連載
posted:2020.8.27 from:静岡県静岡市 genre:旅行 / 食・グルメ
sponsored by 静岡市
〈 この連載・企画は… 〉
富士山と徳川家康で知られるまち、静岡市。山海の自然と温暖な気候に恵まれた、
のんびりとした土地柄で長い歴史や文化に育まれてきた豊かな暮らしが根づいている。
そんな静岡市の魅力を今注目の3つのキーワードでひもといた。
writer profile
Ai Sakamoto
坂本 愛
さかもと・あい●香川県高松市出身。フリーランスの編集&ライター。建築と食という両極端な2ジャンルが大好物。製麺所(いまは廃業)の孫として、子どもの頃から鍛えられたおかげで、うどんも打てます。
photographer profile
Norio Kidera
木寺紀雄
きでら・のりお●写真家。神奈川県横須賀市出身。役所勤務、スタジオマンを経て、ホンマタカシ氏に師事。2001年独立しフリーとなる。雑誌広告、CMなどで活動中。
静岡市の魅力を3つのキーワードで紹介していくシリーズ。
今回のキーワードは“用宗(もちむね)”。
独特の漁法により抜群の鮮度を誇るしらす、その漁港に面した温泉施設、
一棟貸しの古民家宿など、まち歩きが楽しい注目のレトロタウンをご紹介します。
静岡市の西端にある用宗(もちむね)は、しらす漁が盛んな港町。
静岡駅から東海道線でわずか2駅7分のところにありながら、
まちのそこここに昭和の面影を残すレトロタウンである。
全国屈指のしらすの水揚げ量を誇る静岡県の中でも、
「用宗のしらす」はよく知られたブランド。
餌となるプランクトンが豊富な好漁場、安倍川の河口に近いこと、
そして独特の漁法による鮮度のよさがその理由だ。
用宗のしらす漁は、2艘の漁船と運搬船という3艘ひと組で行われるのが特徴。
2艘の漁船が網を引いてとったしらすは、運搬船の上で氷づけにされ港へと運ばれる。
これを1日に3~4回。港では、運搬船が着くたびにセリが行われるので、
鮮度抜群のまま取り引きされるのだ。
新鮮なしらすを食べたければ、漁協直営の〈どんぶりハウス〉へ。
一番人気は、漁期中(1月15日~3月下旬の禁漁期間以外)、
それも出漁した日にしか味わえない(出漁日でも提供されない日もある)
「生しらす丼」。定番の「釜揚げしらす丼」(ともに700円)と食べ比べれば、
それぞれの魅力を堪能できる。
information
どんぶりハウス
住所:静岡市駿河区用宗2-18-1
TEL:054‒256-6077(漁協直売所)
営業時間:11:00~14:00
定休日:雨天時、禁漁時の木曜
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近頃、そんな用宗が注目を集めている。
話題のスポットが続々とオープンし、市内外から多くの人が訪れるようになったのだ。
駿河湾に面しながら、すぐ背後に標高470メートルの
満観峰(まんかんほう)が迫る用宗では、海と山の豊かな自然を楽しめるほか、
昔ながらのまち並みをのんびり散策することもできる。
漁師町特有の細く入り組んだ路地が至るところにあり、
人々の暮らしを身近に感じながら歩くのが楽しい。
その起点になるのが、用宗人気のきっかけとなった
古民家一棟貸しの宿〈日本色(にほんいろ)〉だ。
2017年7月にオープンしたここは、古民家をリノベーションした全6棟で、
なかにはペット同伴で利用できる客室棟もある。
「長年放置されていた古民家を再生して宿にすることで観光客を誘致し、
まちを活性化できないかと考えたんです」
と話すのは、日本色を運営する〈CSAトラベル〉の社長・小島孝仁さん。
「海の近くに住んでみたい」という思いから約10年前、用宗に移り住んだ小島さんは、
実際に暮らすうち、このまちの持つポテンシャルに惚れ込んだという。
日本色の魅力は、やはり人数や用途に合わせた宿泊ができることだろう。
自炊派も外食派も、素泊まり派も長期滞在派も、思い思いの滞在の仕方ができる。
「ゲストの選択肢を増やす意味でも、
現在、日本色初となる新築の客室棟を建設しています。
古民家のリノベ物件では実現できないバリアフリーなど、
新しい取り組みに挑戦する予定です」
information
日本色
住所:静岡市駿河区用宗2-26-8 シーサイドハイツ1F(レセプション)
TEL:054‒257-5111
料金:1泊1名10,450円~(宿泊棟と人数により異なる)
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かつてマグロの加工場だった建物をリノベーションした〈用宗みなと温泉〉をはじめ、
ここ数年、用宗にはそれまでなかった新しいスポットが登場。
