シェア団地〈読む団地〉で 本から始まるご近所づきあいを

本がつなぐ住民たちのご近所コミュニケーション

東京の東エリアの北綾瀬に本好きにはたまらない
シェアハウス〈読む団地〉が誕生しました。

共有スペースのブックリビングダイニングには
約1000冊の本が常設されていて、
住人の方は自由に読むことが可能です。

ジャンルごとにさまざまな本がずらり。

ジャンルごとにさまざまな本がずらり。

ソファ席もあり、住人同士でゆっくり語り合うのにぴったり。

ソファ席もあり、住人同士でゆっくり語り合うのにぴったり。

ひとりで本の世界に没頭したり、
好きな作家やストーリーについて語り合うなど
さまざまな楽しみ方ができます。

広々としたキッチンはグリル付き3口ガスコンロに余裕のあるスペースの作業台など、日々の料理がはかどる環境に。

広々としたキッチンはグリル付き3口ガスコンロに余裕のあるスペースの作業台など、日々の料理がはかどる環境に。

空き家から市民公園まで。
各務原市と取り組むリノベーション事業

ミユキデザイン vol.5

岐阜を拠点に建築、まちづくり、シェアアトリエの運営などの活動をする
〈ミユキデザイン〉末永三樹さんによる連載です。

初めてのプロポーザルから新たな展開へ

2016年、岐阜市を拠点に空きビル再生を手がけ、
エリアが変わっている手応えを感じ始めていた頃、
隣町である各務原(かかみがはら)市が「DIY型空き家リノベーション事業」を行う
事業者を公募しているという情報が入りました。

各務原市は、岐阜市から車で約30分の距離にあり、
航空自衛隊基地があることで全国的に知られたまちです。
今年で12年目を迎える東海エリア屈指の音楽フェス
〈OUR FAVORITE THINGS〉(OFT)を市役所が主催していることもあり、
おもしろそうな自治体だと注目していました
(今年のOFTは新型コロナウイルスのため中止だそうです、残念!)。

岐阜を代表する音楽フェス〈OUR FAVORITE THINGS〉。

岐阜を代表する音楽フェス〈OUR FAVORITE THINGS〉。

「DIY型空き家リノベーション事業」とは、
DIYリノベによる空き家の流通促進と
「生活にこだわりのある若い世帯」の移住定住促進を目的としたもの。
「空き家を手放すつもりはないけど、活用したい」というオーナー(大家さん)と、
「住宅を購入する気はないけれど、DIYをして自分らしい暮らしをしたい」
という借主のマッチングです。

1年間の事業で、市内の空き家調査とオーナーへのヒアリング、
賃貸で空き家を活用するスキームをつくり上げること、
さらにそのスキームを使って1棟以上に借り手をつけ、
一緒にDIYリノベーションを行って住み始めるようにする、
という結果を求められていました。

ターゲットの設定や企画内容がおもしろかったし、
岐阜界隈でこの事業ができるのは自分たちじゃないかと思い、手を挙げたところ当選。
事務所を立ち上げてから5年目、初めてプロポーザルで
行政と仕事をするチャンスをつかみました。

新型コロナウイルスで 苦境の新潟県内の飲食店を、 クラウドファンディングで支援

支援したいお店を指定する「チケット購入型支援」と、
参加店全店を支援する「寄付型支援」の2種類を用意

新型ウイルスの影響で、客足が遠のいた新潟県内の飲食店。
外出自粛を求める緊急事態宣言が解除されたとはいえ、
以前のようなにぎわいは戻っていないといいます。
しかも今年は長岡の花火大会の中止など、観光客数の今後の激減も明らか。
先行きの不安から営業継続か閉店かの決断を迫られている
店主や経営者も少なくありません。

そんな未曾有のピンチに見舞われた飲食店を救うべく、
クラウドファンディング「WE’REガタ店(みせ)サポーター」が、
“購入型”クラウドファンディング「にいがた、いっぽ」で立ち上がりました。
期間は6月19日(金)まで。

このプロジェクトには、支援したいお店を指定する「チケット購入型支援」と、
参加店全店を支援する「寄付型支援」があります。

「チケット購入型支援」では、選んだお店で使える、
3000円、5000円、10000円の飲食チケットを受け取ることができます。
さらに各店舗において、支援に対する返礼として
支援額の10%程度のサービスが用意されています。
サービスの提供方法は、サービス券や品物など、
店舗によって異なります。チケット引き換え時にご確認を。

チケットの利用期間は、2020年8月1日から2021年1月31日まで。
よく行くお店が決まっている方、お店に直接支援を届けたい方におすすめです。

「寄付型支援」には飲食チケットや返礼がついていないかわりに、
集まった寄付総額を参加店舗数で均等割りして各店に寄贈します。
文化としての新潟の食を援助したいという方に合った支援方法です。

自らの生業で飲食店を支援! 鎌倉〈黒板マーケティング研究所〉の 「応援看板」

テイクアウトメニューの手書き看板

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、
飲食店をはじめとする多くの店舗が苦境に立たされるなか、
鎌倉のまちにおいても、各店がテイクアウトやデリバリーを開始し、
さらに店舗間で連携したオンラインイベントも開催されるなど、
この危機的状況を乗り越えるために、それぞれが必死の取り組みを続けています。

こうした動きを受け、住民たちが地域の飲食店を支援する動きも活発化してきています。
そのひとつが、緊急事態宣言が発令された4月以降に鎌倉のまちで目立つようになった、
各飲食店のテイクアウトメニューなどが書かれた「応援看板」です。

〈黒板マーケティング研究所〉代表の藍田留美子さんが無償でつくり始めた応援看板。以前に「鎌倉ローカルラボ」で紹介した〈カフェ鎌倉美学〉のテイクアウトメニューも(左)。

〈黒板マーケティング研究所〉代表の藍田留美子さんが無償でつくり始めた応援看板。以前に「鎌倉ローカルラボ」で紹介した〈カフェ鎌倉美学〉のテイクアウトメニューも(左)。

これらの手書き看板は、鎌倉を拠点に活動する
〈黒板マーケティング研究所〉代表の藍田留美子さんが、
飲食店応援のために無償で制作しているもの。

藍田さんは、百貨店やインテリアショップ、カフェなどの店舗レイアウトや、
POP、黒板などを描く仕事を長年経験した後に独立。
現在は、黒板を通じた魅せ方や伝え方をメインとした店舗演出などを生業としています。

そんな藍田さんは、応援看板を始めた経緯について、このように語ってくれました。

「仕事柄、常に看板や張り紙に目がいくのですが、
3月下旬に鎌倉のまちを歩いていたら、飲食店のテイクアウト用チラシが
風に吹かれていたり、雨に濡れて読みにくくなっていることに気づきました。
せっかくおいしいものを提供しようとしているのだから、伝わらないのはもったいない。
なんとかできないだろうかと考え、100円ショップで看板を買い、
知り合いのお店のメニューを描き始めたことがきっかけになりました」

藍田さんの手書き看板は口コミで広がり、
5月13日現在で、鎌倉市内40以上の店舗に設置されています。

テイクアウトメニューだけでなく、お店の紹介なども書かれている応援看板。お店を利用したことがない人にもわかりやすいよう、ひと目で飲食店のカラーが伝わるように工夫しているという。

テイクアウトメニューだけでなく、お店の紹介なども書かれている応援看板。お店を利用したことがない人にもわかりやすいよう、ひと目で飲食店のカラーが伝わるように工夫しているという。

