小山薫堂企画・監修。BS朝日「アーツ&クラフツ商会」で生まれた、新しい「津軽びいどろ」

ただいまBS朝日で放送中の番組、「アーツ&クラフツ商会」。
小山薫堂さんが監修するこの番組は、
熟練の職人による、手仕事の賜物である「工芸品」にフォーカスし、
現代のライフスタイルを提案するもの。
日本において住宅というものづくりに真摯に
取り組んでいるセキスイハイムが提供しています。
番組の特徴は、毎回、熟練の技を活かした番組独自の新商品を開発すること。
伝統と今を交えた和の名品が毎回の楽しみなんです。

さて2015年4月20日(月)に放送される最新エピソードのテーマは、
青森津軽が生んだガラスの芸術「津軽びいどろ」。
繊細な色調とやわらかなフォルム。
そして、大胆な色使いが特徴の「津軽びいどろ」は、
1400度の高熱と、ガラスを自在に操る
職人の熟練の技から生まれます。
いまもガラスの原料作りから、そのほとんどが手作業で行われています。

今回番組が尋ねたのは、青森市にあるガラスメーカー、北洋硝子。
浮き玉作りの技術を活かし、津軽びいどろを伝統工芸へと押し上げたメーカーです。
生活を彩る身近な製品から、芸術性の高いモノまで様々なびいどろを
生み出しています。
今回、新しい津軽びいどろのアイテム作りに挑むのは、芳賀清二(はがせいじ)さん。

普段は描かないというデザイン画を描く芳賀さん。

いったいどんな新製品が作られるのでしょう?
その答えは..

森林×地域再生× クリエイティブの新事業。 ロフトワークらが岐阜県で 「飛騨の森でクマは踊る」始動

地球温暖化問題や再生可能エネルギーなど、
エコロジーへの関心はますます高まっていますが
日本の森林の面積はどれくらいあるかご存知ですか?
答えは、国土面積の2/3。実はこの数字、
環境先進国と言われるスウェーデンとほぼ匹敵するのです。
日本は世界でも有数の「森林大国」なんです。

ところが今、国内の林業に危機が叫ばれています。
「間伐材」という言葉があるように、
戦前・戦中に人工的に造林した森林をはじめとする、
一度でも人の手が入った森は人間が継続してメンテナンスしないと、
荒れてしまうのです。
しかし、後継者不足や高い流通コストなどの理由から林業が衰退し、
結果として荒れた森林が増えている、という問題が指摘されています。

北陸新幹線が開業してアクセスも便利になった、岐阜の世界遺産「白川郷」。
その白川村の隣に位置する飛騨市もまた、市の93%を森林が占める町。
古くから「飛騨の匠」として知られるように
木材建築や木材加工で優れた伝統技術が息づいている地域ですが、
森にまつわる同じような悩みを抱えています。

そこで発足することになったのが、「飛騨の森でクマは踊る」。
飛騨市と、林業を通して地域再生を促してきたトビムシ
そして数万人のクリエイターネットワークを持つロフトワーク
官民共同事業として立ち上げた、株式会社です。
飛騨市から現物出資された私有林を、
クリエイティブの力によってインテリアやプロダクトの商品に変え、
地域の経済と森林そのものを活性化させながら、観光客などに訴えていくことを試みます。

かわいい布の博覧会 「布博 in 京都」開催。 春をいろどる一品を探そう!

今年で3年目をむかえる人気イベント「布博」が
4月18日(土)・19日(日)、京都で開催されます!
布博は、テキスタイルデザイナー、
そして布をモチーフとする作家さんが集う、布の博覧会。
会場には、プリント生地・織布・型染め・草木染めなどの
伝統的な技法を使った作品や、
それらを使って生み出される衣類・小物などが並びます。

こちらで買えるものたちは、本当にかわいいものばかり!
布博のイメージはこちらのビデオをご覧ください。

布博 2014 from Akiyoshi Kitagawa on Vimeo.

当日はトークショーやワークショップ、
ライブなども開催。

今回は刺繍作品などを制作している神尾茉利さんや、
テキスタイルブランドブランド「十布」を立ち上げた
滝口聡司さん × 福田利之さん、
朝武雅裕さん(トモタケ)× 飯田純久さん(イイダ傘店マーケット)によるトーク、
笹倉慎介さんのライブなどが予定されています。

〈とやまの木せいひん研究会〉 県内の力を結集して研究し 木製品の向上を目指す

とやまの木せいひん研究会からつながる富山の森のはなし

富山県は、県土面積の約6割にあたる284,000ヘクタールが森林で、
そのうち約6割が民有林だ。
その面積の28%がスギを主体とした人工林で、人工林率は全国平均より低い。
それら人工林のうち半分が9齢級以上で、伐採可能な成熟期に入りつつある。
富山の代表的なスギとして、
タテヤマスギ、ボカスギ、マスヤマスギがあげられる。

県内50社で木製品を研究する。

富山県は国内の製材業のなかでも、特別な事情がある。
かつてロシアから安い木材が大量に輸入されていた。
その窓口のひとつが富山だった。
富山に木材が入荷し、富山で製材され、関西や関東などに出荷されていた。
そんな地場産業として栄えた歴史があったから、
県内では、もともと地域にある木材を使うということが少なく、
国外からの木材を使う時期が長かった。
県内の森で間伐などに手間をかけるよりは、外材のほうがコストが安かった。
結果的に、富山の森に手が入ることがなく荒れてしまった。
灯台下暗しになってしまったのだ。

そのような背景があり、もっと県の木材を
利用していこうという動きが近年、高まってきた。
2011年、最初は富山県からの持ちかけで、
県内の木に関わるメーカーや製材業者などが、
県産材で一般住宅の家具や日用雑貨を提案し、冊子を製作した。

「この事業に参加した多くの方が、
『年に1回くらいはこのような催しをしたい』と賛同し、発展していきました」と、
〈とやまの木せいひん研究会〉設立のきっかけを話してくれたのは
事務局を務めている松田木材の代表取締役社長、松田靖さん。
通常、製材業者と家具メーカーなどが交流を持つ機会は少ないが、
研究会ではさまざまな業種の企業や工房が加入している。