まち歩きをさらに楽しくしている。
漁港内にある用宗みなと温泉では、
美肌効果のある弱アルカリ性温泉を引いた露天風呂と、
地下56メートルから汲み上げた天然水の内湯を完備。
女性用露天風呂には、景色を楽しむための小窓がついた富士見小屋もある。
その温泉の一角に入るのは、クラフトビール醸造所〈WEST COAST BREWING〉。
ホップをふんだんに使った、柑橘系の爽やかな香りと苦みが特徴の
アメリカ西海岸スタイルを中心に、ユニークなビールづくりをしており、
併設のタップルームでできたての一杯を味わえる。
一方、若い女性に人気なのが、久能産のイチゴや清水産のプラムなど
静岡の厳選素材を使ったジェラートショップ〈LA PALETTE〉だ。
無着色無香料でつくられたジェラートは、40以上のフレーバーがあり、
食材の旬に合わせて常時12種類が並ぶ。
information
用宗みなと温泉
住所:静岡市駿河区用宗2-18-1
TEL:054‒256-4126
営業時間:10:00~24:00(最終受付23:00)
定休日:無休
入浴料:800円(土・日曜・祝日950円)
information
WEST COAST BREWING TAPROOM
住所:静岡市駿河区用宗2-18-1
TEL:054‒204-1747
営業時間:12:00~20:00(テイクアウトのみ)、土・日曜・祝日11:00~20:00
定休日:月曜(祝日の場合は翌火曜休)
information
LA PALETTE
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新たな活躍の場に、用宗を選ぶ人々もいる。
昭和5年に建てられた蔵をリノベーションしたレストラン
〈KURAYA KATO〉のオーナーシェフ嘉藤淳さんもそのひとりだ。
独立を機に用宗駅前に自らの店を出した後、2014年には
「イタリアンの枠を超えておいしい料理を追求したい」と、
それまでとは異なるスタイルの現在の店をオープン。
フレンチ・イタリアンをベースに、和のエッセンスなども加えた
オリジナリティあふれる料理を提供する、完全予約制のレストランとして
人気を博している。
一方、日本在住30年以上になる、ネパール出身のセレスタ・ブーパルさん
(通称ロミーさん)が手がけたのは〈Eat & Stay ROMEY〉。
1階にネパールの母の味をアレンジしたカレーショップ、
2階に全3室のゲストハウスが入る複合店舗で、
「長年住み慣れた用宗の美しい景色をもっと多くの人、
とりわけ海外の人に知ってほしい」とオープンさせたという。
老舗が新たな取り組みを始めた〈大信〉のケースもおもしろい。
業務用の粉末寒天を製造して50年以上の同店が、
ところてんの小売を始めたのは14年前のこと。
試行錯誤の末、2代目社長・松本卓也さんが生み出した、
結べるほど弾力のあるところてんは、いまや用宗の名物となっている。
訪れるたび、そしてまちを歩くたび、その表情を変える用宗。
新旧の魅力が交錯するまちで、次はどんな出会いが待っているのか?
新たな発見を探しに出かけよう!
information
KURAYA KATO
住所:静岡市駿河区用宗3-5-33
TEL:054‒260-4959
営業時間:12:00~15:00(最終入店13:00)、18:00~21:30(最終入店19:30)
定休日:日曜、第3月曜、第1木曜。月曜が休日の場合、日曜は営業し翌月曜休
information
information
大信
住所:静岡市駿河区用宗2-15-31
TEL:054-259-2234
営業時間:11:00~17:30(土・日曜・祝日10:00~)
定休日:無休
information
静岡市観光・MICE推進課
TEL:054‒221‒1454 (受付時間8:30~17:15 *土・日・祝日を除く)
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静岡市では、市内に宿泊する静岡・山梨・長野・新潟県の皆さまを対象に、飲食店・土産物屋などで利用できる「Go Toしずおか商品券」を配布します。観光庁が実施する「Go Toトラベル キャンペーン」と併せて、この商品券を使用すれば、とてもお得に静岡市での旅行を楽しむことができます。配布方法など詳しくは「するが企画観光局」ホームページでご確認ください。
*掲載している店舗、施設の営業時間や営業形態は、状況により変更になる場合があります。
*各店舗、施設では、営業時には消毒、マスクの着用などガイドラインにそった感染予防対策を行っています。
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