〈マスクデザインチャレンジ2020〉 FabCafeと白鳩が未来を 変えるマスクを募集!

FabCafe Globalと一緒に、未来のマスクを考えよう

2020年2月、新型コロナウイルスの影響で店頭から
マスクが姿を消し、マスク不足が社会問題となりました。

そうした状況を受け、デジタル工作機械を備えたものづくり拠点〈FabCafe〉と
日本で初めて一般用マスクを開発したメーカー〈白鳩〉が
コンペティションを開催します。
募集するのは「未来を変えるマスク、または代用できるプロダクト」のアイデア。

デザイン:Kantapon Metheeku(Gongkan)

デザイン:Kantapon Metheeku(Gongkan)

求められているのは、機能性に優れたものから、
思わず装着したくなるようなスタイリッシュなものまで、
あらゆるタイプのアイデア。
応募時点では、プロトタイプはもちろん、スケッチイラストでもOKです。

審査員の皆さん。左上から時計回りに、Dr. Kenneth Kwong Si-san/鄺士山博士、グラフィックデザイナー兼宇宙開発ディレクターのPichit Virankabutraさん、プロダクトデザイナーの大村卓さん、Pinkoi共同創設者/CPOの林怡君さん。

審査員の皆さん。左上から時計回りに、Dr. Kenneth Kwong Si-san/鄺士山博士、グラフィックデザイナー兼宇宙開発ディレクターのPichit Virankabutraさん、プロダクトデザイナーの大村卓さん、Pinkoi共同創設者/CPOの林怡君さん。

賞は審査員賞(4点・賞金1,000USドル)、
白鳩賞(1点・賞金3,000USドル)、FabCafe賞(1点)の3種。
受賞作品は〈FabCafe Tokyo〉で展示され、「白鳩賞」に
選ばれた受賞者は同社とともに試作品制作を行うことができます。

世界各国にネットワークを持つ〈FabCafe〉。
その取り組みはコロカルの連載でもお届けしています。
同カフェでは、クリエイティブを通じて
社会問題や環境問題の解決に取り組んできました。

たとえばFabCafe 香港では、3Dプリンターで
コロナウイルス対策用のマスクを制作しました。

FabCafe 香港にて、3Dプリンターで制作されたマスク。

FabCafe 香港にて、3Dプリンターで制作されたマスク。

3Dプリンターが普及すれば、自宅や工房で3Dプリンター用のデータをダウンロードし、
自分でマスクをつくるということも可能になるかもしれません。

アイヌとともに時間を過ごす、 阿寒湖ガイドツアーが6月から開催。 アイヌ文化に直接触れ、 森林散策と楽器演奏を楽しむ

アイヌという文化、阿寒という土地、両方を守るために

阿寒摩周国立公園の原生林に囲まれた、ひがし北海道屈指の美しさを誇る湖、阿寒湖。
そのほとりには複数の温泉宿が立ち並び、
阿寒湖温泉街として多くの観光客を受け入れています。
この温泉街の一角にあるのが日本の先住民族アイヌによってつくられた
工芸と芸能の集落〈阿寒湖アイヌコタン〉。
釧路空港から約1時間のこの地は、民芸品と飲食店が軒を連ね、
アイヌの文化を伝えています。

2020年6月1日から、自然を敬い、阿寒湖で生きてきたアイヌの案内で
自然散策、ものづくりを楽しむガイドツアー「Anytime,Ainutime!」が開催されます。
4月30日から予約受付開始というこのガイドツアーの内容を見てみましょう。

観光とアイヌ文化が交わるこのまちで

阿寒湖温泉商店街の民芸品、飲食店が連なる通りを歩く。

阿寒湖温泉商店街の民芸品、飲食店が連なる通りを歩く。

釧路市には約1,100人のアイヌの人々がいます。
阿寒地区のアイヌコタン(コタンとは“集落”のこと)には、36戸に約120人が暮らし、
北海道で一番大きいアイヌコタンです。
昭和9年に国立公園に指定されるなど、湖畔の景観は四季を通じてすばらしいものがあり、
昭和30年代の観光ブームが到来しても変わらず、
ヒグマや鳥、人間などを題材にした木彫りの工芸品などで人々は自活をしてきました。

この観光ブームで、阿寒湖畔でもホテルの新築、増設が相次ぎ、温泉需要も増大。
『阿寒に果つ』(著・渡辺淳一)など、
阿寒周辺を舞台にした小説がベストセラーになったのも、追い風となりました。
阿寒はもともと狩り場(イオル)だったという歴史もあり、
先祖代々住み続けているという家は多くはなく、
「よそ者が多い」ことは、アイヌ文化を観光に活用する際にプラスに働いているのです。

アイヌの人々は自然に語りかけながら植物を採集したり、大切な人を思いながら、
自然をモチーフにした文様を木彫、刺繍します。
こうして、人と人、モノ、自然との関係性を大事に育んできたのです。

今回のガイドツアー「Anytime,Ainutime!」というコンセプトには、
このすばらしい文化を、「体験」を通して伝え継ぎたいという思いが込められています。

ガイドをするのは阿寒で暮らすアイヌの人々。
普段は木彫作家、民芸店の店主、伝統舞踊の踊り手など、職業はさまざま。
それぞれが受け継いできたアイヌの伝統や民話を伝えながら、ツアーは展開されます。

〈F/style(エフスタイル)〉 「使ってみたい」が揃う 生活道具のショールーム

使われてこそ磨かれる、スタンダード

新潟市の中心部から南へ車を走らせること、十数分。
にぎやかなまちの気配が途切れ、すかんと空が広がるエリアに
〈F/style(エフスタイル)〉のショールームはありました。

エフスタイルショールーム外観

倉庫を改装した建物に入ると、天井の高い凛とした空間に
衣類と生活の道具たちが並んでいます。
山形を発祥とする「月山緞通(がっさんだんつう)」のマット、
新潟市亀田に伝わる亀田縞のシャツやエプロン、
ジーンズの産地、岡山でつくられるジーンズ、
新潟県燕市産の行平鍋……。

いずれも、ロゴも装飾もない、シンプルなものばかり。
それでいて、肌触りがよく手に馴染むものであったり、ユニークな形であったり。
どれも「使ってみたい」と思わせる魅力にあふれていました。

銅の鍋や再生ビンの計量カップなど、調理器具も取り揃える。上段のわっぱ鍋の鍋は〈イソダ器物〉によるもの。

銅の鍋や再生ビンの計量カップなど、調理器具も取り揃える。上段のわっぱ鍋の鍋は〈イソダ器物〉によるもの。

新潟県燕市のイソダ器物の行平鍋。1枚の銅板をへら絞りという昔ながらの技法で成形している。持ち手は新潟の間伐材を使用した、阿賀野市の〈工房るるの小屋〉制作のもの。このほかに銅の片口や燭台、皿なども揃う。

新潟県燕市のイソダ器物の行平鍋。1枚の銅板をへら絞りという昔ながらの技法で成形している。持ち手は新潟の間伐材を使用した、阿賀野市の〈工房るるの小屋〉制作のもの。このほかに銅の片口や燭台、皿なども揃う。

店に立つのは、エフスタイルを主宰する五十嵐恵美さんと星野若菜さん。
彼女たちの仕事は「製造以外で商品が流通するまでに必要なことはすべて」。
デザインを核に、商品化から流通、接客までを担っています。

最初に拠点を構えた市街地からいまの場所に移ってきたのは2012年のこと。
友人の建築家、〈暮らしと建築社〉の須永次郎さん、理葉さん夫妻に設計を依頼し、
広大な空間に“箱を置くように”仕事場を設けて売場とスペースを分け、
開放感のあるショールームに仕上げてもらいました。

天井までさえぎる壁もドアもない、開放感あふれる空間。向かって左が仕事場、上は「コンテナ」と名づけられたフリースペース。梯子のような階段で上り、高い所を歩くのも楽しい。

天井までさえぎる壁もドアもない、開放感あふれる空間。向かって左が仕事場、上は「コンテナ」と名づけられたフリースペース。梯子のような階段で上り、高い所を歩くのも楽しい。

学生時代から一緒にものづくりをしている星野若菜さん(左)と五十嵐恵美さん(右)。

学生時代から一緒にものづくりをしている星野若菜さん(左)と五十嵐恵美さん(右)。

階段を上り2階へ上がると、エフスタイルの原点ともいえる
〈ハウスドギーマット〉が並んでいました。
ベースは麻のループ織り、犬の部分はウールのカット織り。
温かみのある素材で織り込まれた犬のシルエットが印象的です。

