「ユマイ」がつくる、ドリーミーな 入浴剤は徳島県鳴門産。 老舗メーカーの15代目による 注目ブランド

ちまたで人気の入浴剤、バスボムやバスソルト。
徳島県鳴門市に、ハンドメイドで入浴剤を
作るブランド「UMAI(ユマイ)」があります。
母体はなんと創業慶長4年に製塩業からスタートしたという、
創業410年を超える老舗。
海のミネラルのひとつで、入浴剤の原料となる、
「エプソムソルト」とも呼ばれる「硫酸マグネシウム」
では国内シェアNo.1を誇るメーカーです。

NEHANシリーズの「NEHAN BOX」。パッケージも素敵

「UMAI」は、15代目となる現代表の馬居正治さんが、
「ケミカルスペシャリスト」の松本知浩さんと立ち上げた、
バスアイテムとアートのブランドです。
プロダクツ(工業製品)とアートの融合をテーマに、
コンセプトのある入浴剤をデザインし、
徳島県鳴門市の自社工場でひとつひとつハンドメイドで
作っています。

「トータライズな癒し体験」をコンセプトに設計された、
個性的な形状のバスボム「ART BOMBS」「eprience」や、
シンプルなバスソルト「エプソルト」。
硫酸マグネシムの入浴効果による血行促進や
肌にうるおいを与えるなど基本的効能に加え、
香りについても、上質なイチジクの香りなど、
日本人の繊細な嗅覚を意識したエレガントな香りになっています。
それでは新アイテムのバスボム「ねむる」の製作過程をご紹介。

こちらが「ねむる」の原画。

当初ボブの少女のモチーフで制作を始めました、制作過程で目を閉じたイメージが浮かび修正

クレイモデルの完成。マスターピースとしての精度を上げるため樹脂モデルを作り、パテ埋めとサンド掛けの地道な繰り返し作業へ。

原型ができたら量産に入ります

アイデアも製造も、 現場から生まれるものづくり。 ユカイ工学後編

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ロボットを使った子どもとのコミュニケーション。

ユカイ工学は、ロボットと暮らす未来を目指している。
最新の製品は〈BOCCO〉というロボット。
センサーとセットで販売され、センサーはドアなどに取り付ける。
すると子どもが帰ってきたときにセンサーが感知し、
自分が持っているスマートフォンなどに通知がくる設定になっている。
子どもが帰ってきたことがわかると、リビングなどに置いておいたBOCCO本体に、
スマホからメッセージを送ることができる。
スマホでテキストを打って送ると、BOCCOでは音声となって流れる。
もちろんスマホに直接音声を吹き込んで、ボイスメールを送ることも可能だ。
BOCCOのスイッチを押すと音声が流れてくる。
自分で声を吹き込んだ場合は、人間のあたたかい声が流れてくる。
子どもが学校から帰ってきたら、「おかえり〜、おやつは冷蔵庫にあるよ」と送り、
それを聞いた子どもはおやつを食べながら、
「ただいま〜、友だちの家に遊びに行ってくるね」と報告できる。
通話ではないが、リアルタイムなやりとりだ。

ユカイ工学のCEOである青木俊介さんが、
BOCCOをつくろうと思ったきっかけを教えてくれた。

「うちもそうですが、共働きの家庭が多いと思います。
そうすると、家で子どもが何をやっているか、知りたいですよね。
携帯電話はあまり持たせたくないし、カメラを設置するということはできますが、
それでは管理しすぎてしまいます。
ネットワークがこれだけ普及しているのに、
その部分がスポッと抜け落ちてしまっていると思うんです。
大人同士をつなぐツールはSNSなどたくさんあります。
でも、友だちがどこでランチしているかより、
自分の子どもがいつ帰ってきたかのほうが知りたいですよね」

モノのインターネットと呼ばれるIOT(Internet of Things)技術が発達して、
センサーをネットワークにつなげることが簡単になった。

「最近はスマートハウス化が進んで、
たくさんのコントロールパネルが家の壁に付いています。
これからもどんどん増えていく方向だと思いますが、
しかしメーカーはバラバラでデザイン的な統一感もない。
これ以上、家のなかに液晶パネルを増やしたくないし、
ルータのような機械的なものもなるべく増やしたくないですよね」

テレビやエアコンにオーディオ、すでにリモコンがたくさんある。
それに加えて壁の操作パネルも増えていったら、
便利になっているようで、それらに振り回される日常になってしまいそうだ。

「スマホのアプリでまとめて操作ということもできます。
しかし数百万という数のアプリがあるなかで、
ひとりが使うアプリは平均10個以下という統計もあります。
そんななかで、さらにスマホに集約させるようなことはしたくない。
そのような時代ではなくなってくると思います。
その代わりにロボットを使うことができないかなと思ったんです」

無機質なボックスやルータとは異なるロボットであれば、
デザインの幅も広がり、親しみやすい筐体にすることも可能だ。

「僕からは『首がゆれるようにしてほしい』、『鼻をボリュームにしたい』、
『ロボットに見えるように』などの指示をしています。
ロボット技術は寄せ集めといえます。
自動改札機もロボットといえばロボット。
子どもを認識して、子ども料金で通す判断を自分でしているわけですから。
しかしあれはロボットとして認識されてはいませんよね。
ぼくたちはロボットというからには、キャラクター性が重要だと思っています」

機能性の高さを目指すと、ムダを排除して無機質になりがちだが、
ユカイ工学では、あくまで人間の生活に馴染むような
やさしいデザインや設計を心がけているのだ。
それこそユカイ工学の考えるロボットの役割かもしれない。

ユカイ工学のCEO、青木俊介さん。さまざまな工作機械も並ぶ事務所にて。

小山薫堂企画・監修。 BS朝日「アーツ&クラフツ商会」 で生まれた、新しい熊本の 「肥後象嵌」

ただいまBS朝日で放送中の番組、「アーツ&クラフツ商会」。
小山薫堂さんが監修するこの番組は、
日本全国で作られている工芸品のひとつを取り上げ、
その歴史や技を紹介します。
「アーツ&クラフツ商会」のおしゃべり好きな
4代目店主に扮した渡辺いっけいさんが、
伝統工芸の世界へとナビゲートしてくれます。
毎回、工芸品の技を使い、暮らしの中で楽しめる
新プロダクトを提案するのが楽しみなんです。

