“青森に住む人”から“
青森を離れた人”へ。
地元の農産物を届ける
『とどけ、おらほの食卓』開催中

地元・青森の食卓を、県外にいるあの人へ

年末年始、帰省したくてもできない人に向け、
JA全農あおもりがキャンペーンを開始しました。
“青森に住む人”から“青森を離れている人”へ、
県内産の農産物を贈ることができる「とどけ、おらほの食卓」です。

とどけ、おらほの食卓

「おらほ」とは、青森の方言で「私たち」を意味し、
「とどけ、おらほの食卓」は、「届け、私たちの食卓」ということ。

今年の年末年始は「青森県へ帰省しない」選択をした県外在住者と、
会いたくても会えない青森県在住の人をつなぐ企画で、
青森県在住の応募者から抽選で100名が、県外に住む大切な人へ
県の農産物を無償で贈ることができます。

『とどけ、おらほの食卓』が贈る青森県産の食材

JAあおもりの担当者・今本和寿さんは、
「例年であれば、年末年始を家族や友人など、
大切な人と過ごすため県外から帰省する人が多く見られますが、
今年は帰省を避ける動きが見られるのではないかと考えています。
そのようななか、故郷を想う人、故郷から離れている人を想う人、
それぞれの人たちの想いを、食を通じてつなぐ架け橋になれたらと思い、
『とどけ、おらほの食卓』を企画しました。
贈る食材は青森県ではごく普通の食材ばかりですが、
今はその“普通”がとても難しい状況にあります。
食材を通じて、少しでもいつもの青森を感じていただければ」
と、企画が誕生したきっかけについて話してくれました。

ダウンサイズしても価値は変わらない!
ウィズコロナの
〈グッドネイバーズ・ジャンボリー〉

10+1回目の新たなイベントのかたち

2020年、11回目を迎えた鹿児島県・川辺で行われている
フェスティバル〈グッドネイバーズ・ジャンボリー(以下、GNJ)〉は、
これまでの夏開催から初めて時期を秋に移して無事終了しました。
新しいディケイドの始まりでもあり、
ひとめぐりして10+1回目のGNJはまさかのコロナ禍。
さまざまな葛藤はありましたが、
実行委員のみんなと10回目のGNJが終わった去年の秋から話し会いを続け、
新しいかたちを模索することとなりました。

夜な夜な議論する実行委員のメンバー。

夜な夜な議論する実行委員のメンバー。

コロナ禍でも実行委員のみんなが前提として話し合っていたのは、
どんなかたちになったとしても集いの灯を絶やさないようにしようということでした。
僕個人的にはたとえ実行委員の数人しか集まれなかったとしても、
「これがGNJだ」と言い切って場を開こうと考えていました。
一度中断してしまった流れを再起動させるのはなかなかパワーを要します。
バトンを渡し続けていくことが、僕らの活動にとっては重要だと思っていました。

これまでの歴史で感染症の脅威は何度もあったけれど、
人が集まること=祭りがなくなったことはなかったし、
どれだけオンラインが発達したとしても
僕らは鹿児島の「森の学校」という場所の力とともに10年やってきたので、
簡単にデジタルには頼らないという心づもりもありました。

フェスティバルの中で密を避けるさまざまな工夫。

フェスティバルの中で密を避けるさまざまな工夫。

〈ROKUMOJI〉
酒どころ、新潟で生まれた
サステイナブルなクラフトジン

6種類のボタニカルを使用

新潟の自然をビンの中にぎゅっと閉じ込めた、爽快なクラフトジンが登場した。
名前は〈ROKUMOJI(ろくもじ)〉。
手がけたのは、南魚沼市出身の今成高文さん、駿吾(しかご)さん兄弟。

「キャッチフレーズは“体内森林浴”です」と話すのは、弟の駿吾さん。
体の中からダイナミックな自然を感じられるジンというのが、その所以だ。

今成駿吾さん。この自然豊かな南魚沼で生まれ育った。

今成駿吾さん。この自然豊かな南魚沼で生まれ育った。

酒好きのあいだでは、すっかり市民権を得ているクラフトジン。
そもそもジンとは「ベースとなるニュートラルスピリッツに、
ジェニパーベリーを含むボタニカル(植物成分)を加えて香りづけした蒸留酒」のこと。
ジェニパーベリーを使うことは必須だが、ボタニカルの種類や数に決まりはない。
この自由度を生かし、カモミールやラベンダー、りんごや海藻など、
産地に由来するボタニカルを使ったジンが、世界各地でつくられている。

ROKUMOJIのボタニカルは6種類。
うち新潟産は、佐渡のアテビ(ヒバ)、南魚沼と長岡のクロモジ、
十日町のドライアップル、村上のほうじ茶の4つ。
そこにジェニパーベリーと、これらの香りをとりまとめるハーブ、
アンジェリカルートが加わる。

「口に含むと、まずアテビとクロモジの香りがふわっと広がり、
続いて、森の枯葉や土を連想させるほうじ茶、
最後にりんごの甘い余韻が残るよう設計しています」

佐渡固有のヒバともいわれるアテビ。アテビを守り、育てる活動をしている〈アテビの会〉から取り寄せている。

佐渡固有のヒバともいわれるアテビ。アテビを守り、育てる活動をしている〈アテビの会〉から取り寄せている。

「和製ハーブ」ともいわれるクロモジ。スパイシーな香りが心地いい。

「和製ハーブ」ともいわれるクロモジ。スパイシーな香りが心地いい。

香りの主軸となるのは、アテビとクロモジ。
アテビはヒノキ科の植物で、ヒノキに柑橘をプラスしたような馥郁たる香りを持つ。
クロモジは日本固有の香木として知られ、アロマやお茶などにも利用されている。

リンゴを加えることで、辛口なジンにほんのりやさしいフレーバーが加わる。廃棄される芯を再利用。

リンゴを加えることで、辛口なジンにほんのりやさしいフレーバーが加わる。廃棄される芯を再利用。

ジンに欠かせないジェニパーベリー。爽やかな香りが特徴。

ジンに欠かせないジェニパーベリー。爽やかな香りが特徴。

飲み方はストレートでもロックでも。
駿吾さんのおすすめは、フレッシュライムとソーダで割るジンリッキー。
カクテルにしても森の香りは健在だ。しかもこのジン、飲めば飲むほど
森が美しくなるという、環境にやさしい酒でもある。

ニューノーマルな生活様式に寄り添う
「わたしのまちのスタートアップ」

今月のテーマ 「わたしのまちのスタートアップ」

日々、新しい商品やサービスが生まれ、
わたしたちの暮らしはどんどん豊かになっています。

今回は、〈地域おこし協力隊〉のみなさんに
お住まいのまちの新ビジネスやサービスについて教えてもらいました。

それぞれのまちの新しい企業の試み、サービスは
少しずつ地域に根づき始めています。
オンラインで受けられるものもあるので
ぜひチェックしてみてください。

【北海道下川町】
コロナ禍だからできることを一歩ずつ

コロナ禍だからできることをポジティブに捉え、
いずれもてたらと思っていた
アロマセラピーと漢方のリラクゼーションサロン
〈薬草庵〉を9月にオープンした塚本あずささんを紹介します。

オーナーの塚本あずささん。

オーナーの塚本あずささん。

人口約3200人の下川町に
コロナ禍の6月に2店舗、9月に1店舗新規オープンしました。

〈薬草庵〉の外観。

〈薬草庵〉の外観。

都内のサロンで経験を積み、
「身近にある植物や食材を使って、
自分の身体を自分自身でケアできるようになってもらいたい」
という想いから、町内で採れる植物を生かした
化粧品や精油をつくっている下川町に移住。

わずか1年もたたないうちにお店をオープンさせました。
新型コロナウイルスが広がる前までは店舗を構えず、
場所を借りて仕事をしていましたが、
流行以降は場所を借りることも、人と会うことも難しいことに。

そんなとき、
「家の裏に納屋があるけど、塚本さん使う?」
という情報が飛び込み、自分の手でサロンをつくろうと決意します。

DIY事業を行う先輩移住者とタッグを組み、築90年の納屋が3か月で見事なサロンへと生まれ変わりました。

DIY事業を行う先輩移住者とタッグを組み、築90年の納屋が3か月で見事なサロンへと生まれ変わりました。

施術室の様子。

施術室の様子。

個人の体調に合わせてブレンドする薬膳茶。じわじわとファンが増えているそうです。

個人の体調に合わせてブレンドする薬膳茶。じわじわとファンが増えているそうです。

一方、家にこもる時間が長くなったことで
不調を感じる方が増えるのではないかと考え、
今まで以上にお客さまに寄り添ったサービスをという想いから、
自宅でも受けられるオンラインセルフケア講座を計画中とのこと。

