連載
posted:2015.5.18 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/
credit
撮影:高見知香、牧浦知子
肥土山農村歌舞伎舞台が1年に1回開かれる日、それが5月3日の農村歌舞伎の日です。
今年も無事に終わり、ほっとひと息。
と思いきや、今年はその翌週5月9日に歌舞伎舞台を使った新しい試み
「風が吹いてきたよ 2015~小豆島・肥土山音楽祭」が開催されました。
歌舞伎舞台は農村歌舞伎当日と本番前1か月間の舞台練習の日以外は
基本的には閉じられています。
2013年の瀬戸内国際芸術祭の際には、島外からのアーティストさんたちによって
舞台を使ったイベントが開催されました(「小豆島日記」#017)。
そういった特別な時以外は、ひっそりとした静かな場所です。
5月9日は朝から雨。
なんで今年の春はことごとく大きなイベントの日が雨なんでしょ。
その前後の日は晴れ続きなんですけどね。
そんな雨にもかかわらず、開場の9時半前から続々と人が集まってきました。
いつもとはちょっと違った雰囲気の歌舞伎舞台。
あっというまに舞台前の桟敷はいっぱいとなり、10時半オープニング!
私たちはドリンク屋として出店。
舞台を見ることができない場所だったので、聞こえてくる演奏を楽しみながら、
ひたすらホットコーヒーをドリップしてました(笑)。
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はじめは盛り上がりつつもじっと座って聞いていたお客さんたちも、
お昼すぎごろからはリラックス&場の雰囲気に慣れてきたのか、
手を叩いたり、一緒に歌ったり、スタンディングして踊ったり。
いままで見たことのない歌舞伎舞台の光景。
私も一気にテンションがあがり、鳥肌がたつほどでした。
昼過ぎからは雨もやみ、子どもたちはわらわらと歌舞伎舞台のまわりの田んぼへ。
カエルを探したり、用水路で遊んだり、駆けまわったり。
島の子も、まちから来た子もみんな一緒に遊んでました。
最後は地元婦人会の方々が用意してくださったお餅を舞台から桟敷へ。
大いに盛り上がった小豆島・肥土山音楽祭、その第一回目が無事に終わりました。
この日は島の顔なじみの人たちがほとんど来てたんじゃないかというくらい、
島のたくさんの人たちが運営に関わっていました。
そしてもちろん島外からもミュージシャンの方々をはじめ、
出店者や音響など多くの方が。これだけの人を巻き込んで
いままでにない新しいイベントを実現するのはほんとに大変なことです。
それを実現できるのがいまの小豆島&小豆島で暮らす人たちのパワーなのかな。
おばあちゃんも踊り、子どもたちも遊び、
島の人も外の人もいろんな人がみんな一緒に楽しんだ1日。
この日は確実に肥土山に新しい風が吹いていたと思います。
この風が続くように、またいつもの日々をがんばります。
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