下蒲刈島ってどんな島? 小さな島にアート&歴史が ぎゅっと凝縮!

潮待ち、風待ちの島・下蒲刈島

広島県呉市の南東に位置する「下蒲刈島(しもかまがりじま)」という島をご存知ですか?
市内からは、車で30分ほど。島と本土を繋ぐ安芸灘大橋を渡ると、到着です。
人口約1400人ほどののどかな島ですが、
そこには、文化と歴史がぎゅっと詰まっています。


江戸時代から潮待ち、風待ちの船が立ち寄る
海上交通の要所として栄え、朝鮮通信使の一行や参勤交代する
西国大名も立ち寄ったという、由緒正しい島のなのです。

その歴史と文化の流れを汲み、小さい島ながらも島内には
美術館や資料館、庭園など様々な施設や見どころがあります。
現在は、上蒲刈島や豊島、大崎下島、岡村島など、
瀬戸内の島々を結ぶ「安芸灘とびしま海道」の玄関口として、
風光明媚な景色を楽しむサイクリニストやランナーが多く訪れる島になっています。

テーマごとに4つの展示を楽しめる〈松濤園〉

そんな下蒲刈島で人気の施設〈松濤園〉は、4つの建物が並ぶ
美しい庭園を回遊しながら見学する珍しい博物館。

〈松濤園〉

〈松濤園〉

〈松濤園〉を構成する美しい庭園と日本の建築技術を遺した
それぞれの建物は、朝鮮通信使の資料や模型、民芸品が展示された〈馳走一番館〉、
1600年~1700年後半の貴重な古伊万里の名品が眺められる〈陶磁器館〉、
紀元前~1800後半までの珍しい西洋の照明器具のコレクションが楽しめる〈あかりの館〉、
海上の警固についた御番所を復元した〈蒲刈島御番所跡〉です。

特に話題なのが〈馳走一番館〉に展示してある『朝鮮人来朝覚備前馳走船行烈図』。

『朝鮮人来朝覚備前御馳走船行烈図』

『朝鮮人来朝覚備前御馳走船行烈図』

2017年にユネスコ〈記憶遺産〉に認定された世界レベルで評価された作品で、
1748年に朝鮮通信使が航海した時のたくさんの船や街の様子、
当時の生活など細かく描かれ、思わず見入ってしまいます。

松濤園内のそれぞれの建物は、和風建築の伝統様式を残す
古民家をわざわざ移築したもの。中身の展示品はもちろん、
建物自体も興味をそそり、4つの建物が陶磁器や明かりなど、
テーマごと楽しめるようになっているので、飽きることがありません。
中には、マニアがびっくするような高価な陶器や展示品が発見できるかも!

日本を代表する近代作家の作品を展示する〈蘭島閣美術館〉

そして、松濤園からすぐ近くにある〈蘭島閣美術館〉も外せません。

総檜造り、木造建築を誇る立派な建物の美術館で、
靴を脱いで入館するため、寛いだ気分で美術作品が鑑賞できます。
所蔵品は、須御阿弥赫土、奥田元宋、平山郁夫など、
日本を代表する近代作家の作品が約2200点と充実した
コレクションを有し、美術ファンを満足させてくれるでしょう。

〈蘭島閣美術館〉

〈蘭島閣美術館〉

こちらの美術館では、美術館のホールで開催される
ギャラリーコンサートも評判です。
毎月第3土曜はクラシックを中心としたコンサートを開催しています。
世界や全国各地から有名な演奏家を招き、毎回訪れる根強いファンもいます。
アットホームな雰囲気のステージは、演奏家たちからは
「世界一、奏者と聴衆の距地が近いコンサート」と言われるほど。
至近距離で聞く世界レベルの演奏は、迫力満点です。

さらに、建築を堪能したい方は、〈蘭島閣美術館〉に隣接した
〈白雪楼〉もいかがでしょうか。
江戸末期の豪農だった邸宅を移築したもので、
可動式の壁を備えた和室は全国でも貴重な建物だそう。
庭や瀬戸内海のキラキラ輝く海を眺めながら、
お抹茶を一服点ててもらうこともできますよ!

懐かしく新しい生き方。
〈真鶴出版〉との出会いから
ゲストハウス2号店の幕開けへ

トミトアーキテクチャ vol.1

どうもこんにちは、トミトアーキテクチャ(冨永美保+伊藤孝仁)です。
「リノベのススメ」には、横浜は東ヶ丘のプロジェクト
〈CASACO〉を紹介して以来の再登場です。

CASACOとは、地域と連動しながら木造二軒長屋を改修して、
2016年4月に誕生した地域拠点型シェアハウスです
(詳しくはこちらの記事からご覧ください)。

相変わらず仕事場はCASACOのすぐ横にあり、丘に広がる住宅地での生活を楽しみ、
そして自分たちで設計した建築の日常を傍らで見守りながら、
建築設計の活動に勤しんでいます。

今回は、神奈川県の真鶴半島で空き家を改修したプロジェクト
〈真鶴出版2号店〉についてご紹介したいと思います。
というのも、このプロジェクトは『コロカル』の記事をきっかけに始まったのです。

(撮影:小川重雄)

(撮影:小川重雄)

『コロカル』を通し、“スナック”で出会う

東ヶ丘での活動はCASACOにとどまらず、
事務所から歩ける範囲でプロジェクトは連鎖しています。
そのひとつに、大きな庭のある空き家を美容室とカフェに改修したプロジェクト
〈WAEN dining & hairsalon〉があります。
あたかも、地形的な単位である“丘”を、自分たちの活動の“フィールド”にすることに、
建築設計者としての喜びを感じていました。

一方で、その“町医者”的に限定された環境にとどまることで、
この先どう展開していくのかという悩みも感じていました。

CASACOと同じ東ヶ丘で2作目の〈WAEN dining & hairsalon〉。大きな庭がある環境を生かしている。

CASACOと同じ東ヶ丘で2作目の〈WAEN dining & hairsalon〉。大きな庭がある環境を生かしている。(撮影:大高隆)

そんななか、CASACOで定期的に「スナックtomito」という会を開いていました。
1階のスペースを借りて、週末の夜にSNSなどで呼びかけをして、
30人くらいの人たちが集まって一緒にごはんとお酒を楽しむ会です。
私たちの知り合いが半分くらい、周辺住民の方が半分くらい。
最後は同じテーブルを共有してごちゃ混ぜになっている風景を、
毎回不思議な気持ちで眺めていました。

そこに〈真鶴出版〉のふたり(川口瞬さんと來住友美さん)が
遊びに来てくれたことをきっかけに、プロジェクトが始まりました。

スナックtomito「三浦展によるQUESTION 66-73」には総勢40名近くの人が集まった。

スナックtomito「三浦展によるQUESTION 66-73」には総勢40名近くの人が集まった。

コロカルでとても人気の特集「真鶴半島イトナミ美術館」の一読者であった私は、
真鶴出版の活動にもともと興味をもっていました。
「真鶴」という地名は、建築やまちづくり関係者にとって、
どこか魅惑的な響きを持っており(その理由については後ほど)、
そこで生まれている新しい暮らしと仕事の姿を垣間見て、
同世代として共感していたのでした。

