

周りに「何もない場所」といわれた美祢を
「観光地として成立する」と言い切る松田さん。
一度美祢を出たからこそわかる地域の魅力や、観光のバリエーションを増やす取り組み、
ゲストハウスの役割について聞いた。

ゲストハウスの経営なら美祢で生活できる

美祢市で生まれ育ち、バンド活動のために22歳で上京。
アルバイトなどをしながら12年間活動したが、30代半ばで方向展開。
結婚を機にシステムエンジニアとして都内の企業に勤めた。

「上京するときから、いずれ美祢に戻りたいという気持ちがありました。
バンドを諦めてからは、特に東京にいる必要もないし、
都会のあわただしさから逃れたいと思っていましたね」

一度外に出たぶん、美祢への思いは強い。上京するきっかけになったロックバンドでは、ギターを担当していた。

一度外に出たぶん、美祢への思いは強い。上京するきっかけになったロックバンドでは、ギターを担当していた。

思いは日に日に強くなり、2018年12月にUターンを決意。
奥さんは「もっと先のことだと思っていた。30代半ばでの移住は早いのでは」
と渋ったという。
ネックのひとつは、働く場所や職種が限られていて、
平均賃金も決して高いとはいえないことだった。

移住を諦めたくなかった松田さんは、美祢市について調べ、妻にプレゼンを重ねていく。
そのうちに、美祢市は年間の観光客数が130万人を超えているにもかかわらず、
秋吉台周辺には宿泊施設がほとんどないことに気づいた。

需要が見込める宿泊業をやることで、妻が懸念している課題を解消できるのではないか。
なにより、自分は人とコミュニケーションを取るのが好きだから、
それを生かす仕事がしたい。

ゲストハウスをやろう。決めてからの行動は早かった。
さっそく2019年の1月から宿泊業の認可を取るための講習などを受け始めた。

ロンドンパブへのあこがれを表現したゲストハウス&パブ

場所は、祖父母がかつて経営していた定食屋を改装することに決め、
2019年4月にUターン。
以降、オープンまでの5か月は父親とひたすらDIYで改装を行った。

秋吉台から車で10分足らずのところにあるTRIP BASE COCONEEL。周囲には、田畑が広がっている。天気がいい日はテラス席でくつろぐ人も。

秋吉台から車で10分足らずのところにあるTRIP BASE COCONEEL。周囲には、田畑が広がっている。天気がいい日はテラス席でくつろぐ人も。

「内装は、かっこよくビールを飲める、をコンセプトにしました。
パブで立ったままビールをラッパ飲みするの、いいなって。
本当はロンドンパブのようにしたかったのですが、
結果としていろんな要素が混じっていますね。
木の感じが好きなので、前面に出しています」

店内は、写真のフラッグのほか、だるまやオーディオセットなどが混在している。「僕が好きなものを集めていったらこうなりました。いずれいい味が出てくるといいな」と松田さん。

店内は、写真のフラッグのほか、だるまやオーディオセットなどが混在している。「僕が好きなものを集めていったらこうなりました。いずれいい味が出てくるといいな」と松田さん。

「みんながフラッと立ち寄ってくれる、かっこいい酒場のような場所にしたい」
そんな思いとこだわりを込めた改装は終わり、
2019年9月にTRIP BASE COCONEELはオープンした。

〈Agawa〉塩満直弘さん
透明な駅舎とキオスク、
境界のない空間にこめた思い

冬らしく曇った空から、ちらちらと雪が降ってくる。
畑や山の緑も、ホームのコンクリートもどこかくすんだように見えるなか、
橙色の汽車がスーッとホームに入ってきた。

ここは山口県下関市にある阿川駅。京都と下関を結ぶJR山陰本線の無人駅だ。

見渡す限り畑と山と民家しかないこの場所に、昨年の夏、目新しい建物ができた。
見た目は、四角くて透明な箱。
「小さなまちのkiosk」をコンセプトにつくられたその建物は、
まちの名前そのままに〈Agawa〉と名づけられた。
地元の特産品を使ったドリンクやフードを提供している。

