消費者の要望から無添加で造ることに
醤油を仕込む“木桶”の大きさは30石が多い。
30石の容量は約5400リットルで、約4000リットルの醤油ができ、
その桶は高さと直径が約2メートルもあるので“大桶”とも呼ばれる。
しかし、足立醸造にそびえ立つ木桶はなんと120石と4倍もある。
醤油屋も驚く大きさだけれど、その桶はいたって真面目な、
「醤油屋として勝負をする」という実直な姿勢がかたちになったもの。
足立醸造はこの120石の桶7本すべてにオーガニックの原料を仕込み、海外に出す。
足立醸造が位置するのは兵庫県奥播州。
緑豊かで、仕込み水にも使うこの土地の水は
江戸時代に播磨十水のひとつとして愛飲されていました。
足立醸造はすべて丸大豆を使い、木桶に仕込みます。
「材料以上のものは造れないからね」と、
有機やオーガニックの材料も積極的に使います。

100年余り使い続けている15~30石の木桶で、国内向けの醤油を仕込む。奥に見えるのは2012年に導入した120石の木桶。

醤油をゆっくりと搾り出す。
しかし、3代目の足立達明さんが蔵に入った頃は違いました。
「脱脂加工大豆を使い、アミノ酸液などが入った醤油を使っていました。
手塩にかけて造っても価格が叩かれるうえに、余ったら着払いで返品されるんです」
そんな状況に頭を抱え、やるせない気持ちが募っていました。
そんなとき、神戸の消費者団体から声がかかって一転します。
「出された条件は木桶仕みの有機国産丸大豆醤油を無添加で造ることでした。
僕は日本酒が好きなのですが、アルコールを添加したものではなく、
純米酒が好きなので、この条件に深く共感したんです」
そして木桶に有機の国産丸大豆を仕込み、無添加で販売する態勢へと進化しました。
「いまではいい人間関係のなかで造れていて、やりがいがあります。
醤油も買い取りですし、真っ当な勝負がかけれるようになりました。
こうした気持ちのこもった仕事ができるのはいいですね」
と、足立社長は感慨深く話します。

直売所。醤油のほか、足立さんお勧めのお酒や食材を販売している。





























































