ところで、真鶴出版のふたりがなぜスナックtomitoに遊びに来てくれたのか。
聞くと彼らも、コロカルの記事を通じて私たちに興味を持ってくれたようです。

「2号店をつくろうと思っています」

真鶴出版(こちらの記事に詳しいのでぜひ読んでください)は
「泊まれる出版社」をコンセプトに、
真鶴に移住した夫婦が2015年から始めた活動です。
まちの魅力を暮らしの中で再発見し、オリジナルの本やウェブの記事、
まちの広報物などというかたちで広めていく“出版”と、
真鶴に興味を持った人の窓口や受け皿となるような“宿”の両輪からなっています。

左から真鶴出版の川口瞬さんと來住友美さん、トミトアーキテクチャの冨永美保、伊藤孝仁。プロジェクトのスタートを記念し、改修する空き家の前で。

左から真鶴出版の川口瞬さんと來住(きし)友美さん、トミトアーキテクチャの冨永美保、伊藤孝仁。プロジェクトのスタートを記念し、改修する空き家の前で。

1号店の玄関に置かれていた真鶴出版による出版物。(撮影:MOTOKO)

1号店の玄関に置かれていた真鶴出版による出版物。(撮影:MOTOKO)

自宅兼オフィス兼宿であった1号店(現在の自宅)の前にある空き家を改修して、
そこを新しい拠点(2号店)にしたい。私たちにその建築設計を依頼したい。
そんな相談を、お酒を飲みながらラフに話すことができ、
近々真鶴に遊びに行くことを約束しました。

川口さんと來住さんが建築設計事務所に仕事を依頼するのはもちろん初めて。
どのようにコンタクトを取るべきか、断られてしまうのでは……と、
とても不安に感じていたなか、その事務所が開く“スナック”は、
気軽に行くことができたとふたりは振り返っています。
私たちにとっても、自分たちの仕事を知っていただいたうえで
依頼を受けた初めての経験でした。

500人ほどが暮らす“丘”の中で設計活動を展開していた私たちにとって、
7300人ほどが暮らす“半島”という地形からなる環境単位は、
まるで新しいフィールドに出会うような気持ちでした。
横浜から真鶴へ向かう1時間ほどの東海道線の車内では興奮がおさまりませんでした。

〈天童木工〉の 50年のアーカイブ から生まれた新しい照明 「アーカイブライト」登場!

50年のアーカイブから新しいデザインが誕生!

山形の家具メーカー〈天童木工〉から、新しい照明器具
「アーカイブライト」の発表と展示のお知らせが届きました。

この有機的なデザインの照明は、天童木工の椅子の技術と
デザインのアーカイブを再構成してつくられたもの。

企業のアーカイブを活用し、現代的な価値を持つ知的資源として
新たなクリエイションにつなげていくプロジェクトチーム
〈アーカイブプロジェクト〉に天童木工がアーカイブを
提供することによって実現しました。

アーカイブプロジェクトの発起人は、アーキテクト/プランナーの南木隆助さん。
南木さんは以前コロカルでご紹介した〈福筆〉
『IKKOAN 一幸庵72の季節のかたち』
クリエイティブディレクションを手がけた方でもあります。

〈天童木工〉「アーカイブライト」

〈天童木工〉「アーカイブライト」プロダクトデザイン・クリエイティブディレクション 南木隆助/アートディレクション 高橋万実子/撮影 樋口兼一/製作プロデュース 錦木実

「この照明は、過去50年をさかのぼって、
日本を代表する椅子メーカー、天童木工で様々な年代で作られた
5つの椅子を作るために使われた型(成形合板を曲げるための型)を
これまでの使われ方と違う方法で活用し作られました。

つまり天童木工の技術とデザインのアーカイブを再構成して
一つの照明を作り出したと言えます。
椅子の背もたれや、手すり、ロッキングチェアの脚など、
様々な椅子のディテールを、シャンデリアのような
優美な曲線として活かしています」(南木さん)

益子焼の新ブランド 〈BOTE&SUTTO ボテ&スット〉が 深澤直人さんディレクションで誕生

焼き物の町、栃木県の益子から新しいブランド
〈BOTE&SUTTO(ボテ&スット)〉が生まれました。
ディレクターの深澤直人さんと益子町、作陶家たちが一緒に作り込んでいった、
“ボテっとしたもの”と、“スッとしたもの”、計36種類の器たちです。

BOTE ティーポット

BOTE ティーポット(9,000円)

益子町では現在、400ほどの窯元や作家が活動しています。
陶器市の時期は賑わいを見せるものの、2011年の震災以降、
来県者数が減少しているという問題を抱えています。

BOTE 飯椀

BOTE 飯椀(2,500円)

そこで2016年、益子町は復活プロジェクトを立ち上げ、
デザイナーの深澤直人さんをまちづくりアドバイザーに迎えました。

深澤さんがまず考えたのは、
「益子焼とはどういうものを益子焼と言うのだろうか」
ということ。

この疑問から、深澤さんと益子町と〈濱田窯〉〈清窯〉〈道祖土和田窯〉の
3つの窯元が参加して誕生したのが〈BOTE&SUTTO〉です。

SUTTO プレート

SUTTO プレート(5サイズ)1,000円~

〈BOTE&SUTTO〉はその名前の通り、
ぼてっと丸みを帯びた形と、すっとラインの通った形の2タイプを展開。
益子で使われている主な7色の釉薬のうち、
一番益子の定番と感じる黒と並白の2色を用いること、
益子の土を使うこと、型を使わないこと、器の幅、
といったガイドラインを設定し、それに沿って、
3つの窯元が腕を振っています。もちろんすべて手づくりです。

和装を楽しむ〈おきがえ処 KIPPO〉と
間口わずか1間半の町家オフィス。
射水市新湊内川の新たな可能性とは?

マチザイノオトvol.6

こんにちは、グリーンノートレーベル(株)の明石博之です。

今回は、富山県に来てから初めて身内以外の人から
お仕事として場づくりのプロデュースを依頼された、
記念すべきふたつのプロジェクトをご紹介します。

暮らす土地で、仕事とまちづくりがしたい

東京時代にまちづくりのコンサルタントをしている頃、いつかは地方に移住して、
まちづくりに貢献できる「プレイヤー」になりたいと思っていました。
暮らす地域で仕事をして、そのまちに貢献できる事業をするのが、
私の理想的な生き方です。

いまでは大好きになった新湊内川に〈カフェuchikawa六角堂〉ができて、
それから事業拠点となるオフィス〈ma.ba.lab.〉ができて、
ついに富山市から新湊に住まいを移したことで、
かねてからの夢が現実のものとなりました。

ついに、人様のプロジェクトを手伝うことに

vol.5でご紹介した〈小さなキッチン&雑貨Lupe〉は、
新湊内川に拠点を持ったからこそできたプロジェクトでした。
同時に、思いつきや気まぐれでなく、私たちがビジョンを持って活動していることが、
なんとなく地域のみなさんにも理解してもらいつつあるような気がしていました。

内川が大好きな〈川口貸衣裳店〉の川口貴巳さん。

内川が大好きな〈川口貸衣裳店〉の川口貴巳さん。

そんな2016年の春、と言ってもまだ雪が残る季節。
小さなキッチン&雑貨Lupeのリノベ計画を思いついたちょっと前の話です。

「内川沿いにお店やオフィスをつくりたいという人、誰かいないかなぁ」
と思っていた矢先に、地域行事の委員会でお会いする方から相談を受けました。
その方は、地元で3代続く貸衣装店を営む川口貴巳さん。

