播州織を受け継ぎ、 新しいものづくりをする 〈hatsutoki〉

播州織メーカーがつくるオリジナルブランド

播州織の産地として知られる兵庫県西脇市。
四方を山に囲まれ、加古川と杉原川と野間川という3本の川が流れる美しいまちだ。
ここで、産地ならではの新しい服づくりをするブランドが〈hatsutoki(ハツトキ)〉。

播州織は綿糸を染めてから織り上げられる、いわゆる先染め織物で、格子柄が特徴的。
紳士シャツで栄えた産地だが、hatsutokiでは女性向けの繊細な服をつくろうと、
生地を開発。ごく細い糸で織り上げられ、触れると綿とは思えないような
繊細で独特の風合いの生地に、思わずはっとする。

hatsutokiを手がけるのは、小野圭耶(かや)さんと村田裕樹さん。
服のデザインをする村田さんは「西脇は水が豊かな土地。
その水を使って糸を染めることから繊維の産地となっています。
水の循環から服が生まれるということをかたちにできたら」と話す。
村田さんのデザインを生地に落とし込むのが小野さん。
小野さんは西脇出身、村田さんは東京出身だ。

村田裕樹さん(左)と小野圭耶さん(右)。小野さんは西脇出身で、服飾の専門学校卒業後、地元に戻り島田製織に就職。村田さんは東京出身で、大学卒業後、ブランドのアシスタントなどを経て4年前に西脇に移住した。

北播磨地区の4市1町(西脇、加東、加西、丹波、多可町)で先染め織物として織り上げられたものを播州織と呼ぶ。播州織は格子柄が特徴的で、hatsutokiの服にもチェックやストライプの柄がよく見られる。パネルオーバードレス 26000円(税別)

hatsutokiは〈島田製織〉という80年以上の歴史を持つ播州織のメーカー内に誕生した。
もともと播州織は、糸を染める染色、タテ糸をつくる整径、布を織る製織など
すべてが分業制。島田製織はアパレルなどの依頼に応じて、
工場や職人たちとさまざまな生地をつくって販売してきた。
だが海外など安い産地に仕事が流れていくなか、これからは受注生産だけでなく、
自分たちで企画開発してつくった生地を提案していくことも必要だと、
新しい取り組みがスタートした。

もともと島田製織に勤めていた小野さんは
「有名なブランドで西脇の生地を使っていても、西脇という産地名は出ません。
直接、消費者に西脇をアピールするという意味でも、
自社ブランドをやったほうがいいと思いました。
いままでは生地をつくるだけでしたが、それをどういう服に仕上げて
どういう人に着てもらうか、そこまでを大事にしたい」と話す。
そんなとき、特に人材を募集していたわけではなかったが、
村田さんが自らデザインをやらせてほしいと社長に直訴し、東京から移住して入社。
こうして西脇ではほとんど見られなかった社内ブランドが立ち上がった。

hatsutokiというブランド名には、「初めてほどく」という意味があると、小野さんが教えてくれた。時間をかけてできあがってきた反物の生地を、初めてほどいた瞬間、初めて触れるその感動を、お客さんにも受け取ってもらいたいという思いが込められている。

DIYの聖地!? 日本唯一の大工道具の博物館 〈竹中大工道具館〉

1000点の道具や原寸大の建築模型を展示

新幹線が発着する新神戸駅から歩いて行ける閑静な場所に、
ちょっと変わったミュージアムがあるのをご存じですか? 
それが日本で唯一、大工道具の専門博物館である〈竹中大工道具館〉です。
こちらは手道具としての大工道具を収集、保存、研究、展示している博物館で、
日本の木造建築を支えてきた工匠の技と心を後世に伝えることを目的に設立されました。

豊かな自然が溢れる竹中大工道具館。大工道具を専門として展示しているのは、日本でココだけ。

2014年10月の大幅なリニューアルに伴い、自然あふれる現在の場所に移転。
これまで集めてきた約3万点の中から約1000点の道具を選び抜き、
大工道具の歴史や種類だけでなく、
「棟梁に学ぶ」などのテーマに分かれた7つのコーナーで、
道具との出会いを演出してくれています。
木造建築の歴史を大工道具と一緒に紐解くコーナーや、
まだまだ日本に残る手仕事の伝統美など、
展示はとにかく見どころがたくさんあるのですが、
7メートル以上の高さを誇る原寸大の唐招提寺金堂(とうしょうだいじこんどう)や、
丁寧で繊細な数寄屋造りを見ることができるスケルトン茶室など、
個性的な展示は特に注目です。

重要文化財である、大徳寺玉林院蓑庵がモデルとなった、スケルトン茶室。その細やかな造りに感動。

木の香りをかいだり、実際に触れることができるハンズオン展示も、
見どころのひとつ。近年日本ではDIYブームも起きていますから、
ここを訪れてさまざまな展示にふれれば、新たなインスピレーションだって、
泉のように湧いてくるかも知れません。
館内では、大工道具に親しんでほしいという思いから新設された木工室で、
大工による実演や工作など体験型のイベントなどを
定期的に開催している点も気になるところ。

こちらの木工室では、ノコギリやカンナを実際に使用して工作するワークショップなど多数開催しています(詳細はHPにて)。

なんでも便利になった現代ですが、ものづくりの心を大切にしている大工道具館で、
後世に伝えたい手仕事のすばらしさを体感してみてはいかがでしょう。

1階ロビーの天井は天然の無垢材を使った伝統の舟底天井。ロビーは構造技術を生かし、内部に柱のない空間を実現。

information

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竹中大工道具館

住所:兵庫県神戸市中央区熊内町7-5-1

TEL:078-242-0216

営業時間:9:30~16:30(入館は16:00まで)

定休日:月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月29日~1月3日)

http://dougukan.jp

港町の華やかなホテル 〈ホテル ラ・スイート 神戸ハーバーランド〉

ドンペリ開栓数は関西有数!

多様な人が集まる華やかなまちでは、折に触れてさまざまなパーティーが催されます。
国際都市であり、海と山に挟まれた風光明媚な神戸でも、もちろんそう。
例えば北野に暮らす人たちは、家族や仲間を集めて
ホームパーティーを開催するのがライフスタイルのひとつにもなっていますし、
神戸市内にあるホテルでも、大小さまざまなパーティーが開催されているようです。
神戸は人がつながるまちでもありますから、
自然とパーティーの文化も定着したのでしょうか。

〈ホテル ラ・スイート神戸ハーバーランド〉は、神戸ハーバーランドのウォーターフロントにあるホテル。客室からの眺めも最高です。

ホテルと言えば、神戸のウォーターフロント、
ハーバーランドにある〈ホテル ラ・スイート神戸ハーバーランド〉は、
そんな神戸のパーティーライフを物語るようなホテルです。
なんといっても「ドン・ペリニヨンの開栓数が関西有数」なのですから。

ホテルでは、ラグジュアリーなシーンがホテルのそこかしこにあるので、パーティーでも宿泊でも、ドン・ペリニヨンが欠かせません。

『ミシュランガイド兵庫2016特別版』で神戸地区最高評価となる
“最上級の快適さ”を6年連続で獲得しているこちらのホテル、
料理のおいしさ、そしてオーシャンビューという最高のロケーションもあり、
ラグジュアリーなパーティーが多いとか。
ラグジュアリーな空間で過ごす極上の時間には、
シャンパンの王様と評されるドン・ペリニヨンがやはり似合うのです。
もちろんパーティーだけではなく、南フランスを思わせる客室で過ごす夜にも、
シャンパンがあるとステキですよね。

先ほどもちらりとふれましたが、〈ホテル ラ・スイート神戸ハーバーランド〉は、
料理でも人気のホテルです。
兵庫県産を中心にそろえたこだわりの食材を和洋のシェフが至福の味に仕上げた料理。
神戸らしいロケーションで神戸ならではの食材を堪能できる料理、
想像しただけでも、うっとりしてしまいます。
その席に、ドン・ペリニヨンもあると、きっと記憶に残る時間が過ごせそうです。

information

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ホテル ラ・スイート神戸ハーバーランド

住所:兵庫県神戸市中央区波止場町7-2

TEL:078-371-1111

宿泊料金:2名1室、1名12000円~

https://www.l-s.jp/

100年前から揚げています。 神戸のおやつの新定番? 〈幸神堂〉のフライ饅頭

世代を超えて愛される神戸の名物和菓子

明石海峡大橋が間近に迫る西舞子は、
穏やかな波の音とのんびりとした時間が流れるまち。
そんなのどかな通り沿い、舞子小学校の目の前にある〈幸神堂〉は、
50年以上続く和菓子の老舗です。
今日もここには子どもたちの元気な笑い声が響き、
地元の人たちが幸神堂の名物である〈フライ饅頭〉を求めて訪れます。