今後の〈薬草庵〉の展開は見逃せません。

information

map

AROMA & KANPO 薬草庵

住所:北海道上川郡下川町錦町34

営業時間:10:00〜17:00 ※完全予約制

休日:土・日曜

メール:aroma.kampo2019@gmail.com

Web:https://aroma-kampo.com/

photo & text

大石陽介 おおいし・ようすけ

1988年静岡県焼津市生まれ。大学卒業後、静岡県の小学校教諭として富士山の麓で8年間勤務。うち2年間は青年海外協力隊(JICA)としてモンゴルへ。世界自然遺産である『知床』での2年間の移住生活を経て、現在はSDGs未来都市に選ばれた北海道下川町を拠点にシモカワベアーズ(起業型地域おこし協力隊)として活動中。しもかわをぐるっとつなぐおもてなし宿の開業に向け準備を進める。第1弾として『ぐるっとしもかわ』というローカルガイドを期間限定でスタート。第2弾として、森の中でのサスティナブルキャビンを建設準備中。

旭川市〈i.c.stella〉
「買物公園」の空き店舗を
スマートフォン修理店へ

野村パターソンかずたか vol.3

北海道旭川市で、リノベーションや不動産事業を営みながら、
アーティストインレジデンスなど地域の文化事業を企画・運営する、
野村パターソンかずたかさんの連載です。
今回は旭川の目抜き通り「買物公園」にある空き店舗を
スマートフォン修理店にリノベーションした事例をお伝えします。

物理的に近くとも、心情的には遠い「隣人」の存在

11月上旬、旭川にしては珍しい量の雪が降った。
早朝に辺り一面の雪景色になったのもつかの間、数日すると大雨になり、
例年通り根雪(冬があけるまで解けないほど雪が地面を覆う様子)を控えた、
緊張感のあるまちが戻ってきた。

今回紹介するスマホ修理店〈i.c.stella〉が入っている物件を購入したのも、
ちょうど3年前のこの時期だった。

前回紹介した〈Tomipase〉を擁する物件を取得してすぐに気がついたのは、
その横の物件も空き店舗であり、Tomipaseの建物と壁を共有していることだ。
個人が所有できるハコである「建物」が、
もうひとりの個人が所有するそれと構造を共有しているという概念は、
自分で建物を購入するようになって初めて学んだことのように思う。

左がアンティークショップ〈Tomipase〉、右がスマホ修理店〈i.c.stella〉。

左がアンティークショップ〈Tomipase〉、右がスマホ修理店〈i.c.stella〉。

地球の表面の一部を、我々の祖先が編み出した貨幣との等価交換で
購入、所有できること自体が未だにしっくりこないのだが、その上に建っているものを、
ケーキのようにペティナイフで等分できるものでもないのに、
複数の関係者が共同で所有する。

字面でみると、なんと平和的で民主的なあり方なのかと思うが、
実際はその逆で、隣人同士で仲がいいことのほうが稀有なのである。
土地でも建物でも、話をまとめさせてくれないのはこの「隣人」という
物理的に近く、心情的に遠い相手なのだ。

隣の土地は借金してでも買え、と言われている。
隣人の土地にそれほど価値があるという意味ではなく、
いつ豹変するかわからない怪物である隣人という存在を手中に収めるには、
借金というリスクすら背負う価値がある、という意味なのだろうか。

地域の日常を旅する 〈LOCAL DIVER〉が、 3つの地域でトライアルツアーを敢行。 参加者を募集中

コロナ禍により旅行者の価値観も変わり、旅のあり方も転換期にあるのかもしれません。

2020年8月にサービス発表をした、
地域の日常を旅する〈LOCAL DIVER(ローカルダイバー)〉は、
10名以内の少人数で日本中の地域にある隠れた宝物にふれ、
地域の日常を旅する体験を体験するプラットフォーム。

観光スポットを巡ることもなく、
基本的にアテンドをつけないという一風変わったツアーです。
その代わりに、まちをよく知るローカルキュレーターと体験者と同じ選択をし、
集まった仲間たちと共に、その土地の生態系に潜り込む体験をします。
ローカルに生きる人とその物語に触れることで、その土地への愛着と、
人とのつながりが生まれていくという、新しい旅の体験です。

仕掛け人の1人は、不動産メディア〈東京R不動産〉などを展開し、
土地に根差した暮らしを提案する林厚見さん。
LOCAL DIVERを立ち上げたきっかけについて、林さんはこう語ります。

「まちづくりの仕事などでたまたま関わりを持ち、仲間ができた地域やまちが
自分にとって愛着ある大事な場所になるということに気づいたんです。
そうした場所が増えることは人生を豊かにする、ということにも気づきました。

しかし多くの人にとって、地域の人や日常に深く触れることは難しく、
その入口をつくっていきたいと思ったのが、きっかけです。
その場所の風土や歴史とつながった暮らしや生きざまから深い気づきを得ること、
人のつながりができて継続的な関わりが生まれること。そういう旅を増やしたいです。
関心を共有するグループで行くことで、
体験や交わりの機会をつくりやすいのではないかと思いました」

今回、LOCAL DIVERが、3つの地域でトライアルツアーの募集を開始。
足助(愛知県)、神山(徳島県)、小倉(福岡県)で行います。

旭川市〈tomipase(トミパセ)〉
「買物公園」の空き店舗を
骨董品店へリノベーション

野村パターソンかずたか vol.2

北海道旭川市で、リノベーションや不動産事業を営みながら、
アーティストインレジデンスなど地域の文化事業を企画・運営する、
野村パターソンかずたかさんの連載です。

元ミュージシャンで世界の都市を巡った背景から、
地元・旭川市にて多様なコンテンツをしかけています。
今回は旭川の目抜き通り「買物公園」にある空き店舗を
骨董品店にリノベーションした事例をお伝えします。

旭川の繁栄の象徴だった「買物公園」

五十嵐広三さんの本を読んでいる。
五十嵐さんは1963年から1974年まで旭川市長を務め、全国に先駆けて
歩行者天国「平和通買物公園(通称、買物公園)」の開設を主導した方だ。

市内の老人との会話の中でまちづくりや賑わいづくりの話題に触れると、
誰もが口を揃えて当時の買物公園の盛り上がりについて熱く語り出す。

「当時の東京・銀座と同じくらい人口密度が高かったんだ」
「住み込みで働く人ばかりで、2階全部どころか、
3階、屋根裏にまで部屋をつくって、そこで寝てたんだ」
「毎晩、人が溢れるほどいて、人混みをかき分けて前に進んだんだ」
「商店にはお客が多すぎて、受け取った現金は段ボールに投げ入れて、
一日の終わりに数えたもんだ」

出会ったばかりのお年寄りの思い出話が、
いまの様子とは真逆のまちの景色を紡いでいく。

旭川の目抜き通り「買物公園」。

旭川の目抜き通り「買物公園」。

前回書いたとおり、直感と思い切りで挑戦した最初の物件では大失敗をした。
買物公園の最盛期をすぐ近くで生き抜いた築60年の木造物件は無残に解体され、
更地になった。当時敷いた砂利も最近ではアスファルト舗装が施され、
駐車場としてどんどんグレードアップしている。

不動産屋から共感を得て、物件情報を集める

「不動産屋は嘘つきだ」という声を聞くことがある。
調子のいいことばかり言って契約を決めさせようとしたり、
本当にこちらが知りたい物件については教えてくれず、
身内にだけいい情報を流しているのだと。
これが事実かはわからないが、「身内」として認識してもらえれば
いい情報を共有してもらえるのは間違いないだろう。

初回の失敗を受けて始めたのは、地域でつながりができそうな不動産屋さんに
挨拶に行くことだった。
まずはこちらが物件を探していることを知ってもらう。
新規起業者の支援をし、旭川の顔であるこの通りから
ひとつでもシャッターが閉まったままの店舗を減らしたいという目的を伝え、
共感してもらう。

同じようなことを考えている方や、それをすでに実践している方とも多く出会った。
いくら熱意があっても実績と信頼がない状態なので、
業者さんにお願いを続けることで、せめて信頼だけでも獲得する必要があった。

関係づくりに躍起になっていたある日、1本の電話が入った。
聞けば買物公園に売り物件があるという。金額は未定だというが、
なんとかなる範囲内らしいので、さっそく内覧を申し込んだ。