多くの人でにぎわう地域イベント〈内川十楽の市〉。

多くの人でにぎわう地域イベント〈内川十楽の市〉。

川口さんは、地元でまちづくりに取り組んでいる
NPO〈水辺のまち新湊〉さんが主催している夏のイベント〈内川十楽の市〉に
毎年参加していて、来場した人に着物や浴衣をレンタルして、
和装姿でイベントを楽しんでもらおうという企画をしていました。

あくまでも年1回のイベントでやっている企画でしたが、川口さんは次第に
「内川の活性化のために、和装姿で散策を楽しめる拠点をつくりたい」
と考えるようになったそうです。

空き家になった商店街通りの店舗兼住宅(内川側)。

空き家になった商店街通りの店舗兼住宅(内川側)。

その拠点となる物件はすでに決まっていて、商店街に面した古い町家でした。
かつては洋品店を営んでいた住居兼店舗で、
住居の入り口が商店街の裏手にある内川に面していました。

商店街と内川に挟まれた町家。

商店街と内川に挟まれた町家。

中庭を挟んで、店舗と住居に分かれている。

中庭を挟んで、店舗と住居に分かれている。

この商店街通りにある店のほとんどは、同じような建物の造りをしています。
町家の中庭から半分は商店の造り、あとの半分は居住空間となっていて、
生活の出入りは内川側を利用している場合が少なくありません。

住居側の和室(内川側)。

住居側の和室(内川側)。

洋装店だった店舗(商店街側)。

洋装店だった店舗(商店街側)。

物件の持ち主さんは県外に住んでいて、2階の一部だけを親戚の方に貸していました。
1階部分は利用されないままで、水回りを中心に床や壁の傷みが激しくなっていました。

川口さんは、利用されていない1階部分を借りて、
和装に着替えてまち歩きをするための拠点づくりをしようと考えました。

水回りの壁と床は、湿気でダメージが大きい。

水回りの壁と床は、湿気でダメージが大きい。

建築家として、“里の公共員”として。
リノベーションだけでない
多角的な空き家活用

blueto建築士事務所 vol.7

2018年6月からスタートした連載も今回で最終回です。
半年にわたり、ご愛読いただきありがとうございました。

今回は、現在挑戦している「里の公共員」という取り組みと、
〈blueto建築士事務所〉の新オフィスのリノベーション、
そしてbluetoの今後のビジョンについてお話しします。

“半公半民”がコンセプト「里の公共員」

建築設計の傍ら、2018年1月より京丹後市大宮町三重・森本地区内で、
「里の公共員」という仕事をしています。

里の公共員とは、少子高齢化、過疎化の進行といった
地域の課題解決や農山漁村再生活動、ローカルビジネスを支援するため、
地域住民や団体と協働しながら長期的に活動する公共的な役割です。

そのコンセプトは、“半公半民”。
地域と関わりを持ち、自らの仕事を持ちながら取り組むということが、
里の公共員のひとつの条件となっています。

つまり僕の場合は、“民”として、空き家の活用やリノベーションといった
blueto建築士事務所の活動をしながら、
“公”の部分で、三重・森本地区の一員となって、地域内にある空き家活用と
移住者の受け入れといった地域活動の支援をしています。

大宮町三重・森本地区にて。

大宮町三重・森本地区にて。

大宮町三重・森本地区は、京都市内と京丹後市をつなぐ、
京都縦貫自動車道の京丹後大宮インターチェンジの付近にあり、
京丹後市の玄関口に位置します。田んぼと川と山に囲まれた地域で、
自然豊かなゆっくりとした時間が流れる地域です。

大宮町三重・森本地区の人口は500名強で、三重森本まちづくり計画などに
地域住民のみなさん自らが参画しています。
京丹後市の中でも移住や空き家活用の取り組みにおいて、非常に積極的な地域であり、
京都府知事が指定する「移住促進特別区域」になっています。

その中で重点を置いているのが、地域全体の空き家を活用して、
移住を促進することです。

少子高齢化が進み、京丹後市の高齢化率は約35%(平成29年統計データによる)です。
自治体の維持自体が困難な地区も出始めており、そのような地域では
空き家が多く存在し、人が寄りつきにくくになっていきます。

地域の衰退は加速度的に進んでいますが、そのような状況を受け入れて、
人口が減っても地方での暮らしが楽しく、
自分らしく生きていけたらいいと僕は思っています。

人口を無理に増やすのではなく、
ひとりひとりが理想の暮らしを実現できる場所をつくり上げることを
里の公共員のミッションとして活動しており、
それはblueto建築士事務所のコンセプト
「暮らしのリノベーション」と同じだと思っています。

岡山県津山市〈PORT ART &DESIGN TSUYAMA〉 暮らしに近いアートギャラリーが誕生

2018年10月、岡山県津山市に芸術文化の交流拠点
〈PORT ART&DESIGN TSUYAMA〉がオープン。
なまこ壁や虫籠窓(むしこまど)など古き良き意匠がそのまま残る
〈城東町並み保存地区〉と地続きで、
現代アートを味わえる空間が生まれました。

岡本常秀さんと中野由紀子さんのガラス展の様子

岡本常秀さんと中野由紀子さんのガラス展の様子。作品の購入も可能。市民ギャラリーとしての貸館利用もOK。

これまでに、現代美術家の太田三郎さんの作品展やガラス作家の岡本常秀さんと
中野由紀子さんの二人展を開催。12月にはクリスマス・マーケットを行うなど、
地元作家を中心に企画や展覧会が目白押しです。

木造の本館、ラウンジ

木造の本館、ラウンジ。銀行時代から使われていた欅の一枚板カウンター(約8m)は見所のひとつ。

赤レンガ倉庫

歩いて回るだけでも気持ち良い赤レンガ倉庫

こちらは、旧妹尾銀行林田支店として大正9年に建設され、
当時では最高級の建築木材「欅」「屋久杉」などが
ふんだんに用いられている贅沢な建物。

そうした神社仏閣級の豪奢な建築と、
大正ロマンを感じさせる赤レンガ倉庫が見事に調和。
その佇まいの美しさだけでも一見の価値ありです。

日本最古級の映画館〈高田世界館〉と 上越市高田の「雁木通り」まち歩き

閉館の危機を乗り越え、日々上映を続ける映画館

新潟県の南西部に位置する上越市高田。
国内屈指の豪雪地帯で知られ、
かつては4メートル近い深雪が観測された地域でもあります。

その気候のため、高田には「雁木(がんぎ)」と呼ばれる
アーケードの原型ともなった雪よけの庇がついた古い家々が軒を連ねます。
まちを歩けば、情緒ある風景に、不思議な懐かしさがこみあげてくるよう。

高田の雁木通りは全長16キロ! 日本最長の長さを誇ります。

高田の雁木通りは全長16キロ! 日本最長の長さを誇ります。

徳川家康の六男・忠輝によって、約400年前に高田城が築城され、
城下町として栄えた高田のまち。
1900年代に入ると、旧陸軍第13師団が駐留することになり、
遊郭、芝居小屋、牛鍋屋などもつくられ、歓楽街として栄華を極めました。