5月4日に続いて、5月18日(月)に放送されるテーマは、
熊本県の「肥後象嵌」。
名城「熊本城」の城下で、江戸時代に武具を装飾するために
生まれた、金を使った美しい工芸です。
現代では、男性が身に着けるカフスやネクタイ止め、ハットピン、
メガネや時計、女性向けにはペンダントやピアスなど
さまざまな商品が作られています。

象嵌とは、下地とは異なる素材で紋様を象り、嵌め込む技法のこと。
鉄の生地に金や銀で象った装飾を嵌め込み、
錆で表面を覆って仕上げる工芸品です。
接着剤や塗料を使わず、金属同士を密着させ、生み出す漆黒と
金の鮮やかなコントラストが見事。
その作業にかかる時間はなんと5日間。
長時間の細かく複雑な作業の末、唯一無二の煌めきが生まれるのです。
現在、その技を受け継ぐ職人は、わずか十数名となっています。

さて今回、肥後象嵌のニュークラフツに挑むのは稲田憲太郎さん。
常に新たなデザインを追求している稲田さんですが、
「アーツ&クラフツ 商会」ならではのアイテムということで、
一体どんなものが生まれるのでしょうか?

稲田憲太郎さん

モノづくりに関わる店舗や職人が254組参加!御徒町~蔵前~浅草橋エリアで「モノマチセブン」開催

5月22日(金)から24日(日)までの3日間、
台東区の南部にあたる御徒町~蔵前~浅草橋エリアにて
モノづくりの魅力に触れられる一大地域イベント「モノマチセブン」が開催されます!
モノづくりに関わる店舗、メーカー、問屋、職人工房、
クリエイター、飲食店等がなんと254組も参加。
ファッション、生活雑貨、食料品、文具、伝統工芸、インテリア、
ギャラリー&スペース、クラフト・材料など
多岐に渡る分野のお店が並びます。

2キロ四方の中で254組が参加。はたして3日間で全部回れるのでしょうか?!

2キロ四方に渡るこの徒蔵(カチクラ)と呼ばれるエリアは
古くから続く製造・卸のお店が集まり、
また、最近では若いクリエイターたちによる活動が目覚ましいエリアです。

期間中は買い物が楽しめるのはもちろん、
いつもなら週末は閉まっているお店や工房の中を覗いて、職人さんと触れ合ったり、
ワークショップを体験することができます。
さらに、レトロな風情が感じられる「おかず横丁」で美味しい食事を味わったり、
全国各地から選りすぐりのクリエイターが集まる
「クリエイターズマーケット」(2会場で開催)も見逃せません。
とにかくジャンジャンまちを巡って、
どんなものが生み出されているのかを
味わうのがこのイベントの楽しみ方です。

2011年から「モノマチ」という名前で開催されてきたイベント。今回で7回目になりました。期間中は延べ10万人が訪れるそう!

数量限定のスタンプラリーや、たくさんのワークショップやイベントが企画されています。サイトを要チェック!

秋葉原駅と御徒町駅の間にある「2k450」も会場のひとつ。

場所や道順など分からないことは、9箇所に設置されているインフォメーションセンターへ。

ぶらぶら歩きながら巡るのもいいですが、
自転車のレンタルスポットがいくつかあるので
時間がない人や体力に自信のない人は利用するといいかもしれません。

なお、モノマチセブンの開催にさきがけて、
松坂屋上野店1Fに職人たちによるこだわりの作品が一部並んでいます。(19日(火)まで。)
イベント詳細と併せてぜひWebサイトでチェックしてみてください。

「第7回モノマチ (通称:モノマチセブン)」
会 期:2015年5月22日(金)・23日(土)・24日(日)
会 場:台東区南部徒蔵地域一体(浅草通り、隅田川、神田川、中央通りに囲まれた地域)
参加店:254 組(店舗、メーカー、問屋、職人工房 等)

モノマチセブン

ロボットを使った コミュニケーションが 家族団らんを取り戻す。 ユカイ工学 前編

ソフトウェアからハードウェアであるロボットへ。

ロボットといって、思いうかべるものはなんだろうか?
ガンダムや鉄腕アトム、あるいは実際につくられているASIMOなどもある。
それらには一般のひとが理解するのは難しい、
最先端技術が込められたモノというイメージがある。
しかし、それらの技術=ロボティクスを使って、
ユニークでかわいい商品をつくることも可能だ。
そんなものづくりに励んでいるのがユカイ工学。
社名からしてワクワクしてくる。

会社を立ち上げた青木俊介さんは、
学生時代に猪子寿之さんと一緒にチームラボを立ち上げたメンバーだ。
当時、チームラボはソフトウェア開発がメインだった。
しかし青木さん本人は、子どもの頃からロボットをつくりたいという思いを秘めていた。

「中学生のころに、『ターミネーター2』などの映画を観た影響が大きいです。
それで、ずっとロボットや人工知能をつくりたいと思っていました。
学生のときは、インターネットブームで、
ネットワークによっていろいろなものが大きく変わると言われていた時代。
それらを利用してビジネスをしていました。
逆にいうと2000年ごろは、
ロボットでビジネスができる環境ではなかったのだろうし、
イメージもできませんでしたね」

CEOの青木俊介さん。

ロボットをつくりたいと思っていても、
世の中はインターネットビジネス全盛の時代だった。それを見逃す手はなかったのだ。
しかし潮流に変化の兆しが表れたのが2005年頃だという。

「2005年は〈愛・地球博〉が開催されてたくさんのロボットが出展されたし、
『make:』という雑誌がアメリカで創刊されたのも2005年なんです。
ロボットベンチャーと呼ばれる会社も出始めてきました。
自分もソフトよりもハードウェアをつくったほうが面白いのではないかと感じたし、
“いつかロボットをつくりたい”という夢を持っていたので、
会社を辞め、2007年にユカイ工学を立ち上げました」

〈チームラボハンガー〉は、ショップ内のハンガーが手に取られたことを感知し、その着こなしをビジュアルに映し出すハンガー型販売促進システム。チームラボと共同開発した。(写真提供:ユカイ工学)

福井県あらわ市「たてプリーツ」と「kusha」。くしゃくしゃでもかわいい! 土に還るエコバック

福井県あわら市「kna plus」(クナプラス)さんのエコバックは、
とっても軽くて丈夫。
しかもとうもろこしを原料としたポリ乳酸繊維などから
できていて、丸ごと土に還ります。
こんなにかわいくて、エシカルなんてうれしい!