いつもベビーカーを押しながら地域調査や物件下調べをしている。

いつもベビーカーを押しながら地域調査や物件下調べをしている。

当時は菓子店として建築され、直近までは居酒屋だった物件。
店内からはほとんどの什器が取り除かれ、
当時敷き直されたらしいクッションフロアは黒ずみ、
カウンターや椅子の跡が残っていた。建物の奥に入るにつれて床の傾きは増す。
入り組んだ給水管のパターンだけがこの混沌とした空間に唯一残った規律だった。

昔この店の前を通りかかった記憶がある。

そのとき開店の準備をしていたのは、ひとりの高齢女性だった。
こちらに気づくと、しゃがれた声で「こんにちは」と言い切る前に、
くるりと店内へと戻っていった。
ピースボートのポスターの隙間から見えた内側の光景は、
どの地方都市にもある「どう成り立っているのかわからない居酒屋」のそれであり、
それを体感できる前に、もぬけの殻となってしまった。

医療従事者へ感謝を届けたい!
大分の学生が 〈おうち温泉とどけ隊〉を結成
温泉の“癒し”を全国へデリバリー

別府ならではの支援を学生たちが呼びかけ

世界中で新型コロナウイルスの影響が長く続くなか、
今もなお最前線で奮闘する医療従事者へ「感謝の気持ちを届けたい」と、
大分県別府市にある立命館アジア太平洋大学(APU)の
教員と学生が〈おうち温泉とどけ隊〉を結成しました。

現在、クラウドファンディングを実施中です。

「APU」の名称で親しまれる、創立20周年を迎えた立命館アジア太平洋大学。

「APU」の名称で親しまれる、創立20周年を迎えた立命館アジア太平洋大学。

おうち温泉とどけ隊とは、発起人であるAPUの篠原欣貴准教授と
学生有志6名で結成されたグループ。

自粛期間中にテレビニュースなどで報道される医療従事者の姿を目にし、
「大分からできる支援とは何か、最前線で闘ってくださっている
医療従事者の方々に何かできることはないか?」という想いが
起点となりプロジェクトがスタートしました。

「大分といえば、“温泉”!」

そう、温泉を医療従事者まで直接お届けするというのです。

最前線で活躍する医療従事者へ「感謝」と「癒し」を。

最前線で活躍する医療従事者へ「感謝」と「癒し」を。

そもそも別府は、日本一の温泉湧出量を誇る温泉地。
「温泉の“癒し”をもってすれば、医療従事者の方々も心身ともに
リフレッシュできるのでは」とメンバーは考えました。

温泉が大好きな日本人。
別府温泉の力で日頃の疲れをとってもらえるなら、
こんなにいいことはありませんね。

しかし「医療従事者に温泉を届けたい」という想いだけでは、
何トンもの温泉を県外に届けるのは難しいーー。

そんなときに別府発の〈別府おんせんおみや〉の活動が
プロジェクトを大きく後押ししてくれたといいます。

コーヒーノキを栽培して
自分だけの一杯を!
新潟発のコーヒープロジェクト

植物とコーヒーのプロによる新しい試み

コーヒーのサードウェーブにより、
日本でもいままで以上に豆に注目が集まるようになった。
スペシャルティコーヒーが定着し、好みに合わせて
テロワールやロースターを選ぶ時代に。
しかし自分で栽培している人は少ないのではないだろうか。

コーヒー豆は見た目こそ似ているが、ワインのぶどうのように土壌や気候によって香りや味わいが異なるという。

コーヒー豆は見た目こそ似ているが、ワインのぶどうのように土壌や気候によって香りや味わいが異なるという。

実は新潟にコーヒー豆の栽培をサポートする活動がある。
〈新潟県立植物園〉と〈新潟バリスタ協会〉が中心となり、
県内約30のコーヒー専門店などが協力して実現した〈にいがたコーヒープロジェクト〉。
コーヒーを味わうだけでなく、自分たちでも育ててみようというのが、
活動の基本コンセプトだ。

リーダーを務めるのは新潟県立植物園の園長である倉重祐二さん。

「活動のキーワードは育てる、味わう、楽しむ。
苗木を育て、豆を収穫し、自分だけのコーヒーが味わえたら
おもしろいと思いませんか」(倉重さん)

倉重祐二さん。専門はツツジ属の分類と近代園芸史。コーヒーと紅茶の愛好家でもある。

倉重祐二さん。専門はツツジ属の分類と近代園芸史。コーヒーと紅茶の愛好家でもある。

活動の拠点は植物園のある新潟市秋葉区。
東西に阿賀野川、信濃川が流れ、南に丘陵地帯が広がる自然豊かなエリアだ。
ここでカフェの営業や講座、体験型セミナーなど、
コーヒーを丸ごと楽しめる活動を展開している。

コーヒーノキを自宅で育てる

コーヒーノキの苗木。これを機に緑に親しんでほしいと倉重さん。(写真提供:にいがたコーヒープロジェクト)

コーヒーノキの苗木。これを機に緑に親しんでほしいと倉重さん。(写真提供:にいがたコーヒープロジェクト)

この活動は、農園を所有してコーヒー豆を栽培するのではなく、
一般の人たちが各自で苗木を育てるというのがミソ。
コーヒーノキが自宅で手軽に育てられるという点に着目した。

「コーヒーノキはアカネ科の常緑低木で、
もともと観葉植物として日本でも人気があります。
室内で育てられ、上手に管理すれば
3年から5年でコーヒー豆を収穫できるんです」(倉重さん)

園内で育てているコーヒーノキ。ジャスミンのような香りの白い花が咲く。

園内で育てているコーヒーノキ。ジャスミンのような香りの白い花が咲く。

同プロジェクトでは、2017年に沖縄からコーヒーノキを取り寄せたのを皮切りに、
倉重さんが中心となってさまざまな種類を集めてきた。これらは園内で観賞できる。
また沖縄のコーヒーノキのタネから育てた苗木は、
園内にある週末限定カフェ〈にいがたコーヒーラボ〉で販売。
すでに200人ほどのコーヒー&植物愛好家たちが育てているという。

品種はブラジルやブルーマウンテンといった
レギュラーコーヒーの原料となるアラビカ種。
初心者でも育てられるよう、植物園では講座やSNSなどを通じて
育て方のサポートを行っている。

「アラビカ種の原産地は通年20度程度のエチオピアやスーダンの山岳地帯。
生育適温は15~25度程度で、日本では春と秋によく育ちます。
直射日光を避け、夏は涼しく、冬は暖かく管理するのがポイント。
5度以上あれば冬を越せます」(倉重さん)

苗木を購入した人のなかには、すでに花を咲かせたという上級者も。

苗木を購入した人のなかには、すでに花を咲かせたという上級者も。

順調に育てば、3~4年で白い花が咲き、翌年に真っ赤な実となる。
果実はほんのり甘みがあり、生で食べることができるのだそう。
この種子を乾燥させて焙煎すれば、自分だけのコーヒー豆の完成だ。

植物園では昨年度、熱帯植物ドームの改修に伴い、14本のコーヒーノキを植えた。

植物園では昨年度、熱帯植物ドームの改修に伴い、14本のコーヒーノキを植えた。

100年後の南部町のために 廃棄される剪定枝で燻す。 〈COFFEE STAND & SMOKE NANBUDOKI〉

〈COFFEE STAND & SMOKE NANBUDOKI〉の根市大樹さん・雪奈さん夫婦

剪定枝をチップに利活用

岩手県と接する青森県南部に位置する南部町。
その三戸駅のすぐそばに〈COFFEE STAND & SMOKE NANBUDOKI〉はあります。

三戸駅そばにあるカフェ COFFEE STAND & SMOKE NANBUDOKI 店内風景

人口約1万6千人の小さなまちでカフェを営むのは、
「次の世代に誇れる故郷を残す」ことをミッションに、
南部町の資源を活用し、魅力発信を行う〈合同会社南部どき〉の
代表・根市大樹さんと奥様の雪奈さん。

店ではコーヒーと燻製のエッセンスが入った軽食や商品を販売しています。
食品を燻すチップは、南部町で育まれた果物の剪定枝を利活用したものです。

山に囲まれた南部町は、
朝晩の寒暖の差が激しく果物栽培に適した土地。
多くの果樹農家がありますが、高齢化もあり、
剪定枝の処理が問題になっていました。

看板商品のスモークナッツ。左からサクランボ・ブドウ・梅・リンゴの枝で燻したもの。香りは科目(サクランボ・梅・リンゴはバラ科、ブドウはブドウ科)や収穫時期で違いが出るんだそう。