山形県の〈穂積繊維工業〉の職人がハンドフックを用いて織り上げた〈ハウスドギーマット〉。

山形県の〈穂積繊維工業〉の職人がハンドフックを用いて織り上げた〈ハウスドギーマット〉。

このマットの原型が生まれたのは、大学生の頃。
新潟市に生まれ育ったふたりは、山形県にある東北芸術工科大学へ進み、
プロダクトデザインを専攻。学内で開催されたワークショップに参加したときに
マットのアイデアを思いついたといいます。

「そのワークショップは工場が自社で企画・生産する能力を養うことを
目的としたもので、地元の企業を招いて開催されました。
私たちは月山緞通の高い技術を持つ〈穂積繊維工業〉とものづくりをすることになり、
社長さんに“麻とウールをミックスした、これからの暮らしに使えるマットをつくりたい”
と言われたんです。

そこで私たちが提案したのが、犬が体を休めるための室内犬用のマットでした。
そのアイデアが形になっていくときに、尊敬の気持ちが
プロダクトに変わっていったという感覚があったんですね。
いまも私たちの根底にあるスタンスは、その頃と変わっていません」(星野さん)

大学を卒業して新潟市へ戻り、「さて、何をしようか」と思ったふたり。
ふと可能性を感じていたあのマットのことを思い出し、それを世に届けたいと想起。
穂積繊維工業へ相談を持ちかけるとすぐに商品化が決まり、
2001年に「身近な産地に仕事が生まれるようなデザインと流通のかたちを」
という思いのもと、活動をスタートさせました。

月山緞通のハウスドギーマット

いざマットが発売されると玄関にマットを置く人が多く、
当初犬のためにデザインされたマットは、帰宅時に犬が迎えてくれるイメージに。
吸湿性、通気性にすぐれた素材も玄関にフィットし、
エフスタイルのヒット商品になりました。

その後、シナ織りや亀田縞などのつくり手と出会って少しずつアイテムを増やし、
これまでに約200種のアイテムを手がけています。

アパレルで伝統文化をつなぐ。
〈スノーピーク〉が
〈LOCAL WEAR〉プロジェクトで
見据える未来とは?

〈スノーピーク〉だからできるアパレルを

アウトドア用品の総合メーカーである〈スノーピーク〉が、
2018年からスタートした〈LOCAL WEAR by Snow Peak〉プロジェクト。
これは各地域に根づく伝統的な技法に特化して製品づくりを行う
新しいアパレルラインであり、
その主目的は伝統文化を次の世代に継承していくことにあるという。

そもそもスノーピークが、
アパレル事業に本腰を入れ始めたのは今から5年ほど前のこと。

現在、代表取締役副社長CDOに就く山井梨沙さんが、
ファッションデザイナーのキャリアを経て同社にジョインしたのがその端緒。
山井梨沙さんは創立者の幸雄氏を祖父に、
そして現社長の太氏を父に持つ、いわばスノーピークの3世代目にあたる人物だ。

新潟・燕三条にあるスノーピーク本社。実に創業62年目を迎える老舗アウトドアメーカーだ。

新潟・燕三条にあるスノーピーク本社。実に創業62年目を迎える老舗アウトドアメーカーだ。

「ファッション系の大学を出たあとは、ずっと東京でデザイナーをやっていました。
ところが、デザイナーとしてやっていくことに行き詰まりを感じ、
なぜ自分はアパレルの世界に身を投じたのか、
この分野で自分は何をやりたいのかを見つめ直すようになりました。
そんななかで、スノーピークでしかやれないアパレルというものが
あるのではないかと思うようになり、入社を決めました。
もともと家業に収まるつもりはまったくなかったので、自分でも意外な選択でしたね」

山井梨沙さんの入社は2012年。ほんの8年前のことではあるが、
当時のスノーピークは今ほどの知名度を獲得しておらず、
アウトドアファンの一部が知るニッチなブランドに留まっていたという。

代表取締役副社長CDO、山井梨沙さん。2014年よりスノーピークでアパレル事業をスタート。

代表取締役副社長CDO、山井梨沙さん。2014年よりスノーピークでアパレル事業をスタート。

実はスノーピークでは、過去にも何度かアパレル事業に着手したことがある。
しかし、軌道に乗らないまま立ち消えた経緯があり、
いわば同社にとって鬼門ともいえる領域だった。

ところが、山井さんはここで存分に才覚を発揮。
アパレル部門は立ち上げ2年目にして前年比300%という実績をあげ、
その後も毎年、右肩上がりの成長を続けている。
成功の秘訣はおそらく、日本を飛び越えてアメリカ市場から“攻めた”ことにある。

「アパレルを始めた当初、日本では、
『なぜアウトドア用品のメーカーが服をつくっているの?』といわれるばかりで、
どこの取引先にもまともに相手にしてもらえませんでした。
これでは埒が明かないので、だったらアメリカで売り出そうと
現地で展示会を行ったところ、思いのほか好意的な評価をいただくことができたんです」

日本以上に知名度のないアメリカで勝負することに、不安がなかったわけではない。
しかし、向こうにはブランド名よりも品質やデザインで物を見る土壌があり、
自社製品の魅力や特性をフラットに伝えることができるはずだと山井さんは確信していた。

メイド・イン・ジャパンの いいところを集約! 萬古焼の料理鍋〈bestpot〉で 料理革命を!

10分火にかけるだけで料理が完成する魔法の土鍋!

鍋を火にかけ、10分したら止める。
それだけで煮込み料理ができる土鍋〈bestpot〉をご存知ですか?

伝統工芸と高精度技術を最大限に生かしてつくられており、
蓄熱性が高く、放っておくだけで手間のかかる煮込み料理が完成。
忙しい平日でも食材の旨みたっぷりのおいしい料理が簡単につくれるんです。

土鍋は昔から、食材に熱を入れるのに適していると言われている
私たちに馴染みのあるアイテムです。

この〈bestpot〉は、蓋と本体の密閉度を極限まで高められており、
素材の水分だけで調理が可能にした優れモノ。
食材が持つ栄養分と旨みを逃さず、まるごといただけます。
お出かけ前に仕込んでおけば、帰宅後にすぐにできたての料理が完成しているんです。

鍋本体部分は、三重県四日市市の伝統工芸である〈萬古焼〉を採用。
耐熱性に優れているという特徴があります。

それに加え、鍋内部に鉄分を多く含んだ阿蘇山の火山灰を釉薬を使い、
遠赤外線放出率を80%に安定させているんだとか。

肉じゃがやかぼちゃの煮物は10分程度火にかけるだけでOK。
あとは放っておくだけで完成するので、
環境にも優しく調理できるのが嬉しいですね。

羽釜のような独特の形状で、温められた空気が鍋の側面からも内部を温める仕組みに。これにより、均一に加熱されて効率よく調理が可能となっています。

羽釜のような独特の形状で、温められた空気が鍋の側面からも内部を温める仕組みに。これにより、均一に加熱されて効率よく調理が可能となっています。

世界各国の手仕事にフォーカスした 〈国際工芸アワードとやま〉 で、出品作品を募集中

日本に限らず、織物やガラス加工など
世界各国にはさまざまな手仕事に携わる職人がいます。

そんな各国に伝わる工芸の、
伝統的な技術や作品にスポットライトを当てた、
国際公募展〈国際工芸アワードとやま〉が富山で開催されることになりました。

本公募展のユニークな点は、
制作過程の中で必ず“手仕事”が施されている作品をピックしているところ、
そして50歳以下の若き職人を対象としているところです。

匠とよばれる高い技術を持つ職人は世界中にもいますが、
若い世代にも工芸に携わる人々は少なくありません。

新しい視点で工芸活動を行う世界各国の職人たちの活躍を見られるこの公募展は、
アナログがじわじわ人気となっているいまの時代のトレンドにもマッチ。
工芸に馴染みのない人にも興味を持つきっかけとなりそうです。

青森県産ならではのあたたかさ。 青森育ちの羊毛の魅力を伝える 〈aomori wool〉が魅力的!