〈カンダマチノート〉
岐阜市の中心街にある
誰でも立ち寄れるシェアアトリエ

ミユキデザイン vol.4

岐阜を拠点に建築、まちづくり、シェアアトリエの運営などの活動をする
〈ミユキデザイン〉末永三樹さんによる連載です。

〈カンダマチノート〉のはじまり

新型コロナウイルスによって、まちを歩く人は少なく、
柳ヶ瀬の周りのお店も自粛モードです。
最近では「どう? できることがあったら言ってね」という会話を聞いたり、
事務所の大家さんが家賃を減免してくれたりと、
見えない恐怖に殺伐となり過ぎず、お互いが気遣い合えるコミュニティが
このまちにあることが、私たちの心に平和をもたらしています。

いろんな方面でシフト・チェンジが迫られていきますが、早めに考えて走り、
私たちが大切にしてきた人間同士のリアルなコミュニケーションを諦めず、
たくましく健やかに進んでいきたいです。

話は6年前にさかのぼり、私たちが新たなチャレンジとして不動産プロデュースし、
事業計画、リーシング、運営まで行ったビル
〈カンダマチノート〉についてご紹介します。

美殿町のシェアオフィス〈まちでつくるビル〉(以下、まちビル)が順調にスタートし、
2014年に新たなビル活用の相談が舞い込みました。
まちビルから徒歩5分の〈加藤石原ビル〉という築50年の雑居ビルで、
オーナーの加藤浩一さんは仕事も住まいも東京。
「ビルには高齢の母がひとり暮らしをしており、2階以上の空室を活用できないか?」
との依頼でした。

2階以上の空き物件の活用は本当に難しいのですが、まちビルの実績もあったし、
新たなチャレンジもしたかったので、ご依頼を受けることに。
ビル全体をブランディングして価値を創造し、一方で投資は小さくして
若い人たちが入りやすい環境を整えることを提案しました。

カンダマチノート2階before。

カンダマチノート2階before。

カンダマチノート4階住居before。

カンダマチノート4階住居before。

当時、岐阜周辺でのシェアオフィスはまだ珍しく、
メディアへの露出も多いまちビルにはふらりと立ち寄る人や見学者がありましたが、
オフィスのため、突然の来訪対応は難しく、訪れた人も居場所がないため、
オープンで誰でも気軽に入れる場所をつくってみたいと思っていました。

また、ちょうど〈サンデービルヂングマーケット〉(以下、サンビル)を立ち上げ、
柳ケ瀬商店街につくり手が毎月集まる状況ができ始めていた時期でした。

個人で活動する人が、まちへ出て、仕事や生活を豊かにする拠点を、
まちなかにもっと点在させたい。まちをおもしろく仕立てていくことが
エリアの価値につながる、という仮説を実現するため
「ものづくりをする人たちの作業場+販売」を中心にしたシェアアトリエ、
カンダマチノートの構想ができあがりました。

入居者募集フライヤー。この場所でそれぞれの新しい一ページを刻んでほしいとネーミング。ロゴは、レトロだけどポップで新しさを持つデザインを目指した。

入居者募集フライヤー。この場所でそれぞれの新しい一ページを刻んでほしいとネーミング。ロゴは、レトロだけどポップで新しさを持つデザインを目指した。

〈一般社団法人リバーバンク〉
日本の教育の原風景を残すため、
木造廃校舎をかつての姿に戻す

交付金は税金である、という事実

鹿児島県川辺町の地域課題を解決するための団体として、
2018年7月に活動を開始した〈一般社団法人リバーバンク〉。
メンバーは農作業などの仕事が終わってから夜な夜な集まって会合を開き、
やりたいこと、やらないといけないことを挙げていきました。
まずやらないといけないのは、お金の整理でした。

内閣府の「地方創生推進交付金」は3年間にわたって国から給付されます。
3年間の予算上限は決まっていて、
毎年の額やその使途も僕らが申請した計画にそって認められているため、
それを厳密に守って計画通りにやっていかなくてはいけません。

予算のことやこれからの活動について議論は続く。

予算のことやこれからの活動について議論は続く。

これまで、僕が手がけてきたプロジェクトは、自分の会社の仕事にしろ、
企業や行政から依頼された仕事にしろ、もちろん計画を立てて進行はするものの、
実際のプロジェクト内容はやっている途中で変わっていくことがよくあります。
それに応じて予算も変わり、都度調整しながらフィニッシュするというスタイルです。

秋になっていよいよ改修作業が始まった頃。

秋になっていよいよ改修作業が始まった頃。

ところが、今回は自分たちで立てた計画ではあるものの、
承認され交付されれば公のものとなり、それを変更するということは基本的にはできず、
宣言した通りに忠実に実行していくことが求められます。
税金なんだから当たり前だと言われそうですが、
机の上で立てた計画はあくまでも計画にしか過ぎません。
蓋を開けてみたら想定外のことが起きるというケースのほうが多い。
このプロジェクトも例外ではなく、
そういう予算の使い方は初めてだったのでかなり戸惑いながらのスタートになりました。

埋もれた物件を掘り起こせ。
不動産情報からまちを編集する
「富士市まちなか再起動計画」

勝亦丸山建築計画 vol.3

静岡・東京の2拠点で、建築設計、自治体や大学との取り組み、
都内のシェアハウスの運営などの活動をする
〈勝亦丸山建築計画〉の勝亦優祐さんの連載です。

商店街エリアの不動産を流動化させる「富士市まちなか再起動計画」

vol.1では、立体駐車場を舞台に2013年から3年連続で行ったイベント
「商店街占拠」を紹介した。
吉原エリアでのスモールビジネスや人が集まる場、
公園や休憩スペースなどパブリックスペースの疑似体験を
まちの人々と共有することを目的としていた。

イベントで確信したのは「商店街で商いを起こす人々はいる」という単純なことだった。
2015年にはvol.2で取り上げた〈マルイチビル〉が完成し、
私も含めた商いをする人々のための空間が始動した。

「商店街占拠」と〈マルイチビル〉を経て、新たな課題が浮かび上がってきた。
それは、新しく事業を始めたい人に場を提供し、
中心市街地に人が集う新たな循環を生み出すためには、
不動産情報に出ていない、使われていない空間を掘り起こす必要があるということだ。

今回は、2016年に実施した不動産調査プロジェクト
「富士市まちなか再起動計画」について紹介したい。

そもそも、なぜ中心市街地への取り組みを始めたのか

富士市の吉原商店街。

富士市の吉原商店街。

吉原商店街はかつて、東海道の吉原宿という宿場町として栄え、
周辺が市街地化していくにつれ、まちの商業や産業、
人々の生活の中心であり続けてきた。

そして、ここ数十年の社会状況の変容(車社会化、コンビニやショッピングモール、
スーパーなど郊外への出店、インターネットショッピングなど)によって、
まちの中心という認識は薄れつつある。

私自身、Uターンして、いまあらためて富士市で生活をしてみても、
ここには“人が集い、お店の集積する雑多なエリア”の雰囲気を感じない。
車でロードサイドショップや職場、家をめぐるような生活では、
その移動中に新たな発見をしたり人と出会うことは少ないだろう。

そこで、現在の吉原商店街に残る、地理的な中心という合理性や、
数少ない公共交通のハブ機能、豊富な空き空間資源の要素を元手に、
このエリアの本来の役割を実現していきたいと考えたのだ。