看板商品のスモークナッツ。左からサクランボ・ブドウ・梅・リンゴの枝で燻したもの。香りは科目(サクランボ・梅・リンゴはバラ科、ブドウはブドウ科)や収穫時期で違いが出るんだそう。

果樹による香りの違いを尋ねると、
「秋冬に収穫するリンゴは実を成熟させるために栄養が枝に残らないため、
クセや香りが少ないんです。
夏に収穫する実の小さなサクランボは、
枝に樹液が豊富に含まれているので甘味が出ます。
ビールやワインにはリンゴやサクランボがおすすめ。
ブドウはタンニンの渋みがあり、
舌にピリッとくるのでウィスキーと合いますよ」と大樹さん。

サクランボの旬は7月。収穫後、実に栄養を送る役目を終えた枝からは樹液が滴るほど。

サクランボの旬は7月。収穫後、実に栄養を送る役目を終えた枝からは樹液が滴るほど。

ウッドチップではナッツのほか、
オイル、コーヒー、しめ鯖や鮭トバなども冷燻。
燻したマヨネーズとナッツをはさんだサンドウィッチや、
オイル・ナッツ・チーズ・ベーコンを燻して
トッピングしたピザなど軽食もテイクアウト可能です。

SMOKED COFFEEのドリップパック。かわいらしいイラストは雪奈さんが描いたもの。

SMOKED COFFEEのドリップパック。かわいらしいイラストは雪奈さんが描いたもの。

〈佐賀10000円ショップ〉が好評! 名産品がお得に買える ECサイトがオープン

佐賀の魅力が10000円に凝縮!

今年の8月にオープンした佐賀のプレミアムなものがお得に手に入る
特設ECサイト〈佐賀10000円ショップ〉。

さが県産品流通デザイン公社が、県産品の消費喚起・拡大を目的に
「佐賀支え愛応援キャンペーン」の一環として展開するこのプロジェクトは、
県知事も「1万円以上の価値がある!」と太鼓判を押す
佐賀の名産品が勢揃いしています。

税込み・送料込みの1万円均一で、なかには通常価格より
20%以上もお得な商品やここでしか手に入らない限定商品などが
産地直送で各ご家庭に届けられます。

サイトオープンから約1か月、好評のラインナップに加え
9月に新たに追加された商品をご紹介します。

漁師直送の希少な有明海産天然うなぎなど、
ここでしか買えない商品が目白押し。
9月は9つのアイテムが新たに追加され、
佐賀ならではのラインナップがさらに充実しています。

とくに今回おすすめしたいのが〈タニタ食堂〉とのコラボ商品。
タニタ食堂監修による、県が誇る食材とレシピがセットになった魅惑の内容です。

〈BELPA FARM〉
美容と農業で地域とつながる、
美容師たちの野菜づくり

美と健康は農業から! 美容院からの新たな提案

長野県松本市から、ヘアサロン〈BELPA(ベルパ)〉の美容師さんたちが
畑で野菜づくりに挑戦しているというニュースが届きました。

発端は、「美容で人とつながる、楽しいことをし続けるヘアサロンでありたい。
長野の美容室ならではの面白い活動ができないか」と考えていた
代表の高橋亮太朗さんが「美容を追求する立場だからこそ、
自分たち自身も規則正しい生活や健康的な食事に努めていこう」
とスタッフに農業を提案したこと。

それからスタッフの実家の畑を借りられることになり、
2020年4月より、週に5〜6日は畑に出ているのだそう。

野菜を手に取るヘアサロン〈BELPA(ベルパ)〉代表の高橋さん

スタッフの皆さん。〈BELPA〉は松本市で50年余りヘアサロンを展開しているベルパームグループの本店。

スタッフの皆さん。〈BELPA〉は松本市で50年余りヘアサロンを展開しているベルパームグループの本店。

畑仕事は、農業のベテランである、スタッフの祖父が“厳しく”指導。
野菜ごとの土づくりから植え方、収穫時期など、
細かくアドバイスを受けたおかげで、
近所の農家さんからも「毎日しっかり管理してるから
立派な野菜ができてるね〜」と声をかけられるのだとか。

畑仕事中の風景

こちらが、収穫した野菜。とても立派でおいしそう!

収穫した野菜

この活動には、地域の方との交流を広げ、
まちにとってサロンがより身近な存在になれば、というねらいもあるといいます。

現在は、お客さんに野菜をプレゼントしたり、
コロナ禍のなか、飲食店のテイクアウト商品をデリバリーする事業を立ち上げた
信州大学の学生グループに野菜を進呈し、喜ばれているようです。

信州大学の学生に野菜を渡す高橋さん。学生グループに野菜を進呈したのは、野菜不足になりそうな一人暮らしの学生さんに喜ばれるのでは、という思いから。

信州大学の学生に野菜を渡す高橋さん。学生グループに野菜を進呈したのは、野菜不足になりそうな一人暮らしの学生さんに喜ばれるのでは、という思いから。

また、みんなで畑仕事をすることでチームワークが育まれ、
農業での学びが、仕事への意識向上にもつながるという効果も生まれているよう。

スタッフからは「朝の作業はつらいです」
「食べ物に感謝するという想いが高まりました」
「カエルが気持ちわるいです」
「お客さんに喜んでもらえて嬉しいです」
「野菜づくりも美容の仕事も土台が大切だと思いました」
——などの声があがっているようです。

〈リバーバンク〉が考える
空き古民家の再生。
地域に入り、足で探し、暮らしを学ぶ

地域に長く住むジェフリー・アイリッシュさんと空き家問題に取り組む

僕が代表理事を務める〈一般社団法人リバーバンク〉の活動は、
鹿児島県南九州市川辺町の高田地区に残る
旧長谷小学校という廃校を再生するところから始まり、
さらにまだまだ地域に眠っているさまざまな資源を活用する活動へと広がってきました。
(その詳細は以前の連載vol.006にて)

僕らが考えたこれらの地域資源には3つの軸があります。
ひとつめは戦前の建物である古い学校建築を残した廃校。
ふたつめは学校の周辺にある渓谷や古い石切り場などの自然。
そして最後の軸が、地域にたくさん現存する空き古民家。
これは僕らから見れば立派な資源です。

空き古民家の再生事業については、
リバーバンク発足前からこの地域に暮らしてきた
ジェフリー・アイリッシュさんとともに進めています。
ジェフリーさんは民俗学を大学で教えていることもあり、
古い集落の歴史や暮らしを調査してアーカイブするということを
ライフワークにしていました。このテーマでこの地域についての本も書いています。

ジェフリー・アイリッシュさん。地域のご老人にかつての話を尋ねるところから。

ジェフリー・アイリッシュさん。地域のご老人にかつての話を尋ねるところから。

そもそも空き家問題の根本的な原因のひとつに、
空き家が不動産マーケットになかなか流通せず、
借りたい人とのマッチングが難しいということがあります。

過疎地域の空き家は地価が低く、
建物も老朽化している場合はほとんど値がつかないため、
不動産屋さんが仕事として入りづらい。
ゆえに地域に移住して暮らしたいという人がいたとしてもまず情報が届かない。

仮に空き家があるという情報を得たとしても、
大家さんがその地域にすでに暮らしていないことも多く、
連絡や契約までなかなかたどり着けないということも起こります。

『幸せに暮らす集落』(ジェフリー・アイリッシュ著)

幸せに暮らす集落』(ジェフリー・アイリッシュ著)

しかしジェフリーさんは地域をくまなく歩き回り、
不動産マーケットに流通しない情報を丹念に調べていました。

「Aという空き家の持ち主はBという家に住んでいるおばあさんの親戚で、
今は子どものいるどこどこのまちに暮らしている」とか、
その家の歴史からひもといて、
「空き家を貸すかどうするかの判断は誰に聞けばいい」というような、
とてもまちの不動産屋さんでは拾いきれないような情報をたくさん持っていました。

空き家はそこらじゅうにありますが、立地条件や建物の状態を見極め、
なおかつ低コストで改修ができて使えそうな空き家を見つけたうえで
大家さんと交渉するというのは並大抵のことではありません。

地元のキーパーソンと。

地元のキーパーソンと。

ジェフリーさんは日本に来た当時、大手の建築会社で働いていたこともあり、
建物を見る目があります。それと民俗学的な知識とフィールドワークの手法に加えて、
長年この集落に暮らしているという地域からの信頼。
これがなくては絶対に実現しないプロジェクトです。