雪の中で育つコリデール種(大鰐自然村)

青森の羊の魅力を伝える〈aomori wool〉

本格的な冬到来を目前に、青森市の〈GALLERY NOVITA〉で、
〈冬を彩るaomori wool展2019~青森に暮らす羊たちと紡ぐ~〉が開催されました。

主催は、2016年から活動する〈青森県産羊毛の会 aomori wool〉。
青森市に暮らす女性6人が、青森育ちの羊の毛を自ら紡いで糸にし、
ホームスパンや編み物、フェルト作品の発表を通じて、その魅力を伝えています。

青森ヒバの木板に、青森県産の羊毛、羊毛フェルト、ドライフラワーをあしらってつくられたブローチ(福田直美さん作)

青森ヒバの木板に、青森県産の羊毛、羊毛フェルト、ドライフラワーをあしらってつくられたブローチ(福田直美さん作)

青森ならではのあたたかい毛質

「羊はその土地に合った毛質に育つので、
青森の羊の毛は寒さから体を守るために空気をふくんで弾力があり、
あたたかいんですよ。ムッチリ、ボンな毛質です」と話すのは、
ホームスパン作家で、代表の中川麻子さん。

羊毛の本来の色を生かした中川さんのホームスパン作品・大判ショール。「なるべく染めたくないと思っているので色のついた羊を探しているけどなかなか出会えないの」写真は階上(はしかみ)町のサフォーク。色つきはめずらしい。

羊毛の本来の色を生かした中川さんのホームスパン作品・大判ショール。「なるべく染めたくないと思っているので色のついた羊を探しているけどなかなか出会えないの」写真は階上(はしかみ)町のサフォーク。色つきはめずらしい。

写真左がその全容。

写真左がその全容。

中川さんは、メンバーのホームスパン作家大村知子さんと、
〈aomori wool〉結成前から織物の技術指導や作品発表を行なっていましたが、
当時使用していたのは輸入の羊毛。
「地元の羊の毛をつかいたいな」とぼんやりとは思っていましたが、
まだ青森の羊には出会っていませんでした。

大村さんが実際につかっている織機。以前は着物も織っていたそう。

大村さんが実際につかっている織機。以前は着物も織っていたそう。

今回出品された大村さんのホームスパン作品・大判ショール

今回出品された大村さんのホームスパン作品・大判ショール

〈伊藤佳美の日めくりカレンダー〉 日本全国、みんなの記念日で つくるカレンダー

2020年のカレンダーはもう見つけましたか?
今日は絵描きの伊藤佳美さんの日めくりカレンダーをご紹介します。

これは、伊藤さんが1日ひとりリクエストを受け、
“オーダーメイドの1日”を描いているカレンダー。

オーダーをする方は、結婚記念日や誕生日はもちろん、
宇宙遊泳をする日、タイムマシンで旅をする日など、
架空の1日を描いてもらうこともできます。

たとえばこちらは、長野県諏訪市で〈あゆみ食堂〉を営む
料理家の大塩あゆ美さんがオーダーした1日。

2月3日

「ワイワイ食卓を囲むのが一番幸せ」という大塩さんのために
「みんなでワイワイ食卓を囲む日」を描いています。
なんとも和やかでおいしそう!

こちらのカレンダーは、伊藤さんが2019年にスタートさせたプロジェクト。
口コミで少しずつ人気を集め、2年目となる2020年は全国にお客さんが広がっています。

11月28日、「いい庭の日」のために描かれた1枚。風景は、伊藤さんがもう一度訪ねたいという、アルゼンチンのバリローチェ。

11月28日、「いい庭の日」のために描かれた1枚。風景は、伊藤さんがもう一度訪ねたいという、アルゼンチンのバリローチェ。

ユニークなのは、各地で原画展を行い、
その場で来年のオーダーを承っていること。
今年も北海道のCoco-desse、岩手のCafe & Living UCHIDA、
東京のBUTSU / YOKU STORE、Diginner Gallery Workshop、
長野のRebuilding Center JAPAN、富山のHOUSEHOLDを巡りました。

こちらは、岩手県奥州市にあるCafe & Living UCHIDAでイベントを行ったときの様子。

愛犬を抱いている女性が伊藤さん。愛犬の名は、トロ。カレンダーにも登場しています。

愛犬を抱いている女性が伊藤さん。愛犬の名は、トロ。カレンダーにも登場しています。

愛犬を抱いている女性が伊藤さん。
真ん中のエプロンを掛けている男性は伊藤さんの友人であり、
Rebuilding Center JAPANスタッフの千葉夏生さん。
奥州のご出身で、Cafe & Living UCHIDAのオーナーと友人であったことから、
餃子と麻婆豆腐の店を出すために駆けつけてくれました。

このカレンダーには、現在伊藤さんが暮らす長野の方もたくさん登場します。
こちらは、前述のRebuilding Center JAPANの1日。

9月28日

同店は、長野県諏訪市にある古材と古道具のリサイクルショップ。
家屋や工場の解体や片づけの現場に駆けつけ、
行き場を失ってしまったものたちをレスキュー(引き取り)し、
新たなプロダクトに生まれ変わらせて販売しています。
9月28日は、同店の開店記念日なのだとか。
こんなかたちで記念日が残るなんて素敵ですよね。

富山県氷見市の海辺にあるHOUSEHOLDで行われた展示。

富山県氷見市の海辺にあるHOUSEHOLDで行われた展示。

豊岡市で、 「本と温泉」のアシスタントをする 地域おこし協力隊を募集中! 「本を通じた地域の活性化」とは?

兵庫県豊岡市。県の北東部に位置し、北は日本海、東は京都府に接し、
中央部には母なる川・円山川が悠々と流れ、
海岸部は山陰海岸国立公園、山岳部は氷ノ山後山那岐山国定公園に指定。
多彩な四季を織りなす自然環境に恵まれた地です。
また、日本有数の鞄の産地としても知られ、自然放鳥されたコウノトリが空を舞う。
西日本随一の温泉地・城崎温泉では浴衣で外湯をめぐりを体験……と、
さまざまな特色があるまちなのです。

豊岡のユニークで先進的な試みは以前よりコロカルでも紹介をしていますが、
現在、豊岡は都市像を「小さな世界都市-Local & Global city-」と定め、
豊岡というローカルに深く根ざしながら、世界で輝き「小さくてもいいのだ」という
堂々とした態度のまちをつくるという宣言をしています。

そんな豊岡では、2014年度から地域おこし協力隊の制度を導入し、
これまでに29人の隊員を委嘱。
現在15人の隊員が地域の方と一緒に活動しています。
そして再び「小さな世界都市」の実現に取り組む地域おこし協力隊を18名募集します。

そのなかでもちょっと変わっているのが、「本を通じた地域の活性化」という活動。
募集人数は1名ですが、これがなんともおもしろそう。どんなことをするのかというと、
・NPO「本と温泉」の活動のアシスタント
・既発行本のバイリンガル化のサポート
・文学や本を用いた地域活性化の企画立案から実施
とのこと。

「本と温泉」とは、2013年の志賀直哉来湯100年を機に、
次なる100年の温泉地文学を送り出すべく、
城崎温泉旅館経営研究会が立ち上げた出版レーベル。第3弾まで発売されています。

第1弾 文庫にしてわずか十数ページの小説に、
網羅的な解説を試みた超 “解説編”を合わせた二冊組の、
志賀直哉『城の崎にて』『注釈・城の崎にて』
第2弾 タオル地の表紙に撥水加工の中面の、万城目学による『城崎裁判』
第3弾 松葉がにの形を模した、湊かなえによる『城崎へかえる』

これらの地域限定発売の本を出版し、この冬には第4弾が発表になりますが、
地域おこし協力隊の方はこの次の出版にも携わることになりそうです。

〈腑〉長田佳子・塩川いづみ・ 水島七恵が 「継ぐ」をテーマに ワークショップを開催

食べる、描く、編む3人によるワークショップ

2020年2月1日(土)・2日(日)、東京・御茶ノ水にあるTOKAS本郷にて
〈腑(はらわた)〉によるワークショップが開催されます。

腑は、菓子研究家の長田佳子さんとイラストレーターの塩川いづみさん、
編集者の水島七恵さんによるプロジェクト。
2017年にスタートし、ワークショップや展示などを通して
心と体の同時性を探求してきました。

イラスト:塩川いづみ デザイン:横山道雄(KUMA)

イラスト:塩川いづみ デザイン:横山道雄(KUMA)