鎌倉のまちに活力を! オンラインコミュニティ 「#頑張ろう鎌倉」から広がる地域の輪

地域をつなぎ、助け合うオンラインコミュニティ

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、普段は観光客で賑わう鎌倉でも、
飲食店をはじめとする多くの店舗が苦境に立たされています。
過去に「鎌倉ローカルラボ」で紹介した飲食店も
テイクアウトやデリバリーを始めるなど、それぞれが試行錯誤しながら、
この危機を乗り越えようと必死の取り組みを続けています。

こうした状況のなか、鎌倉を愛する人たちが一丸となって助け合い、まちを守り、
元気づけていくために生まれたオンラインコミュニティが大きな広がりを見せています。

3月28日にFacebookグループとして立ち上げられた「#頑張ろう鎌倉」には、
開設初日におよそ500人、2日目には1000人が集い、
4月22日現在で2700人を超えるメンバーが参加。
飲食店情報、経営支援、困りごと・相談、アイデア共有、子ども応援などの
テーマごとにスレッドが立てられ、情報発信、意見交換が行われています。

飲食店をはじめとする店舗オーナー、市内の企業に勤める人たち、地域活動に関わる人たちをはじめ、鎌倉のまちに関わる3000人近いメンバーが参加するFacebookグループ「#頑張ろう鎌倉」。

飲食店をはじめとする店舗オーナー、市内の企業に勤める人たち、地域活動に関わる人たちをはじめ、鎌倉のまちに関わる3000人近いメンバーが参加するFacebookグループ「#頑張ろう鎌倉」。

このコミュニティの発起人となったのは、鎌倉市役所共創計画部の比留間彰さん。
新型コロナウイルスの感染が広がりつつあった2月下旬に鎌倉の閑散とした様子に驚き、
3月に入り、小中学校の一斉休校が始まるなかで、
東日本大震災当時のまちの風景を思い出したという比留間さんは、
ある日、ハッシュタグ「#頑張ろう鎌倉」がつけられた
飲食店〈鎌倉 六弥太〉の店主によるSNSの投稿を目にします。

それ以来、自身でも鎌倉の魅力を発信すべく、まちの景色を撮影し、
「#頑張ろう鎌倉」をつけてInstagramやFacebookへの投稿を開始。

しかし、県からの外出自粛要請が出たことを受け、
比留間さんは外(観光客)と内(住民)をつなぐことから、
内のつながりをつくり、地域を助け合い、活力を維持していくことに目的を切り替え、
Facebookグループの立ち上げに至りました。

「#頑張ろう鎌倉」では、参加メンバーから投稿されるさまざまな情報を整理するため、「自己紹介」「飲食店情報」「困りごと・相談」「経営支援」「アイデア共有」「子ども応援」「何でも」という7つのスレッドが用意されている。

「#頑張ろう鎌倉」では、参加メンバーから投稿されるさまざまな情報を整理するため、「自己紹介」「飲食店情報」「困りごと・相談」「経営支援」「アイデア共有」「子ども応援」「何でも」という7つのスレッドが用意されている。

クラフトビール醸造所〈石見麦酒〉が 島根の物産を集めた クラウドファウンディングを開催中

県外で買えないあの珍品も。グルメな人は要チェック!

全国各地でオンラインでのやりとりが盛んになるなか、
島根のクラフトビールの醸造所〈石見麦酒〉が、
地元の生産者や飲食店を元気づけようと、
現在クラウドファウンディングを行っています。

もともと〈石見麦酒〉が大型イベントの中止で
余ってしまったビールの在庫を減らすために
スタートしたこのクラウドファウンディング。

それが瞬く間に目標金額に達成したため、目的を変更。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けた地元の企業の一助となるべく、
同社のビールのほかに、さまざまな商品が返礼品として用意されています。

【飲+食】一緒に江津市の食品加工メーカー「住京蒲鉾店」さんを応援しよう! 5,000円

【飲+食】一緒に江津市の食品加工メーカー〈住京蒲鉾店〉さんを応援しよう! 5,000円

こちらは江津市にある食品加工メーカー〈住京蒲鉾店〉の人気商品である
赤天と大黒天、それに〈石見麦酒〉の石見神楽麦酒をセットにしたもの。

〈住京蒲鉾店〉のお惣菜は地元の給食のメニューにも出されていたのですが、
今回の新型コロナウイルス感染症の影響で納品がストップ。
関わっていたイベントも軒並み中止となり、売り上げが大幅に減ってしまったのだそうです。
赤天は島根の石見地方で特産物となる練り物。
魚のすり身に唐辛子が練り込まれており、ピリッとした味わいが人気です。
もちろんビールとの相性はバツグン。このセットで晩酌の準備はバッチリ整うはず。

岐阜県出身の若者たちへ しいたけ菌床を無料送付。 退屈なおこもり期間のおともに

自分で育てたしいたけが食べられる

岐阜県にあるきのこメーカーの〈ハルカインターナショナル〉が、
この状況下に、とてもユニークな取り組みをはじめました。

それは、新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が出ている地域に住む
岐阜県出身の若者へ、しいたけ菌床を無料送付するというもの。

対象者は、東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県、大阪府、
兵庫県、福岡県、東海県域の愛知県、三重県、京都府に住む
岐阜県出身の18歳から30歳までの若者です。

第1期の受付として、
1人1本、1000人分、1000口用意されており、
こちらのお問い合わせフォームから
申し込めば順次送付されるのだそう。

*申し込みの際の本人確認は、帰省先の岐阜県内の住所、
家族代表者名、連絡先電話番号を記載とのこと。
また無料送付は外出自粛要請の期間内のみなのでご注意を。

ハルカインターナショナルの岐阜県農場。ここできのこの栽培や研究といったきのこの幅広い事業を展開しています。

ハルカインターナショナルの岐阜県農場。ここできのこの栽培や研究といったきのこの幅広い事業を展開しています。

退屈なおこもり時間に。 オンラインでできる ふるさと納税の体験返礼品に注目!

ビール工場見学やお料理教室など、魅力あふれるプランが登場

各地域で外出自粛要請が行われ、ここ数日は平日・土日ともに
おうちで過ごされている方がほとんどかと思います。

そのおこもり時間に、一体何をして過ごそうかと
悩んでいる方におすすめしたいのが、
このおうちで体験できるふるさと納税です。

もともと、ふるさと納税の体験型返礼品に特化していたオンラインサイト〈さといこ〉。
じわじわと全国各地で外出自粛要請が行われたことにより、
地域に足を運ぶ返礼品の寄附受付をストップし、
新たに家にいながらオンラインで地域体験ができる
返礼品を紹介しています。その名も「#おうち体験」。

現在参加できるプランはこちら

空きビル活用〈ロイヤル40〉から
〈サロン・ド マルイチ〉、遊べる道路
「yanagase PARK LINE」まで。
柳ヶ瀬商店街でのチャレンジ

ミユキデザイン vol.3

岐阜を拠点に建築、まちづくり、シェアアトリエの運営などの活動をする
〈ミユキデザイン〉末永三樹さんによる連載。
前回ご紹介した月一の定期市〈サンデービルヂングマーケット〉に続き、
柳ヶ瀬商店街がテーマです。

まちづくり会社の設立をきっかけに、多方面へ展開されていく
柳ヶ瀬商店街の新たな動きとは。小さなチャレンジの集積が、
商店街全体と周辺に変化をもたらす、そのプロセスを紹介していきます。