こちらは“たたみじわ”がかわいい「kusha」。

「kusha」けしあか(茶色)3,000円(税抜)

「kusha」なんどねず(グレー)3,000円(税抜)

たたむとコンパクトですが、
しわを広げれば、A4ファイルが入る大きさに。
2Lボトル4本分の容量が入ります。
色数はなんと、16色で展開。
日本の伝統色を生かした黄緑、ベージュ、青などの色があります。

繊維産業がさかんなあらわ市では、地域資源を活かし、
新しいものを生みだそうとする動きがはじまっているそう。
糸加工や、織物、染色、縫製、プリーツ加工などといった、
北陸の技術が集結した「kna plus」さんのプロダクトも、そのひとつなんです。

循環する大自然でのものづくり  奄美で受け継がれる泥染め

未知なる泥染めとの出会い

繊維の仕事にたずさわる中で、
「泥染め」という言葉に何度か出会ってきたけれど、
生産現場を見たことがなく、その実態はずっとわからないままでした。

言葉の持つイメージが男心をくすぐるので
ゆるく、心に引っかかっていました。

そんなある日、綿織物の産地である兵庫県西脇市に取材で訪れた際に
島田製織株式会社で生地の企画を行う岡島修平さんに
泥染めのことを詳しくお聞きする機会に恵まれました。

岡島さんは、お会いするといつも優しく接してくれる
さわやかな笑顔のお兄さん的存在です。

西脇で働く岡島修平さん。

岡島さんは鹿児島県の奄美大島で、
地元の「大島紬伝統指導センター」の研修生として
伝統工芸品である「大島紬」を学び、なんと、ご自身も泥染めをしていたというのです!

奄美大島について、大島紬について、泥染めについて、
初めて生きたお話を聞くことができました。

大島紬の製織の工程。

まず大島紬というのは、
手で紡いだ絹糸を泥染めして手織りされた絹布のことを呼び、
1300年前から続く日本最古の伝統染織と言われています。
また、ゴブラン織、ペルシャ絨毯と並ぶ世界三大織物のひとつとされています。

大島紬は30から40の工程を経て生地ができあがりますが、
数ある工程の中でも最大の特徴は、
世界でも奄美大島だけで行われているという天然の泥染めです。

「とにかく島が美しいです。
五感が大自然に囲まれる中で行われる緻密な手仕事と
リズミカルな染色風景に惹かれました。
そこから生まれる色に日本独特の温度を感じる」
と、岡島さんは話してくれました。

島に魅了された岡島さんは、
西脇で働くいまも定期的に島を訪れるそうです。
島の方々とは、一緒に地酒を飲んだり、風景を楽しんだり、
波乗りをしたり、島の楽しみ方はたくさんあるとのこと。

そんな話を聞いて、ますます泥染めにも奄美の文化にも興味がわきます。
そこで、岡島さんとも親交の深い、泥染工房「金井工芸」を訪ねることとなりました。

岡島さんから授かった奄美大島に関する資料を片手に
バニラエアが就航する7月(2014年のこと)まで待ち、
成田空港から奄美大島へ飛びました。

山梨県の郷土伝統工芸品「甲州親子だるま」は必見。白くて、お腹にヒゲが生えてるこどもがいる!

まるでカンガルーのように、
こどもが親のお腹にいるだるま!
これは山梨県に江戸時代から伝わる「甲州親子だるま」。
普通であればだるまは赤いものですが、山梨のだるまは白色。
いったいなぜこんな形に?それには理由がありました。

まず、白い色について。
これはかつて山梨の農家の生活が養蚕と綿の出来によって左右されたため、
繭の形をイメージしたと言われています。

そして、お腹にいる子だるま。
まっすぐな視線は、子どもが自分で目標を持ち、
思った道をまっすぐに進んで欲しいという親心が、
立派なヒゲには立身出世の願いが込められています。
江戸中・後期からは「妊婦の安産祈願」の贈りものとしても
利用されています。

〈ブナコ〉1ミリ厚の ブナ材テープから生まれる 美しきプロダクト

ブナコからつながる青森の森のはなし

青森県は、森林面積が県土全体の約66%を占めている森林県。
スギ、ヒバ、ブナ、アカマツなど多様な樹種が分布する。

青森県の木にもなっている青森ひば(ヒノキアスナロ)は、
下北半島や、津軽半島に多く分布している。
近年は、保護の観点から植栽や間伐を行いながら、計画的に供給されている。

青森ひばはその耐久性の高さから神社仏閣の建築に古くから利用されており、
現在も青森を代表する木材資源には間違いない。
しかし、青森の自然の代名詞でもある世界自然遺産〈白神山地〉の
ブナ林で知られるように、青森は豊かなブナ林が広がる土地でもある。
青森県南西部から秋田県北西部にまたがる
13万ヘクタールにも及ぶ山地帯のことを指す白神山地。
この広大な山々の連なりには、人為の影響をほとんど受けていない
原生的なブナ天然林が東アジア最大級の規模で広がっている。
また、下北や八甲田周辺にもいくつものブナ天然林が広がる。
こうした背景から、青森県のブナ蓄積量は日本一の数字を誇っている。
現在は、白神山地のブナ林をはじめ、その多くは保護対象のために
木材資源として活用されることはないが、
地球温暖化防止や災害などを防止する国土保全、
渇水や洪水を緩和しながら良質の水を育む水源かん養、
生物多様性の保全など、公益的機能で重要な役割を担っている。
本州最北の地、青森はブナの国でもあるのだ。