自家製のふっくらカステラや季節の上生菓子など、多彩なお菓子が店内に並びます。モチモチ生地にチョコを包んだチョコ餅も評判です。

先代が修業していた和菓子店で100年近く前から扱っていたというフライ饅頭は、
砂糖とメリケン粉を混ぜただけのシンプルな生地に、
あっさりとしたこしあんを包んだ飾り気のない味。
2代目へと受け継がれたいまでもずっと変わらない素朴さは、
世代を超えて愛されています。

生地にあんこを包む2代目の橋本義幸さん。親指を押しながら、手のひらで包む。わずか10秒の職人さんの早業です。

幸神堂のフライ饅頭のこだわりは、卵など動物性の食材を一切使用しないこと。
植物性の油を使って揚げるためヘルシーに
カリッと香ばしい仕上がりになるのが特徴です。
さっくりとした食感の生地に、甘さ控えめのこしあんがぎっしりで、
ひと口味わうと、なんとも懐かしい味わいが口いっぱいに広がります。
毎日朝と午後の2回に分けてつくりたてを販売しているのですが、
なんと毎日100個近くつくるものの、あっと言う間に売り切れてしまうほどの人気ぶり。

こんがりきつね色になるまで、丸めた生地を180℃の油で2~3分揚げていきます。揚げたての香ばしい香りが漂ってきます。

神戸といえば洋菓子のイメージが強いかもしれませんが、
まち並みのそこかしこに、小さな和菓子店がいくつもあります。
それらのなかには、幸神堂さんのように子どもからおじいちゃん、おばあちゃんまで
幅広く愛され続けるフライ饅頭が店頭に並んでいる店もあります。
散策途中のおやつに、そしておみやげに。
神戸のフライ饅頭を覚えておいてくださいね。
1個100円という価格も、なんだかうれしくなります。
もちろん揚げたてがおいしいのですが、
冷めてからしっとりとなった饅頭をいただくのも、なかなかに美味ですよ。

店舗の2軒隣には、イートインスペースも。子どもたちが勉強したり、お母さんたちがお茶したりと地元の方々の憩いの場となっています。

information

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御菓子司 幸神堂

住所:兵庫県神戸市垂水区西舞子2-14-8

TEL:078-782-6302

営業時間:8:30~18:30

定休日:火曜

http://koushindou.ojaru.jp/

ちちぶメープルプロジェクト vol.5 採れたての樹液を味わう 和メープルエコツアーレポート

秩父の森に触れてもらうエコツアー

樹液シーズン真っただ中の1か月間に、NPOや秩父樹液生産協同組合の協力を得て、
樹液採取の現場を訪れるエコツアーを企画しました。
コロカルニュースでも取り上げていただき、
平日2日間を含む全6日間の日程はほぼ定員が埋まり、
延べ120名以上の方に参加していただきました。

今年もたくさんの方がエコツアーに参加してくれました。

私が、このエコツアーの企画に力を入れているのには大きな理由があります。
もともと、自然や森に縁のない生活を送っていた私が、
一大決心をして秩父にUターンすることを決めた最初のきっかけが、
NPOが企画した森林観察会に参加したことだったからです。

このときの私は、秩父にUターンするなんて微塵にも考えていませんでした……。

木や山に関してまったく知識がない私に、
NPOのメンバーたちは丁寧に教えてくれました。
秩父の豊かな自然だけではなく、そこに関わる人たちにも感動したのでした。
だからこそ、知識のない人にも、NPOの活動や秩父の森に興味を持ってもらいたい、
私があのとき感じた感動をほかの人も感じてくれるのでは? と思ったのです。

カエデの森を散策する

和メープルエコツアーでガイドを務めるのが、以前のコラムにも登場した
秩父のカエデの仕掛け人、島崎武重郎さんです。
島崎さんの幅広く深い知識と、経験から語られる内容、
そして巧みな話術に、参加者たちは大変興味深そうに聞き入っていました。
何を隠そう、私自身が島崎さんのトークで
すっかりこの活動にのめりこんでしまったのです(笑)。

「このツアーで“春”を感じてほしい」と島崎さん。カエデの木は、いち早く春を感じて樹液を出すのです。

今回、ツアーで訪れたカエデの森は、
ほとんどの樹液を採取している大滝の槌打というエリアにあります。
森にはカエデだけではなく、栗や朴の木など
たくさんの広葉樹がある植生豊かな天然林です。
エコツアーの日にちによって、雪が残っていたり、
寒すぎて樹液が滴り落ちるのを見られなかったりしましたが、
皆さん樹液の出るメカニズムや採り方について、熱心に話を聞いていました。
そして、木ごとに味が違うという話を聞いて、
何種類かの木の樹液の味を確認している方も!

樹液がポタポタと出てくる様子に、参加者たちは大興奮!

そして、森の中で冷えた体を温めるべく、お楽しみのティータイム!
まずは採れたての樹液を味わいます。
そして、島崎さんが最初に感動したという、
カエデの樹液だけで淹れた紅茶が提供されます。
自然の甘さと温かさが染み入ります。
暖をとるために用意した焚き火で焼く焼きマシュマロは、
子どもだけでなく大人にも大人気でした。

アウトドアといえば、焼きマシュマロ!? 焚き火で焼いたマシュマロとメープルの相性は抜群。

神戸を巡る楽しみがひとつ増える。 〈神戸市内遊覧フルオープンバス〉 誕生!

神戸の風を感じられるルーフトップバス

神戸を訪れ、北野や旧居留地、元町などを楽しむときによく利用されているのがバス。
北野から旧居留地までの間はさほど距離がないと言っても、
やはり坂のあるまちですから、歩くよりはバスで巡る、
というのが神戸観光の定番スタイルのひとつです。
そこにこの春、新たな楽しみが加わります。
それが、風を切りながら神戸のまちを走る〈神戸市内遊覧フルオープンバス〉。

2016年の4月下旬頃に運行開始予定のこのバスの醍醐味は、
天井がないオープントップタイプだということ。
実は神戸、海からの風と山からの風という、
ふたつの風がひとつのまちで感じられるのも魅力なんです。
そんな風をめいっぱい感じる開放感溢れる車内では、
天井がないために空との距離がグッと近く感じられ、
心地よさを倍増させてくれるのではないでしょうか。
もちろん車内から見える神戸のダイナミックな景色も、
神戸の旅を一段と特別なものにしてくれそうです。

黄色、緑、青、赤でカラフルに装飾された車内。華やかなシートに座るだけで、これから始まるバスの旅に一層期待も膨らみますね。

ちょっと運行ルートをたどってみましょう。
旅の始まりは、三宮のバスターミナルから。
JR三ノ宮駅よりまっすぐ海側に伸びるフラワーロードへまず向かいます。
四季折々の花々に彩られた美しい通りで、神戸の洗練を感じましょう。
次に訪れる旧居留地では、イギリス人の土木技師によってつくられた、
ヨーロッパさながらのオシャレなまち並みを満喫。
あとでショッピングに立ち寄るために、
気になるピーエム伊勢の場所もチェックしておきましょうね。
レトロなまち並みを過ぎたら、ポートタワーがそびえ立つメリケンパークや
ハーバーランドでシーサイドの開放感に浸って。
南京町では空腹に訴えかけるおいしそうな匂いに誘われますが、バスは北へ向かいます。
その先には、まるで西洋のお城のような異人館! 
瀟洒な建物が並ぶまち並みを抜け、新生田川を越えて
三宮バスターミナルへ戻れば、ショートトリップは終了。