人や親族のつながりをたどって大家さんを探し、丹念に交渉を続け、
これまでに5棟の家を借りられるようにしました。

〈MUJIcom ホテルメトロポリタン
鎌倉〉永尾亮店長が考える、
ブランドが地域に果たすこれからの役割

鎌倉から考えるローカルの未来

長い歴史と独自の文化を持ち、豊かな自然にも恵まれた日本を代表する観光地・鎌倉。

年間2000万人を超える観光客から、鎌倉生まれ鎌倉育ちの地元民、
そして、この土地や人の魅力に惹かれ、移り住んできた人たちが
交差するこのまちにじっくり目を向けてみると、
ほかのどこにもないユニークなコミュニティや暮らしのカタチが見えてくる。

東京と鎌倉を行き来しながら働き、暮らす人、
移動販売からスタートし、自らのお店を構えるに至った飲食店のオーナー、
都市生活から田舎暮らしへの中継地点として、この地に居を移す人etc……。

その暮らし方、働き方は千差万別でも、彼らに共通するのは、
いまある暮らしや仕事をより豊かなものにするために、
あるいは、持続可能なライフスタイルやコミュニティを実現するために、
自分たちなりの模索を続ける、貪欲でありマイペースな姿勢だ。

そんな鎌倉の人たちのしなやかなライフスタイル、ワークスタイルにフォーカスし、
これからの地域との関わり方を考えるためのヒントを探していく。

今年4月、まちの中心を通る若宮大路沿いに開業した〈ホテルメトロポリタン鎌倉〉。その1階に、鎌倉中心部には初の出店となる〈MUJIcom〉、〈Café&Meal MUJI〉がオープンした。

今年4月、まちの中心を通る若宮大路沿いに開業した〈ホテルメトロポリタン鎌倉〉。その1階に、鎌倉中心部には初の出店となる〈MUJIcom〉、〈Café&Meal MUJI〉がオープンした。

鎌倉中心部初出店となる〈無印良品〉

新型コロナウイルスの感染拡大によって、鎌倉のまちは一変した。
緊急事態宣言に基づく外出自粛要請によって、まちなかから観光客の姿は消え、
鎌倉の観光地としての顔は影を潜めた。

こうしたさなか、地域最大規模のホテルとして、
オリンピックイヤーに満を持して開業するはずだった〈ホテルメトロポリタン鎌倉〉は
予想外のスタートを切ることになり、鎌倉中心部への初出店として、
同ホテル1階に入った〈MUJIcom〉、〈Café&Meal MUJI〉もまた、
不安と緊張を抱えたまま、4月24日のオープンを迎えることになった。

開店にあたり、住民たちとのワークショップなどを事前に重ねたMUJIcomでは、
「地域のリビング」をコンセプトに鎌倉の暮らしに必要な日用品を取り揃えるとともに、
地域のプレイヤーたちと連携して開催する期間限定マーケット
「つながる市」を行うオープンスペースや、
住民らが持ち寄った鎌倉関連のガイドブックのレンタルコーナー、
オススメの飲食店などをマッピングした市内の地図など、
ローカルの魅力を発信するスペースが大きくとられている。

併設するCafé&Meal MUJIにおいても、同店初の試みとなる
地域の食材を使ったオリジナルメニューが豊富に揃う。

MUJIcom ホテルメトロポリタン鎌倉の店内。エントランス付近のスペースには移動可能な什器が用いられており、今後は地域の人たちによるイベントやポップアップショップなどの開催も見据えているという。

MUJIcom ホテルメトロポリタン鎌倉の店内。エントランス付近のスペースには移動可能な什器が用いられており、今後は地域の人たちによるイベントやポップアップショップなどの開催も見据えているという。

同店を展開する〈良品計画〉が近年掲げているキーワード
「土着化」を地で行くようなこの鎌倉店において、
現場でのさまざまな取り組みを推進しているのが、
今回の主人公となるMUJIcom ホテルメトロポリタン鎌倉の永尾亮店長だ。
自ら志願してこの店で働くことを選んだ永尾さんは、店長着任を機に鎌倉に移住し、
地域の住民や生産者らとつながりながら、鎌倉ならではの店舗づくりに奔走している。

コロナ禍によって地域におけるさまざまな価値観が大きく変わりつつあるなか、
これからの企業やブランドが地域に果たすべき役割はどうなっていくのか。
地元住民や観光客で賑わいを見せるMUJIcom ホテルメトロポリタン鎌倉に、
永尾店長を訪ねた。

写真家・西野壮平さんの旅コラム
「別府の温泉に浸かり、声をかけ、
100湯以上を撮影した旅」

さまざまなクリエイターによる旅のリレーコラム連載。
第12回は、写真家・西野壮平さんによる
別府の温泉を撮影して回った話。
自らも地元の銭湯や温泉、通称「ジモ銭」に入りながら、
合計100湯以上で撮影を敢行したことで
エリアごとの小さな特徴を感じ、
ローカルでのコミュニティとしての役割を認識したようだ。

水にどうしても惹かれる

「山か海かどちらが好き?」と聞かれると
「海も湖も川も好き」と答えたいといつも思う。
僕は断然、水派だ。

水というものにどうも惹かれるのだ。
生まれたところは比較的海が近かったし、
今までの人生で引っ越しを10回ほどしてきているが、
自然と家の近くに川があるところを選ぶ傾向があった。

「温泉名人」の指原勇さん。

「温泉名人」の指原勇さん。

写真を生業にしてかれこれ15年以上経つが、
その大半がさまざまな世界の都市という舞台をテーマに作品を制作してきた。
撮影ではそのまちで生活しながら、都市の風景や人を写真に撮ってきた。
すべての場所がそうというわけではないが、
ある場所が都市となる前の風景には、たいてい水があった。

川や海があり、そこに人が集まり、交易、貿易が発達することで
さまざまな文化が生まれ、その繰り返しが脈々と続いたことで
今日の都市の姿へと変貌を遂げてきたのだ。

そのまちに流れる水の存在は、生命を維持する血管のようであり、
その水を見ることは、ひとつの生き物の体の中を見ているようだなと
ロンドンのテムズ川沿いを歩きながら思ったことがある。

別府のまち並み。

別府のまち並み。

ビル泊×美術館×模型。
静岡駅前に立つビルで
ユニークな試みが進行中

静岡市の魅力を3つのキーワードで紹介していくシリーズ。
今回のキーワードは“ビル”。
ビルの一部をリノベーションしたホテル、駅前の高層タワーに入る美術館、
模型の情報発信地など、静岡市のビルを舞台にした取り組みをご紹介します。

まちなかのビルを活用した分散型ホテル〈ビル泊〉

いま各地で分散型ホテルが注目を集めている。
分散型ホテルとは、地域に点在する空き物件を宿泊用の客室に転用し、
それらが位置するエリア全体をひとつの宿として見立てる新しいスタイル。
宿泊客がホテルの中を移動するようにエリア内を回遊することで、
地域活性化も期待されている。

多くの場合、客室には古民家が活用されるが、ここ静岡市ではひと味違う。
今年3月にオープンした〈ビル泊(ビルぱく)〉は、駅前の商店街に面した
4棟のビルの一部を客室として再生。現在、7室が稼働している。

1フロアが〈ビル泊〉の3室になっている「YS BLDG.」。写真は、3名まで利用可能な202号室。

1フロアが〈ビル泊〉の3室になっている「YS BLDG.」。写真は、3名まで利用可能な202号室。

水回りも美しくリノベーション。洗面ボウルも2つ備えるなど、大勢で泊まってもストレスはない。

水回りも美しくリノベーション。洗面ボウルも2つ備えるなど、大勢で泊まってもストレスはない。

ビルの入口に設置されたロゴが目印。ありふれたビルのエントランスと客室のギャップに驚かされる。

ビルの入口に設置されたロゴが目印。ありふれたビルのエントランスと客室のギャップに驚かされる。

おそらくは日本で初めての試みとなる、ビルを活用した分散型ホテルの仕掛け人は、
〈CSA不動産〉の社長・小島孝仁さん。

「市街地にあるビルの空き物件の活用は、どの地方都市にとっても深刻な問題。
それを解消し、中長期的に人が訪れるまちにするためには
どうすればいいかと考えたとき、ビジネスホテルとは違う、
滞在することが目的になるようなホテルをつくればいいと思ったんです」と言う。

