ちちぶメープルプロジェクト vol.7 みんなの力でシュガーハウス改装!

日本初の機械を輸入!

秩父のメープルの活動の拠点となる〈シュガーハウス〉をつくりたい。
場所を探し続け、〈秩父ミューズパーク〉でやっと見つけた
念願のシュガーハウス候補物件のログハウスでしたが、
当時その建物は市の所有物でした。
そこで市の担当者に理由を話して、特別に中を見せてもらいました。

長年使っていなかったけど、建物内はとてもキレイ!

外の雰囲気だけでもとても気に入ったのですが、中に入ってみると
ログの温かみのある感じもとてもすてきで、ますます気に入りました!
「ぜひここを借りたい!」と、意気込んで
秩父観光土産品協同組合の理事長とともに、秩父市長に会いに行きました。

シュガーハウスの構想を話し、ぜひ貸してほしいとお願いしたところ、
想像以上に快く貸していただけることになりました。
市の後押しを受けて、シュガーハウスプロジェクトはますます加速していきます。

まずは去年の夏、前回も紹介した、カナダの滞在中に知り合いになった
Williams farmを再び訪問。
目的は、メープルシロップ製造機械を買うこと!
そして、機械の扱い方をマスターすること!

ジョンさんのシュガーハウスは築200年の納屋を改装したもの。

オーナーのジョンさんは、若い頃に日本で英語の先生をしていたこともあったり、
奥様が日系カナダ人であったりと、不思議と日本に縁があったのです。
会うのは2度目なのに、長年知っていたかのような錯覚を覚えました。
ジョンさんのもとでメープル修業をし、帰国後、
メールでやり取りをしながら日本初のメープル機械を輸入するために奔走。

そして、通関業務を担当してくれた方の強力なサポートのもと、
食品製造装置の審査というハードルの高い問題をなんとか解決することができました。
船便でコンテナに詰まれた荷物たちが、
やっと秩父に到着したときには本当にうれしかったです!

しかし、安心したのもつかの間……。
人力で大きな木枠を運び出し、公園の中へ搬入。

遠路はるばるカナダから到着した荷物たちと格闘。

バラバラになっている機械を、説明書がないなか、なんとか組み立て、設置しました。
シュガーハウスにマストな煙突も設置して、
いよいよシュガーハウスらしくなってきました。

ここからメープルシロップを煮詰める煙が立ち昇ります。

みりんを使って造る天然醸造醤油 和歌山・カネイワ醤油本店

きれいな水といい空気で育む醤油

奥深くて力強い醤油を造る和歌山県有田川町の〈カネイワ醤油本店〉。
一番の売れ筋である〈天然醸造醤油〉は、
みりんを使って口当たりやわらかく仕上げている。
少量でもコクのある魚の煮物ができあがるこの醤油は、
関西中心に口コミで広がっています。

訪ねた場所は、醤油発祥の地とされる和歌山県の湯浅町から
車で20分ほど走った山手の有田川町。
緑豊かで空気も清らかなその土地の川沿いに、カネイワ醤油本店はあります。
車を降りると、心地いい醤油の香りが広がっていました。
迎えてくれたのは4代目を継ぐ予定の岩本行弘専務。
晴れ晴れとした笑顔で迎えてくれ、
さっそく醤油造りへの熱い想いを力強く語ってくれました。

大正元年創業のカネイワ醤油本店。高野山から湧き出る清涼な水と、澄んだ空気に恵まれた土地で醤油をゆったりと育む。

「ここに下りてくる高野山系のきれいな湧き水といい空気は
醤油造りにかかせんのや」と山に目をやります。
カネイワ醤油本店の初代店主は、明治時代後半に醤油の製法を湯浅で学んだ後、
大正元年に良質の水に恵まれるこの土地に蔵を建てたそう。
そしていまなお、青々とした樹木と、清涼な水が流れる有田川のそばで、
2年の歳月をかけてゆっくりと育みます。

「2年の歳月をかけて、焦らずゆっくりと木桶の中で育むことで深い味わいになる。
昔から『麹は寝ても蔵人は寝るな』と言ってきたもんや。
僕も一晩中、1時間から2時間おきに麹の様子を見に行っとる。
大変とかいう以上に気になるんや。
天気や気候、そして麹の育ち具合で温度が下がったり上がったりする。
しかも品温計や湿度計だけでは判断できんことが多いから、
ちゃんと人の手で触って判断して、適切な温度になるよう手助けせなあかん。
それに醤油を造る菌も生きもんやから、僕の姿勢を見とると思うし、
熱い想いで造ったら期待に応えてくれる気がするんや」

