山口県内に6つのカフェを展開している〈徳山コーヒーボーイ〉。
店によって異なる外観や内装などチェーン店らしからぬつくり込みと、
こだわりの焙煎から生まれる甘みのあるコーヒーで、
県内外のカフェやコーヒー好きから愛されている。
その副社長を務めているのが、山本統さん。入社7年目で異例の抜擢を受けた。
いかにもやり手に思えるが、
社会に出たばかりの頃は無力感に苛まれ、惰性で日々を生きていたこともあるという。
そんな彼が、徳山コーヒーボーイに入社し、副社長を務めるようになるまでには、
どんな道のりと出会いがあったのだろうか。

旅とコーヒーが大好きだった大学時代
山口県上関町(かみのせきちょう)で生まれ育ち、大分の大学に進学した山本さん。
大学時代は、とにかく海外に行くのが好きで東南アジアを旅したほか、
1年間オーストラリアにも留学している。
さらに、卒業旅行では7か国を経て、日本へ戻ってくる壮大なひとり旅を経験。
異国の地を気ままに歩き、まち並みや食文化の違いを楽しみながらさまざまな人と交流した。
コーヒーもこの頃からの大切な人生の相棒。海外でさまざまなカフェスタイルに触れた。
また、家でも学校でもない「サードプレイス」という考え方に共感して
スターバックスでアルバイトもした。
旅好きを生かせる仕事として地理の教員になることを志し、教員免許を取得。
そして新卒でまずは大手旅行会社に就職した。
「僕が高校の頃に出会った地理の先生は、
自分が行った国や地域の話になるととても生き生きと授業をしていました。
聞いている側にもそれが伝わってきて、ああなりたいなと。
添乗員としていろんな場所に行くことで、
のちに教員になったときに実感のこもった授業ができるのではないかと考えました」

焙煎時に一番いいタイミングで窯出しした豆で淹れる、徳山コーヒーボーイのコーヒーは甘みが強いのが特徴。
震災がもたらした疑問と新しい道
そうして6年ほど勤めた。しかし次第に、ルールやノルマが課せられる職場の窮屈さが、
山本さん自身の気力を削いでいった。
教員になるという夢も諦め、
どこかやり切れなさを抱えながら数字と向き合う日々を送っていた。
そして東日本大震災が起こり、生き方に向き合う気持ちが変化していった。
「このまま会社にいていいのか、もっと納得できる生き方があるのではないかと考え、
会社を辞めることにしたんです」
もう誰かの下で働くのは嫌だ。
大好きなコーヒーに関わりながら、自分のペースで暮らしたい。
そう思った山本さんは当時結婚したばかりの奥さんと上関町で生活を営む準備を始めた。
当時は空き家になっており、幼少期を過ごしていた祖母の家を借りて、
コーヒー豆を売って生計を立てていこうと計画。
会社を辞めるまでの1年間はその準備に費やした。

BEANS&GIFT店にて。直営店ではドリンクの提供だけでなく、自家焙煎したコーヒー豆の販売も行っている。
こうして7年勤めた会社を2012年に辞めた山本さんだったが、
すぐにある転機が訪れる。












































































































