連載
posted:2015.6.22 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/
小豆島には「小豆島八十八ヶ所霊場」があります。
その昔、弘法大師(空海)さんが島に立ち寄られて、
修行や祈念を行ったといわれている88の本場霊場と奥の院、合わせて94か所の霊場。
その足跡をたどって霊場を巡礼するのがお遍路で、
小豆島でもお遍路さんをよく見かけます。
四国八十八ヶ所を巡礼すると総距離が1400キロにもなるのに対して、
小豆島八十八ヶ所は約145キロ。
小さなエリアにぎゅっと霊場が集まっています。
そして、小豆島霊場には四国霊場にあまり見られない、
山谷や自然の地形を利用した「山岳霊場」がいくつかあり、
遠くから見ると、ほんとにすごい場所に建物が建っています。
その山岳霊場のひとつ、第72番札所「奥之院 笠ヶ瀧(かさがたき)寺」に
つい先日行ってきました。
ずっと行きたかったのですが、機会がなくてなかなか行けず。
うちからは車で10分もかからないところにあります。
いろは(娘)は、幼児園の頃、散歩で何度か訪れていました。
幼児園から往復で3時間程度、登って下るその行程、
普段からそんなふうに歩いてたらそりゃ体力がつきます。
今回はさすがに家から歩いては行けないので、参道手前まで車で。
ここでいいのかと不安になりつつ、車を停めて歩いていくと見えてきたのは長い階段。
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おぉ、こんな山の中にこんな階段があったなんて。
苔に覆われた階段、生い茂った木々にいまにも飲み込まれてしまいそうな灯籠。
なんとも言えない神秘的な雰囲気。
いやー、すごい場所だなぁと思いつつ、一段一段登ります。
映画『千と千尋の神隠し』の最初のシーンを思い出しました。
山道に迷い込んだ家族がトンネルを見つけて、なんだろうと歩いて行くシーン。
まさにそんな感覚。
階段を登り切ると、次に待っているのは岩壁。
ほんとにここ登れるの? という感じですが、鎖を持って登っていきます。
ようやく本殿。
と、その前に振り返って、いつも暮らしている肥土山の集落を一望。
山岳霊場の楽しみのひとつは、この高いところからの景色。
霊場によっては、瀬戸内海を見渡せたり、すばらしい景色を楽しむことができます。
本殿へは洞穴の中を通っていきます。
お参りをして、今度は下山。
ありがたい時間でした。
小豆島の山岳霊場を訪れる。
まだ私も行ったことがない場所ばかりなので、ぼちぼちと訪ねてみようと思っています。
その場所の雰囲気、そこからの眺め、小豆島らしさを
とても感じられるんじゃないかなと。
ぜひ巡ってみてください。
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