研究会と名がつくからには、実際に“研究”に励んでいる。
木工に関する新しい技術を学ぶ研修会が年に数回行われている。
たとえば塗装や接着剤などのメーカーから直接、
技術者を呼んで説明会などを開催している。
通常このような商品は、問屋やカタログの商品説明から発注してしまうことが多い。
塗装や接着剤メーカーも、1社のためだけに出向くわけにはいかないことが多い。
研修会では会員自身が、家具製作の際に使用している商品や量、
作業工程が適切かなど、細かい部分をメーカーの技術者に直接訊ねることができる。

松田木材の広い敷地内にはたくさんの原木があった。

松田木材のショールーム。

富山県には、ものづくり企業を支援する施設として高岡デザインセンターがあり、
研究会もさまざまな面で協力してもらっている。
たとえば、家具や日用雑貨、小物の新商品開発において、
プロダクトデザインに関する講師を招くなど、ソフト面の勉強会を開催している。
「つくる技術はもちろん、それが消費者のニーズをとらえているのかという視点も、
同時にレベルアップしていきたいと考えています。
これまでの『こういう材料や技術があります』から、
『この材料と技術で、新しいものを提案します』に向かっていきたいと考えています。
研究会では毎年木せいひんの展示会を開催しています。
会員それぞれが新作を出品するので、
業者同士でお互いに技術を披露したり消費者のニーズを調査したりと、
さまざまなかたちでより良いものづくりをめざしています」

松田木材の代表取締役社長、松田靖さん。

県産スギ無垢板の高級下駄箱。

『恋する東京』。 クリエイティブユニット kvinaによる、乙女心をくすぐる 東京デートの完全ガイド

桜の季節も少し落ち着いて、
春から東京の新しい会社や学校での生活が始まった人も、
毎日のリズムに慣れてきたでしょうか。
もうすぐゴールデンウィークも控えているし、そろそろ本格的に東京を楽しみたい! 
そんな方たちにぴったりなのがこのガイドブック、「恋する東京」です。

「恋する東京」誌面より

といっても、ただのガイドブックではありません。
「東京でデートする」という切り口で、さまざまなスポットが紹介されているのですが、
映画「ローマの休日」を銀座で再現したらどうなる? という企画や、
絵本のようなページ、読切の小説やマンガ、
プレゼントに贈るおすすめのアイテムや記念日のためのケータリング、
そしてデートの心得やラブレターの書き方までもりだくさん。
夢見る乙女のような妄想に、読んでいて楽しくなってくる、
そして誰かと東京の街に出かけたくなる気分にさせてくれます。

「恋する東京」誌面より

この本にはこう書かれています。
「わたしたちは、この街に、恋をしています」
「東京の街が、ほんのすこしだけ、あなたにとっても、
楽しく輝かしく、そして大切なものになれば嬉しいです」
誰かと一緒に東京を歩く時の、楽しさや嬉しさ、
心がみずみずしくおどりだすような感覚。
最近あまりそういう気持ちを感じていない、という人は、
ぜひこの本を開いてみてください。
もしかしたら、すてきな恋とデートが訪れるかも。

しなやかで軽い、画期的な竹細工「てんごや 竹スツール」。福岡県八女市の竹に、新しい需要を。

福岡県八女市にある「竹工房てんごや」。
こちらで作られている、八女市の竹を使ったスツール
「竹スツール」は、生産が追いつかないほどの大人気商品。
普通であれば固いイメージである竹の椅子を、
しなやかな椅子に変えた特別な椅子なんです。
デザインは、てんごやのご主人、染谷明さん。
独特の編み方によって、竹特有のしなりがやさしく体に
フィットする、軽くて座り心地のよいスツールです。

染谷さんはもともと、千葉県の出身。
鹿児島の口永良部島に移り住み、
そこで「てんご」=「竹かご」を作り始めたのが
この道に進むきっかけでした。

プラスチック製品の需要が増えるにつれ、
生産量が減ってしまった竹細工。
この竹細工に新しいかたちと需要を与えようと考えた
結果に出来たのが、この「竹スツール」。
竹編みの技術も、染谷さんが考え出したもの。
腰を下ろすと座面がお尻にフィットし、底の接地部分には
ゴムが編み込められていて床面の保護と滑り止めになっています。

横から見たフォルムもステキ

コロカルでは、竹編みのスツールが生まれたきっかけや
竹を使ったものづくりの可能性について
染谷さんにお話をお伺いしました。

ー竹編みのスツールを作ったきっかけは?
「竹細工は遠き昔より今日まで、いわゆる「カゴモノ」ばかりを作ってきました。
その結果、竹カゴ=竹細工というイメージが定着したんです。
衰退の一途をたどる竹細工の復活・再生は、まずこのイメージを
打開することから始めようと考えて「てんごや」を立ち上げました」

ー「竹編みの椅子」はどうやって生まれたんでしょうか?
「骨組みを使わずに、編むだけで作る方法を考案して
椅子を発表したのは12年前です。
当時の竹編み椅子は、カゴの作り方をベースに底組からの展開を変える方式。
まず座面を組み、背もたれから胴を編んで本体を作ります。
それとは別にもうひとつカゴを作って座面の下に入れ込み(これが補強になります)、
本体と合体して出来上がるというもの。
しかしこの作り方だと形の自由がきかず、デザインすることができませんでした」

こちらは経年した竹編みの椅子。現在は受注生産品となっています

ーかなりの苦労があったんですね。
「そこで椅子以外にも応用できる形の竹細工を、と考えたのが第二弾。
椅子にかかる体重を支えるために、末広がりの円筒形を内側に作り、
デザインする本体を外側につくるという方法に辿り着いたんです。
それを椅子にするため、一体構造になるように、
連続して内側から外側へと編んでいき、底を回って合体することで
補強いらずで復元力もある「竹編みスツール」が出来たんです」

〈hum desk aroma〉 佐賀の木工所で手作り! 電気も火も使わない お手軽国産ひのきアロマ

電気や火が使えない場所、例えば会社のデスクでも手軽にアロマを楽しみたい!
そんな願いを叶えるのが、
ステーショナリーブランド「hum」の「デスクアロマ」。
国産ヒノキの筒に、エッセンシャルオイルを垂らして
香りを楽しむウッドアロマディフューザーです。
佐賀の木工所さんが、ひとつずつ手づくりで製作しているんですよ。
このウッドディフューザー本体の中にオイル瓶を収納し、
ヒノキのケースに入れて持ち運ぶこともできるのがすぐれもの。

石川のいいもの、おいしいもの126店!「乙女の金沢 春ららら市 2015」今年も実況します!

