連載
posted:2020.9.3 from:静岡県静岡市 genre:旅行 / 活性化と創生
sponsored by 静岡市
〈 この連載・企画は… 〉
富士山と徳川家康で知られるまち、静岡市。山海の自然と温暖な気候に恵まれた、
のんびりとした土地柄で長い歴史や文化に育まれてきた豊かな暮らしが根づいている。
そんな静岡市の魅力を今注目の3つのキーワードでひもといた。
writer profile
Ai Sakamoto
坂本 愛
さかもと・あい●香川県高松市出身。フリーランスの編集&ライター。建築と食という両極端な2ジャンルが大好物。製麺所(いまは廃業)の孫として、子どもの頃から鍛えられたおかげで、うどんも打てます。
photographer profile
Norio Kidera
木寺紀雄
きでら・のりお●写真家。神奈川県横須賀市出身。役所勤務、スタジオマンを経て、ホンマタカシ氏に師事。2001年独立しフリーとなる。雑誌広告、CMなどで活動中。
静岡市の魅力を3つのキーワードで紹介していくシリーズ。
今回のキーワードは“ビル”。
ビルの一部をリノベーションしたホテル、駅前の高層タワーに入る美術館、
模型の情報発信地など、静岡市のビルを舞台にした取り組みをご紹介します。
いま各地で分散型ホテルが注目を集めている。
分散型ホテルとは、地域に点在する空き物件を宿泊用の客室に転用し、
それらが位置するエリア全体をひとつの宿として見立てる新しいスタイル。
宿泊客がホテルの中を移動するようにエリア内を回遊することで、
地域活性化も期待されている。
多くの場合、客室には古民家が活用されるが、ここ静岡市ではひと味違う。
今年3月にオープンした〈ビル泊(ビルぱく)〉は、駅前の商店街に面した
4棟のビルの一部を客室として再生。現在、7室が稼働している。
おそらくは日本で初めての試みとなる、ビルを活用した分散型ホテルの仕掛け人は、
〈CSA不動産〉の社長・小島孝仁さん。
「市街地にあるビルの空き物件の活用は、どの地方都市にとっても深刻な問題。
それを解消し、中長期的に人が訪れるまちにするためには
どうすればいいかと考えたとき、ビジネスホテルとは違う、
滞在することが目的になるようなホテルをつくればいいと思ったんです」と言う。
全7室の客室は、55~99平方メートルの広さがある贅沢なつくり。
コンクリートの躯体を生かした内装で、
敢えてビルの一室であることを前面に出している。
ふと窓から下を見ると、商店街を行き交う人たち。
「まちを感じながら、ビルに泊まる」という体験が、ここでの醍醐味だ。
静岡ならではの魅力を感じてもらうための工夫も欠かさない。
客室には、同市を代表する模型メーカー、タミヤのパーツパネルを飾るほか、
地元の布団職人・新貝晃一郎さんが手がけたオーダーメイドの座布団を用意。
希望すれば、調味料まですべての食材を静岡産で揃えた
豪華な朝食を味わうこともできる。
information
ビル泊
住所:静岡市葵区紺屋町1-5 協友ビルB1(レセプション)
TEL:054‒292-6800
料金::1泊1名9,900円・税込~(客室と人数により異なる)
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ビル泊が点在する呉服町通りには、
都市型美術館として知られる〈静岡市美術館〉もある。
JR静岡駅北口に立つ地上25階建ての高層ビル、葵タワーの3階に位置し、
駅から徒歩3分というロケーションのよさが魅力だ。
ここは収蔵品による常設展ではなく、特定のジャンルにとらわれない
幅広い内容の企画展を開催するのがなによりの特徴。
9月22日まで開催されている展覧会『ショパン―200年の肖像』では、
日本初公開となるショパンの自筆譜や手紙を展示する。
また、無料で利用できるエントランスホールや多目的室、
ワークショップ室といった「交流ゾーン」では、
現代の多様な美術の姿を紹介する「Shizubi Project」や、
展覧会に関連したオリジナルの創作プログラムを実施するワークショップ
「しずびオープンアトリエ」などのイベントを実施。
誰もが気軽に立ち寄れる“ちょっとおもしろい、まちの中の広場”として機能している。
information
静岡市美術館