その時代に建てられた映画館がいまも残り、現役で映画上映が行われています。
映画館の名は〈高田世界館〉。

1911年に建てられた擬洋風建築で、国の登録有形文化財になっている〈高田世界館〉。

1911年に建てられた擬洋風建築で、国の登録有形文化財になっている〈高田世界館〉。

もともとは〈高田座〉という芝居小屋としてスタートしましたが、
ほどなくして世界的な映画ブームが到来。
その流れを受け、開業5年後には芝居小屋から映画館へと方針を転換しました。

その後、時代や景気に翻弄され、2000年に入る頃には廃業寸前となったものの
地域住人によって保存活動が行われ、
2009年にはNPO法人〈街なか映画館再生委員会〉に譲渡され、再生を果たしました。

スクリーンの前にはステージが。

スクリーンの前にはステージが。

映画館の内部は、建設当時の姿がほぼそのままに! 
意匠を凝らした天井装飾、円柱の柱、曲線状の階段の手すり、丸窓――。
100年以上の時の重みと風格に、ついついホウッ……とため息が。

天井の装飾が見事! 車輪のような文様は、高田城を治めていた榊原家の家紋「源氏車」をモチーフにしているのだとか。ここにはシャンデリアが飾られていたそう。

天井の装飾が見事! 車輪のような文様は、高田城を治めていた榊原家の家紋「源氏車」をモチーフにしているのだとか。ここにはシャンデリアが飾られていたそう。

レトロな椅子が並ぶ2階席。

レトロな椅子が並ぶ2階席。

1階には140席、2階には40席と、なかなかの収容規模。
芝居小屋であったため、座席はもともと畳敷きだったそう。
その名残で、2階席の手すりはかなり低くつくられています。

映写室には、フジセントラル社製の映写機が2台。
現在もこの映写機によるフィルム上映を定期的に行っています。

サイレント映画を上映する際は、昔ながらのスタイルをとり入れ、
映画の解説をする“活動弁士”を迎えることもあるのだとか! 

映画だけでなく、芝居小屋時代のステージを活用したライブコンサートや
落語を開催したり、近年盛り上がりをみせるインド映画の「マサラ上映」や
「応援上映」といった新しい上映スタイルもとり入れ、
映画ファンのためのコミュニティづくりにも力を入れています。

「レンタルDVDや動画配信が普及するなかで、
映画を映画館で観ることへの価値が薄れつつあるんです。
いま、ただ映画館で映画を観るだけではなくて、観客参加型の、
その瞬間じゃないと味わえない体験を求める人が増えています。
なので、ステージがある映画館って、わりと使い勝手がよくて。
ライブや落語など、いまとなってはそういう使い方こそ、価値が出てきていますね」

2014年から高田世界館の支配人を務める上野迪音(みちなり)さんは、
高田のまちづくりにも取り組む、若きキーパーソン。
映画をフックにしたまちづくりもスタートさせています。

高田世界館の支配人・上野迪音さん。

高田世界館の支配人・上野迪音さん。

『新潟のつかいかた』では、高田世界館と上野さんについて詳しく紹介しています。
記事はこちらから↓

[ff_get_limagelink url='https://howtoniigata.jp/article/shingatabito/7552/' thumbnail='https://libs.colocal.jp/wp-content/uploads/2018/12/ode-niigata-takada-limagelink.jpg' title='【新潟のつかいかた|新潟のシンガタビト】
〈高田世界館〉支配人・上野迪音さん
日本最古級の映画館の保存と
まちのコミュニティづくりを目指す']

山梨県小菅村×YADOKARI 〈タイニーハウスデザイン コンテスト2019〉。

〈タイニーハウス〉プロジェクトとは?

断捨離やミニマリストなど、
今までの生活のあり方を見直すムーブメントが勢いを増す現代。
またひとつ、その流れで世の中の注目を集めているのが〈タイニーハウス〉です。
単に小さな家というわけではなく、2008年の金融危機をきっかけに
「シンプルで無駄のない生活」が実現できる住居として広がりました。

2018年開催時の作品提出者は124組(応募登録総数は365組)

2018年開催時の作品提出者は124組(応募登録総数は365組)。第3回目となる2019年のコンテストでは、「小さくても楽しい家」がテーマ。

そうしたタイニーハウスの魅力的な設計アイデアを求める
〈タイニーハウスデザインコンテスト2019〉が、現在応募を受付中です! 
建築関係の資格や経験は不問で、アイデア重視。
「タイニーハウスを使ってどんな暮らしがしたいか」を掘り下げ、
未来の住まいの選択肢を創ることが目的です。

コンテストでの受賞を経て実際に建設されたタイニーハウス

コンテストでの受賞を経て実際に建設されたタイニーハウスは、村の施設として有効活用されている。

今回は「どれだけワクワクできて楽しいか」が大事な審査基準のひとつとなっており、
最優秀賞に輝くと、なんと自分の作品を建築してもらえます!
絵に描いた餅で終わらない、そのリアルさがこのコンテストの魅力です。

かわいいおもちゃ絵が満載! 書籍『フィリップ・ワイズベッカーの 郷土玩具十二支めぐり』発売

干支にまつわる郷土玩具が、味わいあるデッサンで描かれる

フランス人アーティストのフィリップ・ワイズベッカーが、
干支にまつわる郷土玩具のつくり手を訪ねる! 
味わいあるデッサンとエッセイ、写真で綴った探訪記、
書籍『フィリップ・ワイズベッカーの郷土玩具十二支めぐり』が
青幻舎より発売中です。

書籍中面

『フィリップ・ワイズベッカーと郷土玩具十二支めぐり』より

『フィリップ・ワイズベッカーと郷土玩具十二支めぐり』より

ワイズベッカーさんは、パリとバルセロナを拠点にするアーティスト。
広告や展覧会など、日本での活動も多いんです。

本書では、ワイズベッカーさんがインスパイアされた
日本各地12か所の干支にまつわる郷土玩具のつくり手を訪ね、
生み出したデッサンとエッセイを写真とともに綴ります。
巻末には、各地で記した取材日記も収録。
装丁監修は、ワイズベッカーさんの友人でもある葛西薫さんです。

京都・伏見人形の唐辛子ねずみ

石川・金沢からくり玩具のもちつき兎

『フィリップ・ワイズベッカーと郷土玩具十二支めぐり』より

本書籍のための描き下ろし原画が見られる、
巡回展『フィリップ・ワイズベッカーの郷土玩具十二支めぐり』も開催されます。
東京では2018年12月19日(水)〜12月31日(月)まで
〈中川政七商店 GINZASIX店〉にて、
大阪では2019年1月4日(金)〜1月15日(火)まで
〈中川政七商店 ルクア イーレ店〉にて。こちらもお見逃しなく。

クリスマスマーケット 〈ヒュッグリ市〉 “ヒュッゲ”なホリデーギフトが集合!