SundayからEverydayへ。2017年にオープンしたロイヤルビル

柳ヶ瀬商店街で〈サンデービルヂングマーケット〉(以下、サンビル)を始めて3年。
実験的に活用した「ロイヤル劇場ビル」(詳細はvol.2)の空き区画を借り上げ、
投資し、リーシングするフェーズに入っていきました。

募集区画は1階6区画+2階5区画の全部で11区画。
入居者先付けで事業スキームを組み、路面は現状引き渡しで、
入居者が空間投資を行うことに。
路面に比べると集客しづらく使い勝手の悪かった2階に手を加え、
テナント候補にはサンビル出店者をイメージして、
創業しやすい小割でリーズナブルな家賃設定のシェアショップにリニューアルしました。

ビルの40周年にあたることから、〈ロイヤル40(ヨンマル)プロジェクト〉と名づけ、
SNSとフライヤーを使い入居者募集をかけました。
店はできるだけ長く続けてほしいし、
テナント同士が共同で販促などを行うことも視野に入れ、
入居希望者とは面談を行い、出店への思いを聞き、
私たちの取り組みやビジョンなどをお伝えしました。

その頃、いろんなタイミングが重なり、
アパレルブランド〈BLUEBLUE〉と接点を持つことになり、
商店街の雰囲気とフィルム映画を上映するレトロなロイヤル劇場ビルを気に入り、
1階の一番大きな区画に出店が決定。

その影響もあり、岐阜で人気の雑貨・洋服屋が
その2号店を路面出店することで2区画が決まり、
2階のシェアショップではイラストレーターやアーティストが
アトリエと兼ねてワークショップなどの体験サービスを提供するという業態で入居し、
ほぼ満室状態になりました。

入居者はサンビル出店がきっかけではなく、
サンビルを含め柳ヶ瀬の変化を外から見て興味を持った人たちが
「いまだ」とタイミングを感じて新規で集まってきたのは、興味深い結果でした。

入居者メンバーと学生が2階への入り口のシャッターの化粧直しをしていると、行き交う人から「お疲れ様」の声が。

入居者メンバーと学生が2階への入り口のシャッターの化粧直しをしていると、行き交う人から「お疲れ様」の声が。

2階のシェアショップでは、入居者同士のコミュニケーションを兼ねて、
DIYも取り入れて空間をつくり、グランドオープンしました。

今年で3年目に入り、入居者同士で商品開発をしたり、
共同でイベント開催したりするなど、
店主それぞれが持つコミュニティがときとして混ざり合い、
さまざまな人が出入りしているのがうれしいです。

1~2階にテナントが入り、グランドオープンしたロイヤル劇場ビル。

1~2階にテナントが入り、グランドオープンしたロイヤル劇場ビル。

また、卒業する人や2号店を展開する店など、環境に変化が現れています。
健全なビル運営を継続するには、入居者や場所に何が起こっているかを察知し、
コミュニケーションして入居者同士をつなぎ、ポジティブな空気をつくる、
そんなサブリーサーの役割も重要だと感じています。

シェアスタイルの〈ロイヤル40〉2階のリノベーション。共有の大きなワークテーブルを中心に、5つのブースが配置されるプランで、ダイナミックなスケルトンを生かしたデザイン。(撮影kazuhiro tsushima)

シェアスタイルの〈ロイヤル40〉2階のリノベーション。共有の大きなワークテーブルを中心に、5つのブースが配置されるプランで、ダイナミックなスケルトンを生かしたデザイン。(撮影kazuhiro tsushima)

路面の雑貨店は、スタッフが数か月の時間をかけDIYで店づくりを行っていた。

路面の雑貨店は、スタッフが数か月の時間をかけDIYで店づくりを行っていた。

〈モーションギャラリー〉が 新型コロナウイルスの損害を 受けたイベント・施設を支援!

5%の決済手数料のみでクラウドファンディングをスタート

2020年5月31日まで、国内最大級の
クラウドファンディングサービス〈モーションギャラリー〉が
新型コロナウイルスの影響で中止または延期となったイベントや施設を
支援するクラウドファンディングプログラムを実施しています。

モーションギャラリーには、新型コロナウイルス感染拡大防止のために
イベントを中止・延期せざる得なくなった方から
多くの相談が寄せられました。
また、これまでにクラウドファウンディングを通じて
プロジェクトを始動したクリエイターやアーティストたちが
資金の問題に直面している姿を目の当たりにし、
なんとかこの状態を支えることができないかと考え、
今回のプログラムをスタートしたといいます。

同プログラムが適用されたプロジェクトは、
モーションギャラリー手数料が、無料(5%→0%)となり、
決済手数料(5%)のみでクラウドファンディングを実施できます。

また、このプロジェクトには「ALL-IN形式」と呼ばれる
プロダクションファンディングが適用され、
目標金額への到達の有無に関わらず、集まった資金を受け取ることができます。

2月27日よりスタートしたこのプログラム。
既に、多くのプロジェクトがスタートしています。

こちらは、2019年の秋、京都市下京区に誕生した〈河岸ホテル〉。

京都の青果卸売にある社員寮兼倉庫を
ハーフセルフリノベーションした、若手現代アート作家のための
スタジオ・ギャラリー・レジデンス併設型の宿泊施設です。

若手作家が生活し、制作に打ち込める環境を整えるとともに、
世界中から訪れる宿泊客と入居作家の間に
新たな関係性を生み出すことを目的としています。

〈河岸ホテル〉

〈河岸ホテル〉

〈一般社団法人リバーバンク〉
村の消滅を
健やかに看取るためにできること

リバーバンクをサポートしてくれたメンバーたち

自分たちの居場所をつくろうとやっていた
フェスティバル〈グッドネイバーズ・ジャンボリー〉。
もともとはその運営をしていただけだったものが、
会場だった廃校〈かわなべ森の学校〉の再生に取り組むことになり、
ついに地域の人びとや行政まで巻き込んで
地域課題に取り組む団体をつくることになったのです。

鹿児島県川辺町の地域課題を解決するための団体として、
〈一般社団法人リバーバンク〉は、2018年7月に登記が完了し、
法人としてスタートしました。

法人化したのは、多額の交付金申請の受け皿としての必要に迫られたものですが、
このときも本当にそこまで踏み込んでいいものかどうか悶々と悩みました。

税金である交付金を使って法人運営するということは、
報告義務や説明責任も生まれます。
いままでのように自分たちが楽しむためにやっていた活動とは、レベルが違う。

さらに、この活動がうまくいかなかったら
「やっぱり過疎地域の廃校運営なんてうまくいかないんだ……」という諦念を、
地域に残してしまうのではないか。そんなプレッシャーもありました。
少なくとも10年くらいの長期スパンで活動を考えないと、
中途半端なところでは投げ出せない。ひとりでやりきるのは当然無理があるので、
いままでよりも多くの人を巻き込む覚悟も必要です。

最終的にそれでもやろうと思えたのは、
サポートしてくれるメンバーが周りで手を挙げてくれたからです。
BAGN Inc.(BE A GOOD NEIGHBOR)という僕の会社のメンバーも、
会社の営利に関わる活動ではないにもかかわらず、表に裏にサポートしてくれました。