小島孝仁さん(右)と、ビル泊の内装を手がけたデザイナーの李大英さん(左)。「部屋のどこにいても心地よく過ごせる、居場所をつくることを意識しました」と李さん。

小島孝仁さん(右)と、ビル泊の内装を手がけたデザイナーの李大英さん(左)。「部屋のどこにいても心地よく過ごせる、居場所をつくることを意識しました」と李さん。

静岡駅と地下道でつながるレセプションも、もちろんビル中に位置。ここから各室へは徒歩約2~7分。

静岡駅と地下道でつながるレセプションも、もちろんビル中に位置。ここから各室へは徒歩約2~7分。

全7室の客室は、55~99平方メートルの広さがある贅沢なつくり。
コンクリートの躯体を生かした内装で、
敢えてビルの一室であることを前面に出している。
ふと窓から下を見ると、商店街を行き交う人たち。
「まちを感じながら、ビルに泊まる」という体験が、ここでの醍醐味だ。

屋上テラス付きの住居を改修した「MASATOYO BLDG.」301。むき出しの躯体がインダストリアルな雰囲気を醸しだす。

屋上テラス付きの住居を改修した「MASATOYO BLDG.」301。むき出しの躯体がインダストリアルな雰囲気を醸しだす。

小さなテラスに面した「COSMOS BLDG.」401のベッドルーム。リビングルームにはハンモックもある。

小さなテラスに面した「COSMOS BLDG.」401のベッドルーム。リビングルームにはハンモックもある。

静岡ならではの魅力を感じてもらうための工夫も欠かさない。
客室には、同市を代表する模型メーカー、タミヤのパーツパネルを飾るほか、
地元の布団職人・新貝晃一郎さんが手がけたオーダーメイドの座布団を用意。
希望すれば、調味料まですべての食材を静岡産で揃えた
豪華な朝食を味わうこともできる。

小島さんが気に入り、各室に設置したタミヤのパーツパネル。レセプションにはビル泊のオリジナルも。

小島さんが気に入り、各室に設置したタミヤのパーツパネル。レセプションにはビル泊のオリジナルも。

一部の客室に置かれた、遠州織物を使った座布団。角までしっかりと綿が入っており、座り心地も抜群だ。

一部の客室に置かれた、遠州織物を使った座布団。角までしっかりと綿が入っており、座り心地も抜群だ。

32種の小鉢がずらりと並ぶ朝食(5,000円)は、レセプション近くの店で提供。端正な重箱は地木工職人・戸田勝久さんが手がけた。(写真提供:ビル泊)

32種の小鉢がずらりと並ぶ朝食(5,500円・税込)は、レセプション近くの店で提供。端正な重箱は地木工職人・戸田勝久さんが手がけた。(写真提供:ビル泊)

information

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ビル泊

住所:静岡市葵区紺屋町1-5 協友ビルB1(レセプション)

TEL:054‒292-6800

料金::1泊1名9,900円・税込~(客室と人数により異なる)

Web:https://birupaku.jp/

世界のアパレルに愛されてきた
兵庫の播州織。コロナ禍の今、
その新しいチャレンジを応援したい!

播州織とは、“日本のへそ”と呼ばれる兵庫県の西脇市を中心とした
北播磨地域で生産されている生地、テキスタイルのこと。
しかしコロナ禍によって、注文数が激減するなど多大な影響を受けた。

そこで伝統的なものづくりを守り、その品質を広めていくため、
大丸・松坂屋が手がける「Think LOCALー買って、食べて、参加して!キャンペーン」にて
(※このキャンペーンは終了しています)
「北播磨地場産業開発機構」を支援する活動が始まった。

まずはこの地で続く分業制の生産の流れ、
工場の技術力と伝統を受け継ぎながらもいま生まれつつある
播州織の新たなチャレンジと可能性に注目してみたい。

播州織ならではの表情豊かなテキスタイル

播州織には約230年の歴史がある。京都の西陣織の技術がこの地にもたらされ、
閑散期の農家が機織りに従事したことが始まり。
最盛期の1980年代には約9割が海外輸出され
数多くの世界的なアパレルブランドにも愛されてきた。

その特徴は、先染め織物。
先に糸を染めてから織り上げるため、複雑な格子柄など自由自在に
表情豊かなテキスタイルをつくり出すことができる。
そして、糸を染める、糸を織る、生地を加工する、
完成までの工程すべてを同地域内で行えることは、全国の産地でも稀である。
播州織はどのようにできあがるのか? そしてその現状とは?

コロナ禍の今こそ、大阪が誇る
伝統的エンターテインメント
「文楽」を 知って、応援したい!

コロナ禍によって、大阪の伝統文化である文楽も、
公演を自粛するなど、多大な影響を受けた。
そこで文楽公演の復帰はもちろん、その先にある活動を見据えて、
「Think LOCALー買って、食べて、参加して!キャンペーン」にて
(※このキャンペーンは終了しています)
文楽協会を支援する活動が始まった。
まずは初心者でも楽しめる文楽の魅力を知ってほしい。

大阪が誇る伝統芸能、文楽はいま見てもおもしろい

文楽は約300年前から続く、大阪が世界に誇る伝統芸能。
伝統芸能、といわれるとちょっと身構えるかもしれないが
実は昔も今も庶民のためのエンターテインメント。
少しの準備さえすれば、この古くて新しい魅力に気づくはず。
文楽の世界をちょっとのぞいてみませんか?

江戸初期の「大坂」で生まれた文楽。その正式名称は「人形浄瑠璃文楽」で、
『曽根崎心中』などの名作を次々に生み出した竹本義太夫と近松門左衛門による
作品を上演した「竹本座」を皮切りに、大阪のまちで発展した総合芸術である。

国立文楽劇場は、〈中銀カプセルタワービル〉などで知られる黒川紀章による建築。

国立文楽劇場〉は、〈中銀カプセルタワービル〉などで知られる黒川紀章による建築。

三業(語りの太夫、三味線奏者、人形遣い)が一体となり繰り広げられる人形芝居で、
その演目は大きく時代物、世話物、景事の3つに分けられる。
時代物は鎌倉から戦国時代の歴史物語、
世話物は江戸当時の恋愛や事件などを主題としたドラマ、景事は華やかな舞踊劇。
世界にも類を見ない伝統芸能として、
2008年にはユネスコの無形文化遺産にも登録されている。

文楽には日本のすべてが詰まっている

ずばり文楽とは? 大阪と文楽の関係とは?
これからの文楽の魅力をどのように捉え、発信しているのか?
舞台上のパフォーマーである太夫と三味線弾き、そして人形遣い、
3人の若手技芸員(ぎげいいん)に話を聞いた。

2018年(平成30年)1月に、8代目竹本綱太夫五十回忌追善の公演にて『摂州合邦辻』を語る。6代目竹本織太夫の襲名披露でもあった。(写真提供:竹本織太夫)

2018年(平成30年)1月に、8代目竹本綱太夫五十回忌追善の公演にて『摂州合邦辻』を語る。6代目竹本織太夫の襲名披露でもあった。(写真提供:竹本織太夫)

「大阪は、負け続けていても阪神タイガースをとことん応援するまち。
これだけ身びいきの強い大阪で、なぜ文楽最高! と言ってもらえないのか?
そこはまだまだ僕らの発信や提案が足りないからだと思っています」

そう語るのは太夫の竹本織太夫さん。
織太夫さんはいわば文楽という大阪カルチャーのスポークスマン。
舞台以外でもテレビやラジオへの出演、
そして自著『文楽のすゝめ』『ビジネスパーソンのための 文楽のすゝめ』などを通し
文楽の魅力を精力的に伝えている。

平成30年に6代目を襲名した竹本織太夫さん。

平成30年に6代目を襲名した竹本織太夫さん。

舞台で義太夫節を語る太夫の役割は、ただのナレーターにあらず。
舞台上手から、同じ演目内に登場するさまざまな人物を、
ひとりで語り分ける声の役者でもある。
織太夫さんから見た文楽の魅力は、日本文化が詰まっていることだという。

「まず文楽は日本語でやっている、ということです。
外国の音楽の歌詞よりは、わかろうと思えばすぐに理解できるはず。
それに文楽には文学、音楽、宗教、風習、歴史、そして本質的な精神性に至るまで、
日本のすべてが詰まっている、といっても過言ではありません。
囲碁を学ぶことや、俳句だって知ることができる。そこが大きな魅力なのです」