手厚い保護を受けている白神山地のブナ林。ブナは広葉樹林の極相林であるため、基本的には天然林となる。そのため、伐採可能な地域であっても無駄を生まない資源利用が求められる。

自由な造形を可能にするブナコの製法。

弘前で訪ねたブナコ株式会社が手がける〈ブナコ〉は、
その名の通りブナを使ったプロダクトだ。
特徴は、厚さ1ミリにスライスしたテープをコイル状に巻きつけ、
それを少しずつスライドして立ち上げ、立体物に成型していく独自の製法だ。
この製法は、蓄積量日本一のブナを特産品として有効活用するため、
1956年に青森県工業試験場が考案。
含水率が高く反りやねじれが多く発生することから、
厚みのある無垢材での使用に向かないブナをいかに扱いやすくするか、
また、ブナ資源をできるだけ無駄にしないためにはどうすればいいか
という研究の末に生まれたという。

コイル状に巻いたテープをスライドさせることで生まれるテクスチャーがブナコの持ち味。

天然のブナをスライスしてつくったブナテープ。底板をのぞけば、ブナコで用いられる素材はこのテープのみ。

戦後は青森のみならず岩手など、ブナ資源が多くみられる東北地域では、
フローリング材や漆器の木地用としてブナを産出していたが、
“狂いやすい”という特徴から価値のある木材資源としてみられることはなかった。
当時は現在のように高機能な木材用人工乾燥機もなく、
“ブナは狂う”というのが当たり前のことだったのだ。
そんな時代に登場したブナコの製法はセンセーショナルだっただろう。
ブナをわずか1ミリにかつらむきして、テープ状とすることで、
木材加工業者を泣かせた“狂い”はきれいに解消でき、
また、コイル形状とすることで大きさの自由も生まれた。
木工ろくろを使って挽物をつくる場合、
当たり前だが木地の完成サイズ以上の丸太を必要とする。
ところがブナコの場合、大きいものをつくりたければ、
テープを継ぎながら巻いていくだけでよい。
大径木を必要としない、資源を無駄にしないものづくりが可能になったのだ。

ブナテープを巻き込んでコイル状とした状態。これを徐々にスライドさせ立ち上げることで、テーブルウエアやランプなどの造形へと変化していく。

テープをコイル状に巻く作業は完全に手仕事。巻き加減を考慮しながら、素早く巻いていく。

国産材でつくる材木レシピ? 岡山県の西粟倉・森の学校が、 開発プロジェクトなどを 「SYNQA」にて展示

株式会社イトーキが運営する、中央区京橋にある、
オープン・イノベーションを実践する会員制のサロン「SYNQA」。
この「SYNQA」がただいま、地域のプロジェクトに特化した
クラウドファンディングサイト「FAAVO」と連携した
プロジェクトを実施中。
その内容は、「地域素材で働くをデザインする」をテーマに、
岐阜の飛騨高山や大阪、鹿児島など地域のデザイナーたちが、
地域素材を使ったオフィス家具の製作に挑戦するというもの。
制作費を支援すると、オフィスに新しい家具が届くんです。

そのうちの一つに、
岡山県の「西粟倉・森の学校」によるプロジェクトがあります。
西粟倉は岡山県の北東端に位置する、人口約1,500人の村です。
森の学校は、西粟倉地域の間伐材を使ったプロダクトの
製造販売を行っています。
今回のプロジェクトでは、「DIYで家具をつくりたい」、
「セルフリノベーションで内装をつくりたい」と思っている人のために、
国産材の材木のレシピを作るのだそう。
いわば、自分で暮らしをつくりたい人たちのための設計図ですね。
支援者には、森の学校の工作室1日無料券や、
オリジナルの材木レシピを実現できる権利などもご用意。
詳細はWebサイトをご覧ください。

こちらがレシピ

陶芸のまち、茨城県・笠間の 「陶炎祭」に陶芸家たちが大集合。 ルーシー・リー展も同時開催!

4月29日(水)~5月5日(火)まで、
陶芸のまち、茨城県・笠間にて「陶炎祭(ひまつり)」が開催されます。
笠間芸術の森公園イベント広場に
200軒以上の陶芸家・窯元・地元販売店などが集い、
個性あふれるお店を開きます。

これは、笠間のやきものを盛り上げようと、作家さんや、
製陶所、販売店の有志が集まり、1982年にはじめたお祭り。

好きなお茶碗で抹茶がいただける「野点」や、
笠間焼のかさなる小皿が並ぶ「笠間の重なる器展」、
地酒・ぐい呑み・猪口バックが並ぶ「マイ猪口倶楽部展」
石職人、鍛冶屋、庭師、酒蔵などによる「稲田縁日」などなど、
見どころがいっぱいです。

展示販売のほか、陶芸家が技と個性を競う「土面オークション」、
近隣の小学生による「土面フェスティバル」、
子どもたちが粘土遊びやろくろに挑戦できる「キッズランド」など、
イベントも盛りだくさん。

会場では、陶芸家の皆さんが飲食ブースをオープン!
個性豊かなごはんは、このイベントの名物にもなっています。

さらに茨城県陶芸美術館では、ルーシー・リー展も同時開催。

《ピンク線文鉢》1980年頃 個人蔵 Estate of the artist 撮影:上野則宏

社会をちょっとよくする プロジェクトのつくりかた ソーシャルデザインのヒント 並河 進さん (電通/社会の新しいしくみ研究室)後編

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並河 進さんのソーシャルデザイン

「ものづくり」「ことづくり」のヒントはコミュニケーションのシフトにある。
ものを計る価値は「お金」だけではない。
前回はそんな話を並河さんにお聞きした。
今回はさらに一歩進めて「ソーシャルデザイン」について伺った。