コロカルではもうお馴染み!
今年も「春ららら市」の季節がやって来ました。

石川県の若手作家さんたちとお話しながら
作品を買えるマーケット「乙女の金沢 春ららら市」。
4月11日(土)・12日(日)の2日間にわたり、
石川県金沢市の金沢21世紀美術館の向かいにある
「しいのき迎賓館横 しいのき緑地」にて開催されます。

今年は石川生まれのいいものと
おいしいものを揃えたお店が、ずらり126店集合。
作家さんの手になる漆器やアクセサリー、九谷焼の器、
皮小物、家具、織物などが並びます。
珈琲、サンドイッチ、インドカレー、焼き菓子などなど、おいしいものもたくさん!

ライブには、高野寛さん(4/12)や、
ハンバートハンバート(4/11)、
ショコラ&アキト(4/12)などが登場。

シネモンドのららら映画館では、
特設テント映画館にて
かわいい森の妖精「アマールカ」をはじめとする
チェコのアニメーションを上映します。
(入場料300円)

プラネタリウム&ワークショップのセクションでは、
「工房ヒゲキタ」さんによる手づくりプラネタリウム&3D映像上映や、
田辺京子さんによる京九谷焼体験、
ミツル・カメリアーノさんのこいのぼり作り、
九谷焼絵柄ネイルのワークショップなどを開催します。

コロカルでは一昨年&昨年に引き続き、
特設ページにて、当日の模様をTwitter経由で実況中継します。
URLは当日お伝えいたします!
イベント実況「ツイートでららら」公開中です!
会場の様子が伝わってくる中継を、リアルタイムでお楽しみ下さい!

乙女の金沢 春ららら市 2015

「第27回Tシャツアート展」開催! クジラの館長さんに会える、自然が舞台の美術館。

5月2日(土)~5月7日(木)、
高知県の砂浜美術館にて「第27回Tシャツアート展」が開催されます。

展覧会の舞台は、長さ4kmの砂浜。
そして美術館のコンセプトは、
「私たちの町には美術館がありません。美しい砂浜が美術館です。」というもの。
ここは砂浜を展示の場とした、世界ではじめての美術館なんです。

「Tシャツアート展」の作品は、
浜辺一面に並ぶ、思いおもいのデザインが描かれたTシャツ!

デザインを描くのは、一般公募によって集まった皆さんです。
毎年、日本全国と海外からおよそ1000点の応募があり、
それがすべてオーガニックコットンのTシャツにプリントされ、展示されるそう。
これは壮観ですね!

地元のおじいちゃんとおばあちゃん。お孫さんと写っている写真がTシャツに。

期間中は、今年の審査員である
絵本作家・宮西達也さんを迎えた「ひらひらお話会」や
谷川真理さんと走る「第30回シーサイド
はだしマラソン全国大会」(主催 黒潮町教育委員会)、
おいしいものが並ぶ「海辺のお店やさん」などなど、
イベントも多数予定されています。

ダンスや演奏の発表が行われる「ひらひらステージ」(上)と、「海辺のお店屋さん」(下)

写真提供 砂浜美術館

〈mokumoku〉 木への愛情にあふれた、 つくり手の顔が見える家具屋さん

mokumokuからつながる沖縄の森のはなし

全国屈指の人気観光地として抜群の知名度を誇る沖縄。
海のイメージが強いが、島のおよそ半分、県土面積の47%を森林が占める。
森林は木材の生産をはじめ、台風や豪雨などの気象災害から県土を保全し、
水資源のかん養や動植物の生息・生育の場など、重要な役割を果たしている。

沖縄本島の森林は〈やんばる〉と呼ばれる北部地域に集中している。
やんばるの森の特徴は、まるでブロッコリーのようなモコモコとした形。
その正体は、イタジイ(スタジイの沖縄での地方名)という木で、
大きいものでは高さ約20メートル、
幹の直径は1メートルにも達する常緑の広葉樹だ。
県木に指定されているリュウキュウマツのほか、クスノキやセンダン、
イスノキなど、たくさんの種類の木も生育している。
そんなやんばるは、戦後の復興時期に多くの木が伐採され、
一時は荒廃してしまったことも。しかし地道な植樹と森林の再生力により、
豊かな森を取り戻すことができ、現在では沖縄県が整備・保全を進めている。

沖縄では近年、県産木の人気が上昇中だ。
乾燥加工技術の開発や施設設備が推進され、
家具や調度品といった付加価値の高い商品の生産が可能となり、
幅広い利用が期待されている。
木育や、木工家が集まって展示・販売を行う〈沖縄ウッディフェア〉の
開催などを通して、県産木材の需要拡大を図っている。

木工家も木の種類も、個性的で多種多様

那覇から車を走らせること40分。通り沿いにアメリカの中古家具や雑貨、
中国家具を扱う店が数多く立ち並ぶ宜野湾市大山。
家具店の激戦地ともいえる場所に店を構えるのが
〈沖縄工房家具mokumoku(もくもく)〉だ。
mokumokuは7つの工房が共同経営する店舗で、
それぞれの作品を展示・販売したり、オーダーを受けたりする。

「作業場と材料を置く場所は確保できても、
ひとりでは、ギャラリーを設置するまでは手が回らない。
だから作品を展示して販売するのは、年に数回しかない展示会だけ。
でも、ひとりでは難しくても、共同でならショップを構えられるし、
いつでも自分たちの作品を見てもらえるかなと」

立ち上げたきっかけを話してくれたのは、〈WOODYはる房〉の屋良朝治さん。
当初は、8工房の9人でスタート。
その後、メンバーの卒業や新加入などがあり、
設立から12年経った現在は7工房8人で運営している。
店内に入ると、心をリラックスさせてくれるような
清々しい木の香りが鼻をくすぐる。
ダイニングセットから子どもイス、カトラリーやおもちゃ、壁掛け時計など、
木でつくられた作品が所狭しと展示され、
質感、風合い、触り心地、においなど、木をリアルに感じることができる。
それぞれの個性が作品に表れているから、見れば見るほどおもしろい。