まちのよさも風の心地よさも満喫できてしまうこのバスの旅。
自然豊かで西洋と東洋の文化が混ざり合った神戸の魅力をたくさん教えてくれそうです。

40人乗りの大型バス。バスの後ろ部分には、神戸のシンボルでもあるポートタワーやモザイクの大観覧車など、神戸らしいモチーフが描かれています。

information

神戸市内遊覧フルオープンバス

問い合わせ:大阪バス 050-3802-0800

*運行時間、料金等に関してはお問い合わせください

http://www.osakabus.jp/route/kobeyuran.html

神戸の色を文にする 〈ナガサワ文具センター〉の 神戸INK物語

神戸の風景を表現したオリジナルインク

このまちを訪れた人がよく口にするのは
「神戸の風景は忘れられないほど印象的」ということ。
もちろんこれは、神戸の人の自慢でもあります。
単に美しいまち並みがある、というのではなく、印象的に思えるのは、
「神戸の風景には色がある」からではないでしょうか。
例えばポートタワーの目の冴えるような赤、
神戸港のどこまでも続く蒼、六甲山の深い緑……。

万年筆で知られる〈ナガサワ文具センター〉のオリジナルインク
〈KobeINK物語〉は、神戸の美しい風景を色鮮やかに表現してくれている
「神戸が感じられる文具」です。
2007年に第一段として発表された“六甲グリーン”を皮切りに、
現在は54色で神戸の風物がインクとしてラインナップしていて、
いまやナガサワ文具センターのロングセラー商品。

煉瓦倉庫店がオープンした記念として、赤レンガの美しさを表現した“神戸レンガ”色のインクも登場。レンガのあたたかみ溢れる赤の色合いがキレイ。

〈KobeINK物語〉が開発されたきっかけは、阪神大震災にありました。
大好きな神戸のキレイなまち並みが見られなくなったことに
悲しみを覚えた開発担当者が、色でまちの美しさを表現して
発信しようと考えたのが始まり。

先述したように、神戸を表す色はたくさんあります。
そのなかでもインクの人気色は青系と緑系だそう。
神戸と言えば海と山に囲まれたまちのイメージが強いからかでしょうか。
シリーズ一番人気の“北野坂ナイトブルー“は、紙に落とすと黒に限りなく近く、
時間が経つにつれ、深みある蒼が濃く現れます。
それはまるで異人館からあふれるあたたかい灯りと、
夜がふけ始めた空の青さが混じり合った北野坂の光景が思い浮かぶよう。

〈KobeINK物語〉とセットで好評なのが、インクにペン先を直接浸して書いていく、ガラスペン(5940円~)なのだとか。

こんな神戸の色で、神戸の思い出を書き、
神戸のまちから手紙を出せば、本当にステキだと思いませんか?
文を綴りながら神戸のまちを思い描く、そして書く時間さえ愛おしくなる。
そんな文具があれば、神戸といつもつながっている感じがしますね。

2012年12月にオープンした、ハーバーランドにある煉瓦倉庫店。緑のドアと赤いレンガが印象的な店舗です。

information

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NAGASAWA 
神戸煉瓦倉庫店

住所:兵庫県神戸市中央区東川崎町1-5-5 ハーバーランド煉瓦倉庫南棟

TEL:078-371-8130

営業時間:11:00~20:00

定休日:不定休

https://kobe-nagasawa.co.jp/

野草を活用して甲州市に移住。 〈摘み草のお店 つちころび〉 鶴岡舞子さん

農家を目指して甲州市に移住

山梨県甲州市。塩山駅から山手方面に向けてグングンと北上した
見晴らしのいい斜面の一角に、木造の小さな小屋〈摘み草のお店 つちころび〉はある。
野草の活用や“摘み草”の実践をコンセプトとするこの店では、
手摘みの野草を使った商品の販売や、〈摘み草実践スクール〉、
料理教室や各種イベントも開催している。
最近では、東京のフランス料理店〈レフェルヴェソンス〉の生江史伸さんなど、
第一線で活躍する一流シェフに食材として卸してもいるそうだ。

営むのは、生まれ育った東京からこの地に移住した鶴岡舞子さん。
屈託のない笑顔で周囲を明るい雰囲気に包む空気感を持った女性だ。

山梨県北東部に位置する甲州市。武田信玄ゆかりの地であり、神社仏閣が多く歴史が感じられるまち。都心から車や電車で1時間半ほどで着く。(写真提供:甲州市)

甲州市は甲州種をはじめとするブドウの一大産地。ブドウづくりには1300年の歴史があるという。(写真提供:甲州市)

鶴岡さんが甲州市に最初に移住したのは、2006年。
就農を目指してのことだった。東京で中高一貫の女子校に通い、
日本列島総不況といわれた時代を15歳で迎えた鶴岡さんは、将来を鋭く見据えていた。

「東京は何をするにもお金が必要で、
大人たちがお金に対して不信感を抱き始めている時代に、
私はどういう大人になったらいいのかと考えたんです。
毎日満員電車で通学しながら、ここ東京で未来をつくりたくないとも思いました」

そして「食べることには苦労をしたくない」という思いに至り、
「お金に左右されないで食べ物に安心を得て生きていける道」として
農家になることを決意。高校卒業後は東京農業大学に入学した。

大学卒業後は、甲州市の野外教育施設への就職を経て、
やはり農業の世界をしっかりと知りたいという気持ちから農業生産法人に再就職。
サクランボ、モモ、ブドウの果樹栽培において一連の勉強をした。

しかし、苗木が育って収穫できるようになるまでに数年かかる果樹栽培には
潤沢な資金が必要。野菜よりも収益単価が高いものの、
農家として新規参入が難しい分野だ。
独立するためには資金的にも体力的にも大きな壁があり、農家への道を断念し、
一時帰京した。そんなときに浮上したのが〈地域おこし協力隊〉の話だった。

鶴岡さん特製のナズナ(ぺんぺん草)のお茶。塩を入れるとスープとしても使えるそうだ。

英国王室御用達! H.R.ヒギンスの紅茶を味わう 〈BASK神戸〉

イギリスの紅茶文化が根づく神戸

「神戸の朝は紅茶から始まる」
そう評されるほど、神戸の暮らしに紅茶は欠かせません。
よく知られている話ですが、神戸は紅茶の消費量が日本一。
総務省統計局による「家計調査結果」によると、
2012年~14年の平均で、神戸市はひとり当たりの紅茶の消費量が459グラム。
全国平均は233グラムですから、倍近い量を神戸の人は消費していることになります。
スイーツ(洋生菓子)の消費量も神戸市が日本一ですから、
そこにもどうやら、深~い関係がありそうですね。

港町である神戸は、明治の開国からイギリスとの貿易が日本で最も盛んだったため、
1日に何杯も紅茶を嗜むイギリスの文化が浸透したのだとか。
喫茶店のまちとも言われた神戸では、そんな時代背景からか、
おいしい紅茶をいただけるお店も少なくありません。
そして、そんなまちで暮らしているからこそ、おいしい紅茶を買って帰る習慣も、
暮らしのなかにしっかり息づいています。

そんな神戸の人に愛されているのは、英国王室御用達の
コーヒー・紅茶ブランド〈H.R.ヒギンス〉の紅茶。
元町のトアロードにある〈BASK神戸〉は、
2000年から日本で初めてH.R.ヒギンスの紅茶を扱っているお店。
イギリスで認められた高級な味わいがすぐそばにある、これも神戸の暮らし。

〈BASK神戸 H.R.ヒギンス神戸店〉。現在はオフィス兼店舗として、元町のトアロードにあるビルの一室で販売しています。

ちなみにBASK神戸では、40種以上の紅茶と
ショーケースに飾られた美しいティーセットが出迎えてくれ、
気になるフレーバーをテイスティングすることもできるんですよ。

テイスティング用の紅茶を淹れてくれている、スタッフの藤原志保子さん。

「マロウとマリーゴールドの花にグレープフルーツを香りづけた
人気のフレーバー〈ブルーレディ〉は香り高くすっきりとした味わいなんです」
とスタッフの藤原志保子さんが茶葉にお湯を注いでくれると、
色鮮やかな花々が開き、甘く透き通った柑橘系の香りが店内いっぱいに広がりました。

ブルーレディは、渋みやえぐみがまったくない澄み切った爽やかな味わいで、とっても飲みやすいのが人気の秘密。

白く輝くH.R.ヒギンス限定のティーカップに注いでもらえば、
店頭での試飲が優雅なティータイムに早変わり。
イギリスで愛されるクリアで上品な味わいは、神戸にもお似合いです。