「ソーシャルデザインとは、世の中のひと、ひとりひとりが、社会のために自分にできることがあるんじゃないかと考えていくこと。
プロジェクトとかアクションとかを考えていくということなんです。
ソーシャルデザインが政治家などの
限られているひとだけが関わるものだったら
ソーシャルデザインって言葉はいらないですよね」

社会を良くするためのコミュニケーションへ

並河さんの仕事はコピーライター。
本業の広告の仕事においては
「コミュニケーションをシフトさせる」ことを提唱している。
それは、シンプルに言えば
モノを売るためだけのコミュニケーションだったのが、
社会を良くするためのコミュニケーションへの変化ということだ。

今年の3月11日、ヤフーで「3.11」を検索すると、
検索した人ひとりにつき10円を、ヤフーが東北復興支援に寄付する
「検索は応援になる。Search for 3.11」プロジェクトが実施された。
昨年に引き続き、2回目となる今回も、
300万人近くの人が参加したこのプロジェクトに、
並河さんはクリエイティブディレクターとして関わった。

ヤフー「Search for 3.11」で掲出されたポスター。

3.11は、誰もが震災の記憶を呼び覚ます日。
並河さんは「検索」をきっかけに、東北の支援へとつながる広告を考える。
実際に「検索」によって被災地復興のために寄付されるが、
それ以上に「共有」することに何かを感じたひとが多いのではないだろうか。

「お金とものだけでない、いままで見えてないさまざまな矢印を
加速させていくようなことが広告でできたらいいなと思っています」と並河さん。

そして広告は「お金とモノのサービスの交換を促進するもの」から、
「さまざまな価値と価値の交換を促進する場」へ変化していくという。

「KENDAMA TOHOKU」。 ビームス創造研究所 × 復興デパートメントの、 コラボけん玉第2弾が登場!

ビームス創造研究所と、ヤフー株式会社の運営する
「復興デパートメント」のコラボによる、
東日本大震災の被災地復興支援プロジェクト「KENDAMA TOHOKU」が
今年もやってきた!
東北各地の工房やブランドによる確かなものづくりの技と、
クリエイターによるデザインを掛け合わせた、
けん玉やその周辺グッズが登場。
今年は、昨年店頭で完売した「ミナ ペルホネン」や「430」に加えて、
新たに3組のクリエイターが参加します。
そのメンバーは漫画家の「しりあがり寿」、
パリを拠点に活躍するクリエイティブチーム「PAPIER TIGRE」
そして「秘密結社 鷹の爪」×アーティストの「MACCIU」という濃い面々!
Webショップ「復興デパートメント」と「ビーミング ライフストア」各店にて
販売中です。

けん玉制作を手がけるのは、
競技用けん玉生産日本一を誇る「山形工房」。
コラボする東北の工房・ブランドは、
福島県いわき市の「福島オーガニックコットンプロジェクト」 、
宮城県石巻市の「東北ちくちくプロジェクト」、
宮城県本吉郡南三陸町の「南三陸ミシン工房」の3つです。

しりあがり寿×東北ちくちくプロジェクト けん玉&チャームセット ¥5,500(税別) 

まずこちらは、漫画家のしりあがり寿さんとのコラボ作品。
付属のチャームは羊毛フェルトクラフトを通じて、
被災地との交流や自立支援を行っている
「東北ちくちくプロジェクト」により作られています。

Papier Tigre×南三陸ミシン工房 ポーチ付きけん玉 ¥5,500(税別)

パピエ・ティグルらしい幾何学模様がデザインされたけん玉。
付属のポーチは、東日本大震災で被災した女性たちが、ミシンを仕事や生きがいに
していくためにボランティアと共に立ち上げたグループ「南三陸ミシン工房」で作られています。

小山薫堂企画・監修。BS朝日「アーツ&クラフツ商会」が産んだ八丈島「黄八丈」新アイテム

ただいまBS朝日で放送中の番組、「アーツ&クラフツ商会」。
小山薫堂さんが監修するこの番組は、
熟練の職人による、手仕事の賜物である「工芸品」にフォーカスし、
現代のライフスタイルを提案するもの。
日本において住宅というものづくりに真摯に
取り組んでいるセキスイハイムが提供しています。
番組の特徴は、毎回、熟練の技を活かした番組独自の新商品を開発すること。
伝統と今を交えた和の名品が毎回の楽しみなんです。
果たして今週は、どんな名品が登場するんでしょう?

今週の番組の舞台は、
東京都の沖にある島、八丈島。
この島の森で生まれる絹織物、「黄八丈」がテーマです。
その名の通り、鮮やかな黄色の織物。
八丈島の草木だけで染められているんですよ。
着物ファンの間で絶大な人気を誇る、あこがれの織物です。

今週のコラボレーションの舞台は、
八丈島で、黄八丈を作る「黄八丈めゆ工房」。
ここは明治時代から代々、女性が技を受け継いできたところ。
現在の当主は、四代目の山下芙美子さん。
夫の譽さんが、草木染めで工房を支えます。
さて今回、「アーツ&クラフツ商会」のために
いったいお二人はどんな「黄八丈」を作ってくれたのでしょう?

山下芙美子さん、譽さん

古き良きもの・おいしいものが集う「第7回東京蚤の市」に古着エリアが誕生。「北欧市」も同時開催!

5月9日(土)・10日(日)、東京・調布の
東京オーヴァル京王閣にて「第7回東京蚤の市」が開催されます。

解放感のある敷地に、古道具屋さんや古本屋さん、
ワークショップブース、カフェなどが大集合。
前回好評だった北欧市も、同時開催されます。

さらに今回からは、古着エリアが登場!
代官山の「MOTHER LIP」さん、
群馬県の「佐々木洋品店」さん、
高円寺の「SAMAKI」さんなど、
個性的なセレクトのお店が揃います。

主催はコロカルではおなじみ、手紙社さん。
前回は、手紙社さんによるフードブースも大人気でした。
もちろん今回も出店します!

お金では売らない オンラインセレクトショップ  WITHOUT MONEY SALE  並河 進さん(電通/ 社会の新しいしくみ研究室)前編

お金では測りきれない価値があるモノを手に入れる方法とは?