新しい阿川駅舎とAgawaをプロデュースしたのが、塩満直弘さん。
山口県の萩市に生まれ育ち、アメリカ、カナダ、東京、鎌倉と
さまざまな土地での生活を経て、萩へ帰ってきた。
故郷の魅力を自分なりに表現したいと起業し、
〈萩 ゲストハウス ruco〉を運営してきた塩満さんが
Agawaを通じて体現していきたいこととはなんだろうか。

駅舎と対になる透明なkiosk

〈Agawa〉は、2020年夏にオープンした。
まちの風土をダイレクトに感じてもらえるように
カフェと物販、レンタサイクルを提供している。

塩満さんは、店舗ととなりの阿川駅舎が対になるようにAgawaのイメージを考え、
JR西日本の建築部門担当者と、
彼の友人である〈takt project〉代表の吉泉聡さんがそれを具現化していった。

「駅舎とカフェのデザインを考えるときに意識していたのは、
駅全体を広場、公園のように再定義すること。
建物をガラス張りにしたのは、
周囲の風景に違和感なく溶け込ませて景観の一部と見立てることで、
“乗降客に限らず誰もが自由に佇める”という駅本来の特徴を、
空間全体で感じてもらいたかったからです」

Agawa(左)と阿川駅の駅舎(右)。中が透けて見える構造は、地元の人から驚かれることもあった。「境界線をぼやかす」デザインにしたかったという。

Agawa(左)と阿川駅の駅舎(右)。中が透けて見える構造は、地元の人から驚かれることもあった。「境界線をぼやかす」デザインにしたかったという。

Agawaで提供されている猪ソーセージ(800円・税込)とゆずきちソーダ(500円・税込)。猪肉、ゆずきち、ともに長門市俵山産。ゆずきちは山口県の山陰地方が原産。収穫時期により味や香りの変化も楽しめる。

Agawaで提供されている猪ソーセージ(800円・税込)とゆずきちソーダ(500円・税込)。猪肉、ゆずきち、ともに長門市俵山産。ゆずきちは山口県の山陰地方が原産。収穫時期により味や香りの変化も楽しめる。

コロナ禍でのオープンとなったが、
若年層に限らず、さまざまな世代、地域から、多くの人が訪れ賑わっている。

地元の人が乗り降りするのはもちろん、
子どもたちが広場に敷きつめられたシロツメクサの上を走り回ったり、
家族で四つ葉のクローバーを探したり、
観光でやってきた友人同士で写真撮影をしたり。
訪れた人がそれぞれ、思い思いに時間を過ごす場所となっている。

「駅だからこそ訪れる人の雑多さ、多様性がある。
僕自身がそんな場所を求めていたし、公共性の高い場所に関わりたかった」

そう話す理由には、塩満さん自身のこれまでの経験があった。

小豆島の渓谷「銚子渓」。
高さ21メートルの滝が凍る!

動物園に、凍る滝まで。渓谷を楽しむ!

小豆島には、日本三大渓谷美のひとつである
「寒霞渓(かんかけい)」という有名な渓谷があります。
日本三大渓谷美と言われるだけあって、渓谷はもちろん、
その先にある小豆島のまちなみ、瀬戸内海を望む景色はとても美しく、
観光スポットとしても人気ですし、知っている方も多いと思います。

その寒霞渓から西に10キロほどのところに
「銚子渓(ちょうしけい)」という渓谷があります。

小豆島の山間にある銚子渓エリア。写真真ん中の建物の右下あたりに銚子の滝があります。

小豆島の山間にある銚子渓エリア。写真真ん中の建物の右下あたりに銚子の滝があります。

銚子の滝の下にはこんな大きな岩が重なってます。

銚子の滝の下にはこんな大きな岩が重なってます。

寒霞渓に比べたら小さな渓谷ですが、滝があったり、
野生の猿が餌付けされている〈銚子渓自然動物園 お猿の国〉があったりして、
意外とおもしろい場所なんです!