〈ブルーレディ〉24g 1080円(右)、80g 2376円(左)。欧米では結婚式に、何かひとつ青いものを身につければ幸せになれる、との言い伝えが。ブルーマロウの花が青く美しいことから、結婚式ギフトなどにも人気です。

information

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BASK神戸 H.R.ヒギンス神戸店

住所:兵庫県神戸市中央区北長狭通2-6-2 トアロード華蘭ビル602

TEL:078-335-5633

営業時間:10:00~15:30、土日祝 11:00~16:00

定休日:木曜

http://www.bask-kobe.com/

地元の人々をハッピーな気持ちに。 画家MAYA MAXXの ふたつの子どもワークショップ

MAYA MAXXを北海道に呼びたい! 2年越しの思い

北海道に移住して4年半のあいだに、
多くの友人たちが岩見沢へと遊びに来てくれている。
わたしの本業である編集の仕事のつながりから、
アーティストやデザイナー、カメラマンなどクリエイティブな職業の面々が多い。
ただ冬になると友人たちの足が遠のくのだが、そんななか、雪におおわれた岩見沢に、
はるばる京都からやってきてくれたのがMAYA MAXXだった。

MAYA MAXXは1993年からこの名前で活動を始め、
2008年からは活動の拠点を東京から京都へ移し、
〈何必館・京都現代美術館〉で毎年のように個展の開催を続けている画家だ。
また、『らっこちゃん』や『ちゅっちゅっ』などの絵本の刊行でも知られている。

MAYA MAXXと出会ったのは、わたしが編集長を務めていた
絵とものづくりの雑誌『みづゑ』の新装刊第1号で、
表紙絵を提供してもらったことがきっかけだ。
以後、15年ほどのつき合いになり、わたしの人生に重要な局面が訪れるたびに
指針となるようなアドバイスをしてくれた。

実は、いま計画中のエコビレッジづくりについても、
MAYA MAXXが2年ほど前に語った言葉がすべての始まりとなっている。
北海道に自分がいる意味とは何か、そんな話をしていたときに、
「みっちゃん、北海道にエコビレッジをつくったらいいんじゃないの?」
とMAYA MAXXが提案してくれたことがあった。
なぜエコビレッジなのか、MAYA MAXXはこのとき多くを語らなかったけれど、
わたしの中にはパッと先が開けるような感覚があった。

にわかには信じられないかもしれないが、MAYA MAXXには未来を見通す力、
あるいは未来を切り拓く力のようなものが宿っているように思う。
以前に〈キミのコトバを描いてみようか?〉というプロジェクトでは、
若者の悩みや不安を聞きながら絵を描き、
彼ら彼女らが自ら一歩を踏み出す力を与えてきたこともある。
また、こうしたプロジェクト以外にも、MAYA MAXXに出会ったことで
自分の進むべき道を見つけたという人は数えきれないほど存在する。
わたしもMAYA MAXXの言葉によって、背中を押されることになったひとりなのだ。

MAYA MAXX《未来はもう来ている》2014
何必館・京都現代美術館で開催された『文字と形象』展出品作より

北海道でエコビレッジをつくるという目標をくれたMAYA MAXXには、
いずれ岩見沢に来てもらいたいと思っていた。
また地元の人たちに、MAYA MAXXというすばらしい画家がいることを
知ってもらいたいという気持ちもあり、ここ2年ほど
ワークショップやトーク開催の可能性を探っていた。
岩見沢の知人たちにMAYA MAXXを呼べる機会はないだろうかと、
ことあるごとにたずねていたところ、あるとき地元の北海道教育大学岩見沢校で
年に2回開催されるイベント〈あそびプロジェクト〉のゲストとして
招待してはどうかという話が持ち上がった。

このイベントは、大学と地域が一体となり、音楽や芸術、スポーツ活動の原点である
“あそび”をテーマにした学べる場をつくろうというもので、
開催日には多数の体験コーナーやワークショップなどが開催される。
あそびプロジェクトの関係者の方と話を進めるなかで、
ゲストを招いて開催される〈ピックアッププログラム〉で
MAYA MAXXを迎え入れることが決まった。
こうして、あそびプロジェクトが開催される2月20日、
MAYA MAXXが岩見沢にやってくることになったのだ。

北海道教育大学岩見沢校で開催された〈あそびプロジェクト〉のプログラムのひとつとして、MAYA MAXXの子どものためのワークショップ〈思いっきり、絵を描こう!〉が開催された。5〜11歳の20人の子どもたちが集まった。

フォトグラファーの店主が まちへの思いを天ぷらで綴る 〈天ぷら・立ち呑み 國(こく)〉

神戸の風景写真を見ながら旬の食材を堪能

JR神戸駅から徒歩5分ほど。
湊川神社のほど近くに、青の外観が目を引く天ぷら屋があります。
といっても高級なイメージではなく、立ち呑みの気楽なスタイル。
開店するやいなや、常連と思われる女性ひとり客やサラリーマンのグループ、
カップルなどが次々とのれんをくぐっていく姿が見られます。
店主は、神戸の風景を切り取るのがライフワークでもある、
フォトグラファーの國米恒吉さん。幼なじみの和食料理人と
タッグを組んで、かねてより思い描いていた店を構えました。

お店の壁には、國米さんの作品も飾られています。

東山商店街で毎朝仕入れる新鮮な素材を使った天ぷらは、
独自のパリッとした衣から弾けるように広がる素材の旨みが印象深く感じられます。
海老入りのおまかせ4品から始まり、
明石蛸、豚角煮、半熟玉子、紅しょうがと、どんどん食べ進め……。

おまかせ4品は、やはりまず海老から。旬の素材はもちろん、無菌の芳寿豚など日替わりの天ぷらもそろい、卓上にある4種の塩との相性を探りながら口に運ぶのも楽しい。

主役の天ぷらだけではなく、ショーケースにはナムルや煮物が数種並び、
一品料理には神戸の地ソースが添えられるメニューまで。
立ち呑みとはいえ、2軒目としてさくっと立ち寄るよりも、
お腹いっぱい食事を楽しんでいく人が多いというのにも納得のラインナップです。

一品料理が充実しているのも、こちらの魅力です。

うれしいのは、奥にはテーブル席があり、5名以上なら3日前までの予約で
ゆったりとコース料理を堪能することもできること。
仕事帰りには立ち呑み、週末の集まりにはテーブルでと
使い分けられる勝手のよさなど、オープンからまだ1年そこそこというのに、
地元の人に愛されている理由がいくつもあるようです。
今日も地酒を片手にお客さんが堪能しているのは
神戸の食材と、そしてまちへの深い思いです。

天ぷらのみならず、パンのまち神戸とあって、土曜日にはご近所パン屋さんとのコラボサンドイッチまで登場する意外性がニクいですね。

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天ぷら・立ち呑み 國(こく)

住所:兵庫県神戸市中央区多聞通4-1-4

TEL:078-341-6426

営業時間:17:00~23:00(LO22:30)、土曜 16:00~22:00(LO 21:30)

定休日:日曜、祝日

明石海峡大橋のそばで味わう ビオワインレストラン 〈N’OCEAN〉〈Sante!〉

サンセットを眺めるレストランとカウンターの姉妹店

到着するやいなや、目の前に広がる明石海峡大橋の雄大さに目を奪われてしまう。
そんな海峡の潮風を体いっぱいに感じられるロケーションに、
かつてビオワインとスモーク料理を出す屋台がありました。
それを出発点に誕生したのが、同じグッドロケーションの
オーガニックレストラン〈N’OCEAN(ノーシャン)〉。
木の温もりを感じるナチュラルな内装で、大きくとられた窓から
明石海峡大橋が眺められるのがこの店の醍醐味。
ディナーのオープンが、サンセットの30分前という設定も
なかなかにニクいところですね。

ここで楽しめるのは、ウォークインのセラーにストックするフランスのビオワインと、
明石浦漁港のせりで仕入れる魚介類を盛り込んだ数々の欧州料理。
おすすめメニューでもある鯛のアクアパッツァや
旬の魚介を贅沢に使ったパスタパエリアを誰かとシェアしながらのひとときは、
絶景も相まって最高の気分に浸れます。

初めて訪れてもくつろげる、温かみある空間で迎える夕暮れの瞬間は感動を覚えるほど。そんな〈N’OCEAN〉では、音楽に精通する辰畑さんセレクトのチルアウトが流れています。年に数回、イベントにかつての屋台で出店することもあるそうです。

そして、この余韻を引きずりつつ向かいたいのは、
徒歩10分ほどの住宅街にある姉妹店の〈Sante!〉。
飲食店のほとんどない通りにポツンと灯る
“ビオワイン”の文字が揺れるちょうちんについほっこりさせられます。

シェフがひとりで切り盛りする9席の小さなカウンターには
グラス500円からの価格が記されたビオワインの瓶がずらり。
日替わりのSanteプレートやアラカルト料理とともに、気取らず楽しみましょう。

3坪の小バコ感が居心地いい〈Sante!〉では、隠れ家でビオワインを楽しむような感覚に浸れます。

ビオワインと明石海峡大橋、ふたつのキーワードを覚えていえれば、
西舞子での夜はご機嫌そのものだと思いませんか?

