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posted:2015.5.25 from:岡山県備前市 genre:ものづくり
〈 コロカルニュース&この企画は… 〉
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writer profile
Akiko Saito
齋藤あきこ
さいとう・あきこ●宮城県出身。図書館司書を志していたが、“これからはインターネットが来る”と神の啓示を受けて上京。青山ブックセンター六本木店書店員などを経て現在フリーランスのライター/エディター。
ただいまBS朝日で放送中の番組、「アーツ&クラフツ商会」。
小山薫堂さんが監修するこの番組は、
日本全国で作られている工芸品のひとつを取り上げ、
その歴史や技を紹介するもの。
「アーツ&クラフツ商会」のおしゃべり好きな
4代目店主に扮した渡辺いっけいさんが、
伝統工芸の世界へとナビゲートしてくれます。
提供は、建てたときの「いちばんの状態」を
維持できることを目指すハウスメーカー「セキスイハイム」。
毎回、工芸品の技を使い、暮らしの中で楽しめる
新プロダクトを提案するのが楽しみなんです。
2015年5月11日(月)、25日(月)に放送されるテーマは、
岡山県備前市で作られる「備前焼」。
北大路魯山人を始め、
様々な陶芸にふれた稀代の芸術家が
惚れ込んだ、素朴でぬくもりのある焼き物です。
備前焼の歴史は、古墳時代の須恵器にまで遡ります。
その後平安時代、高温で焼く須恵器の技法を受け継いで
備前焼が生まれました。
室町時代には、大きな甕も大量に焼ける共同窯が築かれ、
伊部はその一大産地へと発展します。
特に「すり鉢」は日本全国に広まり、
その丈夫さは「備前のすり鉢、投げても割れぬ」とうたわれるほど。
しかし生活用品に過ぎなかった備前焼の価値を、
安土桃山時代、豊臣秀吉や、千利休などの茶人たちが
芸術にまで高めました。
備前焼は、田んぼの2、3m下の、限られた層から採取された土を使います。
その土は鉄分が多く、ねばりが強いのが特徴。
1年程乾燥させた後、細かく砕きます。
そして、水に浸して不純物を取り除いてから
1週間ほどかけて水分を抜きます。
その後土の中の空気を抜く重要な作業を経て、
菊のような形に整えます。
空気が残っていると、ロクロを引く時に、
大きな妨げになるんです。
さて今回、「アーツ&クラフツ商会」のオリジナルプロダクトに
挑戦するのは、木村宏造さんの息子の肇さん。
今回は「アーツ&クラフツ商会」が、肇さんが考案したあるものに注目。
その商品をオーダーすることにしました
一体、どんなアイテムなのでしょうか?
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アーツ&クラフツ商会が「一陽窯」に
オーダーしたアイテム、それは「水出しコーヒー」!
丸い備前焼から滴り落ちるしずく。
実はこのアイテム、丸い一輪挿しを作ったときに、
行きつけのカフェにあった水出しのコーヒーサイフォンが
浮かんで生まれたのだとか。
備前焼の底に、水出しコーヒーと同じように、
滴を落とすための1ミリほどの穴をあけることで
サイフォンになったというわけです。
目にも舌にも美味しい、
これぞまさに、備前焼のニュークラフツの誕生です。
うわぐすりをかけずに、良質な陶土をじっくり焼いて出た
自然な模様を楽しむ備前焼。
満足のいく器が出来るのは、全体のわずか1%なんだそう。
それではまた来月も、「アーツ&クラフツ商会」の新しい日本のプロダクトを
お届けします。
■「セキスイハイム presents アーツ&クラフツ商会」
放送局:BS朝日
放送時間:毎週月曜日23:00〜23:30
出演:渡辺いっけい
企画・監修:小山薫堂(放送作家、脚本家)
提供:セキスイハイム
NO.15「備前焼」
2015年5月11日(月)、5月25日(月)放送
画像提供:BS朝日
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