野生の猿たちがいる〈銚子渓自然動物園 お猿の国〉。柵はなくて、目の前で猿たちが歩いてます。

野生の猿たちがいる〈銚子渓自然動物園 お猿の国〉。柵はなくて、目の前で猿たちが歩いてます。

突然、孔雀もいたりします。小さな動物園みたいな感じです。

突然、孔雀もいたりします。小さな動物園みたいな感じです。

実はこの銚子渓、私たち〈HOMEMAKERS〉の畑から見える
美しい山々の景色の中にあって、うちから車で10分くらいで行けるところにあります。

あらためてその風景を眺めてみると、私たちは島暮らしだけど
海じゃなくて、美しい山の景色の中で暮らしているんだなぁと思います。
当たり前のように毎日そこにありますが、
ふとしたときに美しいなぁと感じさせてくれる渓谷です。

〈HOMEMAKERS〉の生姜畑の奥にあるのが銚子渓。島の中にある畑とは思えない風景。

〈HOMEMAKERS〉の生姜畑の奥にあるのが銚子渓。島の中にある畑とは思えない風景。

この銚子渓には、銚子の滝という高さ21メートルほどの滝があります。
小豆島で一番大きな滝らしいのですが、普段は流量がそんなに多くなくて、
山の中にひっそりとある感じです。
豪快な滝! みたいなイメージで見に行かないでくださいね(笑)。

とても寒い日が続いた1月。
そういえば、銚子の滝って寒いと凍るんだよなぁと思い出し、見に行ってみることに。
銚子の滝はちょっとわかりにくいところにあります。案内板などもありません。
お猿の国の駐車場から500メートルほど西に下っていくと、
道沿いのガードレールが一部ないところがあります。そこから入っていきます。

ちなみに以前は〈銚子茶屋〉という、食事処&お土産屋さんが滝のすぐ上にあり、
そのすぐ横から銚子の滝に行けたのですが、いまは行けないみたいです。
そして残念なことにその銚子茶屋自体がいまは閉まっています。
ガードレールの間から入って山道を歩くこと3分ほどで銚子の滝が見えてきます。

銚子の滝へ続く山道。落ち葉で滑りやすいので、歩きやすい靴で行きましょう。

銚子の滝へ続く山道。落ち葉で滑りやすいので、歩きやすい靴で行きましょう。

「大分=温泉」だけじゃない!
大分県×マガジンハウスの ポータルサイト
『edit Oita エディット大分』が誕生

大分県の魅力を発信するポータルサイト『edit Oita エディット大分』が、
2月1日に誕生しました。

『エディット大分』は『コロカル』が制作に参加し、
マガジンハウスが発行する雑誌やウェブサイトと連携して情報発信を行います。
『コロカル』でも「おでかけコロカル大分編」などで
連携記事を配信しますので、そちらもどうぞお楽しみに。

日本一の源泉数・湧出量を誇る大分の温泉。
あまりに有名なこの温泉というコンテンツの影で、
知られていない地域の魅力を掘り起こし、
グルメ、ショッピング、観光から、
移住定住を想定したライフスタイルやワークスタイルまで、
さまざまな分野を横断して発信していく『エディット大分』。

特集記事ではフリーアナウンサー・宇賀なつみさんが、
別府温泉を旅するストーリーを配信予定です。
公式プロフィールの「好きなこと」欄には
「旅行、お風呂、アート」が並ぶ宇賀さんが、
このレトロで刺激的な老舗温泉街の新しい魅力をレポートします。

フリーアナウンサー・宇賀なつみさんが、別府温泉の新たな魅力をレポート!

フリーアナウンサー・宇賀なつみさんが、別府温泉の新たな魅力をレポート!