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N’OCEAN 

住所:兵庫県神戸市垂水区狩口台7-15-40

TEL:078-783-0111

営業時間:11:30~15:00、サンセットの30分前~23:00(土日・祝日~24:00)

定休日:火曜

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Sante! 

住所:兵庫県神戸市垂水区西舞子3-1-28

営業時間:18:00~25:00

定休日:日曜

〈灘五郷〉の地酒を味わう、 御影市場の立ち呑み屋〈銀狐〉

地元のお酒と和洋の料理を楽しむ

御影市場〈旨水館〉の中にある立ち呑み屋〈銀狐(ぎんぎつね)〉。
〈灘五郷(なだごごう)〉とは、神戸市東灘区、灘区、西宮市を合わせた日本酒の郷。
「地元のお酒をもっと知ってほしい」と店を立ち上げた寺島信子さんが選んだのは、
灘五郷のなかでもさらに地元、御影郷・魚崎郷を中心とした酒蔵でした。

「灘五郷の酒は辛口だけどコクと旨みがあっておいしいんです」と寺島さん。
この地域の酒は「男酒」と呼ばれるどっしりとした味が特長だそうです。
日本酒は仕込みに時間をかけたものやスパークリングタイプまであり、
灘五郷の酒の奥深さをあれこれと楽しんでいたら、
あっという間に時間がたってしまいますね。
ちなみに季節によってはしぼりたての生酒や
8年寝かせて旨みを増した古酒などの秘蔵酒が、酒好きを唸らせているそうですよ。

まずは“生一本”の飲み比べから始めましょうか。

ところで。うまい酒にはおいしい料理がつきもの。
ここには、和食料理人とフレンチを得意とする洋食のシェフがいて、
鮮魚や旬の野菜などを使った料理を小気味よく出してくれます。
造りとおまかせ2品に酒がついた「寄り道ワンコインセット」で、
ぶらりと立ち寄って、ちょっと一杯を叶える男性客や、
昼網鮮魚の和洋食とともに“酒と料理のマリアージュ”を楽しむ
女性ひとり客が多いのもうなずけます。
楽しめる裾野の広さも懐の深さもとびきり、それが神戸のお酒なのです。

各酒蔵が手塩にかけて造り出す酒はどれも個性的。鯛と生ハムのカルパッチョ490円から「寄り道ワンコインセット」500円(平日16:30~18:00、日曜15:00~16:30限定)まで料理が豊富なのもうれしい。

〈銀狐〉という名は御影市場にあるお稲荷さんから。すぐ近所には神功皇后ゆかりの湧き水〈沢の井〉もあり、豊穣の神様と水の伝説に見守られながら今日も店は人で賑わいます。

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御影旨水館 立呑み処 
銀狐(ぎんぎつね)

住所:兵庫県神戸市東灘区御影本町4-12-17(御影市場 旨水館内)

TEL:078-855-7727

営業時間:16:30~23:30(LO 23:00)、日曜15:00~22:00(LO 21:30)

定休日:なし

小豆島のおいしいつながり 瀬戸内の食材を使ったごはん屋 〈セトノウチ 島メシ家〉

小豆島や瀬戸内の食材を使ったデリスタイルのごはん屋さん

ここ2、3年の間に、小豆島ではおいしいごはんを食べられるお店が
次々とオープンしています。
その新しくできたお店を訪ねてみようという
私の個人的な企画「小豆島のおいしいつながり」。
1回目は、小豆島の池田地区にある、海の見えるカフェ〈タコのまくら〉さんでした。
あれから早半年! わわっ(汗)。

というわけで今回は「小豆島のおいしいつながり」企画2回目です。
2016年2月27日にオープンしたばかりの〈セトノウチ 島メシ家〉さんを訪ねました。

島メシ家は、土庄町の“迷路のまち”というエリアにあります。
お店をつくられたのは、〈MeiPAM(メイパム)〉さん。
オリーブを使ったさまざまな商品を展開する地元の企業
〈小豆島ヘルシーランド〉が中心となって運営するアートプロジェクトチーム。
いままでもこのエリアにある古民家などを改修して、
ギャラリーやカフェを運営し、迷路のまちを盛り上げています。
今回は元庄屋さんの屋敷を新たに改修して、
ギャラリーとセトノウチをオープンされました。
そのセトノウチという施設の中に、ごはん屋〈島メシ家〉、
瀬戸内のおみやげ屋〈島モノ家〉、旅の案内屋〈島タビ家〉があります。

元庄屋さんの屋敷を改修。1階に〈島メシ家〉と〈島タビ家〉、2階にギャラリー〈MeiPAM5〉があります。

〈島モノ家〉のスタッフ、牧浦知子さん。彼女も含めたスタッフみんなで情報を集め、瀬戸内のおいしいもの、おもしろいものをセレクト。

小豆島のどこをめぐったらいいんだろう? に答えてくれる島タビ家。

島タビ家の中では、小豆島カメラが撮影した写真も展示されています。

島メシ家は小豆島や瀬戸内の食材を使ったデリ(お惣菜)スタイルのごはん屋さん。
日替わりのお惣菜から好きなもの3〜4種類のおかずを選ぶことができます。
それにいりこだしのお汁と小豆島・肥土山産のご飯がつきます。
このデリランチのほかにもいりこだしを使った素麺やカレーもあります。

日替わりで6品のお惣菜が用意されています。選ぶの迷う〜。

料理をつくってくれるのは藤田幸司さんと塩井真理子さん。

いりこのふりかけと小豆島のお塩〈御塩(ごえん)〉。こういうの何気にうれしい。

瀬戸内の旬魚を買う、味わう。 〈東山商店街〉で魚三昧

神戸の台所、神戸新鮮市場の古き良き商店街

おいしい魚が食べたい。そう思ったときに神戸で向かうのは、
鮮魚店が多く集まる〈東山商店街〉が正解です。
1日のなかで一番活気がある午後2時ごろは、
明石の昼網であがった鮮魚が続々と並び始める時間。
「うまい! とりたて昼網」の文字が踊る店先は、
むろん旬の鮮魚を求める人々ですでに大賑わいになっています。
「黒鯛は刺身がうまいよ」「タコの試食していって」など
活気にあふれる声が飛び交うなかを進むと、ワクワクしてきますね。

東山商店街は、神戸市営地下鉄〈湊川公園駅〉のすぐそばに広がる神戸の台所〈神戸新鮮市場〉のうちのひとつ。鮮魚店のほか、精肉店や豆腐店、青果店などが細い道の両脇にぎっしりと並んでいます。

商店街でのもうひとつの悦楽は、昼のみ味わえる海鮮丼です。
鮮魚店〈魚盛〉では、店内のイートインスペースで
エビや鯛、マグロ、ホタテ、サーモンなどの海鮮を
たっぷりのせた魚盛丼が味わえると評判です。
大ぶりのエビは舌の上でとろけるように甘く、
プリプリとした食感のホタテやマグロ、サーモンといった鮮魚は、
そのまったりとした旨み、歯ごたえがすし飯の酸味と口の中で一体に。
特別にオーダーされた米は、魚に合うように少しかために炊きあげて酢飯に。
醤油やみりん、ゴマ油などを合わせた特製タレも、
身のしまった鮮魚の旨みと弾力をより際立たせ、
活きのいい魚のおいしさを大胆に満喫できます。

またこの魚盛丼、魚ではなく“すし飯”がなくなれば終わりというのも、
ごはん処ではなく、魚処だからこそのこだわりです。

〈魚盛〉の魚盛丼はランチメニュー(11:00~14:00)。

旬の鮮魚を買う、味わう。その両方を楽しみながら、古き良き商店街をそぞろ歩き。
そういう和やかな1日を満喫できるのも、神戸が見せてくれるもうひとつの顔なのです。

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神戸新鮮市場 
東山商店街

贅沢にキャンプを楽しむ “グランピング”の聖地 淡路島〈FBI Awaji〉

日本屈指のグランピング・アイランド、淡路島で楽しむ滞在

“グランピング”という言葉がいま、情報に敏感な人たちの胸を騒がせています。
2015年くらいからテレビや雑誌で見聞きするグランピング、
グラマラスなキャンピングという意味のスタイルなのですが、
実は神戸では、真新しい言葉ではありません。