特に「関西人は文楽を2割増しで楽しめる」素養があるという。
なぜなら、舞台の多くが関西だから。

「文楽を見ると大阪のまちはアミューズメントパークのように見えてくると思います。
曽根崎だったり、北浜だったり、
大阪の人が知っている地名がいろいろと出てくるわけです。
観光視点としては、大阪にはお好み焼きや〈USJ〉もあるけれど、
文楽もありますよ、という提案をしています。
いくたまさん”や“お初天神”など、
演目に出てくるスポットを巡礼することもできますしね」

太夫が舞台で読む「床本(ゆかほん)」。自筆である。

太夫が舞台で読む「床本(ゆかほん)」。自筆である。

今回、文楽協会を支援している〈大丸〉の
「Think LOCALー買って、食べて、参加して!キャンペーン」。
(※このキャンペーンは終了しています)
大阪の心斎橋出身という織太夫さんは、
その〈大丸〉心斎橋店に個人的にも忘れがたい思い出があるそうだ。

「私たちの源流は道頓堀の竹本座ですが、
昔の竹本座の納入記録には
大丸さんから人形の衣裳が納品されていたという帳面も残っています。
だから大丸さんと文楽は、300年のご縁があるのです。
それに私の小学校の通学路には大丸さんがあった。
当時は地下通路にあったクッキー屋さんで、
毎日、試食用のクッキーをいただいて帰ったものです(笑)」

〈百花-HYAKKA-〉 「金魚真珠」を使った サステナブルな真珠ジュエリー

福をもたらす唯一無二の真珠

世界で初めて真珠の養殖に成功し、
現在も最高峰の真珠の産地として名高い伊勢志摩。

この場所で「金魚真珠」という名の
“しっぽ”つきの真珠を使ったジュエリー
〈百花-HYAKKA-〉が誕生しました。

近年、真珠を生み出すアコヤ貝の大量死や
養殖事業者の高齢化、後継者不足などにより、
年々真珠の生産量が減少しつつある伊勢志摩。

ひと粒が宝石になるまでに、約3年という決して短くない年月を要する真珠の養殖は、
貝を開けど、美しい“真円”状の真珠となっているのは2割ほど。
歪な形の真珠は規格外として、流通に乗ることがほとんどありませんでした。

そんな規格外とされていた真円ではない“しっぽ”付きの真珠を
伊勢志摩のパールジュエリーブランド〈SEVEN THREE.〉が、
このたび「金魚真珠」として商標登録。

SDGsの目標12 つくる責任つかう責任「持続可能な生産消費形態を確保する」
目標14 海の豊かさを守ろう「海洋資源を持続可能な形で利用」を体現し、
〈百花-HYAKKA-〉という名の新たなジュエリーを発表しています。

〈旅するふるさと便〉 長野県松本の魅力を詰め込んだ ギフトボックスが発売

人と人、まちとまちをつなぐギフトボックス

2020年6月、長野県松本から長野の魅力を詰め込んだギフトボックスを
届けるプロジェクト〈旅するふるさと便〉が始まりました。

ギフトボックスの内容は〈Confiturier Chez Momo〉の〈梅とウイスキーのジュレ〉や
松本ゆかりの染色家、柚木沙弥郎さんのふきん、
〈村山農園〉のりんごジュースなどなど、
長野で生まれた、素敵なプロダクトがたくさん。

旅するふるさと便まつもと号

企画・制作を手掛けた本柳寛子さん(ページトップ写真)は、
コロナ禍による混乱が続くなか、遠くに住む友人や、
松本へ訪れることを楽しみにしていた人たちのことを思い、この企画を考えたといいます。

制作課程を綴ったnoteには、次のようなメッセージが載せられていました。

「信州北アルプスをのぞみ、山からのゆたかな水源や
健やかな空気をたっぷりとたくわえ、
美しい四季がめぐり、民藝運動とともに歩んできた松本より、
わたしが個人的な想いから選んだものたちで“ふるさと便”を編みました。
また気軽に旅ができる日が訪れるまで、
ひととひと、地域と地域をつなぐ、
コミュニケーションボックスになることを願って」

春は桜、夏は新緑が楽しめるピクニックスポット、アルプス公園。

春は桜、夏は新緑が楽しめるピクニックスポット、アルプス公園。

ただいまオンラインショップでは、このふるさと便の“春夏号”が販売されています。
さっそく、気になる内容を拝見してみましょう。
ギフトボックスは〈アルプス公園〉〈あがたの森〉〈女鳥羽川〉の3種。
いずれも、本柳さんが好きな松本のスポットへトリップするような、
ピクニックをイメージした構成になっています。

アルプス公園には、オーガニックハーブを使用したアロマオイルや
ハーブビネガーなどをつくっている〈issou〉の水出しブレンドティーや
Confiturier Chez Momo 〉の「梅とウィスキーのジュレ」、
〈村山農園〉のりんごジュースなどが入っています。

旅するふるさと便 まつもと号 2020SS〈アルプス公園〉3,550円(税込)

旅するふるさと便 まつもと号 2020SS〈アルプス公園〉3,550円(税込)

〈issou〉この春、松本で育ったハーブや野草を丁寧にブレンドした水出しブレンドティー(2種)。

〈issou〉この春、松本で育ったハーブや野草を丁寧にブレンドした水出しブレンドティー(2種)。

南仏でジャム作りを学んだコンフィチュール職人、
蒔田友之さんが開いた〈Confiturier Chez Momo〉は、
魅力的な店が点在する松本のなかでも、草分け的存在なのだとか。

〈Confiturier Chez Momo〉の「梅とウィスキーのジュレ」梅の酸味にウィスキーの苦みをほんのり効かせた、深みある味わい。

〈Confiturier Chez Momo〉の〈梅とウィスキーのジュレ〉梅の酸味にウィスキーの苦みをほんのり効かせた、深みある味わい。

「蒔田さんのつくるコンフィチュールには、
いつも遊び心とその取り合せの奥深さに、
ひと口すると小躍りしてしまいます」と、本柳さん。

また、ふるさと便には、市内にある印刷会社〈藤原印刷〉の
藤原隆充さんが制作協力したラッピングテープ〈HOME TO TAPE〉が入っています。
デザインを手がけたのは、松本市出身のデザイナー、清水貴栄さん。

「HOME TO TAPE」ふるさと便のラッピングにも使用されているテープです。サイズ: 幅5cmx10m巻 660円(税込)

「HOME TO TAPE」ふるさと便のラッピングにも使用されているテープです。サイズ: 幅5cmx10m巻 660円(税込)

藤原さんは本企画の相談役でもあり、
本柳さんの思いをかたちにする手助けをしてくれた方です。
コロカル でも子どもたちに“おおきな紙”を配るプロジェクトや、
to go MATSUMOTO 』をご紹介したので、記憶に残っている方もいるのでは?

〈藤原印刷〉の藤原隆充さん。

〈藤原印刷〉の藤原隆充さん。

このテープが同梱されているのは、
受けとった方がこのテープを使って次の相手へ
ふるさと便を贈ってほしいという願いからだそう。
たしかに、誰かにプレゼントを贈ってみたくなりますね。

コロナ禍で考えたマルチローカル。
タウン&カントリーの
オルタナティブな暮らし方

アリゾナのバンド〈キャレキシコ〉に学んだLocal to Global

これまで7回にわたって、
10年前に廃校で開催を始めた〈グッドネイバーズ・ジャンボリー〉の立ち上げ、
そしてその廃校を引き受けて運営するために立ち上げた
一般社団法人〈リバーバンク〉のことを書いてきました。

この10年間というもの、僕は東京と鹿児島を月1回以上のペースで行き来するという、
ダブルローカル生活を続けてきました。
人生のなかで暮らした年数からいえば、東京と鹿児島はちょうど半分ずつ。
ところが今年初めに始まったコロナ禍によってその生活はストップし、
この文章を書いている現在(20年7月)の時点で
もう3か月以上鹿児島に戻れないという状況が続いています。

そんなコロナ自粛の最中に、
「複数のローカルを持つということ」について考えたことを今回はお話しようかと思います。

僕は1990年に18歳で鹿児島から上京して学生、そして音楽活動をしていて、
ひたすら東京で新しい刺激を求めていました。
そんな僕が自分の地元を意識するきっかけになったのは、
2001年「アメリカ同時多発テロ」のちょっと後に
アメリカの〈キャレキシコ〉というバンドと僕らのバンド〈ダブルフェイマス〉が
日本ツアーを一緒にしたときのことです。