漫画家・大橋裕之の旅コラム
「福岡から糸島へのドライブ。
旅の2日目は、大体おもしろい」

さまざまなクリエイターによる旅のリレーコラム連載。
第16回は、漫画家の大橋裕之さんによる福岡県の旅。
二日酔いの状態から旅は始まり、一路、糸島へ。
海を見に行くという目的のなかで、
名物を食べ、初めての体験もいくつか。
さまざまなものに出会い、旅の醍醐味を感じたようだ。

福岡から糸島への観光ドライブ

2014年5月19日の昼前、ひどい二日酔いの状態で目が覚めた。
昨夜、福岡天神のイベントスペースで行われた単行本出版記念イベントの打ち上げで
しこたま飲んでしまったので仕方がない。
旅の2日目なんて大体そんなものだ。
しかし今日は昨夜のイベントを企画してくれた瓜生くんが福岡を観光案内してくれる日。
正直一歩も動きたくないし寝ていたいし水以外は何も口にしたくないが、
なんとか重い体を引きずってホテルをチェックアウトすると、
迎えに来てくれた瓜生くんの車に乗り込み、
友人の安増くんをピックアップして3人で糸島に向かった。

どうやら糸島には海があるという。
糸島は島なのか?
そういえば、なぜ糸島に行くことになったのだろうか。
海辺のまち(愛知県蒲郡市)生まれの人間としては
なんとなく旅先の海が見たくなるので、
おそらく前日にリクエストを聞かれた僕が、
福岡の海が見たいと酔っ払いながら口走ったのだろう。

リクエストしておきながら二日酔いの僕は、道中かなり口数が少なかったと思う。
昨夜の締めに安増くんに連れて行かれた
元祖長浜家〉の濃いとんこつラーメンもかなり効いている。
他県から来た人間には〈元祖長浜家〉の味とニオイが強烈過ぎて
拒絶されることもあるそうだが、
事前情報を聞いていたからなのか酔っ払っていたからなのか、
僕はおいしく食べることができた。
しかしダメージは残ったみたいだ。

温泉の滝に、地獄の景色まで!
地熱のまち湯沢の小安峡温泉と
川原毛地獄・川原毛大湯滝

秋田県の最南に位置する湯沢市。
山形県と宮城県に接し、その県境は国内でも有数の地熱地帯です。
湯沢市の大地をつくりあげたマグマは、いまも「見えない火山」として活動を続け、
観光や産業に生かされています。

湯沢市には、「地熱」という自然エネルギーの恩恵を受けながら、
アツく、力強く、たくましく生きる「自熱」を持った地元の人々がいる——。
新しいことがモクモク起きているこのまちの、新しいワクワクを紹介していきます。

温泉郷に恵まれた「いで湯の里」

「いで湯の里」と呼ばれる湯沢市は、その名のとおり小安峡温泉、
秋の宮温泉郷、泥湯温泉など、県内でも有数の温泉に恵まれた土地。
一帯に湯を湧き上がらせる地熱の力は、地層から水蒸気や湯が吹き出す
全国でも珍しい「大噴湯(だいふんとう)」や、
日本三大霊地と呼ばれる「川原毛地獄(かわらげじごく)」などで体感することができ、
「日本ジオパーク」としても認定されています。

ジオパークを軸に、観光客に大地の魅力を伝えるだけでなく、
地域の子どもたちへの教育にも熱心な湯沢市。
その見どころを、〈ゆざわジオパークガイドの会〉のジオガイド
渡部彰夫さんと菅英夫さんに案内していただきました。

2013年に湯沢市の第1期ジオガイドとして認定されて以来、案内を続ける渡部彰夫さん(右)と菅英夫さん(左)。

2013年に湯沢市の第1期ジオガイドとして認定されて以来、案内を続ける渡部彰夫さん(右)と菅英夫さん(左)。

地熱と豪雪がもたらす全国でも珍しい景観

湯沢駅から車で約40分、小安峡温泉エリアにある「小安峡」は、
深さ60メートルの渓谷です。断層を皆瀬川が削りとり、
岩の割れ目から約98度の温泉と水蒸気が吹き出しています。

「湯沢では見えない火山がまだ活動しているんです。
1分間にドラム缶1本くらいの温泉がどっこんどっこんと湧いているんですよ」
と渡部さん。

約60メートル上の河原湯橋からも肉眼で見えるほど力強く蒸気や温泉が噴き出ています。

約60メートル上の河原湯橋からも肉眼で見えるほど力強く蒸気や温泉が噴き出ています。

この湯が吹き出しているところは「大噴湯」と呼ばれ、約300〜400段の階段を下ると、
遊歩道を散策しながら蒸気のトンネルをくぐることができます。

近づいて見ると、岩の割れ目から湯が吹き出しているのがわかります。すごい迫力!