神戸に最も近いリゾートと呼ばれる淡路島の北西部、五色にある〈FBI Awaji〉は、
グランピングを楽しむ人=グランパーに“聖地”とされているフィールドです。
ここでは砂地、ビーチフロント、海を見下ろす高台と、
自然そのままに数タイプ用意された場所を選び、自由に楽しむのが流儀。
インテリアつきのテント、アーティスティックなロッジもあるので、
もちろん道具を持っていなくても、世界観が十分に満喫できます。

カフェ&バーにはソファ、ハンモックなど誰もが思い思いに、どれだけでも過ごせる場所が用意されています。限られた時間の中でも自在に楽しめる空間は、自然に抱かれた最上のリビングと言えます。

瀬戸内の穏やかさに身を委ねたいなら、レセプション併設のカフェ&バーで
最高のロケーションを眺めるデッキチェアに腰を下ろし、波の音を聞きましょう。
たったこれだけで、日常から一気に解放されるのです。
ゆるりとした時の流れで心身をリセットする、
淡路島の極上グランピングがここにはあります。

会話を楽しむなら、バーへ足を運べばOK。こんなスタイルを気どらずに楽しめるのも、グランピングの魅力です。

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FBI Awaji 

住所:兵庫県洲本市五色町鳥飼浦2359

TEL:0799-34-0900(2016年の営業は4月23日から)

www.fbi-camping.com

神戸インターナショナルを育てる 100年前から続く学校 〈カネディアン・アカデミィ〉

海を感じるインターナショナルスクール

神戸はよく国際都市だと言われます。
これ、古くから海外に開かれていたから、だけではありません。
1913(大正2)年という、およそ100年も前に
キリスト教宣教師の子弟教育のために設立されたのが、
学校法人〈カネディアン・アカデミィ〉。
当時外国人が多く暮らしていた神戸市灘区青谷で発足し、
1952年神戸市灘区長峰台に移転。
1990年に現在の六甲アイランドに校舎を移しました。
海上都市である六甲アイランドならでは、
海風を感じるロケーションが心地いい場所です。
六甲ライナーに乗って、車窓から山と海を感じながら神戸港を渡る通学路も、
神戸らしい爽やかさにあふれています。

長峰台にあったころのカネディアン・アカデミィ。

ここでは、世界30数か国から約600名の生徒が集まって、
国籍や宗教の枠を超え、お互いの文化的背景を尊重し合って学校生活を送っています。
まるで外国の文化を柔軟に受け入れながらまちの歴史が発展してきた、
神戸の風土そのままといった感じです。
小・中・高一貫校なので低学年と高学年の縦のつながりがあり、
コミュニケーションの幅が広がるところも魅力。
勉強だけではなく、スポーツ、ボランティア活動にもいい影響が生まれている様子。

海外の文化だけではなく、日本の季節ごとの行事にも触れられるのが魅力です。

親子3世代にわたって通う生徒もみられ、
卒業生にはカナダの大使や、オリンピック出場選手もいるそう。
このように、幼い頃からインターナショナルな感性を育む環境があるのも、
港町神戸の風土ならではではないでしょうか。

大劇場や蔵書が豊富な図書館、レコーディングスタジオ、人工芝の運動場など、学び舎として充実の施設を所有しています。

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カネディアン・アカデミィ

住所:兵庫県神戸市東灘区向洋町中4-1

http://www.canacad.ac.jp/

夜はきらめく夜景、 昼はノマド的に山を愉しむ 摩耶山〈掬星台(きくせいだい)〉

ロープウェーの山頂〈星の駅〉で過ごす1日

神戸で道をたずねると、海側、山側という言葉によく出くわします。
それほど自然は身近な存在で、しかも、豊かな自然が近くにあることは神戸の人の誇り。
なかでも摩耶山(まやさん)は六甲と共に特別な存在ではないでしょうか。

標高698.6メートル、山頂にある〈星の駅〉までは
摩耶ロープウェーで一気に上りましょう。
展望広場〈掬星台(きくせいだい)〉は、星空があまりにも美しく、
手を伸ばせばまるで星が掬えるようだ、と先人がロマンチックな名をつけた場所です。
現代ではまちのきらめきが多くの人をウットリさせ……。
と、摩耶山は函館・長崎とともに
日本三大夜景のひとつとされる夜景の名所なのですが、
最近は昼に訪れる人も増加中だそうですよ。しかも働きに。

星の駅2階のアウトドア用品店〈monte 702〉では、
WiFiやPC用電源タップにドリンクバーもつく「ノマドワーキングセット」があり、
これが人気なのです。

窓の外の景色が絶景!な〈monte702〉。〈星の駅〉の2階にあります。

ほかにも、掬星台で景色を眺めながら自分でお湯を沸かして
野点コーヒーを楽しむための「ソトカフェセット」や、
ごろごろと昼寝だってできる「ピクニックセット」など、
山を楽しむためのプラスアルファが存分にスタンバイ。
なんとハンモックの貸し出しまであるのですから、
仕事で疲れた頭をクールダウンさせる、息抜きモードの準備も万端です。

ノマド×神戸=摩耶山。
新鮮な山の空気を胸いっぱい吸い込みながら、
市街地から海まで一望できる絶景の中で仕事に打ち込めば、
アイデアも泉のように次から次へと湧き出てきそうですね。

摩耶山のロープウェーを日々使う神戸ネイティブがこっそり教えてくれたのは、山頂からの帰りに下りのロープウェー車内から見る、夜の神戸。まちの夜景がぐんぐんと迫る“下り”ならではの景色は何回見ても、本当にダイナミックなのだと。

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摩耶山

住所:兵庫県神戸市灘区摩耶山

http://www.mayasan.jp/

六甲山の間伐材が 神戸らしい家具&雑貨に 〈HASE65〉

六甲山の木に触れられるカフェ&ショップ

神戸の人なら、一度は登ったことがある六甲山は、
まちから出てすぐにハイキングができる身近な存在。
山であるがゆえに当然、木があり、ご多分に漏れず間伐が必要となります。
そんな六甲山の間伐材を活用したのが、
一枚板に鉄を組み合わせるだけでできるテーブルやスツール、
鯖江の職人の技術でつくるティンバーポット、
子どもが握りやすいサイズの木のたまごなど……。

手ざわりも気持ちいいウッドクラフト。

これらは、もともとドイツの木材メーカーの代理店で働いていた山崎正夫さんが
その経験を生かし、木の活用法を周知してもらうためのツールとして手がけたものです。
「六甲山は、もともと林業としての山ではないので、
建築用材として流通してこなかったんです。
しかし、そんな木を別の用途で使えるようにブランディングして、
山とまちをつなげられたら」と山崎さん。

表六甲の山林の手入れで発生する木材の活用法を考える、神戸市の〈もりの木プロジェクト〉に山崎さんも関わっています。

ひと口に六甲山と言っても、表六甲と裏六甲があります。
楠、樫、桜などの広葉樹が中心の表六甲は神戸市の管轄。
そしてヒノキや松の多い裏六甲は民間所有となり、
山崎さんは所有者と直接契約してプロジェクト単位で商品開発を進めています。

これまでもイベントなどで六甲山の木に触れられる機会をつくり出してきたのですが、
さらなる境地を求めて、この春に、誰もがふらりと立ち寄れる
カフェ併設のショップをオープンすることになりました。
それが自然派カフェ〈ミドリカフェ〉と組んで2016年3月20日から
王子公園に構える新拠点〈HASE65(ハーゼロコ)〉。
DIYパーツも扱う予定で、神戸らしい家具と雑貨がまちに広まっていく日も近そうです。
六甲山生まれの家具や雑貨がこれから、もっと身近な存在になりそうですね。

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HASE65 

住所:兵庫県神戸市灘区王子町1-4-1

TEL:0120-492-690

営業時間:11:00~18:00

定休日:水曜、不定休

中華だけじゃない中華街。 多文化がクロスする〈南京町〉

インド料理に和食、多国籍の食が広がるまち

明治元年に誕生した日本三大中華街のひとつ神戸〈南京町〉。
屋台や中華風の建物が並ぶリトルチャイナとして観光名所になっていますが、
路地に目を向けると、そこにはインド料理や和食店の看板がちらほら。
実はこのまち、中華料理だけを目的に訪れる場所ではないのです。