左から、ワークショップ〈息を継ぐ〉ゲストのUtotoさん、イラストレーターの塩川いづみさん、菓子研究家の長田佳子さん、編集者の水島七恵さん。

左から、ワークショップ〈息を継ぐ〉ゲストのUtotoさん、イラストレーターの塩川いづみさん、菓子研究家の長田佳子さん、編集者の水島七恵さん。

記念すべき1回目のワークショップは水島さんにレポートしていただいたので、
記憶に残っている方もいるのではないでしょうか。

こちらは、2019年11月に葉山の〈Hayama Guesthouse〉で
行われたワークショップ〈息を継ぐ〉の様子です。

葉山ワークショップの様子1

葉山ワークショップの様子2

葉山ワークショップの様子3

今回のイベントは、〈トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)〉による、
あらゆる表現が集まるプラットフォーム〈OPEN SITE〉の教育普及プログラムとして開催。
「継ぐ」をテーマに、マーブリング(墨流し)のワークショップとトークを行います。

トーキョーアーツアンドスペース本郷は、1928年に建てられ、
職業訓練校、教育庁庁舎等として使用されていた歴史ある建物。
3人はこの建物と立地から「水」を想起させられたといいます。

〈秋田木工〉とインテリアデザイナー 五十嵐久枝がコラボ。 美しい曲線の木工家具を展開

100年以上もの歴史を持つ〈秋田木工〉

「木が木で立っていたときよりも立派に美しく」

そんな思いで木に向き合い、剣持勇、柳宗理などとも
コラボレーションした秋田の木工工房があります。その名も〈秋田木工〉。

〈秋田木工〉は、無垢の木材を高温の蒸気で蒸して曲げる曲木の技術で曲木家具をつくる
日本唯一の専門工房であり、100年以上の歴史を持つ老舗です。

「暮らしの中で、快適に使える家具であるように」と
ドイツ人のミヒャエル・トーネットが
デザイン性と機能性の両方を追い求めて発明した曲木の技術。

その技術を継承した〈秋田木工〉の家具は、
職人が手作業で行うことで片手で持てるほどの軽量にもかかわらず、
堅牢で丈夫、そして美しいフォルムで長年愛され続けてきました。

五十嵐久枝クラマタデザイン事務所を経て1993年イガラシデザインスタジオ設立。商業から様々な空間デザイン・インスタレーション・家具デザインを中心に、プロダクト・幼児施設遊具の商品開発など幅広く携わる。「衣・食・住・育」の場を通して空間の可能性を模索する進行形デザインを展開。グッドデザイン賞、JCDデザイン賞、キッズデザイン賞、CSデザイン賞などを受賞。武蔵野美術大学空間演出デザイン学科教授。グッドデザイン賞審査委員。

五十嵐久枝クラマタデザイン事務所を経て1993年イガラシデザインスタジオ設立。商業から様々な空間デザイン・インスタレーション・家具デザインを中心に、プロダクト・幼児施設遊具の商品開発など幅広く携わる。「衣・食・住・育」の場を通して空間の可能性を模索する進行形デザインを展開。グッドデザイン賞、JCDデザイン賞、キッズデザイン賞、CSデザイン賞などを受賞。武蔵野美術大学空間演出デザイン学科教授。グッドデザイン賞審査委員。

この度そんな〈秋田木工〉と
自然素材を活かした家具や空間をてがけてきた、インテリアデザイナー五十嵐久枝氏との
コラボレーションシリーズ〈AGITA(アギタ)〉が発売されることとなりました。

〈貝印スイーツ甲子園〉に
青春をかける高校生。
未来のパティシエたちが躍動する!

キャベツを使ったシュークリーム!?
有名パティシエを唸らせる高校生のアイデア!

ケーキづくりに青春をかける高校生たちの物語。
それは〈貝印スイーツ甲子園〉という舞台で花開く。
1年に1回開催されているこの“甲子園”を目指し、
全国のパティシエ志望の高校生たちがしのぎを削っている。

2019年9月15日、
第12回決勝大会が〈武蔵野調理師専門学校〉を会場として開催された。
春から行われていた全国予選を、全350チーム(125校)から勝ち抜いてきたのは、
東京のレコールバンタン高等部「Rig(リグ)」、
愛知の学校法人糸菊学園 名古屋調理師専門学校「amusant(アミュゾン)」、
大阪のレコールバンタン高等部大阪校「etoile(エトワール)」、
そして福岡の嶋田学園 飯塚高等学校「muguet(ミュゲ)」の4チーム。

決勝大会の直前、そのうちの1チーム、
飯塚高等学校「muguet」の練習風景を取材した。
メンバーは永末優華さん、近藤愛華さん、片桐野慧(のえ)さんの3人だ。

 「muguet」の3人が通う飯塚高校。

「muguet」の3人が通う飯塚高校。

飯塚高校では、まず2月に8チームをつくった。
そのなかから5月に校内での予選が行われ、5チームに絞られた。
今年はその5チームすべてがそのまま書類審査に応募したという。
そして書類審査、予選と突破し、本選に出場したのが
永末さん、近藤さん、片桐さんの「muguet」だった。

今大会のテーマは「カスタードを使ったケーキ」。
3人はまずはどんなケーキにするか考えなくてはならない。

「カスタードと聞いて、代表的なスイーツとしてシュークリームが思い浮かびました。
“シュー”は本来フランス語でキャベツだと知り、
今回、材料として使ってみたいと思いました。
周りにシューであるキャベツを巻いたら、シュークリームになるかなと」
と教えてくれたのはチームのムードメーカーである片桐さん。

「muguet」は、最近はやりつつある野菜を使用したケーキに挑戦することにした。

当初の試作では「まったくおいしくなかった」らしい。
顧問の林田英二先生も
「物語としてはいいけど、本物のキャベツを使うと
ロールキャベツのような感じで切れるかどうか不安でした。
そこでチョコレートなどを使ったキャベツ風でもいいのではないかと提案した」
という。

(左から)林田英二先生、永末優華さん、近藤愛華さん、片桐野慧さん。

(左から)林田英二先生、永末優華さん、近藤愛華さん、片桐野慧さん。

しかしメンバー3人で相談した結果、
本物のキャベツを使うことに挑戦すると決断した。ポイントはキャベツの甘み。
一番工夫し、労力を割いた点だという。

シロップで炊いてみると、キャベツが乾燥したように白くなってしまって、
切ることもできない状態に。
さまざまな手法を試したが、キャベツを茹でて、はちみつとレモンでつけ込むことになった。

ただおいしくつくるのと、予選や決勝ですぐに審査員に食べてもらうのでは
つくり方が微妙に変わってくる。
すぐ食べてもらうことを想定した甘みやかたさのバランスが必要になってくる。
そういった目線はすでにプロではないか。

学校での練習風景。

学校での練習風景。

はちみつとレモンでつけ込んでいるキャベツ。短時間で完成するよう試行錯誤を重ねた。

はちみつとレモンでつけ込んでいるキャベツ。短時間で完成するよう試行錯誤を重ねた。

「muguet」の3人は、飯塚高校・製菓コースのなかで、
部活動でも製菓部に所属している。
通常の授業コースでは、基本的なものを学ぶことに精一杯で、
細工などは部活動内で本などを見ながら、自主的に勉強しているという。

だからこのケーキの土台には、
ダックワーズ、サブレ、ダマンド、ババロアなど基本的なケーキが層となっている。
自分たちにできることの精度を高めつつ、さらに技術や知識を上乗せしているのだ。

大会序盤から真剣な眼差しだったリーダーの近藤愛華さん。

大会序盤から真剣な眼差しだったリーダーの近藤愛華さん。

土台をつくる永末優華さん。

土台をつくる永末優華さん。

初めてケーキをつくってみたときは、なんと5時間36分かかったという。
決勝大会の制限時間は2時間30分。
そこまで短縮するには、きっと練習・実習を繰り返し行ったに違いない。

林田先生は、全員がすべての作業をできるように指導したという。

「みんなでケーキをつくって、みんなで飾りをつくる。
もちろん基本的な担当分けはありますが、遅れたときに手伝えるように、
誰が何をやってもできるようにしておきました。
『考えてつくろうね』と、毎日、言っています」

バラの飾りひとつを1分半以内でつくるという細かい制約をつけて練習した。

バラの飾りひとつを1分半以内でつくるという細かい制約をつけて練習した。

予選も決勝も、その舞台は自分たちの慣れた環境ではないので、
現場対応力が求められる。
実際に決勝でも、冷蔵庫の“冷え”が悪いという事態も発生していた。
そんなときにでも、みんなでフォローしあえること、それがチームワークなのだろう。

〈こけしのしまぬき〉 なんともかわいらしい! 伝統こけし工人のこけしを 封入した「こけし缶」

手のひらサイズのこけしが伝える、東北の手しごと

宮城県仙台の〈こけしのしまぬき〉から、
とってもかわいいおみやげのニュースが届きました!