「僕はハマセンダンという木をよく使うのですが、香りが良く、
木目も角度によって見え方が違う。
そのときどきでおもしろい表情を見せるので好きですね」
と話す〈テツモク〉の豊田修さんの答えを受け、
「私はイタジイが好きなんですよ」と話す〈WOODWORKS〉の宮野信夫さん。
「僕はクスノキかな」と〈木工房ため&KAN〉の石川寛さんがいうと、
「僕は若い女性が好きだな」と〈木工房 木妖精(きじむなー)〉の
外間則道さんが言い、みんなで大笑い。
作品に使われている木の素材もいろいろあるが、メンバーの個性も多種多様。
さまざまな木が互いの存在を認め合ったり、助け合いながら、
ひとつの場所に集っている。mokumokuはまるで森のような存在と感じた。

(前列左から)木工房 桜SAKUの佐久川政吉さん、テツモクの豊田修さん、WOODWORKSの宮野信夫さん。(後列左から)木工房 木妖精の外間則道さん、木工房ため&KANの石川寛さんと為村千代美さん、WOODYはる房の屋良朝治さん。

店内には、家具やインテリア小物も豊富に展示されている。

「はるの、パン祭り」&「手創り市 雑司ヶ谷」。七輪でパンを焼く「トースト部」がオープン!

4月19日(日)、東京の雑司ヶ谷にて
「はるの、パン祭り」と「手創り市 雑司ヶ谷」が同時開催されます。
会場は「鬼子母神」と「大鳥神社」。
いつもは静かなお寺と神社の敷地内が
200店以上のブースでにぎわいます。

「はるの、パン祭り」が開催されるのは鬼子母神会場。

こちらの会場内には、購入したパンをその場で
切って・焼いて・食べれるスペース「トースト部」がオープン!
受付で参加料100円を支払ったら、
好きな陶芸作家さんのお皿を選び、七輪でパンをトースト。
焼き上がったら、テーブルの上に用意されたお手製のジャムやはちみつ、
オリーブオイルをつけていただきます。
これはうれしいですね!

ベーグル専門店「HIGU BAGEL&CAFE」。石臼挽き小麦を使用し、程よい皮のひきと、もちもち食感が特徴のベーグルをつくっています。

「はるの、パン祭り」には
中野にある天然酵母パンの店「Blanc chien」さんや
板橋のベーグル専門店「HIGU BAGEL&CAFE」さんなど、
東京をはじめ、全国からパン屋さんが集まります。

国産小麦と体に優しい素材を使い、天然酵母のパンを一つひとつ手づくりしている「Blanc chien」。手折りのパイが人気です。

パンと珈琲と雑貨のお店「うぐいすと穀雨」。おすすめは、何もつけなくてもしっかりした味のする食パン「まいにち」。

季節の素材にこだわったジャムやグラノーラ、焼き菓子をひとつひとつ手作りしている「西洋菓子ミレイヌ」。果実感たっぷりの自家製ジャムがおすすめ。

出店者の一覧はこちら

〈輪島キリモト〉 漆器の素材を生かしてつくる 「あすなろシリーズ」

輪島キリモトからつながる石川の森のはなし

石川県は、総面積のうち7割が森林面積を占める、森林資源豊かな土地。
岐阜県との県境に位置する、標高2702メートルの霊山・白山にはブナの天然林もある。
この森林面積の約9割が民有林となるが、
戦後の拡大造林の推進により、そのうち4割が人工林として造成されてきた。
樹種は、スギ71%、能登ヒバ(アテ)12%、マツ9%だが、
なかでも能登ヒバは、能登地域に植えられる石川県独特の樹種。
昔から建材としてはもちろん、木工品などにも使われてきた。
現在、この人工林の約6割が成熟期を迎えているといわれるが、
国内全体での木材自給率は低く、木が森に残されてしまうような状況が続いている。

能登半島の穴水町。能登ヒバが植林され、手入れされている森。

眠っている素材を生かしたプロダクト

能登半島の漆器のまち輪島で、150年以上にわたり
ものづくりをしている「輪島キリモト・桐本木工所」。
ほかの漆器の産地と同じく分業制が根づく輪島で、
お膳の猫脚や仏具などの木地をつくる「朴木地屋」として昭和初期に創業し、
現在は三代目の桐本泰一さんが多くの職人さんを束ねながら、
商品の企画から販売まで手がけている。

石川県も他県と同様、森林の状況はあまりよくないというが、
輪島の場合は山が浅いこともあり、人の手が入っているほうだという。
というのも輪島では大工さんが地元材を使うことが多く、
15年ほど前までは住宅の地元材使用率は8割を超えていたのだそう。
その地元材が、スギとアスナロ。ヒノキ科の針葉樹であるアスナロは、
たとえば青森県では「ヒバ」と呼ばれるなど、地域によって呼び方が異なる。
「アテ」という石川県の県木も、このアスナロのこと。
耐水性にすぐれ、ヒノキに似たさわやかな香りがあり、
抗菌性のあるヒノキチオールを含んでいる。
スギよりも水に強いため、外壁材など、多く建材として使われてきたが、
輪島では文箱や屠蘇器といった漆器の木地に長く使われてきた素材でもある。

「匙などにはホオノキ、椀にはケヤキなども使われていますが、
さまざまな漆器の木地にアスナロが使われてきました。
アスナロ中心といっても過言ではないくらいです」と桐本さんが言うように、
輪島の人たちにとってはなじみ深い素材なのだ。

輪島塗の木地として古くから使われてきたアスナロ。ヒノキチオールを多く含み、殺菌効果がある。

アスナロを木材として仕入れてから木地として使用するまでには時間がかかる。
狂いを少なくし、長持ちさせるために、水分量が一定になるまで木を落ち着かせるのだ。
天日で3年、その後風通しのいい場所で1年、
さらに倉庫で5~6年ほど寝かせたものを使うのが基本。
だが、現代では漆器が日常であまり使われなくなったこともあり、
木が倉庫に眠ったままの状態になってしまっていた。
これらをなんとか生かせるものがつくれないだろうかと生まれたのが、
輪島キリモトの「あすなろシリーズ」だ。

甲斐みのりさんの書籍『はじめましての郷土玩具』。愛くるしい日本の郷土玩具、選りすぐりの320点!

