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〈 コロカルニュース&この企画は… 〉
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writer profile
Yu Miyakoshi
宮越裕生
みやこし・ゆう●神奈川県出身。大学で絵を学んだ後、ギャラリーや事務の仕事をへて2011年よりライターに。アートや旅、食などについて書いています。音楽好きだけど音痴。リリカルに生きるべく精進するまいにちです。
2020年6月、長野県松本から長野の魅力を詰め込んだギフトボックスを
届けるプロジェクト〈旅するふるさと便〉が始まりました。
ギフトボックスの内容は〈Confiturier Chez Momo〉の〈梅とウイスキーのジュレ〉や
松本ゆかりの染色家、柚木沙弥郎さんのふきん、
〈村山農園〉のりんごジュースなどなど、
長野で生まれた、素敵なプロダクトがたくさん。
企画・制作を手掛けた本柳寛子さん(ページトップ写真)は、
コロナ禍による混乱が続くなか、遠くに住む友人や、
松本へ訪れることを楽しみにしていた人たちのことを思い、この企画を考えたといいます。
制作課程を綴ったnoteには、次のようなメッセージが載せられていました。
「信州北アルプスをのぞみ、山からのゆたかな水源や
健やかな空気をたっぷりとたくわえ、
美しい四季がめぐり、民藝運動とともに歩んできた松本より、
わたしが個人的な想いから選んだものたちで“ふるさと便”を編みました。
また気軽に旅ができる日が訪れるまで、
ひととひと、地域と地域をつなぐ、
コミュニケーションボックスになることを願って」
ただいまオンラインショップでは、このふるさと便の“春夏号”が販売されています。
さっそく、気になる内容を拝見してみましょう。
ギフトボックスは〈アルプス公園〉〈あがたの森〉〈女鳥羽川〉の3種。
いずれも、本柳さんが好きな松本のスポットへトリップするような、
ピクニックをイメージした構成になっています。
アルプス公園には、オーガニックハーブを使用したアロマオイルや
ハーブビネガーなどをつくっている〈issou〉の水出しブレンドティーや
〈Confiturier Chez Momo 〉の「梅とウィスキーのジュレ」、
〈村山農園〉のりんごジュースなどが入っています。
南仏でジャム作りを学んだコンフィチュール職人、
蒔田友之さんが開いた〈Confiturier Chez Momo〉は、
魅力的な店が点在する松本のなかでも、草分け的存在なのだとか。
「蒔田さんのつくるコンフィチュールには、
いつも遊び心とその取り合せの奥深さに、
ひと口すると小躍りしてしまいます」と、本柳さん。
また、ふるさと便には、市内にある印刷会社〈藤原印刷〉の
藤原隆充さんが制作協力したラッピングテープ〈HOME TO TAPE〉が入っています。
デザインを手がけたのは、松本市出身のデザイナー、清水貴栄さん。
藤原さんは本企画の相談役でもあり、
本柳さんの思いをかたちにする手助けをしてくれた方です。
コロカル でも子どもたちに“おおきな紙”を配るプロジェクトや、
『to go MATSUMOTO 』をご紹介したので、記憶に残っている方もいるのでは?
このテープが同梱されているのは、
受けとった方がこのテープを使って次の相手へ
ふるさと便を贈ってほしいという願いからだそう。
たしかに、誰かにプレゼントを贈ってみたくなりますね。
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〈あがたの森〉は毎年5月に〈クラフトフェア〉が開催される場所。
97歳にして現役染色家の柚木沙弥郎の母校があり、
戦後民藝運動とともに歩んできた、松本の文化の発信地でもあるそう。
このボックスには、柚木沙弥郎さんのふきんや、
〈栞日〉店主による松本探訪記録集『masterpiece』、
田所真理子さんの絵が素敵なポストカード、
〈issou〉の水出しブレンドティー、
〈Confiturier Chez Momo〉の「梅とウィスキーのジュレ」などが。
〈女鳥羽川〉は、松本の市街地を流れる女鳥羽川を中心とした
“水巡り”をテーマにしたギフトボックス。
松本には井戸や湧水スポットがたくさんあり、
ペットボトルを片手に水を汲みにいくことが日常なのだそうです。
このボックスには、女鳥羽川をイメージして調合された
〈issou〉のルームスプレーや、
〈RITOGLASS〉のグラス、柚木沙弥郎さんのふきん、
湧水マップ「みずまきあるき」などが入っています。
ふるさと便には、どのセットにも〈HOME TO TAPE〉と
“松本のおすすめ”メッセージシートが入っています。
メッセージシートや「まつもと水巡りマップ」「みずまきあるき」には
「松本旅行のインスピレーションになれば」という思いが込められているのだそうです。
オンライン上のコミュニケーションが増えていくなかで、
手触りやぬくもりのある、時間をかけた
コミュニケーションを求めるようになったという本柳さん。
noteには、次のような言葉が綴られていました。
「このふるさと便プロジェクトを通して、
会いに行けない代わりに、想いを贈りあったり、
季節のものや自分の住む地域のものを選ぶ時間や
プロセスをたのしむきっかけになればうれしい限りです。
この世の中、選択肢は無限にあるけれど、
そこに“そのひとがいる感じがするもの”とどれだけ出逢えるか、
選び取れるか、がモノと向きあうときのわたしなりの指針でもあります。
そして、よーくこの先を見据え、
ビルドとメンテナンスのバランスを考えながら、
健やかな暮らしをめざすことのよろこびのようなものです」
松本がお好きな方、いつか松本に行ってみたいなあという方は、
ぜひチェックを。松本がぐっと近くなりそうです。
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