すべて木桶の中で2年間かけてゆっくりと育む。

このような鮮やかな茜色のもろみは珍しくて驚いた。蔵の香りもよく、もろみは見るからにおいしそう。

芸術祭、春会期も残りわずか! 小豆島の“迷路のまち”で 白黒世界に迷い込む

旧醤油倉庫に広がるアートの世界

3月20日から始まった瀬戸内国際芸術祭2016(以下、瀬戸芸)。
残すところ春会期も1週間です。
4月17日が春会期の最終日となり、7月18日から夏会期が始まります。

小豆島には069番から109番までの作品が展開されています。
その数41作品。
前回の瀬戸芸のときは、移住して半年後くらいで、
家の片づけやカフェ改修、農業研修に行っていたりでなんだかんだと落ち着かず、
ほとんど作品を見に行くことができませんでした。
瀬戸芸期間中は、犬島や直島と小豆島をつなぐ直行便(高速艇)も臨時運航されるのに、
島外の作品にいたってはひとつも見に行けず……。
瀬戸内の島で暮らしていながらそれはもったいない!
なので今回の瀬戸芸では作品を見に行くというのをきっかけに、
小豆島のいろんな地区やほかの島も訪れようと企んでいます。

というわけで、先日訪れたのは小豆島の土庄本町エリア。
土庄港からバス停ふたつ分くらいの距離にある地区です。
ここは“迷路のまち”とも呼ばれ、
昔懐かしいまち並みが残る地域(小豆島日記vol.112参照)。
海賊から島民の生活を守るため、また海風から建物や日常生活を守るために
複雑に入り組んだ路地が迷路のよう。

細い路地が入り組む“迷路のまち”地区。迷いながら歩くのもオススメ。

実はここには去年、統合により廃校になってしまった小学校があります。
今回の瀬戸芸ではそこが案内所になっています。
一度行ってみたかったすてきな小学校です。
細い道に面した2階建ての旧土庄小学校。
校門から入ると芝生のグラウンドが広がっています。
板張りの廊下がなんともやさしい雰囲気で、
つい最近まで子どもたちがここで過ごしていたんだなぁと思うと
なんだか少し寂しくなりました。

去年廃校になってしまった旧土庄小学校。瀬戸芸の案内所になっています。

校門から入ると広がるのは芝生のグラウンド。

板張りの廊下がなんともやさしい雰囲気。

子どもたちがいない学校は寂しい気持ちになります。

この旧土庄小学校から歩いてすぐのところにあるのが、
大岩オスカールさんによる『大岩島2』という作品。
かつて醤油屋さんの倉庫だった建物の中にあります。
というか、こんなところに醤油屋さんがあったなんて驚き。
まちのことって知らないことばかりですね。

昔は醤油屋さんの倉庫として使われていた建物。

アート作品の中で寝転んでみる。 瀬戸内国際芸術祭・小豆島の 大きな竹のドーム『オリーブの夢』

今年も同じ場所にできた、地元の竹でつくるアート

春の気配があちこちでする小豆島。
庭のサクランボの木の花は散り、新しい葉っぱが出てきました。
柿の木の新芽も。これ天ぷらにするとおいしいらしい。
毎年春の訪れはワクワクしますね。

いつもこの時期になると春休みということもあり観光客の方が増えます。
今年は瀬戸内国際芸術祭(以下、瀬戸芸)開催中ということもありより賑やか。

今回で3回目の開催となる瀬戸芸ですが、
作品の中には1回目から継続して展開されているもの、今回初めてのものがあります。
1回目からある作品については、その地区の人たちもよく知っていて、
「またあれができるんだね〜」
「◯◯さん(作家さん)もう来てるの〜?」
なんて感じで、制作の様子を見ていたり、制作の手伝いをしたりしています。

そんな作品のひとつが、小豆島・中山地区にある大きな竹のドーム『オリーブの夢』。
台湾のワン・ウェンチー(王文志)さんの作品です。
今回から少し形と名前が変わりましたが、
いつもと同じ場所に地元の竹を使ってつくられています。

小豆島・中山地区にある作品『オリーブの夢』。

3年前、いろは(娘)が幼稚園に通っていた頃は、春の親子遠足で歩いて行きました。
そして今年は、地元子ども会のイベントで歩いて行きました。
地元の子どもたちにもなじみのある作品です。

私たちが暮らす肥土山地区から『オリーブの夢』がある中山地区までは
歩いて20分ほどです。
田んぼの中を抜けて、川沿いに山の中の道を歩いていきます。
この道はときどき猿に出くわすこともあり
ちょっとスリリングですが、私的にはオススメの散歩道です。

肥土山地区から中山地区まで田んぼや森の中を歩いていきます。

中山地区に到着。上のほうに〈こまめ食堂〉が見えます。

『オリーブの夢』は何千本もの竹を編んでつくられているのですが、
間近で見るとほんとに美しい。
場所によって編み方が違っていて、いろんな表情を見せてくれます。
あー、竹って美しい。何度もそう思ってしまいます。