名前は、「こけし缶」。伝統こけし工人による
できたてのこけしを封入したこけしの缶詰です。
開けるとほのかな木くずの匂いが香り、手のひらサイズのこけしが現れます。

缶のなかから顔をのぞかせているのは、伝統こけし工人、鎌田孝志さんの作品。

弥治郎系 鎌田孝志作こけし缶『牡丹』師匠は祖父の鎌田文市工人と、父の鎌田孝市工人。

弥治郎系 鎌田孝志作こけし缶『牡丹』師匠は祖父の鎌田文市工人と、父の鎌田孝市工人。

鎌田さんは昭和28年生まれ。鎌田さんの祖父、文市さんが手がけたこけしは
デザイナーのチャールズ・イームズの目にもとまったそう。
そのこけしは、あの「イームズハウス」にも飾られていました。

こけし缶に収められているのは、今回の為に制作された限定品。
扁平な頭に、上目使いの目がかわいらしい。胴には牡丹の限定柄が描かれています。

また鎌田さんは、イームズハウスに飾られていたこけしを再現した
「イームズこけし」も手がけています(只今品切れ中。入荷予定有り)。

こちらは、小笠原義雄さんの作品。

遠刈田系 小笠原義雄作こけし缶

遠刈田系 小笠原義雄作こけし缶

胴には、遠刈田系の代表的な文様「重ね菊」が描かれています。
おかっぱ頭は、自身で創作した本人型。哀愁ただよう表情が魅力的です。

シュッとした表情が清々しいこちらは、大沼秀則さんのこけし。

鳴子系 大沼秀則作こけし缶

鳴子系 大沼秀則作こけし缶

大沼さんは「誰からも好かれるこけしを作る」という
志をもって制作されているのだとか。さすが、絶妙なバランスが美しいこけしです。

なかには、若手を応援する「新工人応援缶」も。

弥治郎系 新山匠太作 新工人応援缶

弥治郎系 新山匠太作 新工人応援缶

上のこけしを手がけた新山匠太さんは、1987年年生まれ。
形態と描彩のセンスから弥治郎系伝統こけしの将来を
担う逸材といわれている、期待の若手です。

新工人応援缶は、同じ型をたくさんつくることが修行になることから、
他より安い価格で販売されています。
こけし缶は、こけしのしまぬき本店としまぬきオンラインショップなどで発売中です。

上質で特別なギフトをお探しの方へ。 話題のニュースポット 〈コレド室町テラス〉の 〈日本百貨店 にほんばし總本店〉へ 行ってみよう

店内ではワークショップや実演販売も

2019年9月27日、地下鉄三越前駅直結の
複合商業施設〈コレド室町テラス〉がオープンしました。
再開発が進む日本橋の中でも、とりわけ大きなプロジェクトとして注目されていた、
コレド室町テラスの開業。
なかでも1階の〈日本百貨店 にほんばし總本店〉は連日賑わいを見せています。

日本百貨店のテーマは「ニッポンのモノヅクリとスグレモノ」。
これまでも日本百貨店は全国さまざまな地域と都心を結ぶ、
つくり手と使い手の出会いの場を提供していましたが、
東京・御徒町の1号店オープンから10年を目前に、
10店舗目をここコレド室町テラスに出店。全国の食品、雑貨、伝統工芸品など
およそ1500商品が集います。

ただ購入できるだけでないのが、にほんばし總本店。
つくり手を招き、店内で開催されるワークショップや実演販売で
「つくり手さん自らが伝えていく」ということも積極的に行っていきます。

この日実演販売を行なっていたのは、
岩手県九戸村の伝統工芸・南部箒(なんぶぼうき)の作家、
〈高倉工芸〉の高倉清勝さん。
南部箒の利点や、つくり方、扱い方などの解説をお客さんひとりひとりに丁寧に行い、
非常に手間のかかる南部箒の制作過程を見学させてくれるのでした。

高倉清勝さんがつくる南部箒は、原料となるホウキモロコシという草を栽培するところから始まります。このホウキモロコシ、無農薬で育て、手作業で収穫するため1本つくるのに非常に手間がかかります。そのため、南部箒は高いもので100万円するのだとか。

高倉清勝さんがつくる南部箒は、原料となるホウキモロコシという草を栽培するところから始まります。このホウキモロコシ、無農薬で育て、手作業で収穫するため1本つくるのに非常に手間がかかります。そのため、南部箒は高いもので100万円するのだとか。

現代の生活にフィットするように、パソコン専用箒や、ペットの毛づくろいのための箒などを開発した、アイデアマンの高倉さん。

現代の生活にフィットするように、パソコン専用箒や、ペットの毛づくろいのための箒などを開発した、アイデアマンの高倉さん。

美流渡と青梅の2拠点で
木工作品をつくる〈遊木童〉の
波乱万丈の人生

上美流渡の森で制作する木工作家

この連載も今回で99回目。スタートして約4年が過ぎた。
編集者として20年ほど“文章”というものに関わってきたが、
実は執筆にはずっと苦手意識を持っており、
月に2回の更新はもがきつつ苦しみつつということも多かった。

けれど幸いなことに、書くネタに困ったことはなかった。
わたしが住む岩見沢の美流渡(みると)をはじめとする山あいの地域は、
人口は700人にも満たないが、個性あふれる人々が多いし、
毎月何かしらのイベントも開催されており、
これらすべてを紹介できないもどかしさを
いつも感じているような状態だった(200回までネタには困らなそう)。

そんな状態の中で、以前からずっと紹介したいと思っていたのは
木工作家の五十嵐茂さんだ。
3年前から地域PR活動として〈みる・とーぶ〉という展覧会を
札幌などで開催しており、その参加者のひとりではあったが、
彼のこれまでの歩みについて腰を据えて聞く機会はなかった。

そろそろ秋の気配が感じられるようになった9月、
わたしは上美流渡にある五十嵐さんのアトリエを訪ねて、本当に驚いた。
これまでさまざまな移住者を紹介してきたが、
これほどまでに波乱万丈な人生があっただろうかと言いたくなるような、
強い衝撃を受けたのだった。

五十嵐茂さんと妻の恵美子さん。後ろの小屋は恵美子さんが続けている機織りの制作小屋。

五十嵐茂さんと妻の恵美子さん。後ろの小屋は恵美子さんが続けている機織りの制作小屋。

北海道と東京・青梅にアトリエがあり、行き来をしながら
木工作品の制作を行う五十嵐さんの第一印象は、寡黙で控えめ。
長年にわたり黙々と木工作品をつくってきた人物だと想像していたのだが、
それは私の思い込みだった。

取材で訪ねて最初に彼がしてくれた話は、
2014年にサンタクロースの格好をして舞踏をするという、
短編映画の主演を務めたことについてだった。

「ラッシュアワーの時間に西荻窪の駅前ロータリーで踊りました。
暗黒舞踏を踊るのはこのときが初めてだったけど、監督に
このままやっていけば1年でプロになれるって言われましたね(笑)」

アーティストがJR西荻窪駅付近に滞在し、このまちを舞台に作品を制作、発表するプロジェクト「西荻レヂデンス」の企画によって制作された短編映画。小鷹拓郎監督による『西荻サンタクロース』は、まちにサンタクロースが実在するという設定で、五十嵐さん扮する白塗りのサンタクロースが登場し、骨のようなプレゼントを行き交う人に配布した。

アーティストがJR西荻窪駅付近に滞在し、このまちを舞台に作品を制作、発表するプロジェクト「西荻レヂデンス」の企画によって制作された短編映画。小鷹拓郎監督による『西荻サンタクロース』は、まちにサンタクロースが実在するという設定で、五十嵐さん扮する白塗りのサンタクロースが登場し、骨のようなプレゼントを行き交う人に配布した。

また、国立奥多摩美術館というインディペンデントなアートスポットで行われた、
路上生活者によるダンスグループ〈新人Hソケリッサ!〉のトークイベントで
司会をしたこともあるのだという。
イベントをきっかけに路上生活者のみなさんと意気投合し、
青梅の自宅に彼らを泊めた日のことを、懐かしそうに語ってくれた。