クリスマス&お正月も、もう目前!
2018年12月8日(土)・9日(日)の2日間にわたり、
東京・清澄白河の〈The Fleming House〉にて、国内外の
クラフトブランドが集まる〈ヒュッグリ市(HYGGELIG MARKET)〉が開催されます。
2日間で全25ブランドが出店する、にぎやかなマーケットです。

The Fleming House

The Fleming House

HYGGE(ヒュッゲ)とは、デンマーク語で、居心地のいい時間、いい場のこと。
HYGGELIG(ヒュッグリ)はその形容詞で、心地よい、
やすらぐ、ほっこりに近い意味です。

主催は、デンマークにも活動拠点のあるバウム社。
ヒュッグリ市は、“ヒュッゲ”な時間をつくりたくなる
ヒュッグリなモノや食べ物とその作り手と出会えるマーケットです。

ReBuilding Center JAPAN(古材・古物|長野)

ReBuilding Center JAPAN(古材・古物|長野)

yaso(森のカケラ|長野・東京)

yaso(森のカケラ|長野・東京)

cuiiji(猪肉の缶詰|北海道・島根)

cuiiji(猪肉の缶詰|北海道・島根)

ReBuilding Center JAPAN(古材・古物|長野)

ReBuilding Center JAPAN(古材・古物|長野)

今回の開催テーマは、「贈る相手を想うヒュッグリな物」。
クリスマス・年末年始にちなんで、家族、友人同士の団欒に
あたたかさを添える全25ブランドが出店者します。
長野県でツリーケアを手がける専門店による「yaso」の枝や実を使った製品、
北海道・島根の「cuiiji」の猪肉の缶詰などなど、贈り、贈られることで、
心まであたたかくなるようなアイテムが揃います。

建築家がドローン撮影?
視点を変えた京丹後の情報発信

blueto建築士事務所 vol.6

今回はこれまでの空き家活用とは違ったテーマの話をします。

〈blueto〉では、建築設計や住まいのリノベーション、
空き家活用を行う建築業務のほかに、ドローンを使った映像制作も行っています。

「なぜ建築家が映像を撮影するの?」
「なぜドローン?」と思われるかもしれません。
ところが空き家活用などの建築関連の仕事とbluetoの映像制作とは、
本質的な共通点があるのです。

3つの動画制作の事例を振り返りながら、
建築家ならではの情報発信について考えていきたいと思います。

初めてのフライトでドローンを紛失

ドローンを始めたのは、2016年5月頃です。
いまとなっては一般的に使用されていますが、
当時はまだドローンが世に出始めたばかりの頃でした。

きっと空から見る丹後の景色は美しく、
まずは自分自身で上空から丹後の景色を見てみたいと思っていました。

そこで、当時1万円程度のホビードローンを購入しました。
いま思えばかなり安価なドローンでしたが、
カメラつきでスマホと連動して空からの景色が見られると、
ワクワクしながら空撮に挑戦したことを覚えています。

まちなかで飛ばすことはできないので、初めての飛行場所は丹後の日本海上空でした。
5月頃は風が強いため、一度飛ばすと一定の位置を維持することができず、
かなり不安定な飛行で空撮どころではありません。

最初は高度を地上5メートル程度にしていましたが、
高度が足りないためか思った映像が撮れず、
思い切って20メートルくらい上空に飛ばしました。
すると急に大きな風が吹き、ドローンは海のほうへ流されていきました。

必死でコントロールしようとしたのですが、
操作不能となりそのまま海の彼方へと消えて行きました。
まさかの初日、ドローンを海でなくしてしまったのです。

かなり落ち込みましたが、どうしても空撮が諦めきれず、
すぐに次のドローンを購入しました。

次はGPS機能がしっかりしている〈Phantom3〉という機種にしたところ、
機体がしっかりしており、難なく空撮を成功させることができました。

その画面に映った海とまち並みはとてもきれいで、本当に感動しました。
上空から見る京丹後の景色は、普段地上から見ているものとは
全然違った印象がありました。

2017年京丹後フォトコンテスト ドローン特別賞を受賞。

2017年京丹後フォトコンテスト ドローン特別賞を受賞。

初日にドローンをなくしたことでいまでも慎重に飛ばすのが癖となり、
それ以来墜落させたことはありません。

かわいい〈つるし飾り〉 が自分で作れる! 書籍『リネンで作る、つるし飾り』発売

伝統工芸を赤一色でモダンにリデザイン!

日本各地で見られる工芸品〈つるし飾り〉。
これは、着物などの端切れを縫って綿を詰めたさまざまな飾りものを、
紐で吊るした伝統工芸品。飾りものひとつひとつに願いが込められ、
ひな段の両脇に吊るしたものが原点といわれています。

そんなつるし飾りをモダンにデザインし、自作するための
書籍『リネンで作る、つるし飾り』が発売されます。

『リネンで作る、つるし飾り』誌面

『リネンで作る、つるし飾り』誌面

自作つるし飾りの手順が掲載された誌面

『リネンで作る、つるし飾り』

書籍では、ポピュラーなつるし飾りのモチーフ、
“くくり猿”は「厄が去る」、桃は魔除けの象徴、
三角は薬袋をかたどったもので病気にならないように……などなど、
それぞれに意味を持つ、つるし飾りのモチーフの作り方を紹介。

一般的なつるし飾りは絹やちりめんを使ったカラフルなものですが、
人気イラストレーター・エッセイストの堀川波さんにより、
赤一色でモダンな作品に生まれ変わり、飾る場所を選ばないデザインになっています。
贈りものとしてはもちろん、還暦のお祝いとしても喜ばれるのではないでしょうか。

温泉地のご当地手ぬぐい 〈木綿湯布 もめんどうふ〉 がかわいい! ちゃんと豆腐パッケージも再現

日本各地の温泉地でしか買えない!ご当地手ぬぐい

新しい土産もの〈木綿湯布〉が、中川政七商店から登場! 
“いい風呂の日” の、2018年11月26日(月)より、
日本各地の温泉地で発売開始されます。
豆腐のパッケージ入りで、地元の木綿や染めの技法を使った、
温泉地のご当地木綿生地手ぬぐいです。

〈木綿湯布〉第1弾は、埼玉県、静岡県、三重県、愛媛県の4県からスタート。
ご当地の木綿や染工場の製法を生かして商品化し、その温泉地で限定販売します。
入浴時に使う手ぬぐい「湯手(ゆて)」が現代版としてよみがえった、
古くて新しいアイテム。お値段は各1,000円(税抜)です。

埼玉県手ぬぐい

埼玉県手ぬぐい

埼玉では、川越市で創業70年の老舗染物屋〈井上染工場〉とコラボ。
「手捺染」と呼ばれる技法で仕上げられた手ぬぐいには、
埼玉県の名物や、昭和レトロな温泉銭湯 玉川温泉、おふろcafe白寿の湯の
特長を表した図柄が描かれています。

埼玉県の、昭和レトロな温泉銭湯 玉川温泉

昭和レトロな温泉銭湯 玉川温泉

100万円でDIYリノベに挑戦。
小さなキッチン&雑貨店
〈Lupe〉ができるまで

マチザイノオトvol.5

はじめまして。〈グリーンノートレーベル株式会社〉の西田芽以と申します。
今回は2016年夏から約1年をかけて私が担当した、DIYで小さなお店をつくるお話です。

〈カフェuchikawa六角堂〉の仲間たちと。左から2番目が私、西田です。

〈カフェuchikawa六角堂〉の仲間たちと。左から2番目が私、西田です。

私が富山県に来たのは9年前。
地元の奈良県から大学入学を機に富山へ移住して、
それから6年間、家具などのモノづくりについて学びました。

モノについて考えるうちにモノの先にあるコトづくりに興味がわき、
つくり手や使い手の生活、その集合体である“まち”に直接関わる仕事をしたいと思い、
この会社に入りました。

