下蒲刈島ってどんな島? 小さな島にアート&歴史が ぎゅっと凝縮!

潮待ち、風待ちの島・下蒲刈島

広島県呉市の南東に位置する「下蒲刈島(しもかまがりじま)」という島をご存知ですか?
市内からは、車で30分ほど。島と本土を繋ぐ安芸灘大橋を渡ると、到着です。
人口約1400人ほどののどかな島ですが、
そこには、文化と歴史がぎゅっと詰まっています。


江戸時代から潮待ち、風待ちの船が立ち寄る
海上交通の要所として栄え、朝鮮通信使の一行や参勤交代する
西国大名も立ち寄ったという、由緒正しい島のなのです。

その歴史と文化の流れを汲み、小さい島ながらも島内には
美術館や資料館、庭園など様々な施設や見どころがあります。
現在は、上蒲刈島や豊島、大崎下島、岡村島など、
瀬戸内の島々を結ぶ「安芸灘とびしま海道」の玄関口として、
風光明媚な景色を楽しむサイクリニストやランナーが多く訪れる島になっています。

テーマごとに4つの展示を楽しめる〈松濤園〉

そんな下蒲刈島で人気の施設〈松濤園〉は、4つの建物が並ぶ
美しい庭園を回遊しながら見学する珍しい博物館。

〈松濤園〉

〈松濤園〉

〈松濤園〉を構成する美しい庭園と日本の建築技術を遺した
それぞれの建物は、朝鮮通信使の資料や模型、民芸品が展示された〈馳走一番館〉、
1600年~1700年後半の貴重な古伊万里の名品が眺められる〈陶磁器館〉、
紀元前~1800後半までの珍しい西洋の照明器具のコレクションが楽しめる〈あかりの館〉、
海上の警固についた御番所を復元した〈蒲刈島御番所跡〉です。

特に話題なのが〈馳走一番館〉に展示してある『朝鮮人来朝覚備前馳走船行烈図』。

『朝鮮人来朝覚備前御馳走船行烈図』

『朝鮮人来朝覚備前御馳走船行烈図』

2017年にユネスコ〈記憶遺産〉に認定された世界レベルで評価された作品で、
1748年に朝鮮通信使が航海した時のたくさんの船や街の様子、
当時の生活など細かく描かれ、思わず見入ってしまいます。

松濤園内のそれぞれの建物は、和風建築の伝統様式を残す
古民家をわざわざ移築したもの。中身の展示品はもちろん、
建物自体も興味をそそり、4つの建物が陶磁器や明かりなど、
テーマごと楽しめるようになっているので、飽きることがありません。
中には、マニアがびっくするような高価な陶器や展示品が発見できるかも!

日本を代表する近代作家の作品を展示する〈蘭島閣美術館〉

そして、松濤園からすぐ近くにある〈蘭島閣美術館〉も外せません。

総檜造り、木造建築を誇る立派な建物の美術館で、
靴を脱いで入館するため、寛いだ気分で美術作品が鑑賞できます。
所蔵品は、須御阿弥赫土、奥田元宋、平山郁夫など、
日本を代表する近代作家の作品が約2200点と充実した
コレクションを有し、美術ファンを満足させてくれるでしょう。

〈蘭島閣美術館〉

〈蘭島閣美術館〉

こちらの美術館では、美術館のホールで開催される
ギャラリーコンサートも評判です。
毎月第3土曜はクラシックを中心としたコンサートを開催しています。
世界や全国各地から有名な演奏家を招き、毎回訪れる根強いファンもいます。
アットホームな雰囲気のステージは、演奏家たちからは
「世界一、奏者と聴衆の距地が近いコンサート」と言われるほど。
至近距離で聞く世界レベルの演奏は、迫力満点です。

さらに、建築を堪能したい方は、〈蘭島閣美術館〉に隣接した
〈白雪楼〉もいかがでしょうか。
江戸末期の豪農だった邸宅を移築したもので、
可動式の壁を備えた和室は全国でも貴重な建物だそう。
庭や瀬戸内海のキラキラ輝く海を眺めながら、
お抹茶を一服点ててもらうこともできますよ!

〈三之瀬御本陣 芸術文化館〉

〈三之瀬御本陣 芸術文化館〉

美術や歴史がお好きなら必見!〈三之瀬御本陣〉

美術好きさんは、“歴史と美術”をテーマにした
〈三之瀬御本陣〉へも足を運んで下さい。

建物は、江戸時代に朝鮮通信使を迎える際に
大切な案内役をした対馬藩一行の宿泊所「本陣」の外観を復元。
趣のある建物ですが、中は近代設備が整ったユニークな美術館です。
江戸時代の甲冑や火縄銃、姫駕籠など歴史的を感じる展示品と、
京都洋画壇の巨匠・須田国太郎の作品の常設展示、
独立美術協会の作家の作品など、歴史と美術の両方を楽しむことができます。

須田国太郎の作品の常設展示

須田国太郎の作品の常設展示

ここで注目!〈三之瀬御本陣〉にある、
コロカル読者の皆さんがきっと喜ぶ展示を教えます。
2階には須田国太郎ゆかりの品がコレクションされた
展示室があるのですが、愛用した帽子やトランクのほか、
是非見てもらいたいのがグリコのおまけコレクション。

グリコのおまけコレクション

グリコのおまけコレクション

木製やセルロイド、布や紙で作られた素朴なおまけたち。
もう、この可愛さと言ったら~~。
おまけをひたすらに愛で、これほどたくさんコレクションした、
国太郎氏の愛を感じるはずです。
この数が集まったグリコのおまけは、グリコ本社の人も
訪れて唸るほどの貴重なコレクションだそうです。

小さな島に、美術館、庭園、資料館と、たくさんの魅力が詰まった下蒲刈島。
のんびりしながら、興味深い面白さにあふれる瀬戸内の島は、
今後もますます注目されそうです。

2月は〈梅見茶会〉や〈~夢のかけはし~蘭島閣ギャラリーコンサート〉も開催。
ぜひお出かけになってみてください。

〈梅見茶会〉

〈梅見茶会〉

information

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梅見茶会

開催日:点前 2019年2月9日(土)/点出 2月10日(日)

時間:9:30~16:00(受付は9:00から)

会場:松濤園

住所:呉市下蒲刈町下島2277-3

茶席:無料(ただし、松濤園の入館料が必要)

協力:茶道裏千家 中野宗賀(須賀子)

入館料:大人800(640)円、高校生480(380)円、小中学生320(250)円 ※括弧内は20名以上の団体料金

問い合わせ:0823-65-2900(松濤園)

Web:松濤園

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~夢のかけはし~蘭島閣ギャラリーコンサート

開催日:2019年2月16日(土)

時間:開演18:30(開場18:00)

会場:蘭島閣美術館 1階ロビー

住所:呉市下蒲刈町三ノ瀬200-1

出演:北田千尋(ヴァイオリン)、三又瑛子(ピアノ)

チケット:当日券のみ 一般1,500円 高校生以下無料 ※お子様は3歳から入場いただけます

問い合わせ:0823-65-2029(蘭島文化振興財団)

Web:蘭島閣美術館 ~夢のかけはし~蘭島閣ギャラリーコンサート

浦山 寧子 Yasuko Urayama
うらやま・やすこ●ライター&編集。生まれも育ちも広島県呉市。雑誌や新聞の記者として多数のメディアで執筆。紙からデジタル化へ移行しつつ、地域の情報を発信するWEBサイト「KUREP」やSNSアカウントを運営

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