「ホームレスになったとき、最初の晩が一番辛いんだって。
線路に飛び込むか、段ボールを敷いて寝るか、そのどちらかだと誰もが考えるそうです」

こんなふうに、五十嵐さんの口からは、
わたしの想像がすぐには及ばないような話が次々と飛び出していった。

舞踏の演技の様子を手振り身振りで説明してくれた。

舞踏の演技の様子を手振り身振りで説明してくれた。

〈RENEW 2019〉 国内最大規模の工房見学イベント開催! 福井と全国から76団体が集結

ものづくりを見て・知って・体験する、工房見学イベント

2019年10月12日(土)〜14日(月)、
福井県鯖江市、越前市にて〈RENEW 2019〉が開催されます。
これは、ものづくりのまち、福井県鯖江市河和田地区で
2015年にスタートした工房見学イベント。
5回目を迎える今年は、眼鏡や越前漆器、越前和紙、越前打刃物、越前箪笥、
越前焼、繊維を手がける工房・企業と飲食店、約76事業所が参加予定。
工房・企業を一斉開放し、工場見学・ワークショップ・ショッピングといった
3つのプログラムを通して、つくり手の思いや背景、技術を伝えます。

参加する事業所

参加団体は、越前和紙の〈滝製紙所〉、美術小間紙の老舗製紙所〈山次製紙所〉、
1701年創業の漆器メーカー〈セキサカ〉の直営店〈ataW〉、
オリジナル木工ブランド〈Hacoa〉、
鯖江に移り住んだデザイナー・職人によるデザインスタジオ〈TSUGI〉、
丸物木地師〈ろくろ舎〉、
越前漆器協同組合・鯖江市・慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科が
主導する〈工芸みらいプロジェクト〉などなど。
技術を継承しながら、現代に合わせたものづくりを続けているつくり手たちが集結します。

見学

コンセプトは「来たれ若人、ものづくりのまちへ」。
最近では担い手として移り住む若者が増えていることから、
〈ふくい移住EXPO〉や全国17のローカルプレーヤーが集うマーケット
〈まち/ひと/しごと - Localism Expo Fukui-〉も同時開催します。

ろくろ

〈カラーミーショップ大賞2019〉 約4万店の中から選出された 38ショップが決定! コロカル編集部も審査に参加しました

左から、コロカル事業部部長及川卓也、「にっぽん文化奨励賞」受賞の〈会津 長門屋〉鈴木哲也さん、〈小倉縞縞〉築城弥央さん。

ネットショップの運営に携わったことがある人なら、
〈カラーミーショップ〉の名を知る方も多いのでは?

GMOインターネットグループの〈GMOペパボ株式会社〉が運営する、
ネットショップ開業・作成サービス、カラーミーショップ。
多岐にわたるデザインと、豊富な拡張機能で、
自由かつ、思い通りのイメージで自社サイトが制作できるとあり、
個人から企業まで、幅広く支持されています。

本年も、カラーミーショップのサービスを活用している4万店以上のネットショップから、
サイトの構築・運営において、創意工夫を凝らしている店舗を発掘し、
表彰するコンテスト〈カラーミーショップ大賞2019〉が開催されました。

カラーミーショップ大賞2019とは?

会場の様子

カラーミーショップ大賞は、今年で6年目。
2019年は、各種審査を通過し、ノミネートされた277店舗から
主に一般ユーザーの投票により受賞店舗が選出されました。

最も優秀な「大賞(1ショップ)」をはじめ、
「優秀賞(10ショップ)」「地域賞(20ショップ)」
「特別賞(5ショップ)」「にっぽん文化奨励賞」「Amazon Pay賞」と、
38店舗が選出され、2019年9月10日には東京・渋谷にて授賞式が行われました。

大賞に選ばれたのは、創業100年を迎える書道用品の専門店〈書遊Online〉
美しさ、親しみやすさ、商品の探しやすさを両立したサイト設計は、
文房四宝の魅力が随所に散りばめられ、書くことへのワクワク感を高めてくれます。

そして昨年に引き続き、コロカル編集部は、
ネットショップを通じて日本文化を発信する店舗に贈られる
「にっぽん文化奨励賞」の選出を担当させていただきました。

秋田県「川連漆器」の世界で、 これからの伝統工芸の在り方を 模索する小さな挑戦者

秋田県湯沢市。
夏はのどかな田園風景が広がり、冬は雪景色に染まるまちに
都会からひとりの女性が移り住んできた。
湯沢市の地域おこし協力隊として活動する店網華子(たなあみはなこ)さんだ。
ミッションは伝統工芸である「川連(かわつら)漆器」を継承する担い手。
職人の高齢化、需要の減少、さまざまな問題を抱えている伝統工芸の世界に
単身で飛び込んだ店網さんに密着した。

800年前から大切に受け継がれてきた伝統の技を継ぐ

丁寧に漆を塗り重ねることで、木地に柔らかな質感を出す。

丁寧に漆を塗り重ねることで、木地に柔らかな質感を出す。

秋田県湯沢市川連地区に伝わる伝統工芸「川連漆器」。
歴史を遡ると約800年前の鎌倉時代、刀の鞘や弓、
鎧などの武具に漆を塗らせたのが始まりと言われている。
江戸時代になると椀、膳、重箱などの漆器がつくられ、
全国でも有数の漆器産地として知られるようになる。
昭和後期に最盛期を迎え、昭和51年には国の伝統的工芸品に指定された。
その後、工業化による大量生産、
中国からの輸入などの波におされ、徐々に生産量は減少していく。
実稼働している漆器店は年々減少し、職人も高齢化。
日本の伝統工芸が直面している現状そのものだ。

そんな川連漆器の世界へ飛び込んだのが、店網華子さんだ。
生まれは東京都杉並区という根っからの都会っ子。
大学卒業後は化学メーカーに就職し、会社員生活をおくる。
会社が嫌だ、仕事が面白くない。決してそんなことはなかったが、
毎日満員電車に揺られながら頭に過るのは
「地方で暮らしてみたい。ものづくりをしてみたい」という想いだった。

「小さい頃から田舎で暮らすことへの憧れがありましたね。
父は東京出身、母は福岡出身。
夏休みなどに福岡へ帰省していましたが、そうは言っても福岡は都会ですし、
田舎には縁がなくて。自然の中で暮らしてみたいという思いが強く、
いつかは地方に移住しようと決めていました。
もし地方で暮らすなら“ものづくり”に挑戦してみたい。
そう思って移住先を探していたときに飛び込んできたのが、
秋田県湯沢市で伝統工芸の継承を担う地域おこし協力隊だったんです。
秋田は小学校の修学旅行で来たくらいで縁もゆかりもない場所でしたが、
憧れだった“田舎暮らし”と“ものづくり”が一緒にできるならと挑戦しました」

せっかく移住するのだから新しいことにチャレンジしてみたい。
それなら若いうちに!と約2年の会社員生活に終止符を打ち、
2017年8月、秋田県湯沢市の地域おこし協力隊として着任した。

生活の中で育まれた「川連漆器」の魅力とは?

手に取ると木の温かみが感じられる川連漆器。厚手の木地だから中身が冷めにくい。

手に取ると木の温かみが感じられる川連漆器。厚手の木地だから中身が冷めにくい。

“川連漆器”と言っても馴染みのない人も多いはず。
同じ湯沢市の名物「稲庭うどん」の器としてよく使われている漆器と言えば、
触れたことがある人もいるだろう。
川連漆器は、京都や輪島、山中などの美術的な漆器とは違い、
人々の生活のなかで使われてきた実用的な漆器。
その分、お手頃でお求めやすい価格の商品が多く、
知らない人からすれば品質が良くないと思われがちだが、実は全く違うのだ。
これだけ安価に提供できるのも、秋田に豊かな森林が残っていること、
そして職人の卓越した技があってこそ。

川連漆器の原料となる原木は、市場でせり落とされる。

川連漆器の原料となる原木は、市場でせり落とされる。

漆器に使われる原木は主に秋田県産。
奥羽山脈で採れるブナやカツラが材料だ。
この原木を節や傷を避けて切る「木取り」、ろくろで大まかに挽く「荒挽き」、
その後「燻煙(くんえん)乾燥」という川連独特のやり方で木地を乾燥させる。

天井までぎっしりと積み上げられた木地。まるでアートのよう。

天井までぎっしりと積み上げられた木地。まるでアートのよう。

中1週間の寝かし期間を入れながら
約1か月間から3か月間ゆっくり乾燥させることで、
割れの元になる歪みが少なくなり、防虫・防腐にもなる燻煙乾燥。
燃やす資材に廃材を使う循環方式でとってもエコなのだ。
この手間がかかる燻煙乾燥こそ、川連漆器が丈夫と言われる大きな理由だ。