現在は〈カフェuchikawa六角堂〉の営業スタッフや
地域での暮らしの様子を伝えるWeb記事作成などを担当しています。

内川沿いを散歩すると、たぷたぷと水の音が心地よく聞こえます。

内川沿いを散歩すると、たぷたぷと水の音が心地よく聞こえます。

DIYで小さなお店をつくろう

私がこの会社へ入ったのは、カフェuchikawa六角堂がオープンして
3年目のタイミングでした。地域でのお店の認知も浸透し、
週末のランチタイムは予約なしでは入店が難しいほど、
たくさんの人々が訪れる場所となっていました。

店内の賑やかな雰囲気の一方で、せっかく来ていただいたのに
入店できなかったお客様が順番を待ちきれずに帰ってしまう問題がありました。
近所の人は「いつも忙しそうやから……」と
来店を遠慮してしまうこともあったようです。

また、決して広くはないキッチン空間は、すでにオーバーフロー状態のため、
料理の供給が追いつきません。
そのため、閉店してから大量の仕込み作業が始まる始末。
スタッフの帰宅時間が遅くなるという問題もありました。

そうした現状を横目で見ながらも、入社1年目の私は
日々の仕事をこなすことで手も頭も一杯一杯でした。

uchikawa六角堂の向かいの空き家。写真に写っているのが裏口。

uchikawa六角堂の向かいの空き家。写真に写っているのが裏口。

仕事にも少しずつ慣れてきた6月のある日のこと。
毎朝行なっているミーティングの最中、社長の明石が突然、
「六角堂の向かいの空き家をお店にしようか」と言い出しました。

向かいの空き家とは、道を挟んで向かい側にある空き家をお借りして
店内に入りきらない備品や在庫を保管していた場所です。

ここは2階建ての木造住宅で、以前はオーナーさんの奥さんが
ピアノ教室をされていたようです。1階部分をお借りしていますが、
実際に倉庫として使っているのは入り口近くのひと部屋だけ、という状態でした。

「六角堂のサブキッチンをつくろうと思うけど、せっかくだからお店にしたいよね」
「空き家の裏口側だけ改装してさ、このぐらいの広さならDIYでできそうだよね」
「予算は100万円ね」
「全部任せるから、よろしく!」

思いついたように構想を広げていく明石の話に対して、
私は「はぁ」と気の抜けた返事しかできませんでした。

大学時代の経験から大工道具はそこそこ使えるものの、建築に関してはズブの素人。
お店をつくるのがどれだけ大変なのか、何から始めたらいいのか、
右も左も分からないなか、言われるがままにお店づくりが始まりました。

〈工芸ハッカソン2018〉 富山で生まれた伝統工芸の 最新形が渋谷に上陸!

2018年11月30日(金)〜12月2日(日)、東京・渋谷の〈EDGEof〉にて、
〈工芸ハッカソン2018〉が開催されます。

これは、展示やトークセッション、ワークショップなどを通じて
日本の手仕事とテクノロジーの融合によるイノベーションの可能性を探るイベント。

工芸ハッカソン2017の様子

工芸ハッカソン2017の様子

工芸ハッカソン2017の様子

「ハッカソン(hackathon)」とは、ソフトウエア開発者たちが
共同でプログラムの開発やサービスの考案などを行い、
その技能やアイデアを競う催しのこと。

2017年に富山県高岡市で開催された工芸ハッカソンでは、
多様な分野の一線で活躍する37名が参加し、話題を呼びました。

今年の工芸ハッカソン2018には、昨年のハッカソンで生まれたプロジェクトが登場。
漆塗りを用いたインスタレーションや伝統工芸にIoTを組み込んだプロダクト、
AIと職人の協働による作品、エンジニアリングを用いた
技術継承のための新しいシステムなどが並びます。

富山で生まれた7つのプロジェクト

〈素材調〉による作品

〈素材調〉による作品

もともとは2017年に〈国際北陸工芸サミット〉の一環として
富山県高岡市で始まったというこのイベント。

昨年は、金属工芸や漆芸の技と心意気を400年以上受け継ぐ高岡市を舞台に、
地元の伝統産業に携わる職人と、エンジニア、研究者、アーティストなど
異分野のクリエイターがチームを組み、7つのプロジェクトが生まれました。
今年はそこから生まれたプロジェクトの最新の状況を
展示やトークセッションを通じて紹介します。

工芸ハッカソン2017の様子

工芸ハッカソン2017の様子

じぶんの時間がここにはある。 倉敷市の〈滔々 倉敷町家の宿〉で くつろぎのひと時を。

2018年8月、岡山県倉敷市の美観地区内、大原美術館のすぐそばに、
〈滔々(とうとう) 倉敷町家の宿〉がオープンしました! 
倉敷の美しい街並みと地続きのような町家で、
古きと新しきをいつくしむ空間が、ここにあります。

座敷の机は木工作家の田澤祐介さんのオリジナル

座敷の机は木工作家の田澤祐介さんのオリジナル。脚から宙に浮いているような意匠が面白い。

倉敷のまちに佇む、築およそ100年の町家は、さまざまな人が住みつなぎ、
暮らしの跡を残してきました。

2階の寝室が完成した際の写真

2階の寝室が完成した際の写真。土壁には、鉄が黒い斑点となって浮き出ている。長い歴史のある建物にだけ見られる「蛍壁」とも呼ばれる。

味のある曲がった柱や2階の土壁。建物の歴史をなるべくそのまま残しながら、
現代の快適さも兼ね備えた空間がここにあります。

〈清島アパート〉
生活と制作がほどよい距離にある
別府のアート版「トキワ荘」

アートに出会う場所 vol.2
〈清島アパート〉

アートって意外に身近にあるもの。
あなたのまちにも、きっともっと気軽にアートや
アーティストに出会える場所があるはず。
そんなまちのアートスペースやオルタナティヴスペースを訪ねます。

元下宿アパートを生かしたアーティスト・イン・レジデンス

観光スポットだけでなく、住宅街の中にも銭湯が点在する
世界有数の温泉地、大分県別府市。
そこには、近所の銭湯に入りに行くくらい身近になったアートの場、
戦後すぐに建てられた旧下宿アパートをレジデンス(滞在制作)施設として活用した
〈清島アパート〉がある。

大分出身のアーティストである山出淳也さんが代表理事を務め、
アートによるまちづくりを実行するNPO法人〈BEPPU PROJECT〉が、
〈別府現代芸術フェスティバル 混浴温泉世界〉の会場のひとつとして使い、
芸術祭終了後も、アーティスト支援の一環として運営。
活動は住人たちの自治で行われている。

これまでに、現在も活躍中の眞島竜男さん、蛭子未央さん、関川航平さん、
落語家の月亭太遊さんなどが入居してきた。

清島アパートは3棟22室の1階がアトリエで、2階が居住スペース。
アーティストやクリエイターが居住・制作を始めてから10年目の今秋、
『清島アパート10周年展』が開催されている。

毎秋開催される市民文化祭〈ベップ・アート・マンス〉(混浴温泉世界実行委員会主催)
で恒例のオープン・アトリエに加え、10周年に向けたメッセージを募集展示している。
今秋は、大分県各地で「国民文化祭 全国障害者芸術・文化祭『おおいた大茶会』」が
開催されており、その別府市内のプログラムのひとつともなっていて賑やかだ。

