しなやかで軽い、画期的な竹細工「てんごや 竹スツール」。福岡県八女市の竹に、新しい需要を。

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福岡県八女市にある「竹工房てんごや」。
こちらで作られている、八女市の竹を使ったスツール
「竹スツール」は、生産が追いつかないほどの大人気商品。
普通であれば固いイメージである竹の椅子を、
しなやかな椅子に変えた特別な椅子なんです。
デザインは、てんごやのご主人、染谷明さん。
独特の編み方によって、竹特有のしなりがやさしく体に
フィットする、軽くて座り心地のよいスツールです。

染谷さんはもともと、千葉県の出身。
鹿児島の口永良部島に移り住み、
そこで「てんご」=「竹かご」を作り始めたのが
この道に進むきっかけでした。

プラスチック製品の需要が増えるにつれ、
生産量が減ってしまった竹細工。
この竹細工に新しいかたちと需要を与えようと考えた
結果に出来たのが、この「竹スツール」。
竹編みの技術も、染谷さんが考え出したもの。
腰を下ろすと座面がお尻にフィットし、底の接地部分には
ゴムが編み込められていて床面の保護と滑り止めになっています。

横から見たフォルムもステキ

コロカルでは、竹編みのスツールが生まれたきっかけや
竹を使ったものづくりの可能性について
染谷さんにお話をお伺いしました。

ー竹編みのスツールを作ったきっかけは?
「竹細工は遠き昔より今日まで、いわゆる「カゴモノ」ばかりを作ってきました。
その結果、竹カゴ=竹細工というイメージが定着したんです。
衰退の一途をたどる竹細工の復活・再生は、まずこのイメージを
打開することから始めようと考えて「てんごや」を立ち上げました」

ー「竹編みの椅子」はどうやって生まれたんでしょうか?
「骨組みを使わずに、編むだけで作る方法を考案して
椅子を発表したのは12年前です。
当時の竹編み椅子は、カゴの作り方をベースに底組からの展開を変える方式。
まず座面を組み、背もたれから胴を編んで本体を作ります。
それとは別にもうひとつカゴを作って座面の下に入れ込み(これが補強になります)、
本体と合体して出来上がるというもの。
しかしこの作り方だと形の自由がきかず、デザインすることができませんでした」

こちらは経年した竹編みの椅子。現在は受注生産品となっています

ーかなりの苦労があったんですね。
「そこで椅子以外にも応用できる形の竹細工を、と考えたのが第二弾。
椅子にかかる体重を支えるために、末広がりの円筒形を内側に作り、
デザインする本体を外側につくるという方法に辿り着いたんです。
それを椅子にするため、一体構造になるように、
連続して内側から外側へと編んでいき、底を回って合体することで
補強いらずで復元力もある「竹編みスツール」が出来たんです」

染谷さん独自の編み方。設計図を作って技術を広めようとされているそうです

ー竹を使ったものづくりにはどのような可能性を感じますか?
「植物としての竹は、栽培に手間がいらず、植えてから2年も経てば利用可能。
10メートルの長さがあっても、一人で運べるほど軽いので持ち運びも容易です。
素材としては、軽く、弾力があり、程よい硬さもあり、割り・剥ぎも簡単なので
あらゆる方面に利用されています。しかし湿気が多いとカビが生えやすいなどの弱点もあります」

ーその弱点はどう克服するんですか?
「たとえば、明治時代に作られた鉄橋を取り壊してみたら、
鉄筋コンクリートで作られる橋ゲタの鉄筋部分が
竹で代用されていたことがありました。それほどの強度があるんです。
竹カゴの表面に和紙を貼って漆を塗った「ランタイ漆器」
は100年経っても使えるものだったりします。
これらに共通しているのは「竹を空気に触れさせない」
ということ。それにより、長期間の使用に耐えます。
竹編みのものを芯にして、他の素材で貼り合わせると、
新素材のようなものになるんですね」

ーいろいろなものが出来そうですね。
「家も作れるし、舟も作れます。いま試作すべく準備をしていて、
来年工房を移転するので、それ以降に作ってみようと思っています」

「てんごや」さんのプロダクトは、塗料を使っていないので、
使っていくうちに、あめ色に変化するのも魅力のひとつ。
伝統工芸だけでなく、新しいものを作って、
竹の需要を生み出したいと染谷さんは願っているそうです。
現在「竹のスツール」は受注生産品となっています。
詳しくは「うなぎの寝床」Webサイトにて。

■竹工房てんごや

住所:福岡県八女市本町219‐2

TEL:0943-24-5405

■「うなぎの寝床

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