日本全国津々浦々で作られ、
その数、およそ3000にもなるという、郷土玩具。
甲斐みのりさんの書籍「はじめましての郷土玩具」は
「達磨」や「こけし」のような、よく知られるものから、
「かなかんぶつ」「流し雛」「みくじ鳩」のような特色ある玩具、
そして郷土のお菓子などを紹介した本です。

出てくるのは愛くるしくて味のある郷土玩具ばかり。
でもよく見ると、
鳩や兎のように、いろいろな地方で玩具になっている動物でも
目や羽がまるで違う色に塗られていたり
着ている服やポーズが地方によってまったく変わっていたりして
バリエーションの多さに、見るだけでも楽しくなってきます。

これらの多くは江戸時代から明治時代にかけて生まれ、
無病息災や商売繁盛など、庶民の願いや祈りが込められているそうです。
高知や長崎のように、かつて捕鯨で有名だった土地では、鯨の形をした玩具があったり、
北海道では、アイヌの人たちが崇拝する熊の人形がつくられていたり、
土地にまつわる歴史や風土も知ることができて、ちょっとした勉強にもなります。

〈ワークス・ギルド・ジャパン〉 秋田杉の間伐材で 暮らしにやさしい響きを

ワークス・ギルド・ジャパンからつながる秋田の森のはなし

秋田県の森林面積は、県土の70%。半分は天然林、もう半分は人工林。
全国で6番目に大きい県である秋田県は、森林面積の大きさでも全国6番目。
山形県に接する県南の境界線には鳥海山がそびえ、
青森県に接する北西の境界線には世界遺産の白神山地がある。
秋田は、深く広大な森の国であった。

秋田杉は、木曽ヒノキや青森ヒバと並ぶ日本三大美林のひとつ。
秋田の天然林のほとんどはナラやブナであり、
天然秋田杉の割合はごくわずかだ。
だからこそ、この森林の存在は、東北の地の大きな財産である。
人工林だけを見ればそのほとんどがスギで、
資源量の豊かさで秋田は日本一である。秋田は、スギの王国であった。

秋田杉の木目には、物語が刻まれている。
どんな場所で、どんなふうに育ったのかを語っている。
木目の幅の揃い方。ほんのりと赤みを帯びたやさしい色合い。ほのかな香り。
間伐材の1枚にも、その素晴らしさは、生きている。
秋田杉は、秋田の宝である。

やや赤みがかった肌の色をした秋田杉。木目の幅は、成長のスピードを示している。秋田の気候のなかでゆっくりと育った木であることを無言で物語っている。

木のおもちゃで、五感を育てる

秋田県秋田市のワークス・ギルド・ジャパンは
オリジナリティあふれる木工品で、いま注目を集めている。
つくっているのは、暮らしにとけこむ木製玩具だ。
デザイナーの大野英憲さんは言う。
「伝統工芸や家具などをつくる会社や人は、秋田にはすでにたくさんいます。
この秋田の地に蓄えられた素材や、木工の知恵と技術をうまく活用しながら、
僕らにしかできないものづくりをめざしました」

ワークス・ギルド・ジャパンのデザイナー、大野英憲さん。もともと神奈川を生活の拠点としていたが、縁あって秋田に来た。いまは1か月のうちの10日間を秋田で過ごす。時間があれば、木材会社や加工会社を回り、職人さんたちとの雑談を楽しむ。

たとえば、2011年にグッドデザイン賞を受賞した〈ベント・ウッド・サイクル〉。
北欧文化にあるという、自転車の乗り方を学ぶこどものためのトレーニング自転車を、
秋田の曲げ木の技術を取り入れて開発したものだ。
家の中でベント・ウッド・サイクルで遊ぶうちに、
からだのなかでバランス感覚が自然と身につき、磨かれていく。

また、たとえば、〈モパラグ〉という名の、
スギでできた81のピースでつくるパズル式のラグマット。
菱形や三角形の木製ピースを並べていくと、幾何学模様のトリックアートができあがる。
遊び心に満ちた、フシギで楽しい知的インテリアだ。
どちらも、家のなかにあるだけで、自然とワクワク感を生み出す。
木と遊び、木で学び、木で育つ。
「木育」こそ、ワークス・ギルド・ジャパンのコンセプトなのだ。

コロカル商店でも扱っているキュートな木工自転車「ベント・ウッド・サイクル」。木のやわらかい質感がいい。曲線が美しく、家のなかにあるだけで、うれしい。

東京・月島の「セコリ荘」がキャンピングカーで旅に出た。参加型プロジェクト「セコリ百景」

東京の下町、東京・月島の古民家を改装した
コミュニティスペースとして人気を博した「セコリ荘」。
オーナーは、コロカルでも「セコリプレス」を手がけた
宮浦晋哉さん。
このたび、セコリ荘は3月15日で営業をお休みしたのですが、
その代わりに参加型コミュニティサイト「セコリ百景」がオープンしました。
生産者と消費者の間に新しい繋がりを生む、新サービスです。

これまで宮浦さんは「セコリギャラリー」として
年間約200社の工場・工房の訪問取材を続けてきました。
Webサイト「セコリ百景」では、日本全国の生産地を
キャンピングカーで数ヶ月に渡って旅をしながら、
こだわったモノづくりにより生み出された製品を集めて紹介します。
それぞれの風土を体感し、魅力を深く掘り下げ、
モノづくりとモノがたりをより強く発信するという目的があるのだそう。

〈角館伝四郎〉 山桜の樹皮に宿る美を 世界に問う

角館伝四郎からつながる秋田の森のはなし

秋田県の森林面積は、県土の70%。半分は天然林、もう半分は人工林。
全国で6番目に大きい県である秋田県は、森林面積の大きさでも全国6番目。
山形県に接する県南の境界線には鳥海山がそびえ、
青森県に接する北西の境界線には世界遺産の白神山地がある。
秋田は、深く広大な森の国であった。

