多田正治アトリエ vol.6
ぼくは普段、京都の〈西大路のアトリエ〉で設計事務所の仕事をしています。
西大路のアトリエは、戦後直後に建てられたといわれる、平屋の町家です。
2013年にその町家を〈ENDO SHOJIRO DESIGN〉の建築家・遠藤正二郎くんと
リノベーションして、いまでも彼とシェアして入居しています。

正面からみたところ。
vol.1~5までは熊野についてお伝えしてきましたが、ここから京都へと舞台を移し、
今回はぼくたちのオフィスである、西大路のアトリエについてお話しします。
もともとぼくと遠藤くんは、京都の五条大宮でいまと同じように
オフィスをシェアして、各自の事務所を構えていました。
そこを退居することになったとき、次は古家を借りて
自分たちでリノベーションしてオフィスにすることにしました。
ぼくの場合、オフィスにいる時間は家で活動する時間よりも長い。
だからこそ、自分たちで考えつくりあげた空間で働きたい、そう考えました。
まずは不動産探しからスタート
ふたつの条件で部件探しを始めました。
・自由に改装してもいいこと
・ペット可(ぼくたちはネコを飼っていました)
いくつか内覧して、見つけ出したのがいまのアトリエです。

beforeー正面から見たところ。

beforeー畳敷きの三間が連続するつくり。

beforeー通り土間には床を張って、台所になっています。
ぼくは大阪に住んでいて、京都まで阪急電車で通勤しています。
このアトリエは阪急の駅からは少し遠いのですが、
ブロンプトンという折畳み自転車を鉄道に持ち込み、輪行する通勤スタイルなので、
駅から遠いことは問題ではありませんでした。
新物件の家賃は、以前の事務所の家賃よりも少し安く、
少なくとも5年はここに居を構えようという決意も込めて、
家賃の差額×5年分を工事費にあてることに。
物件を決め、工事予算を決め、ふたりで設計に取りかかりました。
〈西大路のアトリエ〉の設計
リノベーション前の町家は、京都で典型的な「うなぎの寝床」型の敷地に、
道路から奥に向かって3間が並び、通り土間が貫く間取り。
通り土間は改装されて、床が張られキッチン設備がついていました。
ここから壁や天井を取り払い、大きく吹き抜けた細長い一室空間として、
その中にひとつのキューブを据える構成を考えました。
キューブによって、細長い空間は、通りに面した土間空間や
庭に面した白い空間と緩やかに仕切られます。
キューブを置くというひとつの操作で、
ワンルーム空間の中に、性格の異なる空間を生み出す。
そんなことを考えて設計を行いました。

改装後(上)と改装前(下)の図面。


























































