入口にあるのはオリーブの種だそう。カイコのマユみたいに編まれています。

波のように編まれた竹。流れが美しい。

この内側はトンネルになっています。力強い真っ直ぐな竹。

きれいに切りそろえられて並べられた竹の道。

映像で人を動かす。 秋田県の映像プロジェクト 『True North, Akita.』後編

前編はこちら

小さな集落の手づくりのお祭り

〈augment5 Inc.〉が手がける秋田県の映像プロジェクト『True North, Akita.』。
Vol.1に続き、Vol.2が公開された。

True North, Akita. Vol.2

Vol.1は、ディレクターの印藤麻記さんの出身地でもある五城目町で撮影されたが、
Vol.2は仙北市の上桧木内(かみひのきない)という地域で撮影された。
田沢湖にほど近い内陸に位置し、秋田内陸縦貫鉄道が走る、秋田でも特に雪深い地域だ。

映像でも印象深いのが、旧正月の時期に気球のように大きな紙風船を上げるお祭り。
〈上桧木内の紙風船上げ〉と呼ばれる伝統行事で、100年以上の歴史がある。
江戸時代に平賀源内がこの地を訪れたときに、余った障子紙で風船をつくり、
熱気球と同じ原理で飛ばして遊ぶことを地元の人に教えたという由来があるそうだ。
いまでは、12メートル近い巨大な紙風船にさまざまな武者絵や美人画を描いたり、
商売繁盛などの願いを込めて紙風船を上げる、地域を代表するお祭りになっている。

秋田県には、男鹿のなまはげや横手のかまくらのほかにも、
冬には変わったお祭りが多い。
そのなかで県外にはあまり知られていないこの紙風船上げを撮影したのは、
小さな集落が寄り添い、地域一体となって生み出す手づくり感に惹かれたからだと、
プロデューサーの井野英隆さんは話す。

「このお祭りは地域の住民が総出でつくり上げているんです。
上桧木内には8つの集落があるんですが、それぞれ競い合うように絵を描いたり、
準備のために何度も寄り合いを持って、議論を積み重ねて進めていく。
当日の運営事務局も、消防や警備や屋台の出店も、
地元の子どもから学校の先生、おじいちゃんおばあちゃんまでみんなでやっている。
お祭りの直前になれば、過疎化や人口問題を忘れてしまうくらい、
おじいちゃんたちが集まって、夜中まで本当に楽しそうにワイワイやっている。
純粋に集落の遊びから始まったような、本当に手づくりのお祭りなんです」

また、桧木内の小学校のようすも映し出される。
秋田県は教育先進県としても知られているが、
成績優秀な先進校を撮影するよりも、全校生徒が60人にも満たない
小さな学校の日常を切り取ることを、井野さんたちは選んだ。
子どもたちがのびのびと絵を描いている姿も映し出されるが、
この小学校の校長先生は美術教師で、自分でも絵画をたしなむ
とてもクリエイティビティにあふれた方なのだそう。

来年はこのお祭りに、海外のアーティストを連れて
また参加したいと井野さんは考えている。
海外から来たアーティストが地元の子どもたちと一緒に紙風船に絵を描いて飛ばしたら。
そんな体験は両者にとって忘れられないものになるに違いない。

神戸で暮らす本当の喜びとは? 絵になる街角がある、神戸の毎日

山も、海も、レトロな風景も。すべてが神戸の魅力

「神戸の人は東西南北を覚えるのが苦手」
そんな話を聞いたことありませんか?
神戸では北側が山手、南が海、東は山手に向かって右、西はその逆。
つまり方角は山と海を基準に考えます。
だから例えば四方を山に囲まれた都市などへ行くと途端に、方向音痴になってしまう。
当然神戸の人は「あれ、私は方向音痴じゃないはずなんだけど」となる。

……とまぁ、これは神戸の人の特徴というよりも、
神戸の人がいかに海と山を生活と近づけているかがわかる逸話ですね。
それほどまでに神戸は、山も海も、人々の暮らしとともにあるのです。

海側から山手を見ると、山裾にまちがあります。
山手から海を見ると、なだらかにまちが、海へと向かっています。
そんなまちですから、歩いていてふと交差点を曲がると目の前に山が見えたり
海が輝いていたり、ハッとする光景に出会うことが多いのではないでしょうか。
つまり神戸は「絵になる街角」をたくさん持つまち、と言えます。