秋田・角館に宿る、樹皮の美の伝統

〈角館伝四郎〉は創業1851年。
上質な樺細工を生みつづける革新の老舗ブランドである。
樺細工の“樺”は白樺ではなく、山桜の樹皮。
江戸時代末期、秋田支藩の城下町として栄えたまち・角館で
下級武士の手内職として始まったとされる伝統工芸である。

商品の顔が樹皮であるという強烈なインパクト。
ひとつとして同じものはない圧倒的な個性。
山桜の樹皮に宿る模様と色の美しさ。
密封性に優れた機能面。際立ったそれらの特徴を持って今日に生きている。
樺細工の伝統は、日本で唯一、角館だけで育まれたもの。

角館伝四郎の六代目である藤木浩一さんは、
その伝統の技を生かしながら樺細工の世界に幅と奥行きを与え、
自らの手で普及に取り組んでいる。
人口13,000人の小さなまち・角館にある店舗に、ぜひ足を運んでいただきたい。
茶筒、菓子皿、素箱、ランチョンマット、パン皿、コースター、
箸置き、名刺入れの数々が並ぶ。
樺細工のある暮らしの美しさと広大さに一瞬で魅了されることだろう。

店舗の奥にあるのは、蔵を改築したショールーム。薄暗い空間のなかに整然と並ぶ樺細工が照らし出されている。

やさしく丁寧に取材に応じてくださった藤木さん。伝統の技とデザインを融合させるコンセプターでもある。樺細工の伝統技法を受け継ぐだけではなく、それを生かした新しい取り組みを進め、時代に合う、樺細工のあるライフスタイルを提案する。

〈シンラテック〉 地元で豊富なシイノキを 家庭のプロダクトへ。

シンラテックからつながる山口の森のはなし

本州の最西端に位置する山口県。
北、西、南の三方を海に囲まれ、その中央部には中国山地が横断している。
島根県、広島県の県境にあたる東部には高い山々がそびえ、森林率は72%。
人工林は18万9000ヘクタールで、人工林率は44%。
木材生産量は16万7000立方メートルだ。
県下での林業従事者はおよそ1,000人である。

山口県の木材ではとりわけヒノキが良質で、
奈良県の東大寺が再建される際、山口市徳地で伐採された大木が
瀬戸内海を経由して運ばれた歴史がある。
また、古くから色みに優れたアカマツも育っており、
それらは〈なめらまつ〉と呼ばれ、全国的な知名度を誇る。

そんな山口県では、〈森林バイオマスエネルギープラン〉により、
木質ペレットの生産、木質チップによる石炭混焼への取り組みなどを通じて、
木材のエネルギー利用に力を入れている。

長門市にある市指定天然記念物〈シイノキ巨樹群〉。シイノキは日本特産の樹木で、この巨樹群では幹回り4.6メートルを筆頭に、3メートルほどに育ったシイノキが群生している。

自らの手で林業を変えていく。

山口県長門市の〈シンラテック〉とシイノキのつき合いは長い。
昭和34年の創業以来、同社では近隣で育ったシイノキを伐採し、チップを製造してきた。
「山口県全体でいうとヒノキやスギが有名ですが、
長門市は昔からシイノキの産地だったんですよ」
そう教えてくれたのは3代目社長・近藤友宏さんだ。

大学の工学部を卒業し、IT系コンサルティング会社に就職。コンサルタントを経験した後、家業であるシンラテックに。「日本の林業を変えたい」「林業という仕事に誇りを持ちたい」という熱さを備えた人物だ。

左手に見える第一工場ではフローリングや製材などの加工全般、右手にある第二工場では小物類が生産されている。

ここでつくられた木材チップは、紙の原材料として
日本製紙株式会社へと納品されてきた。
そんなシンラテックが転機を迎えたのは2010年。
近藤さんは木材チップ製造に加え、新たに製材部門の立ち上げに着手した。
その背景にはこんな想いがあった。

「日本では、大部分の森が手をつけられないまま放置されています。
国産材、県産材を使いたいという声は確かにあるのですが、
価格や安定供給がネックになって叶わない。加えて、自分で調べていくうちに
日本が林業や木材産業においては発展途上国だという事実を知りました。
この仕事に誇りを持って臨んでいけるよう、
もっと林業に向き合っていく必要があると思ったんです」

木材チップの製造工場。ここで大量の木材チップがつくられていく。

工場に運び込まれた状態のシイノキ。これからフローリング、小物用、チップ用に分別される。

シイノキの断面。広葉樹ということでほどよく固さがある。長門市では主にスダジイ、ツブラジイが見られる。

木材チップ用の木々が次々とベルトコンベアへ。

できあがった木材チップ。辺りには木の香りが広がっていた。チップはその後、大型車に積み込まれ、製紙工場へと運ばれていく。

靜岡縣護國神社「ARTS&CRAFT静岡手創り市」。“green”をテーマに開催!

4月11日(土)・12日(日)、
静岡県静岡市の靜岡縣護國神社にて
「ARTS&CRAFT 静岡手創り市」が開催されます。
緑豊かな静岡縣護国神社に、140店以上のお店が並びます。

2010年にはじまり、今回で10回目を迎えるこのクラフト市。
今春は、春の新緑のように変化し
成長しつづけていくことを願って、
“green”をテーマに開催。
会場全体に“green”をテーマとした工芸・クラフトや
ごはん、静岡の産物などが並びます。
これは、春にぴったりのクラフト市ですね!

ジュエリー作家、桑山明美さんによるジュエリーコレクション「aei」

三重県伊賀市より、京野桂さんのうつわ

兵左衛門が作るユニークな箸 「かっとばし!!」。 福井・小浜発、原材料は 折れた野球バット!