日本の「ものづくり」は変革期を迎えている。
お金では測れない価値をいかに創造するか、価値軸のイノベーションが必要とされている。
そんななか商品をお金では売らないオンラインセレクトショップ「WITHOUT MONEY SALE」が話題になっている。
そこで売られる商品はお金では買うことはできない。
購入者がお金のかわりに支払うのは「愛」や「知恵」「時間」。
商品に対する愛を伝えたり、知恵や時間を提供することで商品が購入できるしくみだ。

「WITHOUT MONEY SALE」第一弾。お金で買えない梅干し。徳重紅梅園「鶯宿梅の幻の梅干し」。写真提供:並河 進

企画したのは電通のコピーライター並河 進さん。
社会貢献と企業をつなぐソーシャル・プロジェクトを数多く手掛ける
「電通ソーシャル・デザイン・エンジン」の部長である。
しかし「WITHOUT MONEY SALE」は、電通の仕事ではなく、
並河さんの個人プロジェクトとして始まったという。
並河さんに「WITHOUT MONEY SALE」について、お話を伺った。

社会の新しいしくみ研究室

「この3年ぐらい、ずっと考えていることがあって
それは、2011年3月11日の震災の後、
人と人の間で交わされていたものは何か、ということなんです。
お店がやっていない、モノを買うことができない、
ひとまずお金が意味を失った状態で、人と人、知恵、身の回りのもの、
工夫、勇気、時間、情報、優しい言葉、
そういうものを出し合って、交換し合っていました」

人は、たくさんの、目に見えないものを交換し合って、生きている。
並河さんは普段気づかないそのことを意識するようになった、という。

「そのしくみを可視化・具現化することにとても関心があって、
“社会の新しいしくみ研究室”を立ち上げたんです」

〈高津川ウッディ・クラフト〉 デザインの力で 高津川材のブランド化に挑む

高津川ウッディ・クラフトからつながる島根の森のはなし

島根県は県土のうち約78%が森林という、全国4位を誇る森林県。
スギ・ヒノキの人工林は約14万ヘクタールを誇り、
そのうち約4割が9齢級以上の利用期となっている。
木材の生産量は、平成2年に比べると半減しているが、近年は増加傾向。
スギ・ヒノキに加えて、マツの生産量が全国上位であることも特徴だ。
間伐材の利用材積も平成24年に飛躍的に伸びており、
6万立方メートル以上で推移している。
また、〈島根CO2吸収・固定量認証制度〉を設けている。
“吸収”は、森林整備のための労力や資金を提供して、企業活動をオフセットするもの。
“固定量”は、県産材を利用した木製品によるCO2固定を目的としたものだ。

県では、原木増産の促進、伐採跡地の再生促進、
県産原木による高品質・高付加価値な木材製品などを中心に、
木を「伐って、使って、植えて、育てる」循環型林業の実現を目指している。

裏目に出てしまった島根の良質な木。

東西に長い島根県。松江や出雲があるのはかなり鳥取県に近い東部、
一方、山口県と接している西部は豊かな自然が残っている。
針葉樹も広葉樹も多く、良質の木材がたくさん出ていた。
しかしいま、島根の木工業は衰退しつつある。
ライフスタイルの変容や、外国産材の流入という全国的な問題はもちろん、
もうひとつ理由があった。

「営林署が3つもあるのは島根だけでしたし、相当いい木が出ていました。
だから丸太を右から左に流すだけでも、いい暮らしができたんです」
そう説明してくれたのは、昭和21年創業以来、
西部にある高津川流域材を扱ってきた老舗木工所、
〈平和木工〉代表取締役社長の洗川武史さん。

しかし、良質な木材があったおかげで、その上にあぐらをかいてしまった。

「ある地域の話ですが、そこはいい木材が育たない地域なので、
製材所や加工業者が努力して、ものづくりやデザインで
付加価値を高めて、成長したという例があります。
この地域は、そういう努力をしてきませんでした」

平和木工の代表取締役社長・洗川武史さん。

こうして島根の木工が衰退してきたことで、
結果的に、林業従事者が減り、後継者もいなくなり、
木の枝打ちや間伐などがされなくなってきた。
年々、木材の質が落ちてきているという。

ヒノキのストック。〈ウッドリバー〉というプロダクトになっていく。

「現状では、まだいい木が立っています。
いまはそれで食べていけるかもしれないけど、近い将来、絶対にダメになるでしょう。
しかも、木材を燃料チップにしてしまうだけで、
生産者が山を育てようという気持ちになっていないと思います」

だからといって嘆いてばかりいられない。
かつて栄えた木工業者も、まだ100軒近くあるので、技能者はまだ残っている。
そこでまずは自分たちが構える西部の高津川流域で
〈高津川流域の家具・建具づくり協議会〉を立ち上げ、
1年後に平和木工を中心とした〈高津川ウッディ・クラフトLLP〉に発展した。

「付加価値をつけて売り出すことができるのならば、
生産者のみなさんも、山を守り、木を育てようという
気持ちになるのではないかと思ったんです」

いい製品をつくり、それが売れて、山に手が入り、森が守られ、よい木材が育つ。
そんなサイクルを目指した。
もちろん、木工業者としても、いい木があればいい製品がつくっていける。

スギのベンチを製作中。

現在この工場では6人のスタッフが製作に励んでいる。

小山薫堂企画・監修。BS朝日「アーツ&クラフツ商会」で生まれた、新しい「津軽びいどろ」

ただいまBS朝日で放送中の番組、「アーツ&クラフツ商会」。
小山薫堂さんが監修するこの番組は、
熟練の職人による、手仕事の賜物である「工芸品」にフォーカスし、
現代のライフスタイルを提案するもの。
日本において住宅というものづくりに真摯に
取り組んでいるセキスイハイムが提供しています。
番組の特徴は、毎回、熟練の技を活かした番組独自の新商品を開発すること。
伝統と今を交えた和の名品が毎回の楽しみなんです。