南京町はJR・阪神元町駅南側の東西約270メートル、南北約110メートルの商店街。

例えば南京町広場の北東角には、
昭和22年創業の老舗うなぎ店〈うなぎ横丁〉があります。
うなぎは背開きの江戸前。蒸しを入れ、甘さ控えめで
飽きのこないタレをつけては焼き上げるという2代目店主の熟練の妙技で、
創業以来の味を守っています。

2代目の細見進一さんが切り盛りする〈うなぎ横丁〉のうな重も、このまちの味として親しまれています。

また、本格カレーがカジュアルに味わえる
〈ALOK(アロック)〉も地元ではなじみの店。
チキンや野菜、魚介など30種以上のカレーを筆頭に多彩なインド料理が楽しめ、
さらにはネパール料理までそろうという幅の広さが愛される理由です。
タンドール窯で焼き上げた大きなナンは、ほんのり甘く、ふっくらむっちり。
本格カレーとともに気軽にほおばれる楽しみが待っています。

そんな多国籍なまちで、最も多く軒を連ねている中華料理店では
最近、中華カフェレストラン〈群愛茶餐廳(ぐんあいツァツァンティン〉が、
老舗店の復活と話題を集めています。
一から手づくりした数々の点心や魅惑の香港スタイルスイーツが
スタイリッシュな店内で楽しめるとあって、オープン以来注目の的です。

〈群愛茶餐廳〉の広東焼売(エビシュウマイ)と水晶蝦餃(エビ入蒸し餃子)は、アツアツ、ジューシーなおいしさがすでに評判です。

それにしても。この中華街のなかにいくつの文化が共存しているのでしょう。
古くから異文化を快く受け入れて来た神戸の懐の広さは、食でもしっかり感じられます。

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うなぎ横丁

住所:兵庫県神戸市中央区元町通1-6-17

TEL:078-331-0054

営業時間:11:00~21:30(LO 21:00)

定休日:日曜

http://www.geocities.co.jp/unagiyoko/

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ALOK 

住所:兵庫県神戸市中央区栄町通1-2-15

TEL:078-321-3044

営業時間:11:00~15:00、17:00~22:00

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群愛茶餐廳

住所:兵庫県神戸市中央区栄町通2-6-6

TEL:078-381-8675

営業時間:11:30~22:00(LO 21:00)

定休日:火曜

http://www.gunai-tea.com/

喫茶店のまち神戸の老舗。 〈エビアンコーヒー〉と ジャズ文化を支える〈JAVA〉

神戸の人々に愛されるふたつの老舗喫茶

神戸は昔から、「喫茶店のまち」と言われてきました。
まちにはたくさんの喫茶店があったのですが、なかでもかつて港町で働く船員たちが、
サイフォンで淹れるコーヒーを求めて訪れていたのが
元町の〈エビアンコーヒー〉と三宮の〈JAVA(ジャヴァ)〉。
ともに1950年代に創業し、現在は2代目が切り盛りしています。
ブレンドコーヒーの香り漂う店の中は、まるで時間がとまっているかのよう。
まだコーヒーの珍しかった当時から、ブレンドコーヒーの風味しかり、
調度品やその空気感までもが昔のままだというから、
初めて訪れてもどこかほっとする感覚になるのでしょう。

〈エビアンコーヒー〉では、毎朝ほぼ同じ時間に
日参する常連客が見られるのが馴染みの光景。
ウエイトレスと談笑しながら過ごしたり、
新聞を広げながらサンドイッチで朝食をとったり、
すっかりくつろいでいる姿が居心地のよさを物語っています。
コーヒーと相性がいいデザート類も評判で、
3代目・鎌田高廣さんの手がける濃厚なチーズケーキやシフォンケーキなどは、
店内でコーヒーと一緒に楽しむのはもちろん、手土産にする人も多いんです。

5種の新鮮な豆をブレンドした珈琲は、1日に300杯ほどが出るそう。

時間を忘れてしまう、ゆったりとしたリズムが店の中にはあふれています。

一方、貴重な音響機器がいまも現役で活躍し、
神戸のジャズ文化を支えてきた〈JAVA〉には、
ジャズを愛する数々の著名人も訪れてきました。
昔の面影を色濃く残す南国風の店内の落ち着いた照明の下にいると、
タイムスリップした気分にさえなるほど。
甘い香りがたまらないモカジャヴァを口に運びながら、
名盤に酔いしれるひとときは格別です。
訪れる客もいまや3世代。神戸の人々が愛してきたコーヒーは、
物言わずとも神戸の空気を香りで届け続けています。

モカジャヴァを飲みながら、セレクトされたジャズの名盤に耳を傾ける。壁には〈JAVA〉が撮影場所になった映画のポスターや懐かしい名スターのサインがあり、60年余の店の歴史を感じさせてくれます。

コーヒーの上でゆっくりと溶けていく、生クリームとチョコレートの甘い香りがたまらない。まちの喧騒をしばし離れて、心穏やかなひとときを。

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エビアンコーヒー

住所:兵庫県神戸市中央区元町通1-7-2

TEL:078-331-3265

営業時間:8:30~18:30(LO)

定休日:第1、第3水曜

http://www.evian-coffee.com/

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JAVA(ジャヴァ)

住所:兵庫県神戸市中央区北長狭通1-31-13

TEL:078-331-1019

営業時間:12:00~21:30

定休日:木曜不定休

ちちぶメープルプロジェクト vol.4 メープルだけじゃない! 新しい森の恵み

秩父の森に自生する、薬になる木

秩父でメープルのことに関わるようになって、驚いたことがたくさんあります。
なかでもびっくりしたのが、まだまだ森にはたくさんの資源が眠っているということ。
今回はちちぶメープルプロジェクト番外編として、
メープル以外で取り組まれている新しい森の恵みについてお伝えしたいと思います。

皆さんは“キハダ”という木について聞いたことがありますか?
私は最初に名前を聞いたときに、キハダマグロしか思い浮かびませんでした(苦笑)。
そんな知名度はいまいちなキハダですが、木の内皮が黄檗(おうばく)といい、
ベルベリンという、強い抗菌作用を持つアルカロイドの一種の
薬効成分が含まれている薬木です。その内皮は鮮やかな黄色で、
「良薬口に苦し」の語源になってとも言われており、罰ゲームで使えるくらい苦いです!

キハダの内皮を剥いでいる様子。本当に鮮やかな黄色にびっくり!

古くから医薬品の百草、陀羅尼助(だらにすけ)などの主成分として
健胃整腸剤に使われていたり、鮮やかな黄色を生かして
染料にも使用されていたそうです。

しかし、昔から人間の暮らしの身近にあったキハダも、
いま日本で流通しているほとんどが中国産になってしまっていました。
このキハダが秩父で注目されたきっかけは、カエデの調査に入った山で
たくさんのキハダが自生していることに気づいたからだったそうです。
秩父樹液生産協同組合とNPOのメンバーは、キハダの調査をしていくなかで、
カエデとキハダの生育環境が似ていることを発見し、
何か製品化できないかと考えるようになりました。

全身真黄色になりながら、キハダを加工用に粉砕中。

調査では、日本薬科大学に秩父のキハダの成分分析を協力してもらいました。
漢方薬と聞くと中国のイメージが強いですが、
まさかこんな身近に薬木があるということにとてもびっくり!
そして秩父のキハダには、中国産よりも、ベルベリンや、
柑橘系の独特な苦味成分リモノイドが多く含まれており、
秩父産キハダの可能性を感じました。

分析に協力してくれている日本薬科大学の高野文英准教授。地元の中学生にも秩父の森のすばらしさを薬学の視点から伝えてくれています。

ただ、キハダ製品化プロジェクトの問題点がひとつ。
キハダには薬効成分が含まれているので、
薬事法の関係でそのままでは商品化できないのです。

そんな壁にぶち当たっても、簡単には諦めないのが
さまざまな分野のエキスパートが結集したプロジェクトメンバー。
なんと、キハダの苦味を添加物として使用することで、
キハダのドリンクの発売許可を得ることができました!

