連載
posted:2015.6.8 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/
イベント続きだった5月が終わり、6月です。
今年の5月は雨が少なく暑い日が続いたせいで、畑の土がカラカラ。
そして体も暑さについていかずバテ気味でしたが、そんなタイミングで梅雨入りです。
夏野菜たちをぐんっと大きくしてくれる梅雨、しっかり降ってほしいものです。
私たちが暮らす小豆島の肥土山(ひとやま)地区には、
島の中で一番広い田園地帯があります。
一番広いと言っても、新潟や東北の米どころの田園と比べたら
ほんとにほんとに小さなエリア。
山々に囲まれた狭い範囲に、小さな田んぼが何枚も並んでいます。
ちなみに今年はその小さな田んぼのひとつが「献穀田」に選ばれ、
11月に皇居で行われる「新嘗祭(にいなめさい)」にお米を献上します。
それほどおいしいお米が育てられている田園。
毎年4月末ごろから5月上旬にかけて土が起こされ、
田んぼに水が入り、田植えが始まります。
ちょうど、5月3日に開催される肥土山農村歌舞伎の時期。
この時期のまだ稲が植わっていない鏡のような水面が広がる風景も
これまたきれいなんです。
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そして1か月、稲はすくすくと育ち田園はいっきに緑に覆われていきます。
田んぼの緑と空の青。
あぁ今年も夏が来るなあと感じさせてくれる景色です。
時間がある日の夕方は、ここまでいろは(娘)とペコ(愛犬)と一緒に散歩に来ます。
田園の奥のほうには肥土山農村歌舞伎の舞台があり、
そのまた奥にはぽっこりとした山が見えます。
曲がりくねったあぜみち、きれいに手入れされた田んぼ。
ほんとに美しい田園だなぁといつも思います。
その風景の中を歩く時間。
ぎゅっと固まった体がほぐされていく感じがします。
来月にはここで伝統行事の「虫送り」が行われます。
この田園を火手(ほて)を持って
地元の子どもやその親たちが歩く姿はほんとに幻想的です。
美しい田園がすぐそばにある暮らし。
体にも心にもうれしい。
地域のみんなの手でいつまでも残し続けたいなと思います。
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