最初のグッドネイバーズ・ジャンボリーから参加してくれている末吉さん。

最初のグッドネイバーズ・ジャンボリーから参加してくれている末吉さん。

ほかにもグッドネイバーズ・ジャンボリーを始めたときから
ボランティアでも参加してくれていて、
ここ数年はボランティアサポーターの取りまとめをしてくれている末吉剛士さん。
彼も自分で人材関係の会社を起業していますが、行政との仕事も多く、
その活動で得た知見を生かして事務局の運営を担ってくれることになりました。

映画『もち』小松真弓監督インタビュー
岩手県一関市が舞台、
「もち」でつないだ地域文化を残す

information

映画『もち』

一関シネプラザ(6月26日〜)・渋谷ユーロスペース(7月4日〜)ほか全国にて公開

(C)TABITOFILMS・マガジンハウス

Web:映画『もち』公式サイト 公開劇場情報

日本の里山のイメージそのままの景観が残る、岩手県一関市の本寺地区。
古くから根づいている、もちの文化を織り交ぜながら、
実際にここに暮らす14歳の少女の1年を追う、みずみずしい映画『もち』が完成した。
神事、冠婚葬祭、人生の節目、そして日常など、ことあるごとに登場するもち。
監督・脚本を手がけた小松真弓さんは、一関のもち文化をどう捉えたのか。
制作エピソードとともに語ってもらった。

“やさしい暗号”が気づかぬうちにすべて消えていく

正月のお雑煮を見てもわかるように、もちの食べ方や供し方は地域によって多種多様。
それだけ古くから根づいてきた食べものといえるが、
全国でも群を抜いて多彩なもち文化のある地域が、岩手県一関市。
伝統的な儀礼や風習をまとめた一関の「もち暦」によると、
もちを食べる機会は年間60回以上。
極端な話、人が集まるところにはもちがあるような地域なのだ。

そんな一関を舞台に、『もち』というストレートなタイトルの映画が誕生した。
主人公は、800年前の景観とほぼ同じ姿で守られてきた本寺地区に暮らす、
14歳の少女ユナ。
映画は雪がしんしんと降り積もるなかで行われる、祖母の葬式のシーンから始まる。

機械ではなく、臼と杵を使ってもちをつきたいと言い出す祖父と、
最初はやや億劫そうにそれを手伝うユナ。
一方、彼女が通う全校生徒14人の中学校の閉校が決まり、
親友は隣町へ引っ越すことになり、
淡い恋心を抱いていた親友の兄は進学で東京へ行くことに。
彼女とその周辺が刻々と変化していく1年を、
儀式の場や日々の食卓にあるもちの風景を映し出しながら綴っていく。
出演しているのは役者ではなくすべて一関の人たちで、
フィクションとノンフィクションの間をたゆたうような作品に仕上がっている。

監督を務めた映像ディレクターの小松真弓さんは、これまで多くの映像作品を手がけ、
劇映画としては2011年に蒼井優主演の『たまたま』を監督している。
仕事やプライベートで世界の多くの国を見てきた小松さんは、
日本という国のいい面も悪い面もあらためて強く感じていた。

「島国だからこそ“自然と人”、“人と人”とのつながりをより深めることが必要で、
そのために先人たちの知恵や教えが暗号のように散りばめられている。
それは舞となって踊られ、物語として語り継がれ、行事として日々の生活に入り込み、
地域に根づく伝統工芸や衣装、文様、方言、
さまざまなものにかたちを変えて受け継がれてきました。
この“やさしい暗号”があったから、
日本人には奥深い思いやりの心が染みついているのだろうと感じています。
そしてその暗号を見つけて意味を知ることができると、
大切に次につないでいかないといけないと思えます」

廃墟ビルをリノベーション。
家賃収入を生み、商店街の新しい拠点
〈マルイチビル〉へ

勝亦丸山建築計画 vol.2

静岡・東京の2拠点で、建築設計、自治体や大学との取り組み、
都内のシェアハウスの運営などの活動をする
〈勝亦丸山建築計画〉の勝亦優祐さんの連載です。

vol.1でお送りした静岡県富士市でのイベント「商店街占拠」に続き、
同じく富士市の中心市街地の吉原商店街にあるビルの改修プロジェクトをお送りします。

富士市の中心市街地の吉原商店街

まちの真ん中に取り残されたコンクリートの建物群

静岡県富士市の吉原商店街には、約700メートルにわたり一直線に
コンクリートの4階建てほどの建物が並んでいる。
火事が起きやすい中心市街地の不燃化のため、
約50年前に国が建て替え整備を後押しした時期に、一気に建て替えが行われた。
歩道上には、商店街組合によって設置、維持されているアーケードがあり、
雨の日には重宝する。

東海道の14番目の宿場町「吉原宿」として栄えたまちで、
木造の古い建物や蔵はコンクリートの建物の後ろに
曳家(建築物をそのままの状態で移動する建築工法)されたので、
通りからは見えなくなっている。
車で移動している地元の人は知らない人も多いだろう。

後ろに控えている木造の建物も気になるが、
私は経年変化したコンクリートという素材の風合いがなんとも好きだ。
もちろん耐震などの安全性や現代の建築基準法に合わせた
改修の必要性などの課題はある。

まちで一番ヤバいビルが立ち上がる

マルイチビル改修前

吉原商店街の立体駐車場で行ったイベント「商店街占拠」の1回目が終わった頃、
立体駐車場のオーナー佐野荘一さんと商店街のビルを見て回っていた。
商店街の表通りに面する築50年ほどの
4階建て(改修前は屋上の倉庫部分を含めると5階建て、
今回の工事で5階部分は減築し、4階建てになった)の廃墟ビル
〈マルイチビル〉は、商店街にある建物の中でも最もひどい状態だった。

中はカビだらけで、窓は割れ、サッシはサビ落ち、
落下の危険性もあるため針金でグルグル巻きの状態。
増築されたであろう屋上の倉庫には「助けて……」と言わんばかりに
傷んだダルマが顔を覗かせていた。

1階の元飲食店。

1階の元飲食店。

1階の元割烹旅館。

1階の元割烹旅館。

「マルイチビル、どう思う?」と佐野さん。
壊れた天井のスキマからは、型枠の木の模様が転写されているコンクリートが見える。
そんな素材としてのコンクリートに魅力を感じて、
「僕は好きです。コンクリートがかっこいいし、
一番ヤバいところから手をつけるのはいいっすね」と回答した。
「よし、やるか」と佐野さんの決意を皮切りに、このプロジェクトは立ち上がった。

隈 研吾もデザイン参加。 〈山形緞通〉は至高の手仕事、 日本の暮らしのためのじゅうたん

糸づくりから手がける、国内唯一のじゅうたんメーカー

山形県山辺町に、じゅうたん製作の高い技術で知られるメーカーがあります。
名前は〈オリエンタルカーペット〉。
糸づくりから染め、織り、アフターケアまで、一貫して自社で行っています。

同社が手がけるブランド〈山形緞通〉は、素足の生活様式に合わせた、
日本人の暮らしに寄り添うじゅうたん。

そのこだわりは、素材選びにも現れています。
主な原料は、素足に心地よい羊毛。
ニュージーランド産とイギリス産をメインに選び、自社で紡いでいます。

たとえば新古典ライン〈石楠花 (shakunage)〉には
ウールとシルクを使用し、ベロアのような肌触りに。
立体的に浮かび上がるダイナミックな柄は、
和にも、洋の空間にも合ようにデザインされています。