キハダサイダー試飲会の様子、苦いサイダーなんてありそうでなかった!? カボス味なので苦くておいしい。

現在は、キハダの抗菌作用を生かした化粧品などの開発が進行中です。

あえて不便な暮らしがいい。 北海道の森で始めたパン屋さん

美流渡にひと目惚れして移住した中川さんの話

岩見沢の市街地から30分ほど車を走らせると、
山や森がすぐ近くに迫る美しい風景が広がる。
ここは東部丘陵地域と呼ばれ、その中の美流渡(みると)という地区で、
いまわたしはゲストハウスのような場所をつくろうとしている。
この連載で何度か書いたように、美流渡はかつて炭鉱街として栄えたが、
現在では人口が1000人を切り、過疎化が問題になっている。
人口減少は、この地域を維持していくにあたって深刻な問題ではあるが、
そこに住む人たちに目を向けると、都会の便利さとは異なる価値観をもって、
この地域を愛している姿が見えてくる。

そんな地域を愛する人として紹介したいのが、
18年前、美流渡にひと目惚れをして移住してきた中川文江さんとそのご一家だ。

中川さんは、東京で6年ほど看護師をしていたが、
夫の達也さんの転勤で札幌へと移り住んだ。
やがて中川さん夫婦は、自然の中で子どもを育てたい、
森でパン屋さんをやってみたいという想いを抱き、達也さんが脱サラを決心。
札幌から近すぎず遠すぎない場所をと車で土地を探すなかで、
美流渡に出会い、引きつけられるような魅力を感じた。
北海道には珍しい里山のような、心休まる風景を見たことき、
ここに住んでみたいと強く思ったという。
さっそく町内会にかけあったところ、集会所となっていた
炭鉱長屋を使わせてもらえることになった。
かなり傷みが激しい部分もあったが、中川さんの父と達也さんが修繕をし、
パン工房のスペースもつくっていった。

中川文江さんは北海道生まれ。東京で看護師として働き、その後美流渡に移住。パン屋〈ミルトコッペ〉の女将であり、現在はリンパ・ドレナージュ・セラピストとして、美流渡と東京でサロンを開く。

開いたパン屋の名前は〈ミルトコッペ〉。
まわりにはいっさいお店などなく、丘の中腹にポツンと建っており、
お店の立地条件としては、かなり不利な場所のように思う。
しかし、達也さんがつくるパンのファンは日増しに増え、
北海道内はもちろん、道外からも買いにくる人が後を絶たない。
午前中には売り切れてしまうこともしばしばだ。

ミルトコッペのパンは、口に入れた瞬間に香ばしい小麦の香りが口いっぱいに広がり、
さらに噛めば噛むほどに深い味わいを感じるのが特徴だ。
熟成させた天然酵母と小麦に少量の砂糖と塩を加え、12時間かけてじっくり発酵させ、
それを手ごねで生地に仕上げ、レンガの薪釜で焼き上げる。
薪にもこだわりがあり、ナラ材を主に使っているという。

コッペパン、あんぱん、食パンなど素朴なパンが並ぶ。

パンを並べる店舗スペースはそれほど広くなく、玄関口を利用して販売している。

パン屋を開店した当初、経営が軌道にのるまでのあいだ、
中川さんは札幌にOLとして働きに出ることにした。
看護師時代の給料からすると収入は3分の1以下の月10~15万円。
家族4人暮らしていくには心細い金額だが、
「この暮らしがとにかく楽しかった」と当時を振り返る。
中川さんはこのとき37歳。息子さんは10歳と7歳という食べ盛り。
ときには農家の友人から、精米時に出る割れ米を分けてもらったこともあったというが、
それを文化鍋で炊いたおこげご飯は、感動するほどおいしかったという。

また、不要となった家具をもらったり、
古家にもともとあった石炭ストーブを復活させたりと、
一見すると不便な暮らしのいたるところに、新鮮な発見があった。
「日頃、あまりにも恵まれて、それが当たり前となると、
チョッとでも不足したときに不満が生まれる……そんな暮らしとはここは、別世界です。
最初から不足しているから、多少ものがなくたって、不満などなく、
あるものに対しての価値がよりありがたく感じられます。
こうして、暮らしを通して喜びが感じられることはうれしいものです」
これは中川さんがミルトコッペで配布したお便りに書いた言葉だ。
美流渡の暮らしのすばらしさを中川さんはお便りに残し、
やがて『北海道新聞』でも日々の想いを8年にわたって連載したという。

秋に撮影したミルトコッペ。ミントが一面に生え、さわやかな香りがあたりを包む。

讃岐うどんの名店の味を支える 自社醸造の甘口醤油 香川・広瀬醤油

うどんとおでんに欠かせない、だしの決め手

日本一小さな県、香川県にあるうどん屋さんは
713軒(平成27年2月『タウン情報かがわ』調べ)。
その激戦のなかで特に人気のうどん屋が〈上原屋本店〉。
麺のおいしさが大前提ながら、地元の醤油屋
〈広瀬醤油〉の醤油もおいしさの鍵を握ります。

波穏やかな瀬戸内海に面する香川県高松市。
海を背に繁華街を通り過ぎたところに、うどん屋上原屋本店と広瀬醤油があります。
まずはじめに訪ねるのは上原屋本店。
国の特別名勝に指定されている庭園の中で
最大の広さをもつ〈栗林公園〉のそばに佇みます。
落ち着く景観を眺めながらたどり着くと景色は一転。
行列は駐車場まではみ出し、店内では並ぶ人、麺を湯で温める人、
汁や調味料をかける人、食べる人、片づける人がテンポよく行き交います。
聞けば少ないときでも300玉。多いときは1日最大数の500玉出るそう。

〈上原屋本店〉はセルフうどんなので、麺を湯で温めるのも、だしを注ぐのもお客さん。この香川らしいシステムが心をくすぐる。

〈上原屋本店〉のおでん。香川のうどん屋は、たいてい年中おでんがセットで置かれている。

いよいよ私の順番が来て「かけ小!」とかけうどんの小さいサイズを頼みます。
味つけは「うるめいわしと昆布でだしを取って、あとはみりんと醤油だけ」
と教えてくれました。使っている醤油を尋ねると
「うちはすべて広瀬醤油の醤油を使っとるよ。うどんもおでんも!」
と教えてくれたので、おでんも皿に取ります。

かけうどんのおだしを注ぐと、当日とったおだしのいい香りが広がります。
食欲がたまらなく刺激され、急いで席については、琥珀色のおだしをすすります。
澄んだ味わいが広がり、ほどよい塩味がコクを与えています。
艶やかな麺をズズッとすすり、しなやかなコシを楽しんでいると、
醤油に後押しされるように小麦の甘さが引き立ちます。
洗練されたハーモニーに大満足。
飴色のおでんは、表面は醤油が深みを与え、中は食材の持ち味が保たれています。
口の中で交わる味わいが絶妙です。
こんなおいしさが500円足らずで楽しめるのなんて、毎日通いたい。

上原屋本店の看板メニュー、かけうどんとおでん。

かけうどんは豊かなだしの風味と、麺のしなやかなコシ、小麦の甘さを楽しむことができる。

上原屋本店のおいしさを支える醤油屋、広瀬醤油を訪ねました。
母屋は明治11年、店舗部分は昭和10年に建てたレトロな外観にそそられます。
扉を開けると、屈託のない笑顔で女将さんが出迎えてくれました。
続いて4代目広瀬善規さんが蔵の奥から出てきてくれ、
快く蔵の中を案内してくれました。

歴史ある建物や道具には手入れが行き届いていて、特に醤油を仕込むもろみ蔵は、
私が数十蔵巡った四国本土の醤油蔵の中で、最も香りも状態もいい。
いい蔵元に出会えた! とうれしくなりました。

目に留まったのは桶の内側がきれいであること。
桶の内側は混ぜるときにもろみが飛び、何層にも重なってついていることが多いもの。
「桶の内側を“鏡”と呼んでいます。
混ぜるたびに汚れる鏡を掃除するのは面倒だけれど、
鏡は蔵の中で最ももろみに近い場所。
鏡を綺麗にしていないと、できた商品の風味を悪くしてしまいます。
ここをきれいにできるかどうかに醤油造りの姿勢が表れるから鏡と呼ぶんです」
と広瀬さん。その言葉に深く共感しました。

広瀬醤油のもろみ蔵。手入れが行き届き、清涼な香りが広がる。

すべての桶の内側がきれい。