さて2015年4月20日(月)に放送される最新エピソードのテーマは、
青森津軽が生んだガラスの芸術「津軽びいどろ」。
繊細な色調とやわらかなフォルム。
そして、大胆な色使いが特徴の「津軽びいどろ」は、
1400度の高熱と、ガラスを自在に操る
職人の熟練の技から生まれます。
いまもガラスの原料作りから、そのほとんどが手作業で行われています。

今回番組が尋ねたのは、青森市にあるガラスメーカー、北洋硝子。
浮き玉作りの技術を活かし、津軽びいどろを伝統工芸へと押し上げたメーカーです。
生活を彩る身近な製品から、芸術性の高いモノまで様々なびいどろを
生み出しています。
今回、新しい津軽びいどろのアイテム作りに挑むのは、芳賀清二(はがせいじ)さん。

普段は描かないというデザイン画を描く芳賀さん。

いったいどんな新製品が作られるのでしょう?
その答えは..

森林×地域再生× クリエイティブの新事業。 ロフトワークらが岐阜県で 「飛騨の森でクマは踊る」始動

地球温暖化問題や再生可能エネルギーなど、
エコロジーへの関心はますます高まっていますが
日本の森林の面積はどれくらいあるかご存知ですか?
答えは、国土面積の2/3。実はこの数字、
環境先進国と言われるスウェーデンとほぼ匹敵するのです。
日本は世界でも有数の「森林大国」なんです。

ところが今、国内の林業に危機が叫ばれています。
「間伐材」という言葉があるように、
戦前・戦中に人工的に造林した森林をはじめとする、
一度でも人の手が入った森は人間が継続してメンテナンスしないと、
荒れてしまうのです。
しかし、後継者不足や高い流通コストなどの理由から林業が衰退し、
結果として荒れた森林が増えている、という問題が指摘されています。

北陸新幹線が開業してアクセスも便利になった、岐阜の世界遺産「白川郷」。
その白川村の隣に位置する飛騨市もまた、市の93%を森林が占める町。
古くから「飛騨の匠」として知られるように
木材建築や木材加工で優れた伝統技術が息づいている地域ですが、
森にまつわる同じような悩みを抱えています。

そこで発足することになったのが、「飛騨の森でクマは踊る」。
飛騨市と、林業を通して地域再生を促してきたトビムシ
そして数万人のクリエイターネットワークを持つロフトワーク
官民共同事業として立ち上げた、株式会社です。
飛騨市から現物出資された私有林を、
クリエイティブの力によってインテリアやプロダクトの商品に変え、
地域の経済と森林そのものを活性化させながら、観光客などに訴えていくことを試みます。

かわいい布の博覧会 「布博 in 京都」開催。 春をいろどる一品を探そう!

今年で3年目をむかえる人気イベント「布博」が
4月18日(土)・19日(日)、京都で開催されます!
布博は、テキスタイルデザイナー、
そして布をモチーフとする作家さんが集う、布の博覧会。
会場には、プリント生地・織布・型染め・草木染めなどの
伝統的な技法を使った作品や、
それらを使って生み出される衣類・小物などが並びます。

こちらで買えるものたちは、本当にかわいいものばかり!
布博のイメージはこちらのビデオをご覧ください。

布博 2014 from Akiyoshi Kitagawa on Vimeo.

当日はトークショーやワークショップ、
ライブなども開催。

今回は刺繍作品などを制作している神尾茉利さんや、
テキスタイルブランドブランド「十布」を立ち上げた
滝口聡司さん × 福田利之さん、
朝武雅裕さん(トモタケ)× 飯田純久さん(イイダ傘店マーケット)によるトーク、
笹倉慎介さんのライブなどが予定されています。

〈とやまの木せいひん研究会〉 県内の力を結集して研究し 木製品の向上を目指す

とやまの木せいひん研究会からつながる富山の森のはなし

富山県は、県土面積の約6割にあたる284,000ヘクタールが森林で、
そのうち約6割が民有林だ。
その面積の28%がスギを主体とした人工林で、人工林率は全国平均より低い。
それら人工林のうち半分が9齢級以上で、伐採可能な成熟期に入りつつある。
富山の代表的なスギとして、
タテヤマスギ、ボカスギ、マスヤマスギがあげられる。

県内50社で木製品を研究する。

富山県は国内の製材業のなかでも、特別な事情がある。
かつてロシアから安い木材が大量に輸入されていた。
その窓口のひとつが富山だった。
富山に木材が入荷し、富山で製材され、関西や関東などに出荷されていた。
そんな地場産業として栄えた歴史があったから、
県内では、もともと地域にある木材を使うということが少なく、
国外からの木材を使う時期が長かった。
県内の森で間伐などに手間をかけるよりは、外材のほうがコストが安かった。
結果的に、富山の森に手が入ることがなく荒れてしまった。
灯台下暗しになってしまったのだ。

そのような背景があり、もっと県の木材を
利用していこうという動きが近年、高まってきた。
2011年、最初は富山県からの持ちかけで、
県内の木に関わるメーカーや製材業者などが、
県産材で一般住宅の家具や日用雑貨を提案し、冊子を製作した。

「この事業に参加した多くの方が、
『年に1回くらいはこのような催しをしたい』と賛同し、発展していきました」と、
〈とやまの木せいひん研究会〉設立のきっかけを話してくれたのは
事務局を務めている松田木材の代表取締役社長、松田靖さん。
通常、製材業者と家具メーカーなどが交流を持つ機会は少ないが、
研究会ではさまざまな業種の企業や工房が加入している。

研究会と名がつくからには、実際に“研究”に励んでいる。
木工に関する新しい技術を学ぶ研修会が年に数回行われている。
たとえば塗装や接着剤などのメーカーから直接、
技術者を呼んで説明会などを開催している。
通常このような商品は、問屋やカタログの商品説明から発注してしまうことが多い。
塗装や接着剤メーカーも、1社のためだけに出向くわけにはいかないことが多い。
研修会では会員自身が、家具製作の際に使用している商品や量、
作業工程が適切かなど、細かい部分をメーカーの技術者に直接訊ねることができる。