近づいて見ると、岩の割れ目から湯が吹き出しているのがわかります。すごい迫力!

高温の蒸気や熱水が溜まる「地熱貯留層」の亀裂が露出しているのは全国でも珍しく、
有害なガスも含まれていないため、
大地のエネルギーを間近に感じることができるのも特徴です。

川を流れているのは温泉。小安峡温泉エリアは、一帯に「マグマ溜まり」があるため、どこを掘っても温泉が湧いてくるんだそう。

川を流れているのは温泉。小安峡温泉エリアは、一帯に「マグマ溜まり」があるため、どこを掘っても温泉が湧いてくるんだそう。

こうした景色が見られるのは、地層に加えて、
湯沢が豪雪地帯であり(2021年1月4日現在、積雪は150センチ超え!)、
雪解け水に恵まれていることにも起因しています。
冬、日本海を流れる対馬海流の影響を受けて流れ込んでくる水蒸気を含んだ空気が、
岩手県境の奥羽山脈にぶつかることで、湯沢には大量の雪が降るのです。

「滝、温泉、酒、米、稲庭うどん……湯沢を代表する産業には
全部おいしい水が必要です。いろんな業種が雪の恩恵を受けている、
湯沢は豪雪のおかげで成り立っているとも言えます」と渡部さん。

熱心に解説してくれる渡部さんは湯沢市出身。営業職を経てジオガイドに。「父が石屋だった。自分の地域のことは当たり前で興味もなく過ごしてきたんだけども、ガイドをするようになって、湯沢ならではの仕事だと気づかされました」

熱心に解説してくれる渡部さんは湯沢市出身。営業職を経てジオガイドに。「父が石屋だった。自分の地域のことは当たり前で興味もなく過ごしてきたんだけども、ガイドをするようになって、湯沢ならではの仕事だと気づかされました」

紅葉に加えて、新緑も雪景色も美しい小安峡には、日帰り入浴を楽しめる宿や、
四季折々の景色を楽しめる露天風呂を備えた宿もあり、滞在におすすめです。

小安峡は紅葉の名所。訪れた11月中旬は雪との共演も見ることができました。

小安峡は紅葉の名所。訪れた11月中旬は雪との共演も見ることができました。

小豆島で山歩き!
海も山もまちも近いから楽しめる絶景

小豆島のお正月

あけましておめでとうございます。
2021年も「小豆島日記」をどうぞよろしくお願いいたします。

この年末年始は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、
地元に帰省されなかった方も多いと思います。
私たちもいつもなら家族に会いに帰省して、
東京や名古屋などでお世話になっている方々に挨拶しに行っていたのですが、
今年は初めて年末から年始までずっと小豆島で過ごしました。

しめ縄づくり。稲わら、橙、松の木、ウラジロなど材料は身近なところで集めてきます。

しめ縄づくり。稲わら、橙、松の木、ウラジロなど材料は身近なところで集めてきます。

わらの束をねじりながら、もう1本のわらの束とねじっていく。

わらの束をねじりながら、もう1本のわらの束とねじっていく。

ばらばらのわらが力強い縄になる。ちょっと感動。何事も自分でやってみることが大切。

ばらばらのわらが力強い縄になる。ちょっと感動。何事も自分でやってみることが大切。

年末はぎりぎりまで野菜を収穫、発送。
気づけば2020年も残すところあと2日! という日に、
急いでお餅をついて、しめ縄をつくりました。

お正月に実家に帰らないということは、
お正月準備を自分でいろいろと全部するわけですが、
大掃除、おせちづくり、餅つき、しめ縄飾り……
お正月を迎える準備ってなんて大変なんでしょ。
いやー、ほんと全部はできないです(汗)。
結局ずっとばたばたしながら大晦日を迎え、新年を迎えました。

