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はなれていても、あったかい。
今は会えないあの人へ、
別府温泉のポスト投函型
「湯の花」を送ろう!

コロカルニュース

posted:2021.3.1   from:大分県別府市  genre:旅行

〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。

writer profile

Mayo Hayashi

林 真世

はやし・まよ●福岡県出身。木工デザインや保育職、飲食関係などさまざまな職種を経験し、現在はフリーランスのライターとして活動中。東京から福岡へ帰郷し九州の魅力を発信したいとおもしろい人やモノを探しては、気づくとコーヒーブレイクばかりしている好奇心旺盛な1984年生まれ。実家で暮らす祖母との会話がなによりの栄養源。

会えないからこそ、届けたい

日本一の湧出量を誇る、大分県の別府温泉。
その別府温泉で有名な「湯の花」をご存知でしょうか?

湯の花は、薬用効果の高い天然の入浴剤。
江戸時代から続く製造技術によって採取される別府温泉の湯の花は、
「重要無形民俗文化財」にも指定されている特産品です。

その湯の花を、ポストに投函するだけでワンコインで送れる、
ポスト投函型 天然入浴剤〈湯の花ギフト〉が登場しました! 

葉書サイズの箱に湯の花が2包封入されて本体価格380円(税込)。

葉書サイズの箱に湯の花が2包封入されて本体価格380円(税込)。

別府の温泉街がデザインされたこちらのギフトボックス。
120円切手(※)を貼れば、そのままポストへ投函できるんです。

住所と宛名欄に加えて、メッセージを書き込める欄もあり、
送る相手にひと言添えられるのがうれしいですね。

※開封せずに発送する場合の切手料金。(2021年2月1日現在)
※国内向けの発送を前提とした商品です。

切手代と本体を合わせて500円(税込)。切手を貼ってそのままポストに投函できます。

切手代と本体を合わせて500円(税込)。切手を貼ってそのままポストに投函できます。

こちらのギフトボックスは、JR別府駅内にある
〈WANDER COMPAS 別府〉での販売に加え、
こちらのオンラインショップでも購入可能です。

「WANDER COMPAS 別府」のスタッフ三浦さん。

〈WANDER COMPAS 別府〉のスタッフ三浦千佳さん。

ワンコインで郵送できる手軽さが好評で、
1月に発売した1500個はすでに完売。
追加生産を行い、2月5日より再販がスタートしました。

昨年から続くコロナ禍で、別府温泉へ訪れることができない人も
湯の花で温泉気分を味わってもらいたい、
そして今は会えない人に「あったかい」気持ちを届けてほしい。
そんな思いから生まれた湯の花ギフト。

誰に送ろう、なにを伝えよう。考えるだけでワクワクします。

誰に送ろう、なにを伝えよう。考えるだけでワクワクします。

発売元である〈B-biz LINK〉の後藤寛和さんは、
「使用している湯の花は、職人さんの手作業でつくられるので
一度に大量生産が難しい商品です。
今までは別府市内の流通が主でしたが、このプロジェクトを通して、
全国の人に別府の特産品である湯の花を知ってもらう
いいきっかけになれば」と話します。

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湯の花のおどろきの効能とは?

湯の花は、別府温泉に湧出する天然の温泉噴気の成分を伝統技術を使って結晶化させたもの。

湯の花は、別府温泉に湧出する天然の温泉噴気の成分を伝統技術を使って結晶化させたもの。

薬用効果の高い天然の入浴剤、湯の花。

夏はあせもや皮膚病に、冬は体の芯から温まるので湯冷めせず、
疲労を回復する効果が高いため1年中健康でいられるといわれています。
アトピー性皮膚炎や肌トラブルなどさまざまな症状に効果的なのだそう。

大分県・別府温泉といえば一度は訪れたい「地獄温泉巡り」。

大分県・別府温泉といえば一度は訪れたい「地獄温泉巡り」。

近頃は在宅ワークやリモートワークも増え、
慣れない作業に疲れを感じている人も多いのでは?