日本の食文化に欠かせない身近な存在の「お箸」。
福井県小浜市で、天然漆と天然木にこだわる作り手さんの「兵左衛門」。
折れたバットをリサイクルしたユニークな箸「かっとばし!!」
を手がけています。

この箸の原材料は、試合などで使用中に折れたバットや、
バット製造時にでる端材。
本来なら破棄される破損バットをリサイクルし、
12球団それぞれのマークを入れて製品化しました。
そのため、野球ファンからも注目されるプロダクトになったんです。
箸だけでなくスプーンやフォーク、ペンも作られています。

でもどうして、折れたバットを材料にしているんでしょう?
その理由は、実はバットは箸に向いた木材なんだそう。

「私たちが作っている商品のほとんどが塗箸です。
塗箸に適した木材で、且つ値段が安定している木材から、
その時々で最も品質が良いものを調達するというスタンスで箸作りを行っております。
実は、バットの必須条件である「硬くてしなりがあること」というのは、
箸に適した素材の条件と合致しているんです。
この商品の売上げの一部を、バットの材料になる
「アオダモ」という国産材の植樹活動にあてています」(兵左衛門・孝忠さん)

こちらが原材料のバット

未来をつくり、支える 10のコト・場所づくり

“場づくり” “サービスづくり” “プロジェクトづくり” のキーパーソンに出会う

「貝印×コロカル これからの『つくる』」では、
この1年でさまざまな分野の「つくる」のキーパーソンと出会ってきた。
これからの日本を牽引していくキーパーソンたちの言葉は実に力強い。
2014年度のまとめの後編では、
「場づくり」「サービスづくり」「プロジェクトづくり」など、
ものづくりの枠を超えた多角的な試みをピックアップした。
挑戦を続けるキーパーソンたちの言葉からヒントを得てほしい。

「食べ物と暮らす場所」をつくる。「KYOCA FOOD LABO」

「KYOCA FOOD LABO」のロゴ

前編 https://colocal.jp/topics/think-japan/tsukuru/20140506_32395.html
後編 https://colocal.jp/topics/think-japan/tsukuru/20140513_32759.html

全国からの食材が集まり、京都の食を支える京都中央卸売市場第一市場。
鮮魚・塩干・青果、京野菜を中心に小売業者や料亭の求めに応じ多種多様な食材が集まる。
東京において築地が日本を訪れた外国人にも注目される観光スポットであるように、
京都の「市場」も「食」を体験するワンダースポットに変わろうとしている。
その中心となるのが、2014年7月にオープンしたKYOCA。
京都中央卸売市場に隣接した京果会館がリノベーションされ、
食とデザインのラボラトリーとして生まれ変わろうとしている。
新しい京都を「つくる人」として、
KYOCAの企画・運営をする株式会社ウエダ本社の岡村充泰社長にお話を伺った。

伝統に培われた日本の職人の 技術や芸術性を世界へ伝えるプラットホーム。 studio「仕組」

studio「仕組」が手がける靴型

前編 https://colocal.jp/topics/think-japan/tsukuru/20140603_33436.html
後編 https://colocal.jp/topics/think-japan/tsukuru/20140610_33588.html

studio「仕組」は工芸家、大工、グラフィックデザイナー、
映像制作者からプログラマーまで、各業界の職人たちからなる、
ものづくりに関わる人たちのための「職人組合」。
原宿の一角にヘッドオフィスがあり、
埼玉県朝霞市に、アーティストや職人たちが共同で運営する工房
「studio u5(スタジオ ユーゴ)」がある。
アーティストや職人に場を提供し、
作品制作支援や海外などに作品販売のマーケットを開拓することで、
伝統工芸職人や美術作家の制作支援を行っている。
「日本の技術を守る。それがスタジオ仕組の理念なんです」
とstudio「仕組」代表の河内晋平さんは話す。

関西から福井県に移住してきた20代による デザイン+ものづくりユニット。「TSUGI」

「TSUGI」のスタジオ

前編 https://colocal.jp/topics/think-japan/tsukuru/20140715_34653.html
後編 https://colocal.jp/topics/think-japan/tsukuru/20140722_34764.html

TSUGIとは関西から福井に移住した20代7名による
ものづくりとデザインのユニット。
木工、眼鏡づくり、デザイン、地域活性や自然環境NPOなど
それぞれが地域で仕事をしながら、
ものづくりをテーマとしたイベントの企画をしている。
河和田の「食」と「暮らし」の魅力を広めるべく、
鯖江の若者コミュニティづくりやコラボレーションに奔走する
若者たちの活動を追った。

〈マエダ木工〉 スギ家具には傷がつきやすい。 しかしそれは子どもの 日記である。

マエダ木工からつながる福井の森のはなし

土地面積は約42万ヘクタール、そのうち森林が約75%を占めている福井県。
民有林の面積は約27万ヘクタール。
そのうち人工林が約40%を占めていて、その90%近くがスギである。
間伐期や主伐期を迎えている森林資源は増えているが、
ともに十分に利用されていないのが現状である。

平成22年から始まった〈ふくいの元気な森・元気な林業戦略〉では、
“木を伐って使う”流れを太くする取り組みを強化するため、
林業を産業として再生する“経済林”と
自然災害や鳥獣害から暮らしを守るなど、多面的な機能を発揮する“環境林”の
ふたつの側面から、多くのプロジェクトを進めている。

思い出とともに一生ものになる、子ども向け家具

福井市にある〈マエダ木工〉の前田智之さんは、大学を卒業後、
京都の木工所2か所で、合計9年の修業を積んだ。
さらにドイツに1年間、木工留学し、マイスター学校で勉強。
帰国後、地元福井に戻り、マエダ木工を開設した。
現在の主な業務内容としては住宅のつくりつけ家具やリフォーム、
百貨店の什器などを製作している。

代表の前田智之さんは二児の父。

これまでは外国産材か、国産でも広葉樹を使用することがほとんどだった。
あるとき、東海地方の木工仲間で組んでいた
〈未来家具〉というグループに誘われて参加した。
“ものづくりを通して森づくりを”というテーマで、若手木工作家が地域の針葉樹を使い、
次世代に残したい家具や小物を提案するというグループだ。
この展示会に出展するのに、本格的に県産スギを使ってみたところ、
「すごく使いやすかった」という。

「やわらかすぎて難しいというイメージでしたが、
傷がつくといってもまあまあ、それなりかなと。
それよりも淡いピンクの見た目がすごくきれい」と新しい発見があった。

「スギはあたたかいし、手触りがいい」という前田さん。

未来家具チームのなかでも、前田さんに子どもがいることもあり、
自然と子ども家具に注目していった。
そして〈日記家具〉という、新しい子ども向け家具ブランドを立ち上げることになる。

スギと家が合体したロゴ。

「当時、一生使い続ける家具をつくりたいと思っていたんですが、
実際は簡単な話ではありません。スギだと傷がつきやすいので、
家の中心に置くキャビネットのようなものはダメだろうと。
しかし子ども用家具なら、小さいころに買ってボロボロになっても、
思い出とともに味になっていくと思ったんです。
もちろん当初は、“スギだから傷がつきやすいことを大きく謳っておかないと
問題になる”と思っていました。
だけど思い切って、“傷がつきますということを特徴にしてしまおう”と、
考え方を切り替えたんです」

子どもが傷をつけないはずがない。だったらコンセプトにしてしまえばいい。
スギの傷つきやすさを逆手にとったのだ。
「むしろ傷をどんどんつけていってほしいくらいです」と前田さんが言うように、
“柱の傷”の発想。それはひとつひとつが思い出であり、子どもの“日記”なのだ。

『民藝の教科書』監修者・久野恵一さんによる 『手仕事のある暮らし展』開催!