木地づくりで使う道具も職人自らが鉄を叩いて作るのだとか。

木地づくりで使う道具も職人自らが鉄を叩いてつくるのだとか。

燻煙乾燥をした木地は、「仕上げ挽き」に入る。
川連漆器の木地は、他の産地と木取りの仕方が違うので、通常よりも厚めに挽くのが特徴。
そうすることで下地を作る「地塗り」の回数が少なく済み、工程が簡素化できる。
この職人の技があるから、結果、安価に漆器を提供できるのだ。

最近では、若手職人のさまざまなグループによる
自主的な活動や新商品開発も精力的に行われている。
美術大学や他産地とのコラボレーションの実績もあり、
川連漆器の新たな魅力が生み出されている。

ポートランドのDIY精神に刺激を受け
ものづくりの喜びを分かち合う、
〈RINNE〉プロジェクト始動

写真提供:RINNE

廃材にクリエイティブな価値を見出し循環させたい

今回は、2020年春、東京・台東区に拠点がオープンするという
新しいプロジェクトについて紹介してみたい。

プロジェクト名は〈RINNE(りんね)〉。
生命が無限に転生を繰り返すという
「輪廻(りんね)」の思想が言葉の由来になっており、
モノを捨てることなくクリエイティブな価値を見出し
循環させていこうとするプロジェクトだ。

その第1弾として、不要なモノを素材にして、お酒を飲みながら
ワイワイものづくりを楽しむバーの立ち上げが計画されている。

RINNEの活動を知ったきっかけは、このプロジェクトのメンバーであり、
コミュニケーションデザイナーの山中緑さんと東京で約半年ぶりに再会したことだ。

札幌在住だった緑さんは、昨夏、娘さんとふたりでポートランドへ電撃移住。
住まいも仕事も決めずに現地に向かった彼女は、
この移住を“冒険の旅”と名づけ、さまざまな暮らしの挑戦を行っていった。

ハプニングを乗り越えつつ住まいを見つけたり、娘さんの学校を探したり。
Facebookで発信される日々の挑戦にわたしは引き込まれ、
昨冬の一時帰国のタイミングに合わせ、
わたしの住む美流渡(みると)で彼女にお話会を開いてもらったこともある。

美流渡のお話会の様子。緑さんは、「これまでのいろんな概念が壊され、常識が覆され、そして刺激を受け、ショックとともに自由になって元気になっている気がする」とポートランドでの日々を語ってくれた。

美流渡のお話会の様子。緑さんは、「これまでのいろんな概念が壊され、常識が覆され、そして刺激を受け、ショックとともに自由になって元気になっている気がする」とポートランドでの日々を語ってくれた。

今年の6月、たまたまわたしの上京予定と彼女の帰国のタイミングが重なって、
東京で会うことができて驚いたことがある。
たった半年のあいだに、緑さんのまわりでは、
新しいプロジェクトがたくさん始まっており、その中でも、
これから本格始動するというRINNEプロジェクトに、大きな興味を持ったのだった。

わたしが移住した岩見沢の山あいの美流渡地区は、過疎化が進み、空き家も多い。
これらの家の中には生活道具が残されていたり、
倒壊の危険のある古家はどんどん壊されているのだが、
廃材として捨ててしまうには惜しいものも多く、
なんとか活用する手段はないのだろうかと、つねづね感じており、
このプロジェクトがヒントになるのではと感じたからだ。

RINNEプロジェクトのアイデアの源泉になったのは、
ポートランドにある〈SCRAP PDX〉と〈DIY BAR〉という取り組みだ。
緑さんは、日々の暮らしのなかで、なぜポートランドが「世界の先端」と言われ、
「クリエイティブシティ(創造都市)」と言われるのか、その秘密を探っていた。
そんななかで大きな刺激を受けたものがこのふたつだったという。

〈SCRAP PDX〉の店内。シールや包装紙などあらゆる素材が集められている。(写真提供:RINNE)

〈SCRAP PDX〉の店内。シールや包装紙などあらゆる素材が集められている。(写真提供:RINNE)

SCRAP PDXは非営利の団体で、紙製品や布、文房具など、
クリエイティブな素材になりうる、ありとあらゆるモノが
集められたショップを運営している。
仕入れは売れ残りの商品や余った材料など寄付によってまかなわれていて、
ボランティアが仕分けを行っている。

緑さんの娘さんは、ここに入ったとたん「宝の山だ」と狂喜乱舞したそうで、
誰もが何かがつくりたくなってくる、
そんなワクワクした気分になれる場所なのだという。

〈DIY BAR〉。ものづくりをしながら食べたり飲んだり。店員さんもフレンドリーで、つくった作品をほめてくれることも。(写真提供:RINNE)

〈DIY BAR〉。ものづくりをしながら食べたり飲んだり。店員さんもフレンドリーで、つくった作品をほめてくれることも。(写真提供:RINNE)

もうひとつのDIY BARは、クラフトビールなどポートランドらしい飲み物を飲みながら、
和気あいあいとした雰囲気のなかでものづくりを楽しめる場所。

「わたしはもともとの真面目な性格と、デザイナーとしての変な意識(プライド?)で、
気持ち肩に力が入った気がしたけれど、それがだんだん、
どんどん“どうでもよくなって”いって、さまざまな手法を試したくなる!」

緑さん革小物づくりをこのバーで体験し、そんな感覚を覚えたという。

富山県高岡市の匠の技と秘密から、 ものづくりの未来を見つめるイベントが 渋谷で開催

ナガオカケンメイ氏と地元クリエイターのトークセッションも

「ものづくりのまち」として有名な富山県高岡市。

美しく豊かな自然、誠実で生真面目な人々の精神性。
高岡を形容するこれらは、ものづくりにおいても色濃く反映されています。
そして、この先の日本の、そして世界の消費のあり方にも通ずるものがあります。

また、デジタルが発展し、人々のライフスタイルが急速に変化する現代。
地域で活躍するクリエイターも増える中、高岡でも「地域がクリエイターの創造性を拡張し、
クリエイターが地域のものづくりを革新する」という関係が成立し、
これまでにいくつかの魅力的なプロジェクトも誕生しました。

10月7日(月)に渋谷ヒカリエのイベントスペース8/COURTで
開催されるイベント〈Creators Meet TAKAOKA〉では、
そんな高岡の歴史・文化・精神風土も含めた魅力を伝え、
ものづくりに携わる人・関心のある人たちとの新しい出会いや協働の可能性を見出します。

錫を流し込む様子

ワークショップの様子

デザイン活動家・ナガオカケンメイ氏をはじめとする国内外で活躍するクリエイターと
高岡の職人のトークイベントをはじめ、伝統工芸のワークショップや交流会、
高岡の魅力ある伝統工芸が集結した展覧会や富山のローカルフードなど、
注目のコンテンツが多数ラインナップ。「こんなものまであるのか!」と
新たな発見があること間違いなし。

同時に、11月に高岡で開催される
伝統工芸や最先端技術のものづくり工房・工場や歴史文化を訪ねる
「クリエイター向けモデルツアー」の参加者も募集されるそう。
こちらも何かものづくりを行なっている人は必見です。

美しい高岡のプロダクト

高岡の手仕事

伝統工芸の技術を用いたものから、クリエイターとコラボした注目のプロダクトまで、
高岡のアイデンティティを受け継ぐ魅力溢れる作品が集結する展覧会。
もちろん一部の作品は購入することもできます。
さまざまな手法やデザインのプロダクトは、見るだけでワクワクしてしまうはず。

唯一無二の〈倉敷ガラス〉を 収めた写真集が発売。 ポップアップストアもオープン

〈倉敷ガラス〉を追い続けた5年間を収録

ほっくりとぬくもりがあり、どこか柔らかさも感じる〈倉敷ガラス〉。

クリスマスツリー飾りのガラス玉づくりをしていた小谷眞三さんが、
倉敷民藝館初代館長の外村吉之介さんから依頼され、
試行錯誤しながら製作をスタートしたのが昭和38年。

以来70年、〈倉敷ガラス〉を製造しつづけ、
小谷眞三さんと息子の栄次さんが手がける作品のみ、そのように称され、
すべての工程をひとり行うという手間暇がかかったそれは、
全国にコレクターが存在するほどの人気となっています。

そんな、来年90歳を迎える小谷眞三さんの〈倉敷ガラス〉を
ファッションフォトグラファーの赤尾昌則さんが撮影した
写真集『倉敷ガラス 小谷眞三』が、この8月に発売されることになりました。

小谷眞三さん

小谷眞三さん

〈倉敷ガラス〉の一輪挿し

〈倉敷ガラス〉

夏休みの自由研究にも!
「藁納豆づくり」から「太陽光発電」
まで田舎暮らしの“DIY”3本立て

こんにちは! 
「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる
〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

我が家では今まで、暮らしのなかのあらゆるものを
「自分たちでつくってみる」という実験をしてきました。
きな粉、ヨーグルト、椅子、テーブル、小屋、発電機……。

今まで「買う」だけだったものを、手を動かしてつくってみると、
それをつくってくれていた人への感謝の気持ちが生まれたり、
自分でやってみた ! という達成感が、ささやかな自信を持たせてくれます。

糸島の青い海

新しい挑戦をするなら、ぜひ夏休みに!