新古典ライン「石楠花 (shakunage)」

新古典ライン〈石楠花 (shakunage)〉

ものづくりを支えているのは、女性の職人たち。
ここでは数ある工程のなかから、一部を見せてもらいましょう。
こちらは手織りの作業を行っている様子です。

女性職人たち

手織りは、創業当初から受け継がれてきた伝統技術。
細かな設計図をもとに、縦糸に糸を結びカットする作業をひたすら繰り返していきます。
1日に織り上げられる長さは、わずか7センチ程度。

織りには「手刺(てさし)」という技術も用いられます。
職人さんが図案に合わせ、フックガンという工具で織っていきます。
手織に比べ製作時間を短縮できますが、忠実に図柄を表現するために、
打ち込む力やバランスを均一に保つ高い技術が必要です。

女性職人たち

その後はじゅうたんの表面を均一にカットする「シャーリング」や、
柄を立体的に見せるため、ハサミで浮き彫りにしていく「カービング」など、
それぞれの技術に卓越した職人さんの手によって、
なめらかで艶やかなじゅうたんに仕上げられていきます。

シャーリング(表面仕上げ)を行う職人さん。じゅうたんの表面を均一にするため、芝刈りのような専用機械で表面を切り揃えていく。

シャーリング(表面仕上げ)を行う職人さん。じゅうたんの表面を均一にするため、芝刈りのような専用機械で表面を切り揃えていく。

山形緞通の大きな魅力のひとつは、
豊かな色彩が織りなすグラデーション。
こちらは、実際にじゅうたんに使用されているウールの糸です。

ウールの糸

オリエンタルカーペットでは、じゅうたんの色を
細やかに表現するため、自社で色の調合と染色を行っています。
こちらは色見本。社内には、これまでに染めたおよそ2万色以上の糸をストックし、
デザインやクライアントの要望に合わせて提供しています。

糸のストック

下の写真は、著名デザイナーとのコラボレーションによる、デザイナーライン〈MORI〉。
建築家の隈 研吾さんがデザインしたじゅうたんです。

デザイナーライン 隈 研吾「MORI」

デザイナーライン 隈 研吾〈MORI〉

緑の豊かさをダークグリーンの色彩と
三層の毛糸の質感で表現しています。
同シリーズの〈KOKE〉は、苔の質感を
糸の質感と毛足の長さで表現したもの。

デザイナーライン 隈 研吾「KOKE」

デザイナーライン 隈 研吾〈KOKE〉

足もとに艶やかな青い苔が一面に広がります。
こうした繊細なニュアンスを表現できるのも、山形緞通ならでは。

下の写真は、〈スマイルズ〉の遠山正道さんとの
コラボレーションから生まれた〈a big stone りんご〉。

「a big stone りんご」

〈a big stone りんご〉

遠山さんが山形の工場を訪れた際に描いたスケッチをもとに、
同社が製作を手がけました。

石巻市の歴史ある〈井内石〉を使った スマートな漬物瓶 〈ピクルストーン〉が登場!

漬物瓶とは思えないスタイリッシュな佇まい

2017年に日本最大規模のクラウドファンディングプラットフォーム
〈キャンプファイヤー(CAMPFIRE)〉で目標金額30万円をゆうに超える、
398万円以上の資金調達(目標金額30万円)に成功した
漬物瓶〈ピクルストーン(Picklestone)〉。

そんな〈ピクルストーン〉が、この度、
欧米のクラウドファンディングサイト〈キックスターター(Kickstarter)〉にて、
宮城県石巻市で長い歴史を持つ石〈井内石(いないいし)〉バージョンの
〈ピクルストーン〉の資金調達をスタートさせました。

右からPicklestone.220 9,800円、Picklestone.115 12,800円、Picklestone.150 9,800円(すべて税抜)

右からPicklestone.220 9,800円、Picklestone.115 12,800円、Picklestone.150 9,800円(すべて税抜)

このデザインされたスマートな見た目。
これまでの漬物づくりの概念を一新させるほど斬新ですよね。

牛乳パックと一緒に並べられる〈Picklestone.220〉、
ドレッシングと一緒に並べられる〈Picklestone.115〉、
少し大きめの缶詰サイズ〈Picklestone.150〉と、
〈ピクルストーン〉は3種類のサイズ展開となっています。

昔は大きな樽や一日中ひんやりとした日陰がないとつくれなかった漬物ですが、
この瓶に材料を入れて冷蔵庫に置いておけば、あっという間に完成。
冷蔵庫のボトルホルダーにすっぽりと収まるので、
狭いキッチンスペースでも漬物をつくることができます。

もちろん、手づくりであれば保存料や化学調味料を使わないので、
より野菜本来の味を感じられるのも魅力。
気軽に旬の野菜を食卓に上げることができ、お子さんの食育にもひと役買いそうです。

柳ヶ瀬商店街を次世代へつなぐ
〈サンデービルヂングマーケット〉
ができるまで

ミユキデザイン vol.2

岐阜を拠点に建築、まちづくり、シェアアトリエの運営などの活動をする
ミユキデザイン・末永三樹さんによる連載です。

柳ヶ瀬が「まち」であり続けるために

岐阜屈指の繁華街「柳ヶ瀬商店街」を知っていますか。
古いビルや昔ながらの店が残るレトロな味わい深いまちです。
岐阜県出身の私にとって、子どもの頃に
「まちに行く(=デパートがある)」といえば柳ヶ瀬で、
大人になってからはスナックやクラブ、小料理屋などに行き、
背伸びをしたのも柳ヶ瀬でした。

しかし、近年では高齢化による来街者の減少や空きテナントが目立ち、
「柳ヶ瀬商店街がにぎわっていた」という肌感覚を持つのは
30代後半以上ぐらいの世代でしょうか。

私にとって、人や情報が集まり、そこに行けば何かに出会える
期待感を持っている場所が「まち」です。
美殿町(vol.1参照)に拠点を持ってから、柳ヶ瀬が「まち」であり続けるには、
いま何かをしなければ手遅れになるんじゃないかという
漠然とした危機感を感じるようになり、自分と未来のために、
仕事としてまちに関わることができないかと考え始めました。

〈ミユキデザイン〉が活動する美殿町商店街と柳ヶ瀬商店街は隣接していて、徒歩1分の距離。(photo:kazuhiro tsushima)

〈ミユキデザイン〉が活動する美殿町商店街と柳ヶ瀬商店街は隣接していて、徒歩1分の距離。(photo:kazuhiro tsushima)

いまは、そんな柳ヶ瀬商店街で、2014年から仲間たちと
月一の定期市〈サンデービルヂングマーケット〉を行っています。
約160店の手づくり・手仕事が集まる東海圏で屈指のマーケットです。

そこに至るまで、イベント「ギフレク」「ハロー!やながせ」と、
いろいろな取り組みを試行錯誤してきました。2017年からは、その仲間たちと
〈柳ヶ瀬を楽しいまちにする株式会社〉(以下まち会社)を設立し、
柳ヶ瀬の遊休不動産や公共空間の利活用に取り組んでいます。