西松秀祐さんの音の出るインスタレーションを体感する観客たち。

西松秀祐さんの音の出るインスタレーションを体感する観客たち。

新旧入居者からの10周年に向けたメッセージを展示。

新旧入居者からの10周年に向けたメッセージを展示。

別府に惚れて移住した画家・勝正光さん

取材は4月と10月の2回にわたり行った。
まずは、立ち上げ時から住み続けている勝正光さんへのインタビューをもとに、
これまでの経緯から振り返ってみたい。

2009年4月11日~6月14日、別府のまちを舞台とした国際芸術祭
〈別府現代芸術フェスティバル 混浴温泉世界〉の第1回目が開かれた。
前年の2008年から市街地調査が始まり、
清島アパートが国内作家の会場のひとつになる。

勝正光さんが、日本列島を旅しながら制作するアーティスト、
遠藤一郎さんの「未来へ号」に同乗し、東京から別府にやってきたのは2009年3月。
作家の村上隆さんが主催する現代美術の祭典『GEISAI#10』で銅賞を受賞し、
村上さんに同行して海外のアートフェアに出品するなど順風満帆に見えた若き頃。

勝さん自身は、そうしたコンテンポラリーアートの王道が
それまでの生活とあまりにも違う世界だと感じ、
「日常生活の延長上で表現を考えたい」と思い悩んでいた。

そんな時期に行われたグループ展『わくわく混浴アパートメント』には、
各地から124組のアーティストが集結。まさに「混浴」状態の展示となった。

「ご高齢だった清島アパートの家主の石丸麗子さんが、
最初は杖をついて両脇を抱えられて出てきたのに、
芸術祭の間に元気になってきたんですよ。
寝たきりの旦那さんを車椅子に乗せて訪ねてきてくださったこともありました。
そういう姿を見てようやくアートの可能性を感じることができたんです」

勝正光さん。

勝正光さん。

こうして芸術祭終了後も、石丸さんから
「活動を続けてほしい、若い人が集まると地域に活気が生まれるから」と求められ、
亡くなるときも遺言でBEPPU PROJECTにアパートが託された。
こうして、光熱費やインターネット接続料を含み月1万円という格安の家賃で、
アーティスト・イン・レジデンス(滞在制作)施設として存続してきた。

2009年『わくわく混浴アパートメント』での記念写真。

2009年『わくわく混浴アパートメント』での記念写真。

掃除をオシャレに! ラフォーレ原宿がキッズサイズの 清掃グッズをデザイン

今年、40周年を迎えた、原宿のオシャレのシンボル〈ラフォーレ原宿〉が、
神宮前小学校などが行うまちの清掃活動のために、
キッズサイズの清掃グッズを製作・提供しました。
グリーンが効いた、オシャレなデザインで、清掃も楽しくなりそうです。

Laforet HARAJUKU CLEAN KEEPERS

清掃グッズが使われるのは、2018年11月22日(木)に
神宮前小学校で開催される清掃イベントにて。

そもそもグッズが製作されるきっかけになったのは、
昨年行われた小学生向けワークショップ「Social Kids Action Project」(※)にて、
参加者の一人であった小学生の杉山由季乃さんが、発表の際に
「洋服をデザインして、ファッションで原宿を元気にしたい」と
発言したことでした。

※神宮前小学校を中心とする渋谷区の小学生が主体となり、原宿/明治神宮前地域の大人との対話を通して、街の課題を見つけ、解決策を提案する活動

デザインの課程

デザインの課程

杉山さんの発言を受けたラフォーレ原宿は、
杉山さんのデザインをグッズに落とし込むべく、
グラフィックデザイナー・押見健太郎氏に監修を依頼。
約9ヵ月に渡り三者で打合せを重ね、杉山さんのアイディアを活かしながら、
原宿を元気にさせられるようなキッズサイズのビブスやTシャツ、
キャップを製作しました。

グッズ完成後は、杉山さんが自身の通う神宮前小学校に対し、
全児童が参加する恒例の清掃イベントでもビブスを使用してもらえるよう交渉。
校長先生の許可を得て今回の企画が実現したのだそう。

猫村さんがいっぱい! 豪華クリエイターが集結した 2日間限りの〈夢のネコムーランド〉

10月で創刊20周年を迎えた、マガジンハウスの
ライフスタイルマガジン『Casa BRUTUS(カーサ ブルータス)』。
これを記念し、Casa BRUTUS編集部のパートタイマー、
猫村ねこが夢見た〈ネコムーランド〉が
2018年11月3日(土)4日(日)の2日間だけ開催されます!

猫村ねこは、言わずとしれた同誌の
大人気マンガ連載『カーサの猫村さん』の主人公。
場所はなんと、丹下健三が設計した〈草月会館〉(赤坂)の
ロビーに設えられた、イサム・ノグチによる石庭「天国」。

イベントでは猫村さんが現実に飛び出し、
さまざまなジャンルの豪華クリエイターたちと
コラボレーションしてつくり上げた茶室を展示します。
長坂常、ルイ・ヴィトン、ミナ ペルホネン、YAECAら、
その豪華コラボレーションの一部はこちら!

長坂常:茶室

長坂常:茶室

ルイ・ヴィトン:茶箱

ルイ・ヴィトン:茶箱

ミナ ペルホネン:帛紗

ミナ ペルホネン:帛紗

YAECA:エプロン

YAECA:エプロン

長坂常率いる〈スキーマ建築計画〉が設計した、
バラバラに分解して三輪車で運べるモバイル茶室や、
〈ルイ・ヴィトン〉製の茶道具をしまう茶箱、
〈ミナ ペルホネン〉〈AMETSUCHI〉〈マルニ木工〉〈ヤエカ〉
らによる茶事を彩る道具……。これは一見の価値ありです。

江戸時代の土蔵をDIYリノベーション。
地域に愛される、隠れ家的
シェアスペースを目指して

blueto建築士事務所 vol.5

前回から引き続き「DIYリノベーション」がテーマです。

江戸時代から残る土蔵が、施主さんと仲間たちの手によって再生されていく
DIYリノベーションの事例をお届けします。

空き蔵を生かしたイベントを企画

2016年、当時お借りしていた〈blueto〉事務所の敷地内に、
歴史ある大きな土蔵がふたつありました
(2018年10月現在は、ほかの場所に事務所を移転しました)。

事務所の敷地内にせっかく立派な蔵があるのに、活用されないままでは
もったいないと思い、なにかイベントができないかと考えました。

そこで、vol.2で紹介しました、
京都・丹後内で実施されていた地域体験型の交流イベント
「mixひとびとtango(通称:ミクタン)」の企画に結びつけて、
2016年5月に2日間限定で「日用品市 @土蔵ひらき」
というイベントを友人と開催することにしました。

オーナーさんからは、この土蔵の築年数が100年以上と聞いていました。
お金はかけられませんが、一般のお客さんを呼ぶイベントにするため、
ある程度は蔵をきれいに整える必要がありました。

数日かけて中の荷物をすべて片づけたあとは、掃除に取りかかります。
一度拭くだけで雑巾が真っ黒になるくらい、
年季の入った汚れを丁寧に拭いていきました。

蔵の中は暗いので、電気を引っ張り、棚板をつけ替えて、
床を塗装して簡易リノベの完成です。

イベント当日は友人が制作しているカッティングボードや
木工製品や陶器などを中心に販売。2日間でのべ100人が訪れ、
大盛況のうちにイベントを終えることができました。

イベント交流会で土蔵の施主様と出会う

毎年恒例でイベントの慰労会も兼ねた交流会があるのですが、
その際、ある女性から声をかけていただきました。
その方の自宅にも古い土蔵があり、その土蔵を
今回のように有効活用できないかと相談を受けたのです。

僕はイベントを通じて蔵のリノベーションに興味が出てきており、
「できますよ!」と軽く返事をしましたが、まさかこのときには、
土蔵のリノベに2年かかるとは思ってもいませんでした。

「道路のパークフェス」にも注目! アートとデザインを楽しむ 〈関内外OPEN!10〉開催

横浜市の関内駅周辺を舞台にした、アートとデザインを楽しむイベント
〈関内外OPEN!10〉が、11月3日(土・祝)・4日(日)に行われます。
今年は記念すべき10回目、道路を公園のように使い遊ぶ「道路のパークフェス」も!