「DIY、やってみたいけれど、普段は忙しくて」という人でも、
「夏休みならちょっと挑戦してみようかな」と思ってもらえるかな? と思い、
過去に評判がよかった3つの「DIY」をご紹介したいと思います。
夏休みの自由研究に、お子さんと挑戦してみるのもオススメです!

藁からつくる! 天然の納豆菌がいきる「藁苞(わらづと)納豆」

手づくり藁苞納豆!

昔々納豆は、藁によってつくられていたこと、知っていましたか? 
藁とは、田んぼで収穫した稲の、米の部分をとり除いた茎のこと。
藁の中には天然の納豆菌が住んでいるため、
昔の人はその藁を活用して納豆をつくっていました。

納豆ができる仕組みは以下の通り。

(1)稲の藁を使った藁苞に、蒸した大豆を入れる

(2)納豆菌が大豆を餌にして大豆の中で増える

(3)納豆ができる

いとしまシェアハウスの田んぼで収穫した稲藁。

納豆の誕生説は多数ありますが、
「聖徳太子が馬の飼料として残った煮豆を藁で包んでおいたら、できあがった」
「煮豆を藁で包んで保存しておいたら、いい香りがしてきた」など、
どれも藁に付着していた納豆菌による自然発酵がキッカケになっているそうです。

そして実は、藁と大豆には密接な関係がありました。
昔は田んぼで稲を育て、田んぼの畔で大豆を育てるのが一般的だったのです。

これは、大豆が空気中の窒素をかためて地面に流し込む習性があるため。
米の生育には窒素が必要なのですが、この大豆由来の窒素が天然の肥料となり、
田んぼを豊かにしていたんですね。
こうして同じ場所で育ったふたつのものが掛け合わされてできたのが、納豆なのです。

稲刈り時期の風景。

ちなみにスーパーで出回っている納豆は、人工的に培養された納豆菌を使っているので、
天然の納豆菌とはパワーが違います。
藁納豆の濃厚な豆の味わいと、とろける舌触り。
一度食べたら、その力強い味わいにやみつきになるはず! 

昨年、我が家で開催した納豆づくりワークショップでは、
一番下は2歳から、一番上は90歳まで、たくさんの方が参加してくれました!

藁苞納豆づくりワークショップの風景。

「蒸した大豆に納豆菌をふりかけるんですか?」という質問がありましたが、
藁にいる天然の納豆菌を使うので、使う材料は
我が家の田んぼでつくった無農薬無肥料のお米の藁と、無農薬の大豆のみ。

【用意するもの】

・藁(長くて丈夫なもの)

・大豆

・大きな鍋

・ホッカイロまたは湯たんぽ

・紙製の米袋、なければ新聞紙

・毛布

まずは納豆を入れるための「藁苞」をつくります。
藁の中央と端を紐で結んだら、半分に折り返して紐で仮止めします。

藁苞づくりの様子

藁苞には手刈り・天日干しをした丈夫で長い藁が必要です。最近は機械化や高齢化が進み、こういった高品質の藁を手に入れるのも難しくなっていると聞きました。

藁苞ができたら、納豆菌以外の菌を殺菌するために熱湯消毒します。

藁苞を熱湯消毒

納豆菌はほかの雑菌に比べて熱に強く、100度以上でも死滅しないのだとか!

その間に、藁苞に入れる大豆を蒸します。
ひきわり納豆をつくる場合は、蒸しあがった大豆を細かくカット。

藁苞の殺菌と、大豆の下準備が同時に終わるようにし、
蒸し大豆ができたら、熱々のうちに藁苞へ入れます。
もたついて温度が下がると雑菌が発生しやすくなるので、
手早く、ささっと入れるのがポイント。

藁苞に大豆を入れ藁で蓋をするようにして結ぶ

藁苞に大豆を入れたら、折り返した片方の藁で蓋をするようにして結びます。

藁で蓋をしたら、紙製の米袋やタオル、ホッカイロや湯たんぽで
ふた晩保温して、できあがり。

出来た納豆を試食中

食べ比べをして人気があったのが、ひきわり納豆。ひきわりのほうが納豆菌が豆の奥まで食い込んで、より“納豆らしい”味がします。

今はなかなか見ることができなくなってしまった藁苞納豆、楽しくつくってみませんか?
興味のある方は、こちらから納豆づくりキットが購入できますよ。

大豆2種類を食べ比べ! 無農薬大豆の藁苞納豆づくりキット

今年も「みて、きいて、刺す」。 青森県・弘前〈こぎんの学校2019〉

「みて、きいて、刺して深める」一日

2019年9月1日(日)、青森県弘前市の弘前市民会館で
〈こぎんの学校2019〉が開催されます。 
こぎんの刺し手であればふれてみたい、長年津軽で刺し伝えられてきた本物のこぎんに触れ、
歴史や技術を学ぶことのできる貴重な機会です。

高橋寛子さんの遺作

こぎんを刺し伝えてきた高橋寛子さんの遺作。昨年のこぎんの学校で展示されました。

江戸時代、倹約のため麻物しか着ることの許されなかった津軽の農民たちが、
保温や補強のため、麻布に麻糸や綿糸で刺し子を施すようになり
生まれた「津軽こぎん刺し」。
木綿の着物が手に入るようになり一度廃れたものの、民藝運動で注目をされ、
今では趣味手芸のひとつとして、多くの人に親しまれています。

昨年のこぎんの学校の様子

昨年のこぎんの学校の様子。Koginデザイナー山端家昌さん(青森県おいらせ町出身、東京都在住)の解説のもと、かつて実際身につけられていた着物「古作」に施されたこぎんを間近に見て、模様などを研究しました。

こぎんは津軽の宝

こぎんの学校は、こぎん刺し作家の作品等を販売する弘前市の〈津軽工房社〉と、
こぎん刺しの魅力を地元女性ライターの視点で紹介する雑誌『そらとぶこぎん』が
昨年共同ではじめた事業です。

『そらとぶこぎん』表紙

1年をかけて深く取材が行われる『そらとぶこぎん』の表紙。2017年創刊で、現在まで3号発行されています。

『そらとぶこぎん』の編集長は、
地元紙で長く取材を続けて来た鈴木真枝さん(青森県弘前市出身、青森市在住)。
趣味としてこぎん刺しを楽しむ人が増えたことで、
図案や小物の作り方を紹介する「手芸本」は多くあるものの、こぎんを刺し伝え、
現代に残すことに貢献した「つくり手」についてまとめた文献がないことに気がつきます。
「こぎんは津軽の宝。子どもたちの代にも津軽の女性たちの歴史とともに残していきたい」
と考え、発刊に至りました。

野球少年からスニーカーまで。 新鋭の博多人形師・ 中村弘峰さんの個展が開催

伝統を継承しつつ、斬新で現代的なデザイン

約400年もの歴史を誇る福岡の博多人形。

今にも動き出しそうな緻密で魂の込もった姿は、
昔も今もその道を極めた博多人形師の技術があってこそ。

そんな博多人形師の中で、現在一際注目されている人がいます。
104年続く『中村人形』の四代目・中村弘峰さん。

野球少年の博多人形

「AIR 不老I 内裏雛 model」

「AIR 不老I 内裏雛 model」 2018年 素材:陶に彩色 サイズ 32×32×13 cm

一見普通の博多人形のようですが、
よくよく見ると、野球をしていたり、スニーカーの形をしていたり、
より今っぽくアレンジされた動物だったり。

中村さんが手がける博多人形は、現代のテイストが
織り交ぜられた今までにないオリジナリティ溢れるものばかり。

幼い頃から『中村人形』三代目である父の姿を
見て育った中村さんは、東京芸術大学院修士課程を修了後、父・中村信喬さんに師事。

現在は家業を引き継ぎながら、従来の概念に
留まらない創作人形を発表しています。