今回から2回にに分けて、柳ケ瀬商店街でのチャレンジや
そこから生まれた変化について紹介していければと思います。

イベント「ギフレク」への参加。岐阜のおもしろい人たちとの出会い

ミユキデザインを設立する前、私たちは「ギフレク(Gifu Re-creation)」という、
創造力で岐阜をもっともっと楽しくしていくイベントをやっていました。

会社員として日々設計にどっぶりと浸かり、外の世界に出ていく機会が少ないなか、
イベントを企画した岐阜市在住のデザイナー〈DesignWater〉の
鷲見栄児さんに声をかけてもらい、空間チームとして参加すると、
カメラマンやデザイナー、Webクリエーターなど
世代の近いクリエーターたちが集まっていて、
岐阜にはこんなおもしろい人たちがいるんだ! と衝撃を受けました。

夜な夜な企画会議をやったり、休日はみんなで会場什器の工作をしたり、
イベント当日も含めエネルギーに溢れた毎日で、
自分でおもしろいことをやっていかないとだめだ、と痛感しました。
ここでの出会いは、その後も続き、いろんなタイミングで私たちの活動を支えています。

岐阜をもっと楽しくしていくイベント「ギフレク」。岐阜駅前の広場を活用。

岐阜をもっと楽しくしていくイベント「ギフレク」。岐阜駅前の広場を活用。

ギフレクの企画のひとつが、ジュラシックアーケードです。
「高齢者ばかりの柳ヶ瀬商店街に子どもたちが集まったら
めちゃくちゃおもしろくない?」という発想から始まりました。

実際、リアルな恐竜ロボットがあちこちに出没し、
子どもが大興奮して商店街を駆け回ります。
現在は、商店街が自主事業として運営を引き継ぎ、恒例行事になっています。

当時、考えられないほどの子どもたちが押し寄せる状況に感激し、
お礼だと言ってイベントのノベルティを大人買したのが、
いまは一緒に活動している商店街の岡田さや加さんです。

ジュラシックアーケード。

ジュラシックアーケード。

料理家・冷水希三子の旅コラム
「沖縄の離島で塩のルーツを知り、
ヤギカレーをつくり上げた」

さまざまなクリエイターによる旅のリレーコラム連載。
第6回は、料理家の冷水希三子さんが沖縄の離島に通ったお話。
いくつかの離島の特産品から着想して、おみやげものや料理を生み出す活動のなかで
たくさんの人、海、食材との出会いがありました。
特に粟国の塩と多良間のヤギ汁が印象的だったようです。

おみやげものとヤギカレーの開発

あまり沖縄に縁がなかった私でしたが、
5年ほど前にお声がけをいただき沖縄の離島に通うプロジェクトがありました。
沖縄にある有人島47島のうち、比較的観光客や観光資源の多くない島を盛り立てて、
雇用も増やしていこうというもの。

方法としては直接的ではないのかもしれませんが、
まずはその島の特産品を使っておみやげものを開発することで、
島の人々のお仕事を増やすこと。
さらにそれらを通して、島のことを知らなかった人たちにも知ってもらいたいという、
小さいながらも地道な活動です。

その島とは、
多良間(たらま)、粟国(あぐに)、渡名喜(となき)、南大東、北大東の5島です。
とはいえ、私は粟国の塩を日々使っているので粟国と、
なんだか天気予報に出てくる南大東を聞いたことがあるくらいでした。

ミッションは、島の特産品を活用した商品を開発すること。
レシピを考えてからそれぞれの島に乗り込み、島のおばあや食品をつくっている方たちに、
つくり方や保存瓶の使い方などを説明して回りました。

最初は「若い、(若くはないですが(笑))、知らない人が来て何をするのやら~」と
人見知りされている状態でしたが、少しずつ心を開いてくださり、
今でもそのレシピでつくってくださっている方々もいて、なんだかうれしいです。

今ある地域資源×アートの試みが開花。 春の八戸は見どころたくさん!

地域資源を生かしたアートのまちづくりに取り組んできた八戸。
3月4月の見どころを紹介

北東北を代表する中核都市青森県八戸市。
このまちが今、アートのまちとして発信し始めています。
ただ、国内外のアーティストを招聘したり、
芸術祭を催すという試みとは趣旨が異なり、
今ある地域資源と芸術的視点をいかに融合させるかを目的とした、
長期的な計画のもとで「アートのまちづくり」を進めているのが八戸市なのです。
3月、4月に行われる予定の注目のイベントを例にご紹介しましょう。

南郷アートプロジェクト『しまもりさいじき』上映展示

地元小学生が、昔の小学生のエピソードを再現。

地元小学生が、昔の小学生のエピソードを再現。

南郷アートプロジェクトは、八戸市南郷地域を舞台に2011年にスタートした、
アートで地域の魅力を再発見するアートプロジェクト。
これまで、地域資源にダンスや演劇、美術をかけあわせたプログラムを、
地域の方やアーティストと一緒に行い、2019年度のプログラムとして、
地域の「記録」と「記憶」を残す「島守ダンス映画製作プロジェクト」を実施してきました。
そして、ダンスをモチーフとした映像作品『しまもりさいじき』を発表。
今回、南郷島守地域を舞台に、
約8か月にわたって制作したこの『しまもりさいじき』と、
撮影で使用した小道具などを〈八戸市南郷文化ホール〉に展示します。

地元のりんご農家さんが出演し、りんご畑で撮影が行われた。

地元のりんご農家さんが出演し、りんご畑で撮影が行われた。

地域の行事「虫追いまつり」をイメージしたシーンを地元中学生と撮影。

地域の行事「虫追いまつり」をイメージしたシーンを地元中学生と撮影。

映画は、「平家の落人の里」だったという言い伝えがある南郷島守地域が舞台。
島守の民俗芸能、地域の催事・祭事・行事、季節の風景、
かつて行われていた風習をイメージ・再現して、映像化。
その姿はどこか幻想的に感じられます。
作品は春夏秋冬の4つの章で描かれ、3面スクリーンで上映されるのが特徴。
また、会場の入退場は自由なので、季節ごとや、
自分の見たいシーンだけという鑑賞方法も可能です。

information

map

『しまもりさいじき』上映展示

展示情報

映画上映(ループ上映)、小道具展示

2020年3月7日(土)~3月15日(日) 10:00~16:00  ※3月9日(月)を除く

※新型コロナウイルス感染症拡大予防のため、15日(日)に予定していた舞踏と音楽のパフォーマンス、トークは中止させていただきます。

会場:八戸市南郷文化ホール  

入場無料(入退場自由)

脚本・監督・撮影・編集・展示構成:飯名尚人(映像作家・演出家)

振付・演出:田村一行(舞踏家・大駱駝艦)

出演:田村一行・高桑晶子・塩谷智司・鉾久奈緒美・小田直哉・坂詰健太・阿蘇尊(大駱駝艦)、八戸市南郷島守地域の皆さま、エキストラの皆さま

主催:八戸市

助成:平成31年度 文化庁 文化芸術創造拠点形成事業

お問合せ先:八戸市まちづくり文化推進室

青森県八戸市内丸1-1-1

TEL:0178-43-9156

FAX:0178-41-2302

E-mail:75info@nangoartproject.jp 

Web:https://nangoartproject.jp/

『Tomorrow is Today: Farming the Possible Fields』 地域に溶け込む 〈UMA / design farm〉 のデザインを一挙に公開

暮らしに溶け込んだデザインは、いかにして生まれたのか?

