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posted:2018.10.25 from:東京都港区 genre:食・グルメ / アート・デザイン・建築
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writer profile
Yu Miyakoshi
宮越裕生
みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。
2018年10月27日(土)〜11月4日(日)まで、
東京・南青山の〈Center for COSMIC WONDER〉にて
陶芸家の市川孝さんによる
〈茶車とその後のかたちと茶の道具たち〉展が開かれます。
市川さんの展覧会は昨年の『茶車』展に続いて2回目。
今年は、さらに構想を重ねた茶車と茶道具を展示します。
茶車は、お茶の場を野や森へ持ち出すためにこしらえられた小さな車。
その車をつくり始めた背景には、いくつかの絵との出会いがありました。
もともと茶器をつくっていた市川さんは、茶器をつくるうちにお茶の魅力を
道具から伝えていきたいと思うようになっていったといいます。
そんなことを考えていた頃に、中国の博物館で
文人たちが野外でお茶をいただく絵と出会い
「なにやらおもしろいものを持ち出しているな」と触発されたのだとか。
それから茶車をつくり始め、お茶の場も提供するようになっていきました。
また、市川さんは旅の先々で茶の魅力を伝える
プロジェクト〈茶遊記〉も主宰しているそう。
お茶を愛する仲間たちとともに、仙台、チェコ、
貴州、景徳鎮、四川、雲南、内蒙古、西安、
武夷山の各地で独自の茶会を開催しています。
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市川さんは中国の雲南省の南西部あるタイ族の自治州
「西双版納(シーサンパンナ)」を訪れた際に
樹齢1000年程の古茶樹と出会ったといいます。
そして、お茶の源であるその古樹を見たときから
新たな気持ちで「茶」を感じるようになり、
お茶を取り巻くこと——月(季節)、火(陽)、水(体)、
木(葉、根)、金(日)、土(陶磁器)との関係にも惹かれるようになっていったのだそう。
市川さんは今回の展示を開催するにあたり、
次のように言葉を寄せています。
「お茶を改めて“土と水と葉と陽と火と”のできごとと
捉えるようになって、お茶に新鮮な魅力を感じ、
茶器やお茶を愉しむ道具や場づくりができる茶車までつくるようになりました。
昨年はその茶車を中心とした展示会をしました。
そして今年〈茶車とその後のかたちと茶の道具たち〉の展示会をします。
気がつくと衣食住の多くも“土と水と葉と陽と火と”
のできごとが多いと思えてきました。
なかでも火と水の役割は大きく、自然素材という言葉で片付けるには広すぎて、
あたりまえのことで、見えにくく感じます。
そこで会期中に“火と水と植物と”のことを
お茶とお菓子で楽しんでいただきたいと思っています」(市川さん)
今回は初日の10月27日(土)に茶会「火と水と植物と」も開催されます。
茶会では、料理家の植草奈緒さんの茶菓子と、
サウンドアーティストのMAMIUMUさんによるパフォーマンスも楽しめるよう。
時間は11:30、14:30、16:00、17:30からの全4回。
各会6名限定、参加料は4,500円です。
予約はご希望の時間、お名前、メールアドレス、
電話番号を明記の上、インフォメーション欄に記載のメールアドレスまで。
本展の主催は現代美術作家の前田征紀さん率いる
〈COSMIC WONDER〉(コズミックワンダー)。
近年は手仕事による工藝を組み合わせた服、
美術作品、印刷物などを制作し、コレクションとして発表するほか、
美術館などにも活動の幅を広げています。
会場ではCOSMIC WONDERの最新の秋冬コレクション〈幻古山村くらし〉も見られます。
ぜひお出かけになってみてくださいね。
information
茶車とその後のかたちと茶の道具たち
開催日:2018年10月27日(土)〜11月4日(日)
時間:11:00〜19:00
会場:Center for COSMIC WONDER
住所:東京都港区南青山5-18-10
アクセス:東京メトロ半蔵門線・銀座線「表参道」駅 徒歩10分
メールアドレス:event@cosmicwonder.com
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