住所:静岡市葵区紺屋町17-1 葵タワー3F
TEL:054-273-1515
開館時間:10:00~19:00(展示室への最終入場は18:30)
休館日:月曜(祝日の場合は開館、翌日休館)
入館料:展覧会により異なる
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プラモデルの出荷額が日本一、それもシェアの大半を占める静岡市が標榜するのは
「模型の世界首都」。
毎年5月に開催される模型玩具の新作見本市「静岡ホビーショー」には、
国内外から7万人以上が訪れるという。
静岡の模型の歴史は、戦前の木製模型飛行機まで遡る。
古くより木材加工が盛んだった同地には全国各地から優秀な職人が集まり、
家具や建具、小物などをつくっていたが、
戦後はそれらの技術を生かして、木製の模型や玩具を生産。
1960年代になると、プラスチックを使ったプラモデルへと移行したという。
そんな静岡市におけるホビーの情報発信地として、
2011年に完成したのが〈静岡ホビースクエア〉だ。
駅近のビルの1フロアにある同施設には、
模型メーカー6社(青島文化教材社、タミヤ、ハセガワ、BANDAI SPIRITS、
ウッディジョー、エムエムピー)の模型をブースごとに展示した常設展示室と、
月替わりでさまざまな企画を開催するイベントコーナー、
オフィシャルショップなどがあり、子どもから大人まで、飽きることなく楽しめる。
information
静岡ホビースクエア
住所:静岡市駿河区南町18-1 サウスポット静岡3F
TEL:054-289-3033
開館時間:11:00~18:00(土・日曜・祝日10:00~)
休館日:月曜(祝日の場合は開館、翌日休館)
観覧料:イベントにより異なる
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ビルという枠を飛び越えて、まち全体を盛り上げようという新たな試みもある。
静岡駅から徒歩約15分。かつて映画館が軒を連ねる「シネマ通り」として賑わった
七間町(しちけんちょう)、人宿町(ひとやどちょう)エリアで進められている
「OMACHI創造計画」だ。
「おまち」とは静岡弁で、中心市街地のこと。
老朽化したビルをリノベもしくは建て直すことで魅力的な店舗を誘致すると同時に、
店も住人も新旧が融合し調和した新しいカタチの「おまち」づくりを目指している。
2017年から本格的に始動した、この計画を牽引するのは、
〈デザインオフィス創造舎〉だ。翌18年4月にお目見えした
〈SOZOSYA TERRACE〉と〈人宿町離宮〉を皮切りに、
同年9月には、プロジェクトのランドマーク的存在である
〈EZAKI SOZOSYA キネマ館〉などを次々とオープン。
今年4月に開業した〈OMACHIビル〉まで合わせると、
これまで手がけたビルは20棟、誘致した店舗は50軒に上る。
なかには、40年以上続いた純喫茶を引き継ぎ、
2階と3階をドミトリーにした〈ヒトヤ堂〉など、ひと味変わった物件もある。
2018年10月には、開発の中心となる人情通りで、
15年ぶりとなる「人情祭」も復活。
「ビル」をキーワードに刻々と変化するまちの表情から、
しばらく目が離せそうにない。
information
OMACHI創造計画
information
静岡市観光・MICE推進課
TEL:054‒221‒1454 (受付時間8:30~17:15 *土・日・祝日を除く)
「Go To しずおか商品券」で、お得な旅を!
静岡市では、市内に宿泊する静岡・山梨・長野・新潟県の皆さまを対象に、飲食店・土産物屋などで利用できる「Go Toしずおか商品券」を配布します。観光庁が実施する「Go Toトラベル キャンペーン」と併せて、この商品券を使用すれば、とてもお得に静岡市での旅行を楽しむことができます。配布方法など詳しくは「するが企画観光局」ホームページでご確認ください。
*掲載している店舗、施設の営業時間や営業形態は、状況により変更になる場合があります。
*各店舗、施設では、営業時には消毒、マスクの着用などガイドラインにそった感染予防対策を行っています。
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