松田木材の広い敷地内にはたくさんの原木があった。

松田木材のショールーム。

富山県には、ものづくり企業を支援する施設として高岡デザインセンターがあり、
研究会もさまざまな面で協力してもらっている。
たとえば、家具や日用雑貨、小物の新商品開発において、
プロダクトデザインに関する講師を招くなど、ソフト面の勉強会を開催している。
「つくる技術はもちろん、それが消費者のニーズをとらえているのかという視点も、
同時にレベルアップしていきたいと考えています。
これまでの『こういう材料や技術があります』から、
『この材料と技術で、新しいものを提案します』に向かっていきたいと考えています。
研究会では毎年木せいひんの展示会を開催しています。
会員それぞれが新作を出品するので、
業者同士でお互いに技術を披露したり消費者のニーズを調査したりと、
さまざまなかたちでより良いものづくりをめざしています」

松田木材の代表取締役社長、松田靖さん。

県産スギ無垢板の高級下駄箱。

『恋する東京』。 クリエイティブユニット kvinaによる、乙女心をくすぐる 東京デートの完全ガイド

桜の季節も少し落ち着いて、
春から東京の新しい会社や学校での生活が始まった人も、
毎日のリズムに慣れてきたでしょうか。
もうすぐゴールデンウィークも控えているし、そろそろ本格的に東京を楽しみたい! 
そんな方たちにぴったりなのがこのガイドブック、「恋する東京」です。

「恋する東京」誌面より

といっても、ただのガイドブックではありません。
「東京でデートする」という切り口で、さまざまなスポットが紹介されているのですが、
映画「ローマの休日」を銀座で再現したらどうなる? という企画や、
絵本のようなページ、読切の小説やマンガ、
プレゼントに贈るおすすめのアイテムや記念日のためのケータリング、
そしてデートの心得やラブレターの書き方までもりだくさん。
夢見る乙女のような妄想に、読んでいて楽しくなってくる、
そして誰かと東京の街に出かけたくなる気分にさせてくれます。

「恋する東京」誌面より

この本にはこう書かれています。
「わたしたちは、この街に、恋をしています」
「東京の街が、ほんのすこしだけ、あなたにとっても、
楽しく輝かしく、そして大切なものになれば嬉しいです」
誰かと一緒に東京を歩く時の、楽しさや嬉しさ、
心がみずみずしくおどりだすような感覚。
最近あまりそういう気持ちを感じていない、という人は、
ぜひこの本を開いてみてください。
もしかしたら、すてきな恋とデートが訪れるかも。

しなやかで軽い、画期的な竹細工「てんごや 竹スツール」。福岡県八女市の竹に、新しい需要を。

福岡県八女市にある「竹工房てんごや」。
こちらで作られている、八女市の竹を使ったスツール
「竹スツール」は、生産が追いつかないほどの大人気商品。
普通であれば固いイメージである竹の椅子を、
しなやかな椅子に変えた特別な椅子なんです。
デザインは、てんごやのご主人、染谷明さん。
独特の編み方によって、竹特有のしなりがやさしく体に
フィットする、軽くて座り心地のよいスツールです。

染谷さんはもともと、千葉県の出身。
鹿児島の口永良部島に移り住み、
そこで「てんご」=「竹かご」を作り始めたのが
この道に進むきっかけでした。

プラスチック製品の需要が増えるにつれ、
生産量が減ってしまった竹細工。
この竹細工に新しいかたちと需要を与えようと考えた
結果に出来たのが、この「竹スツール」。
竹編みの技術も、染谷さんが考え出したもの。
腰を下ろすと座面がお尻にフィットし、底の接地部分には
ゴムが編み込められていて床面の保護と滑り止めになっています。

横から見たフォルムもステキ

コロカルでは、竹編みのスツールが生まれたきっかけや
竹を使ったものづくりの可能性について
染谷さんにお話をお伺いしました。

ー竹編みのスツールを作ったきっかけは?
「竹細工は遠き昔より今日まで、いわゆる「カゴモノ」ばかりを作ってきました。
その結果、竹カゴ=竹細工というイメージが定着したんです。
衰退の一途をたどる竹細工の復活・再生は、まずこのイメージを
打開することから始めようと考えて「てんごや」を立ち上げました」

ー「竹編みの椅子」はどうやって生まれたんでしょうか?
「骨組みを使わずに、編むだけで作る方法を考案して
椅子を発表したのは12年前です。
当時の竹編み椅子は、カゴの作り方をベースに底組からの展開を変える方式。
まず座面を組み、背もたれから胴を編んで本体を作ります。
それとは別にもうひとつカゴを作って座面の下に入れ込み(これが補強になります)、
本体と合体して出来上がるというもの。
しかしこの作り方だと形の自由がきかず、デザインすることができませんでした」

こちらは経年した竹編みの椅子。現在は受注生産品となっています

ーかなりの苦労があったんですね。
「そこで椅子以外にも応用できる形の竹細工を、と考えたのが第二弾。
椅子にかかる体重を支えるために、末広がりの円筒形を内側に作り、
デザインする本体を外側につくるという方法に辿り着いたんです。
それを椅子にするため、一体構造になるように、
連続して内側から外側へと編んでいき、底を回って合体することで
補強いらずで復元力もある「竹編みスツール」が出来たんです」

〈hum desk aroma〉 佐賀の木工所で手作り! 電気も火も使わない お手軽国産ひのきアロマ

電気や火が使えない場所、例えば会社のデスクでも手軽にアロマを楽しみたい!
そんな願いを叶えるのが、
ステーショナリーブランド「hum」の「デスクアロマ」。
国産ヒノキの筒に、エッセンシャルオイルを垂らして
香りを楽しむウッドアロマディフューザーです。
佐賀の木工所さんが、ひとつずつ手づくりで製作しているんですよ。
このウッドディフューザー本体の中にオイル瓶を収納し、
ヒノキのケースに入れて持ち運ぶこともできるのがすぐれもの。