2021年初日の出を早起きして見に行きましたが、雲に隠れてしまって見えなかった。小さな島と島の間から太陽が見えるはずでした。小豆島の花寿波島(はなすわじま)にて。

2021年初日の出を早起きして見に行きましたが、雲に隠れてしまって見えなかった。小さな島と島の間から太陽が見えるはずでした。小豆島の花寿波島(はなすわじま)にて。

年末についたお餅で元旦の朝はお雑煮。香川は「あんもち雑煮」(白味噌仕立てのお汁にあんもちが入った雑煮)が有名ですが、うちはシンプルなすまし汁に焼いた丸餅とかしわ肉のお雑煮。

年末についたお餅で元旦の朝はお雑煮。香川は「あんもち雑煮」(白味噌仕立てのお汁にあんもちが入った雑煮)が有名ですが、うちはシンプルなすまし汁に焼いた丸餅とかしわ肉のお雑煮。

元日夕方に初詣。日の出は見られませんでしたが、日の入はきれいに見られました。

元日夕方に初詣。日の出は見られませんでしたが、日の入はきれいに見られました。

〈醸す森 kamosu mori〉 洗練フレンチとワインで乾杯! 松之山温泉のカジュアルなオーベルジュ

森の中の“泊まれるフレンチバル”

新潟県、十日町市の山間に位置する松之山温泉。
有馬、草津と並ぶ日本三大薬湯として知られるこの地に、
お酒好きが集まる宿〈バル&ホステル 醸す森 kamosu mori〉があります。
場所は、温泉街から少し離れた森の中。
松之山の老舗旅館〈酒の宿 玉城屋〉の姉妹宿として、2018年にオープンしました。

玉城屋といえば、フレンチと日本酒のペアリングが評判の宿。
東京の2つ星フレンチレストランで研鑽を積んだ栗山昭シェフが、
地元の食材を使って織りなす“里山キュイジーヌ”が人気で、
2020年の『ミシュランガイド新潟』でも1つ星として掲載されています。

そんな玉城屋の姉妹宿として、地元食材を使ったフレンチを
オーベルジュスタイルでカジュアルに楽しめるのが、この醸す森。
たっぷり食べて飲んで、そのうえ、温泉まで堪能できる、
何ともうれしい“泊まれるフレンチバル”なのです。

美しい自然が広がる絶景ダイニング

天井に配された県産杉のルーバーが外の自然とつながっているような、森と一体感のある空間。

天井に配された県産杉のルーバーが外の自然とつながっているような、森と一体感のある空間。

建物に入ってまず目に飛び込んでくるのが、大自然を借景にしたダイニング。
県産杉を贅沢に使った、シックで心地いい空間が広がります。
レストランだけの利用も可能。常時100種類以上のワインと日本酒が揃い、
軽く一杯も、しっかりごはんも歓迎の、自由度の高さが魅力です。

テーブルも県産杉を使ったオーダーメイド。

テーブルも県産杉を使ったオーダーメイド。

人気は、宿泊者限定のお得なコース「4種のワインペアリング付きディナーセット」。
ソムリエがその日の料理にぴったりのワインを選んでくれるので、
ワインビギナーも安心して楽しめます。

今回のメニューはブランド豚〈つなんポーク〉が主役。
地産地消の旬の食材にこだわった、野菜もたっぷりのフレンチは、
軽やかで繊細な味わいが身上。
小さな丸パンは、地元のコシヒカリを使った米粉パン。
米ならではのやさしい風味が印象的です。

日本酒派には、新潟の地酒9種を飲み比べできるセットがおすすめ。
玉城屋の4代目でもあるオーナーの山岸裕一さんは、
世界利酒師コンクールのファイナリストでもある酒のスペシャリスト。
山岸さん選りすぐりの地酒を堪能できます。

