連載
posted:2016.3.14 from:兵庫県神戸市 genre:暮らしと移住 / 旅行
sponsored by 神戸市
〈 この連載・企画は… 〉
旅するように暮らす、暮らすように旅する。それができるのが神戸の魅力。
ブックレット『CLASS KOBE』で紹介した場所、そして、オリジナル記事も加えた、
神戸の暮らしを訪ねたくなるコロカルの神戸案内です。
credit
文:左近智子(glass)
撮影:貝原弘次
Supported by 神戸市
明石海峡大橋が間近に迫る西舞子は、
穏やかな波の音とのんびりとした時間が流れるまち。
そんなのどかな通り沿い、舞子小学校の目の前にある〈幸神堂〉は、
50年以上続く和菓子の老舗です。
今日もここには子どもたちの元気な笑い声が響き、
地元の人たちが幸神堂の名物である〈フライ饅頭〉を求めて訪れます。
自家製のふっくらカステラや季節の上生菓子など、多彩なお菓子が店内に並びます。モチモチ生地にチョコを包んだチョコ餅も評判です。
先代が修業していた和菓子店で100年近く前から扱っていたというフライ饅頭は、
砂糖とメリケン粉を混ぜただけのシンプルな生地に、
あっさりとしたこしあんを包んだ飾り気のない味。
2代目へと受け継がれたいまでもずっと変わらない素朴さは、
世代を超えて愛されています。
生地にあんこを包む2代目の橋本義幸さん。親指を押しながら、手のひらで包む。わずか10秒の職人さんの早業です。
幸神堂のフライ饅頭のこだわりは、卵など動物性の食材を一切使用しないこと。
植物性の油を使って揚げるためヘルシーに
カリッと香ばしい仕上がりになるのが特徴です。
さっくりとした食感の生地に、甘さ控えめのこしあんがぎっしりで、
ひと口味わうと、なんとも懐かしい味わいが口いっぱいに広がります。
毎日朝と午後の2回に分けてつくりたてを販売しているのですが、
なんと毎日100個近くつくるものの、あっと言う間に売り切れてしまうほどの人気ぶり。
こんがりきつね色になるまで、丸めた生地を180℃の油で2~3分揚げていきます。揚げたての香ばしい香りが漂ってきます。
神戸といえば洋菓子のイメージが強いかもしれませんが、
まち並みのそこかしこに、小さな和菓子店がいくつもあります。
それらのなかには、幸神堂さんのように子どもからおじいちゃん、おばあちゃんまで
幅広く愛され続けるフライ饅頭が店頭に並んでいる店もあります。
散策途中のおやつに、そしておみやげに。
神戸のフライ饅頭を覚えておいてくださいね。
1個100円という価格も、なんだかうれしくなります。
もちろん揚げたてがおいしいのですが、
冷めてからしっとりとなった饅頭をいただくのも、なかなかに美味ですよ。
店舗の2軒隣には、イートインスペースも。子どもたちが勉強したり、お母さんたちがお茶したりと地元の方々の憩いの場となっています。
information
御菓子司 幸神堂
Feature 特集記事&おすすめ記事