2020年3月28日(土)まで、東京・新橋の〈クリエイションギャラリー G8〉にて
〈UMA / design farm〉展『Tomorrow is Today: Farming the Possible Fields』
が開催中です。

UMA / design farmは、原田祐馬さんにより
2007年に設立された、大阪を拠点とするデザインスタジオ。

その仕事はグラフィックにとどまらず、
建築家や編集者と協働し、地域とその場に介在しながら
図書館や学校、障害者福祉施設などの仕組みづくりから
サイン計画までを手掛けてきました。

〈UR都市機構〉の色彩計画(2017-)VI, 色彩計画, サイン計画 Photo: Yoshiro Masuda

〈UR都市機構〉の色彩計画(2017-)VI, 色彩計画, サイン計画 Photo: Yoshiro Masuda

〈Tomorrow is Today: Farming the Possible Fields〉展示会場の様子。

『Tomorrow is Today: Farming the Possible Fields』展示会場の様子。

彼らが手がけるのは、当事者と「ともに考え、ともにつくるデザイン」。
本展では、そのプロジェクトにどんな人たちが関わり、
何を思い、ともににつくりあげたのか、
その言葉や関係性、デザインプロセス、そこで紡がれた物語を交えて展示します。

〈Good Job! Project〉ワークショップの様子 Photo: Michio Hayase

〈Good Job! Project〉ワークショップの様子 Photo: Michio Hayase

たとえば、奈良県奈良市の福祉施設たんぽぽの家と
障害のある人たちの仕事づくりを行う〈Good Job! Project〉、
大津湖岸なぎさ公園サインデザインのプロセス、
UR都市機構での鳥飼野々2丁目団地などの色彩計画では、
デザインがどのように地域の人々の暮らしの一部になっているのかを紹介します。

〈株式会社 斎藤管工業〉(2014-)CI, サイン計画 Photo: Kohei Shikama

〈株式会社 斎藤管工業〉(2014-)CI, サイン計画 Photo: Kohei Shikama

〈かわなべ森の学校〉廃校の残し方。
地域に入り、対話を続けて
再生への道が開けた

予算も法律も……、廃校保存って何から手をつければいいのか?

2010年に僕が鹿児島県川辺町で立ち上げたフェス〈グッドネイバーズ・ジャンボリー〉は、
〈かわなべ森の学校〉を会場にしています。
戦前に建てられた旧長谷小学校で、校舎はかなり老朽化が進んでいました。
しかし2016年、この木造校舎が取り壊しの方向に進んでいったのです。
(地域の廃校への思いは前回vol.004を参照)

愛着のあるこの校舎を残すべく、僕は廃校を保存する活動を始めました。
地域に残された古い廃校をなんとか取り壊しからは救いたい。
その一心で動きだしましたが、
どこから、何をどう手をつけていけばいいものやらまったくわからない。
誰に許可をとればいいのか? 予算は? 法律は?
役場に問い合わせても、この地域では廃校の再生は前例もなく、
誰からも明確な答えが返ってきません。

築90年を乗り越えてきた木造校舎の廊下。

築90年を乗り越えてきた木造校舎の廊下。

とにかく、地元中心にいままでつき合ってこなかったような行政や、
僕らのコミュニティではない人の声も聞かないことには始まらない。
力になってくれそうな人に片っ端から会って話を聞いて回りました。

そんなときに「鹿児島未来170人会議」というイベントの存在を知りました。
県が主催して鹿児島県民170万人の0.01%にあたる170人で
エリアの未来を考えようという趣旨のイベント。
鹿児島県内でさまざまなソーシャルな活動をしている12組がプレゼンをして、
活動を知ってもらい語り合うという場です。
そこに参加すれば、広くいろんな人たちの耳にも届き、なにか糸口がつかめるかもしれない。
さっそくエントリーし、まずはその12組に入れてもらうことができました。

「鹿児島未来170人会議」でのプレゼンテーション。

「鹿児島未来170人会議」でのプレゼンテーション。

しかし、そこで公に向けて発表するということは、
その前に地元の行政や地域の卒業生のみなさんに活動の承認を得ておかなければいけません。
そもそもこの学校のオーナーは南九州市ですし、勝手に突っ走るというわけにはいかない。

それで、幾度となく地元の行政や自治会の会合にも出席して、
森の学校を残す運動を認めてほしいと訴えることから始めました。

自治会での説明会。地区公民館にて。

自治会での説明会。地区公民館にて。

長良川の水辺で全世代教育を。
〈郡上カンパニー〉が生み出す
持続的な地方移住のかたちとは?

〈地方創生ワカモノ会合in松山〉で講演をした〈郡上カンパニー〉の岡野春樹さん。
連載「ローカルで見つける、これからの仕事。」vol.001で行われた
座談会にも参加してくれた岡野さんは、岐阜県郡上市で地域に根ざした
新しい共創のあり方を仲間とともに模索している。
では、郡上で実際にどんな取り組みをしているのか?

自分をリセットする“型”を求めて

東京の広告会社に所属する岡野春樹さんが、
総務省の「地域おこし企業人」という制度をつかって、
一家で岐阜県郡上市に移住したのは2018年6月のこと。

各地で移住者受け入れの取り組みが活発化し、
地方へのUターン、Iターンが現実的な選択肢になりつつある昨今だが、
とはいえ地方で仕事を見つけ、
環境との折り合いをつけるのはまだまだ簡単なことではない。

その点、会社に籍を残したまま郡上に身を移し、
〈Deep Japan Lab〉という一般社団法人を運営する傍ら、
共同体〈郡上カンパニー〉の活動を展開する岡野さんのケースはユニークな事例といえる。

郡上八幡のまちなかを横断する吉田川。

郡上八幡のまちなかを横断する吉田川。

「郡上に移住するきっかけのひとつは、
入社2年目に、ハードワークで体を壊しことだった気がします。
まだ労働時間に寛容な時代だったこともあり、
とにかく体力に任せて毎日深夜まで働き続けていたのですが、
そのうち自律神経を悪くしてしまって……。
あるときから体温が乱高下して、朝手が震えて起き上がることもできない状態になり、
ついにはドクターストップで休職することになったんです」

郡上八幡は水のまち。川や水路がたくさんある。

郡上八幡は水のまち。川や水路がたくさんある。

長期離脱を余儀なくされた岡野さんは、
しばし自身の不調と向き合いながら、再起の道を模索する。
そんななか、貴重なヒントを与えてくれたのは、名のある歌人でもある祖父だった。

「祖父は94歳になりますが、今でも自分のクリエイティビティを守るために、
山を歩く時間や長く風呂に浸かる時間をすごく大切にしている人なんです。
その姿を見ているうちに、
そういえば僕が尊敬する企業家やクリエイターはみんな、自分をいったん“空っぽ”にし、
リセットする型を持っている人が多いということに気がつきました。
自分の中に新たな何かが生まれる隙間を、意図的につくっているわけです」

そう思い至ったとき、原因は環境にあるのではなく、
自分をうまくリセットする術を持たない己の責任なのだと気づかされたという岡野さん。
では、自分にとってリセットの型は何か?

〈郡上カンパニー〉の岡野春樹さん。

〈郡上カンパニー〉の岡野春樹さん。

「この時期は、ジョギングをしてみたり瞑想してみたり、
本当にいろんなことを試していました。そんななかでたどりついたのが“水”でした。
僕は、プールでも銭湯でも水にふれていると妙に心が落ち着くし、
未来志向で物事を考えられることに気がついたんです」

そこで本格的にTI理論という長くゆっくり泳ぐ泳法をプロのコーチから教わり、
プール通いを始めたところ、岡野さんの心身はみるみる快復。
3か月強の休職期間を終えて、職場復帰を果たすことになった。