4月18日(土)〜26日(日)、
東京・三鷹にあるギャラリー「Caparison」にて
民藝店 「手しごと」さんの主催による
「手仕事のある暮らし展」が開催されます。

「手しごと」さんのオーナーは、人気シリーズ
「民藝の教科書」(グラフィック社刊)の監修者、久野恵一さん。
優れた手仕事に直にふれてほしいと、
全国各地でイベントを開催してきました。

過去に開催された「手仕事のある暮らし展」の様子(東京都三鷹市 Caparison)

このイベントでは、見事な手仕事を観賞できるとともに、
お買い物もできます。
日本各地の工人による手しごとの数々と、
岡山県倉敷市に伝わる敷物、倉敷緞通(くらしきだんつう)の
瀧山雄一さんによる手織りの織物が並びます。

いまの民藝にふれられる「手しごと」のお店

「手しごと」さんは、世田谷の閑静な住宅街にあります。
「現代のライフスタイルに適う民藝の良品を、
みなさまの日々の暮しにお届けしたい。」
という久野さんの思いから、2014年5月にオープンしました。

ここでは、これまでに「手しごと」さんで取り扱ってきた作品の一部をご紹介します。

沖縄県読谷村にある北窯から、宮城正享さんの器。爽やかな模様がすてきです。

富山県にあるわたなべ木工の欅白木パン皿。使いこむことで味わい深い色となったパン皿を見て、久野さんが再現したものだそう。

島根県の永見窯でつくられた灰釉面取鉢。釉薬の流れ具合いがうつくしいです。

※掲載商品は作家が一つひとつ手づくりで制作しているお品のため、品切れの場合もあります。ご了承下さい。

上質な手しごとを、もっと身近に。埼玉県・狭山稲荷山公園にて「みどりのクラフト」初開催!

4月11日(土)、埼玉県の狭山稲荷山公園にて
クラフト市「みどりのクラフト」が開催されます。

見晴らしのよい公園に
「カフェと暮らしの道具 acht8」さん、
「コーヒーとおやつとごはん Tuuli」さん、
絵描きのTAKAHASHI AYACOさん、
手づくりのリネンウェア「talo」さんが厳選した
41組の作家さん、生産者さんのお店が並びます。

金属の素材そのものの性質を生かしたアクセサリーとオブジェ「Shima」

栃木県益子町に暮らし、うつわを中心に制作している中園晋作さん。

埼玉県入間市で農薬や化学肥料を使わずに野菜を栽培している「FAM FARM」

〈アサヒ〉 独自の乾燥技術が日田杉を 3世代家具に変える。

アサヒからつながる大分の森のはなし

別府、湯布院という全国的な知名度を誇る観光地を有する大分県。
森林面積は約45万3000ヘクタールあり、県土の71%を占める。
そのうち人工林は53%、天然林が38%となっており、
この豊かな森林資源は木材の生産のみならず、
県の名産であるシイタケの生産にも寄与している。

大分県では3つの柱によって森林の整備・保全を進めている。
ひとつが、荒廃森林を整備することによる「水をはぐくみ、災害を防ぐ森林づくり」。
ふたつ目が、自然と触れ合って学べる「子どもの森」の整備や
地域の特色ある森林を「百年の森」として整備する「遊び、学ぶ森林づくり」。
最後が山づくりに携わる人々が木を伐った利益で植林することで
「長期育成循環林」を整備する「持続的経営が可能な森林づくり」だ。
健全な森林の育成サイクルをつくり、維持することで、
大分では県をあげて豊かな森林づくりに取り組んでいる。

再造林された森林。大分県の民有林におけるスギ人工林の蓄積は全国3位。また、スギの丸太生産量も全国3位である。

日田杉の価値を高める。

家具製造会社〈アサヒ〉がある大分県日田市は、かつて幕府の直轄地・天領だった。
その広大な土地の8割を占める緑の森は、
大地に根を下ろした良質なスギが天に向かってまっすぐと伸び、
“日本三大美林”とも呼ばれている。

そんな日田市のスギは、古くから〈日田杉〉という名前で親しまれてきた。
日田杉の特徴は、表面はかたく、赤身の部分が多く、
害虫や湿気による被害を受けにくい。
木目は細かく、赤身は濃く、艶もあり、建材として用いられることが多い。
ただし、これらの特徴は、適切な乾燥方法によって処理されていることが前提だ。

工場へ運び込まれた日田杉。アサヒでは60~70年ものの日田杉を用いる。

板状にして積み上げ、随時、乾燥処理にかけていく。乾燥時間は外の湿度に応じて調整する。

乾燥前の状態でも赤身がしっかりと主張する。乾燥後は木目がくっきりと浮かび上がり、赤身がほどよく馴染んでいく。

日田杉の中でも大半を占める「ヤブクグリ」種は、
一般的な機械乾燥を施すと中心部が黒くなってしまい、
梁や柱といった高値で売買される構造材としては流通させられない。
中心部が黒くなったもの、根元の曲がっている部分については、
日田の伝統工芸〈杉下駄〉に加工されている。

ヤブクグリ、ひいては日田杉の価値を向上させるため、
日田では黒くさせないための方法について古くから考えられてきた。
ひとつが、風通しのいい山の斜面での天然乾燥だ。
ただし、十分に乾燥させなければならないため、広い場所、
そして何より約2年間という長い歳月が必要である。
もうひとつが技術・工夫による乾燥方法だった。