〈関内外OPEN!10〉は、関内にある「さくら通り」を中心に
周辺のビルの屋上や道路を開放して開催される野外イベント。
ワークショップやトークイベント、作品鑑賞等を楽しんだり、
普段は入ることのできない「ものづくり」の創作現場を訪ねたりする、体験型のイベントです。

ジャンルは、アート、グラフィックデザイン、
建築、ファッション、映像、写真等盛り沢山!
横浜の関内駅周辺に点在する複数のスタジオを回遊しながら、
街とアートを同時に楽しみます。
11月3日(土・祝)は「道路のパークフェス」、
11月4日(日)には「オープンスタジオ」の2つが催しが行われます。

関内外OPEN!のワークショップ

街とアートを同時に楽しみます

11月3日に行われるのは、「道路のパークフェス」。 
「JR関内駅近くの道路が、もしも全部公園になったら、
街にどのような新しい価値や見方が生まれるだろう?」という
クリエイターの想像力を形にしたのが「道路のパークフェス」。

60名を超えるクリエイターが参加し、
関内桜通りの車道の一角を止めて、アート、デザインなどが野外に展開されます。
ビルとビルをつなぎ、街にあふれだす空中のインスタレーション、
こどもが遊べるアート体験、エリアを巡るツアー、特別なコーヒーや紅茶、
パフォーマンスなどが登場する予定です。

道路のパークフェス

築80年の空き家をリノベ。
地域の人々が交流する町家オフィス
〈ma.ba.lab.(まばらぼ)〉誕生

マチザイノオトvol.4

こんにちは、グリーンノートレーベル株式会社の明石博之です。
今回は、空き家になった町家をオフィスにするプロジェクトのご紹介です。

カフェに続く第2の「点」をつくる

その前に、まず、私の妻の紹介から始めないといけません。
妻の明石あおいは、京都で生まれて、富山で育ち、
Uターンというカタチで育った故郷に戻りました。
その後、まちづくりとデザインの会社〈ワールドリー・デザイン〉を立ち上げました。
夫婦ふたりが起業家で、それぞれが小さな会社を経営しています。

〈ワールドリー・デザイン〉代表の明石あおい。

〈ワールドリー・デザイン〉代表の明石あおい。

当時住んでいた富山市内から〈カフェuchikawa六角堂〉がある新湊内川までは、
クルマで片道30分。私は用事があるごとに、
富山市とカフェを行ったり来たりしていましたが、
いつかは新湊内川沿いに町家のオフィスが欲しいと思っていました。

〈カフェuchikawa六角堂〉がある新湊内川の風景。

〈カフェuchikawa六角堂〉がある新湊内川の風景。

いつの頃からか、妻とこんな話をするようになりました。
「六角堂はできたけど、空き家の古民家を使って何かやろうという
第2の波がやってこないよね……」

私たちは、空き家のリノベモデルをつくったという意識があったので、
誰かがマネして内川沿いに店を出してくれないかなと淡い期待を抱いていたのです。

そこへ転機が訪れました。2014年、妻を誘って、
歴史的なまち並み保存や空き家活用の先進地である
兵庫県篠山市に遊びに行ったときのことです。

現地を案内してくれたのが、地元で古民家ホステルの運営やまち並み保存、
イベント事業などをしている一般社団法人〈ROOT〉の代表、谷垣友里さんでした。
彼女の案内で、歴史的なまち並みの保存、建物を活用したまちづくりの事例を
多く見せていただいたなかの1軒が、谷垣さんの事務所でした。

私たちが感激した〈ROOT〉さんの古民家オフィス。

私たちが感激した〈ROOT〉さんの古民家オフィス。

小さな町家ですが、昔の意匠をそのままに
センス良く活用されているオフィス空間を見て、私たち夫婦は目が輝きました。
「なんてすてきなオフィスなんでしょう!」
そのときの感動はいまでも忘れません。

翌日、富山へ帰る道中に突然妻が
「私が次の点になればいいんだよ。内川沿いに町家のオフィスをつくる!」
と爆弾発言をしました。内川にひとつの「点」はできたけれども、
「線」になるにはもうひとつの「点」が必要だという意味でした。
前日に見た町家のオフィスに相当刺激されたみたいです。本当に驚きました。

その日から、ワールドリー・デザインの社屋となる
町家オフィスのプロジェクトが始まりました。
私はトータルプロデュースを仕事として請け負い、
これがマチザイノオト、第2弾のプロジェクトとなりました。

個人とか、会社とか、そういった立場ではなく、
勝手に地域代表になったような気持ちで妻に感謝しました。
この思いを最高のカタチで表現するため、さっそく物件探しを始めました。

物件を最初に見たときの表玄関の様子。

物件を最初に見たときの表玄関の様子。

市川孝『茶車とその後の かたちと茶の道具たち』展 お茶を通して楽しむ “火と水と植物と”のできごと

2018年10月27日(土)〜11月4日(日)まで、
東京・南青山の〈Center for COSMIC WONDER〉にて
陶芸家の市川孝さんによる
〈茶車とその後のかたちと茶の道具たち〉展が開かれます。

市川さんの展覧会は昨年の『茶車』展に続いて2回目。
今年は、さらに構想を重ねた茶車と茶道具を展示します。

『茶車とその後のかたちと茶の道具たち』展

『茶車とその後のかたちと茶の道具たち』展

茶車は、お茶の場を野や森へ持ち出すためにこしらえられた小さな車。
その車をつくり始めた背景には、いくつかの絵との出会いがありました。

もともと茶器をつくっていた市川さんは、茶器をつくるうちにお茶の魅力を
道具から伝えていきたいと思うようになっていったといいます。
そんなことを考えていた頃に、中国の博物館で
文人たちが野外でお茶をいただく絵と出会い
「なにやらおもしろいものを持ち出しているな」と触発されたのだとか。
それから茶車をつくり始め、お茶の場も提供するようになっていきました。

川の上でお茶を楽しめる「茶ベンチ」(九州)

川の上でお茶を楽しめる「茶ベンチ」(九州)

また、市川さんは旅の先々で茶の魅力を伝える
プロジェクト〈茶遊記〉も主宰しているそう。
お茶を愛する仲間たちとともに、仙台、チェコ、
貴州、景徳鎮、四川、雲南、内蒙古、西安、
武夷山の各地で独自の茶会を開催しています。