日本酒飲み比べセット「のんべえプラン」。醸す森のオリジナル日本酒をはじめ、松乃井、真野鶴、雪男、君の井などのラインナップ。食前酒から食後酒まで、特徴の異なる酒をセレクト。

日本酒飲み比べセット「のんべえプラン」。醸す森のオリジナル日本酒をはじめ、松乃井、真野鶴、雪男、君の井などのラインナップ。食前酒から食後酒まで、特徴の異なる酒をセレクト。

レストランから望めるアートオブジェも必見。昼間は水面に空が映り込み、まったく違う表情に。

レストランから望めるアートオブジェも必見。昼間は水面に空が映り込み、まったく違う表情に。

まるでお殿さま気分!
城の天守にも泊まれる
〈NIPPONIA HOTEL大洲 城下町〉

まちの自然、食、文化、歴史をすべてが味わえる分散型ホテル

2020年7月にオープンした〈NIPPONIA HOTEL大洲 城下町〉は、
大洲城を中心にフロントやレストラン、各客室が
点在する分散型ホテルと呼ばれる宿泊施設です。

松山空港から1時間ほどの距離にある大洲市は、
2004年に復元された〈大洲城〉や、
明治期の名建築〈臥龍山荘〉など歴史的資源が数多くあり、
「伊予の小京都」とも呼ばれている場所。

肱川を挟んで南北に広がる大洲市。

肱川を挟んで南北に広がる大洲市。

近年、古民家などに泊まれる施設は全国にありますが
〈NIPPONIA HOTEL大洲 城下町〉では、
なんと大洲城の天守に宿泊できるんです。

建築家・長坂常の旅コラム
「幕末の徒歩旅に思いを馳せて
距離感覚の歪みを体感する」

さまざまなクリエイターによる旅のリレーコラム連載。
第15回は、建築家の長坂常さんによる日本列島を歩く旅。
幕末の世まで歩いて移動していた日本人を倣い、
日本各地を歩く。
歩いたからこその発見には、どんなものがあったのだろうか。

佐賀の唐津から歩いてどこまで行けるのか?

2018年、珍しく大河ドラマ『西郷どん』にハマって毎週見逃さず見ていた。
そのときに薩摩(鹿児島)から「江戸に行ってきもす」と言って
次の場面では江戸にいたり、
「薩摩に戻りもす」と言ったら次には薩摩にいたりする西郷どんを見て、
「そんな簡単に行けるのか?」って思った。
そして何を血迷ったか2018年の夏、佐賀県の唐津に行ったときに、
2日間ほど時間があったのでどこまで歩いて帰れるかと、
家族と別れ、ひとり歩いて帰ったことがあった。

この旅は、何回か重ねて九州から北海道までたどり着く野望を持っており、
出張などにかこつけてコンプリートできたらと思っている。
その1回目、同時に唐津を離れた家族が新横浜に着いたとメールをもらった頃、
僕はまだ福岡付近の海岸をうろちょろし、
いつものように海岸に上がっているゴミを漁っていた。

海岸にはたくさんゴミが打ち上げられていることはみんなが知っていると思うし、
あまり喜べないできごとではあるが、
僕は悪趣味なのかその辺のゴミの収集癖がある。
そのひとつひとつの形状を見てそこまでの変遷を想像し、
小さな発見をいくつもして、それを楽しむ。

例えば、ボールは削られるとずっと丸く小さくなっていくのかと思いきや、
意外に傾いた形になったりする。ロープも大半が微塵もなくなるが結び目だけが残る。
レンガのような固いものも発泡スチロールのように団子状になったり、
ペットボトルのキャップは不安定な形をしているせいか、
変なねじれ方をして変形している。

そんな小さな発見をビニール袋いっぱいに詰めながら歩くのが趣味で、
そのときもいつものようにそれをやりながら少しずつ東京に近づいて行った。