秩父の森に自生する、薬になる木
秩父でメープルのことに関わるようになって、驚いたことがたくさんあります。
なかでもびっくりしたのが、まだまだ森にはたくさんの資源が眠っているということ。
今回はちちぶメープルプロジェクト番外編として、
メープル以外で取り組まれている新しい森の恵みについてお伝えしたいと思います。
皆さんは“キハダ”という木について聞いたことがありますか?
私は最初に名前を聞いたときに、キハダマグロしか思い浮かびませんでした(苦笑)。
そんな知名度はいまいちなキハダですが、木の内皮が黄檗(おうばく)といい、
ベルベリンという、強い抗菌作用を持つアルカロイドの一種の
薬効成分が含まれている薬木です。その内皮は鮮やかな黄色で、
「良薬口に苦し」の語源になってとも言われており、罰ゲームで使えるくらい苦いです!

キハダの内皮を剥いでいる様子。本当に鮮やかな黄色にびっくり!
古くから医薬品の百草、陀羅尼助(だらにすけ)などの主成分として
健胃整腸剤に使われていたり、鮮やかな黄色を生かして
染料にも使用されていたそうです。
しかし、昔から人間の暮らしの身近にあったキハダも、
いま日本で流通しているほとんどが中国産になってしまっていました。
このキハダが秩父で注目されたきっかけは、カエデの調査に入った山で
たくさんのキハダが自生していることに気づいたからだったそうです。
秩父樹液生産協同組合とNPOのメンバーは、キハダの調査をしていくなかで、
カエデとキハダの生育環境が似ていることを発見し、
何か製品化できないかと考えるようになりました。

全身真黄色になりながら、キハダを加工用に粉砕中。
調査では、日本薬科大学に秩父のキハダの成分分析を協力してもらいました。
漢方薬と聞くと中国のイメージが強いですが、
まさかこんな身近に薬木があるということにとてもびっくり!
そして秩父のキハダには、中国産よりも、ベルベリンや、
柑橘系の独特な苦味成分リモノイドが多く含まれており、
秩父産キハダの可能性を感じました。

分析に協力してくれている日本薬科大学の高野文英准教授。地元の中学生にも秩父の森のすばらしさを薬学の視点から伝えてくれています。
ただ、キハダ製品化プロジェクトの問題点がひとつ。
キハダには薬効成分が含まれているので、
薬事法の関係でそのままでは商品化できないのです。
そんな壁にぶち当たっても、簡単には諦めないのが
さまざまな分野のエキスパートが結集したプロジェクトメンバー。
なんと、キハダの苦味を添加物として使用することで、
キハダのドリンクの発売許可を得ることができました!

キハダサイダー試飲会の様子、苦いサイダーなんてありそうでなかった!? カボス味なので苦くておいしい。
現在は、キハダの抗菌作用を生かした化粧品などの開発が進行中です。
























































































