岐阜を拠点に建築、まちづくり、シェアアトリエの運営などの活動をする
〈ミユキデザイン〉末永三樹さんによる連載。
前回ご紹介した月一の定期市〈サンデービルヂングマーケット〉に続き、
柳ヶ瀬商店街がテーマです。
まちづくり会社の設立をきっかけに、多方面へ展開されていく
柳ヶ瀬商店街の新たな動きとは。小さなチャレンジの集積が、
商店街全体と周辺に変化をもたらす、そのプロセスを紹介していきます。
柳ヶ瀬商店街で〈サンデービルヂングマーケット〉(以下、サンビル)を始めて3年。
実験的に活用した「ロイヤル劇場ビル」(詳細はvol.2)の空き区画を借り上げ、
投資し、リーシングするフェーズに入っていきました。
募集区画は1階6区画+2階5区画の全部で11区画。
入居者先付けで事業スキームを組み、路面は現状引き渡しで、
入居者が空間投資を行うことに。
路面に比べると集客しづらく使い勝手の悪かった2階に手を加え、
テナント候補にはサンビル出店者をイメージして、
創業しやすい小割でリーズナブルな家賃設定のシェアショップにリニューアルしました。
ビルの40周年にあたることから、〈ロイヤル40(ヨンマル)プロジェクト〉と名づけ、
SNSとフライヤーを使い入居者募集をかけました。
店はできるだけ長く続けてほしいし、
テナント同士が共同で販促などを行うことも視野に入れ、
入居希望者とは面談を行い、出店への思いを聞き、
私たちの取り組みやビジョンなどをお伝えしました。

その頃、いろんなタイミングが重なり、
アパレルブランド〈BLUEBLUE〉と接点を持つことになり、
商店街の雰囲気とフィルム映画を上映するレトロなロイヤル劇場ビルを気に入り、
1階の一番大きな区画に出店が決定。
その影響もあり、岐阜で人気の雑貨・洋服屋が
その2号店を路面出店することで2区画が決まり、
2階のシェアショップではイラストレーターやアーティストが
アトリエと兼ねてワークショップなどの体験サービスを提供するという業態で入居し、
ほぼ満室状態になりました。
入居者はサンビル出店がきっかけではなく、
サンビルを含め柳ヶ瀬の変化を外から見て興味を持った人たちが
「いまだ」とタイミングを感じて新規で集まってきたのは、興味深い結果でした。

入居者メンバーと学生が2階への入り口のシャッターの化粧直しをしていると、行き交う人から「お疲れ様」の声が。

2階のシェアショップでは、入居者同士のコミュニケーションを兼ねて、
DIYも取り入れて空間をつくり、グランドオープンしました。
今年で3年目に入り、入居者同士で商品開発をしたり、
共同でイベント開催したりするなど、
店主それぞれが持つコミュニティがときとして混ざり合い、
さまざまな人が出入りしているのがうれしいです。

1~2階にテナントが入り、グランドオープンしたロイヤル劇場ビル。
また、卒業する人や2号店を展開する店など、環境に変化が現れています。
健全なビル運営を継続するには、入居者や場所に何が起こっているかを察知し、
コミュニケーションして入居者同士をつなぎ、ポジティブな空気をつくる、
そんなサブリーサーの役割も重要だと感じています。

シェアスタイルの〈ロイヤル40〉2階のリノベーション。共有の大きなワークテーブルを中心に、5つのブースが配置されるプランで、ダイナミックなスケルトンを生かしたデザイン。(撮影kazuhiro tsushima)

路面の雑貨店は、スタッフが数か月の時間をかけDIYで店づくりを行っていた。