2020年、業務用家具を手がける株式会社ノーリツイス、アルプルススチール株式会社、
株式会社フジライトの3社を中心としたメーカーたちが、
ものづくりのコミュニティ〈1518(いちごいちはち)〉を設立しました。
1518は、メーカー、デザイナー、ショップ、そしてユーザーが一緒になって、
共感性の高い”私たちの”ものづくりを可能にする、オープンなコミュニティ。
コミュニティの運営を行いながら、
各社の技術やアイデアを生かした家具をつくっています。

発起人は、愛知のスチール家具メーカー〈株式会社ノーリツイス〉代表の青木照護さん。
「中小の家具メーカーの横つながりをつくり、
新しいものづくりをしたい」という青木さんの呼びかけに、
静岡で業務用ソファやベッドを製造する〈株式会社フジライト〉と、
名古屋でロッカーを製造する〈アルプルススチール株式会社〉が賛同。
さらに、ディレクター陣にデザイナーの横関亮太さんと山田研一さんを迎え、
メーカーとクリエーターの垣根を超えたものづくりを行ってきました。
注目は、長く愛されてきたオフィス家具を
モダンに生まれ変わらせる「リボーン・プロジェクト」。
たとえばパイプイスなら「セミオーダーできるようにしたい」
「色や生地を変えたら家のなかでも使えるかも」などの声を集めて、
家庭やホテルなどの公共空間でも使いやすいイスに。

リボーン・プロジェクトの〈PIPE chair〉スタンダード 15,400円〜 製造:株式会社ノーリツイス
使わないときは収納しておけるというのは、スペースが限られた家庭にはうれしいですね。
今回は、1518プロジェクトの初期からメンバーとして関わり
コミュニティのアイデアをプロダクトにしてきた横関亮太さんに
お話を聞かせていただきました。

プロダクトデザイナーの横関亮太さん。1518ではものづくりのディレクションと家具のデザインを手がける。
「PIPE chairが生まれたきっかけは、ノーリツイスさんから
“パイプイスの工場設備ラインをつぶそうと思っている”と相談を受けたことでした。
ノーリツイスさんは70年以上パイプイスをつくってきたのですが、
近年は価格競争に勝てず、売り上げが伸び悩んでいたんです。
その話を聞いて、それなら既存の設備を有効活用して、
小ロットで新しい需要を目指すものをつくりませんか、と提案させていただき、
今のニーズに合わせたパイプイスをつくりました」

〈Lay Sofa〉 製造:株式会社フジライト 100%自社工場生産の業務用家具メーカー〈フジライト〉が〈東レ〉と共同開発したオリジナルファブリックを活かして作ったデイベッドタイプのソファ。
「また1518では、リボーン・プロジェクトだけではなく、新しい家具もつくっています。
古いものをブラッシュアップすることと、
コミュニティからのリクエストを受けて新しいものをつくること。
両方できるのがこのプロジェクトのおもしろいところですね」
下の写真は、1518の初お披露目となった展示会の様子です。
2020年10月、デザイン&アートフェスティバル〈DESIGNART TOKYO 2020〉にて、
東京・青山のワールド北青山ビルとリアルスタイル青山の2会場で開催されました。

ワールド北青山ビルで開催された展示会の様子。ブースデザインを手がけたのは関祐介さん(YUSUKE SEKI Studio)。緑色の部分は、クロマキー合成に使用されるグリーンバック。

オンラインで見た会場の様子。クロマキー合成により、視覚的効果が施されている。オフライン、オンラインで異なる表情が楽しめる、コロナ禍ならではの空間演出。
リアルスタイル青山には、インテリアデザイナー山嵜廣和さんや
テキスタイルデザイナー氷室友里さんなどのクリエイターや素材メーカーと
1518のコラボレーションから生まれた椅子が展示されました。

写真家、永瀬沙世さんの作品。外出が困難なコロナ禍でも、「森の中に静かに座っている感覚」を体験してほしいとデザインされたもの。

インテリアデザイナー山嵜廣和さんの作品。ロッキングパーツを組み合わせて、寛げるパイプイスに。

日本とフィンランドでテキスタイルを学び活動しているテキスタイルデザイナー氷室友里さんの作品。