当時使っていた僕のトランペットケース。

当時使っていた僕のトランペットケース。

キャレキシコ(calexico)というちょっと変わった名前は、
カリフォルニア(california)とメキシコ(mexico)の間という意味で、
「越境すること」はバンドの音楽的なコンセプトにもなっていました。
彼らはアリゾナ州ツーソンという小さなまちを拠点に、世界中にツアーに出ていました。

キャレキシコのメンバーとダブルフェイマス。

キャレキシコのメンバーとダブルフェイマス。

ツーソンは人口50万人ほど。
人口だけでいえば僕が育った鹿児島市と大して変わりません。
ニューヨークやロサンゼルスのような大都市のほうが便利そうなのに、
なぜそんな小さなまちにいるのか尋ねたら、
逆に「なんでそんなこと聞くんだ?」という顔をされたのを憶えています。

「ツーソンにいれば自分のスタジオでリラックスして音楽活動ができる。
創作活動するのにいちいち狭くて高いスタジオを借りるなんて考えられないから、
都会に全然メリットを感じない」と事もなげに答えてくれました。
そして「ところで君たちのホームタウンはどこなの? 東京?」と。

アメリカの中でも特に西部は開拓者精神を持って移民した人たちの土地なので、
自分の居場所は自分で選択するというマインドを持っている人が多いように思います。
裏側にはさまざまな暗い歴史もあるので一概に称賛はできないものの、
近しい祖先が開拓して勝ち取ったという選択にプライドがある。

それに対して日本人は先祖代々生まれ育ったところにずっといるという人も多いし、
都市と地方の距離も比較的近いので自分で土地を選ぶという意識は少ないかもしれません。

広々としてリラックスしたアメリカのローカルの風景。

広々としてリラックスしたアメリカのローカルの風景。

〈上勝町ゼロ・ウェイストセンター(WHY)〉 サスティナブルな上勝町の集大成が ここに誕生!

セミナー、ホテル、アクティビティが揃った環境型複合施設

2003年よりゼロ・ウェイスト(Zero=0、Waste=廃棄物)宣言を掲げ、
国内はもちろん、国外にも町の活動を精力的に発信してきた上勝町。
現在上勝町には、世界中から環境問題への問題意識を持った人々が多く足を運ぶといいます。

標高700m以上の美しい山々に囲まれた立地。

標高700メートル以上の美しい山々に囲まれた立地。

そんな上勝町に、2020年5月30日(土)、環境型複合施設
〈上勝町ゼロ・ウェイストセンター(WHY・ワイ)〉が誕生しました。

ブランディング・クリエイティブプロダクション・エクスペリエンスデザインは
〈株式会社トランジットジェネラルオフィス〉、
建築設計は〈中村拓志&NAP建築設計事務所〉が担当。

上勝町のゼロ・ウェイスト活動に興味を持ち訪れた人々がよりまちの取り組みを知れるよう、
同施設には、リサイクルごみ集積場のごみステーション〈くるくるショップ〉、
〈ゼロ(0)・ウェイストアクションホテル〉、セミナールーム、ラボと
さまざまなスペースが用意されています。

なかでもゼロ・ウェイストアクションホテル〈HOTEL WHY〉は、
排出されたゴミの行方を知ることができるウェイスト・セパレーション、
実際に利用する石鹸のセルフ切り分けやサービスコーヒー豆の量り分けなど
身の回りにあるものでゼロ・ウェイストアクション体験し、
環境問題について学べる仕掛けが。

また、トレッキング、フィッシング、レイクカヤック、サバイバルゲームといった、
上勝町の大自然を堪能できるフィールドアクティビティ体験プログラムも用意されており、
慌ただしい日常から解放され、マイナスイオンたっぷりななか、英気を養えることでしょう。

廃棄されていた 「仙台七夕まつり」の飾りをリサイクル 〈TANABATA PAPER〉が誕生! 2021年へつなぐために、 クラウドファンディングも実施中

毎年廃棄されていた七夕飾りを再利用

例年8月6日~8日、色鮮やかなぼんぼりのついた吹き流し飾りで彩られる宮城県・仙台市。
新型コロナウイルス感染症対策のため、
2020年の「仙台七夕まつり」は中止になってしまいましたが、
2019年の七夕まつりで実際に使用された七夕飾りをリサイクルした
〈TANABATA PAPER〉が〈東北スタンダードマーケット〉から誕生しました!

毎年新作がつくられる七夕飾りは、
ぼんぼりや吹き流しをつなぎ合わせるために針金等を使用しており、
原料の分別に手間がかかることからリサイクルされず、
祭りが終わると廃棄されていました。

七夕飾りのぼんぼりに使用した花紙。これまでは産業廃棄物としてお金をかけて廃棄されていました。(撮影:張田亜美)

七夕飾りのぼんぼりに使用した花紙。これまでは産業廃棄物としてお金をかけて廃棄されていました。(撮影:張田亜美)

「七夕飾りをなんとか再利用したい」と考えていたのが、
明治時代から紙問屋を営む〈鳴海屋紙商事株式会社〉。
品質の高い「本物の和紙」を使い、
仙台市内のさまざまな企業から七夕飾り製作の依頼を受ける老舗です。

今では仙台七夕の象徴として飾られる、〈鶴の吹き流し〉を解体し、
〈仙臺七夕祈織〉へと再生させる活動は行っているものの、
手掛けたすべての七夕飾りを回収し、
糸や針金等の部材を手作業で取り外すには膨大な時間がかかります。

2011年の東日本大震災以来、仙台市の児童生徒約8万8千人が、復興支援への感謝や将来の夢などを祈りながら折る折り鶴を繋いだ〈鶴の吹き流し〉(写真は2019年)。

2011年の東日本大震災以来、仙台市の児童生徒約8万8千人が、復興支援への感謝や将来の夢などを祈りながら折る折り鶴を繋いだ〈鶴の吹き流し〉(写真は2019年)。

空間+まち+未来の視点で。
美濃加茂市と取り組む、
仕組みのリノベーション

ミユキデザイン vol.6

岐阜を拠点に建築、まちづくり、シェアアトリエの運営などの活動をする
〈ミユキデザイン〉末永三樹さんによる連載。
今回は、岐阜県美濃加茂市が舞台です。
新庁舎整備基本構想のプロポーザルを皮切りに、
川沿いの公園のプロデュース、里山にある施設のリノベーションなど、
自治体と一緒にチャレンジを重ねていく一連の動きを紹介します。

チャレンジを選ぶ自治体と協働すること

いよいよ最終回。ここまでを読み返してみると、
たくさんの出会いと試行錯誤があった8年間に目頭が熱くなります。

私たちが行政と仕事をするうえで、“いい感じ”の状態を言語化すると
「互いにチャレンジしている」です。
これを感じていないと、自分たちは空回りで、結果も出ない。
小さなことでもいいので、チャレンジを意識して仕事を組み立てています。

美濃加茂市に関わるきっかけは、2016年の新庁舎整備基本構想のプロポーザルでした。
事務所の実績や規模面から、対個人の仕事が多いなか、
「やっぱり公共建築にも関わりたいなあ」と
定期的にプロポーザルまとめサイトを眺めて、見つけた情報でした。

美濃加茂市の夜景。これもまた美しい。

美濃加茂市の夜景。これもまた美しい。

岐阜市から近いので土地勘もあったし、
「まちづくりに庁舎を生かす」というプロポーザルの仕様がユニークで、
提案できる幅が大きいこと、そしてなにより参加資格実績のハードルが低く、
自分たちも手を挙げられることが参加を後押ししました。

当時の市長は同世代で、まちの課題設定や政策など共感する部分が多く、
そんな首長がいる自治体なら、自分たちでも勝てるかもしれない、
そんな淡い期待を持ちながら真剣に取り組みました。

会社員時代から、建築系プロポーザルには何度もチャレンジしてきましたが、
このプレゼンテーションはいまでも鮮明な記憶として残っています。
私たちはまちの見立てを強いメッセージで伝え、
審査側も「なぜ?」「それは本当にできるの?」と鋭い質問を投げかけてくる。
委託業者じゃなくて、「人」を見て、一緒にプロジェクトを進める
チームメンバーになれそうかを判断しているのだと感じました。

そして結果的に、名もない私たちがパートナーとして選定され、
自分たちも本当にびっくりしました。

公共事業において、コンサルティング業務は、設計業務の上流にあります。
物事の考え方や方向性を決めるいわば根幹に近い部分です。
そこに踏み込むことは私たちが目指していたことであり、
とても大きな意味を持つことでした。

美濃加茂市中之島公園で仲間と夕日を見ながら。

美濃加茂市中之島公園で仲間と夕日を見ながら。