播州織メーカーがつくるオリジナルブランド
播州織の産地として知られる兵庫県西脇市。
四方を山に囲まれ、加古川と杉原川と野間川という3本の川が流れる美しいまちだ。
ここで、産地ならではの新しい服づくりをするブランドが〈hatsutoki(ハツトキ)〉。
播州織は綿糸を染めてから織り上げられる、いわゆる先染め織物で、格子柄が特徴的。
紳士シャツで栄えた産地だが、hatsutokiでは女性向けの繊細な服をつくろうと、
生地を開発。ごく細い糸で織り上げられ、触れると綿とは思えないような
繊細で独特の風合いの生地に、思わずはっとする。
hatsutokiを手がけるのは、小野圭耶(かや)さんと村田裕樹さん。
服のデザインをする村田さんは「西脇は水が豊かな土地。
その水を使って糸を染めることから繊維の産地となっています。
水の循環から服が生まれるということをかたちにできたら」と話す。
村田さんのデザインを生地に落とし込むのが小野さん。
小野さんは西脇出身、村田さんは東京出身だ。

村田裕樹さん(左)と小野圭耶さん(右)。小野さんは西脇出身で、服飾の専門学校卒業後、地元に戻り島田製織に就職。村田さんは東京出身で、大学卒業後、ブランドのアシスタントなどを経て4年前に西脇に移住した。

北播磨地区の4市1町(西脇、加東、加西、丹波、多可町)で先染め織物として織り上げられたものを播州織と呼ぶ。播州織は格子柄が特徴的で、hatsutokiの服にもチェックやストライプの柄がよく見られる。パネルオーバードレス 26000円(税別)
hatsutokiは〈島田製織〉という80年以上の歴史を持つ播州織のメーカー内に誕生した。
もともと播州織は、糸を染める染色、タテ糸をつくる整径、布を織る製織など
すべてが分業制。島田製織はアパレルなどの依頼に応じて、
工場や職人たちとさまざまな生地をつくって販売してきた。
だが海外など安い産地に仕事が流れていくなか、これからは受注生産だけでなく、
自分たちで企画開発してつくった生地を提案していくことも必要だと、
新しい取り組みがスタートした。
もともと島田製織に勤めていた小野さんは
「有名なブランドで西脇の生地を使っていても、西脇という産地名は出ません。
直接、消費者に西脇をアピールするという意味でも、
自社ブランドをやったほうがいいと思いました。
いままでは生地をつくるだけでしたが、それをどういう服に仕上げて
どういう人に着てもらうか、そこまでを大事にしたい」と話す。
そんなとき、特に人材を募集していたわけではなかったが、
村田さんが自らデザインをやらせてほしいと社長に直訴し、東京から移住して入社。
こうして西脇ではほとんど見られなかった社内ブランドが立ち上がった。

hatsutokiというブランド名には、「初めてほどく」という意味があると、小野さんが教えてくれた。時間をかけてできあがってきた反物の生地を、初めてほどいた瞬間、初めて触れるその感動を、お客さんにも受け取ってもらいたいという思いが込められている。



































































