肩こりや腰痛、神経痛や関節痛などにも効き目があるといわれる湯の花。
コロナ禍で温泉地へ足を運びづらいなか、
自宅にいながら温泉の効能&極楽気分を味わうことができるので、
体の疲れを癒したい、体の芯からあたたまりたいという人におすすめです。

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別府温泉に受け継がれる、伝統の湯の花づくり

湯の花を生産するためのわら葺き小屋の内部。床(とこ)一面に広がるのが結晶化した湯の花。

湯の花を生産するためのわら葺き小屋の内部。床(とこ)一面に広がるのが結晶化した湯の花。

別府温泉薬用「湯の花」は現在、
別府市の明礬(みょうばん)地区と湯山地区で生産されています。
もともと、媒染剤・皮なめし・製紙・沈殿剤などの用途に使われる「明礬」。
明礬は、別府の地で渡辺五郎右衛門が製造を試みたのの失敗に終わり、
その後、唐人の話をもとに工夫を重ね、寛文6年に
「和明礬」の精製に成功したとされています。
(『べっぷの文化財No.45』より)

別府市の街並み。

別府市のまち並み。

その後も唐明礬の輸入に押されるなどしながらも、
別府の和明礬生産は続きます。しかし明治維新後、
明礬の輸入が増加し別府の明礬製造は衰退、失業が相次いだのだそう。
その対策として、明礬の半製品を薬湯用湯の花と名づけて流通させたのが、
今日の湯の花の始まりといいます。

平成18年には、国の「重要無形民俗文化財」に指定され、
湯の花は現在も伝統製法を守りながら生産が続けられています。

草牧信彦さん。62歳、現役の湯の花職人。3棟の湯の花小屋を草牧さんひとりで管理、生産しているのだそう。

草牧信彦さん。62歳、現役の湯の花職人。3棟の湯の花小屋を草牧さんひとりで管理、生産しているのだそう。

現在、明礬地区、湯山地区で湯の花づくりを行っている生産者は4軒のみ。
湯山地区の生産者である草牧さんは、30代半ばから祖父や父親の携わっていた
湯の花づくりを受け継ぎ、30年もの間、湯の花をつくり続けている職人さんです。

原料の青粘土と温泉の噴気ガスの作用で結晶化された湯の花を採取する様子。

原料の青粘土と温泉の噴気ガスの作用で結晶化された湯の花を採取する様子。

長年、湯の花づくり携わる草牧さんは、
「湯の花づくりは、製造中に小屋内の地面が40〜50度になることもあるので
足裏が低温火傷になることもあります。機械が使えないので、
原料の青粘土の運び込みや腰をかがめながらの作業が大変ですね」と話します。

温泉好きな日本人にとって、温泉成分そのままの天然入浴剤はありがたい存在。

温泉好きな日本人にとって、温泉成分そのままの天然入浴剤はありがたい存在。

1月に発売をスタートし、好評の湯の花ギフト。
製造元の草牧さんのもとにも
「湯の花ギフトで初めて湯の花を使ってみたらすごくよかった」
といったうれしい声が届いているといいます。

「湯の花といえば、普段であれば別府温泉のお土産屋さんで
買って帰るくらいだと思います。こういうかたちで届けるという発想で、
湯の花を知らない人に届けられるのはいいこと。
こうやって全国に広がって知ってもらえることはうれしいです」
と話す草牧さんは、オンラインの画面越しに顔をほころばせる姿が印象的でした。

温めたい人に、贈ろう。

温めたい人に、贈ろう。

別府温泉では、今は会えないあの人へ、
メッセージを添えて湯の花を送り、温泉地らしい
「はなれていても、あったかい。」を合言葉に、
お互いのことを思いやりながらも啓発を意識していく
取り組みを継続的に行っています。

「新型コロナウイルスが収束した際には、
またみんなで元気に温泉に来てほしい」という願いを込めて。

湯の花ギフトで、大切なあの人へ
「あったかい」を届けてみてはいかがでしょう?

information

map

ポスト投函型 天然入浴剤〈湯の花ギフト〉

発売元:(一社)別府市産業連携・協働プラットフォームB-biz LINK

住所:大分県別府市末広町1番3号

TEL:0977-76-5205

WEB:大分別府の観光・ビジネス支援 B-biz LINK

オンラインショップ:ポスト投函型 別府湯の花ギフト

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