北野界隈を歩いていると気づくのは、異人館だけではないまちの魅力。光に包まれた路地、往時を偲ばせる石畳。ひとつひとつが絵になります。

神戸のまちを語るときにもうひとつはずせないこと、
それが神戸の中心部を海側に行った、旧居留地です。
開国当初は砂地だったこの場所に外国人のための住居や仕事場が次々と誕生し、
居留地を形成していきました。
ヨーロッパの近代都市計画をもとに造成されたまちにはレンガ造りの建物が並び、
やがてガス燈が灯るようになり、美しい景観を生み出していきます。

そして時は流れ。その片鱗は、いまも旧居留地を歩けば見ることができます。
レトロビルと近代的なビルが同居する異空間。だからこそ、ふとした街角に、
まるで絵はがきのような景色を見つけてハッとする。

旧居留地は、独特の景観を保っています。ぜひ歩きながら、絵になる街角を探してみてください。

山も、海も、レトロな風景も、すべてが神戸の魅力なんですね。
だからこのまちの人は、このまちが好き。
これこそ神戸に暮らす喜びにほかなりません。

ちなみに神戸のまちに点在するレトロビルには、佇まいとは違う魅力も。
ビルの中に入ってみると、そこには雑貨店や洋服店。
アンティークショップが入っているビルもあってりして、
それらを巡るのも、まち歩きの大きな楽しみなんです。

100円で約20リットル! おいしい水は、汲んで帰る。 〈神戸ウォーター水汲み場〉

水の豊かなまち、神戸の名水

神戸というまちは、よくよく考えると山裾に広がっています。
ということはつまり、山に降り注いだ雨が長い年月を経て
地表に湧き出している場所だってあるはずです。
調べてみたら、やはりありましたね、神戸市内にも名水が。

飲用の可否に関係なく数えてみると、その数15か所ほど。
なかには弘法大師伝説がある水もやっぱり存在しているので、
神戸でも湧水は、ありがたいものだと考えられていたのですね。
それだけ水が豊かなまち、ここに暮らす人は水の恵みを日々感じているのでしょうか。

三宮の中心部からフラワーロードを越え、山手幹線を東へ少し進んだところに、
〈神戸ウォーター水汲み場〉があります。
六甲山系から湧出する良質な天然水〈六甲布引の水〉を、
より多くの人に飲んでもらい、健康になってほしいという願いから、
ここでは100円で約20リットルの水を汲んで帰ることができるのです。
24時間いつでも、誰でも水を汲むことができるので、
朝も夜も、地元の人はもちろん少し離れたところに暮らす人まで、
いろんな人が車のトランクにポリ容器を積んで、ここを訪れています。

神戸国際会議場でも、年に1度、毎年4月に開催される須磨大茶会でも、
この神戸ウォーターが使われているそうです。
そういえば〈神戸ウォーター水汲み場〉の北側は新神戸。
そこには古くから名水として知られる〈布引の滝〉もあります。
神戸は水にも、ずっと守られているのですね。

神戸の水といえば、北野から歩いて行ける〈布引の滝〉が有名です。

ちなみに〈神戸ウォーター水汲み場〉があるのは、
多彩な温泉が楽しめる〈神戸クアハウス〉の入口です。
湯に浸かって疲れをとったあとに名水を飲むか、
ちょっと飲んでからじっくり湯に癒されるか。
神戸のまちでのお水とのつき合い、なかなか楽しそうですよ。

〈神戸クアハウス〉の北館に水汲み場があり、いつでも100円で約20リットル利用可能。ちょっと飲みたい、という人には、500ミリのペットボトルも販売されています。

名水といえば、温泉で有名な有馬は源泉として豊富な地下水が湧出しています。それらを訪ね歩く水巡りの旅も楽しそう。

information

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神戸ウォーター水汲み場

住所:兵庫県神戸市中央区二宮町3-10-16

営業時間:24時間

料金:約20リットル 100円
http://www.kobewater.com/

産地ではないのに真珠のまち? 神戸に真珠産業が根づいた理由を 〈神戸パールミュージアム〉で知る

国際港神戸の知られざる一面

神戸に数ある産業のなかに、真珠があります。
でもなぜ? 神戸には真珠の養殖場なんてありません。
真珠の養殖技術が日本で確立されたのは昭和初期。
しかしその時代に真珠といえばとても高価で、
日本人にはなかなか手が出せない商品でした。
そのため国内ではなかなか人気が広まらず、当時世界へと開かれていた神戸から、
アメリカやヨーロッパへと輸出されていました。
その当時の真珠養殖場は、三重県を中心に四国、九州が主な地域。
それらの地域から最も近かった国際港が神戸だったのです。

やがて北野を中心に、神戸で真珠の選別や加工を行う企業が生まれていきます。
一説によると、山の南側斜面に広がる北野のまちは、
真珠の選別に適した陽光が安定して得られたから、産業が確立されたとも。
それらの企業が集まったのはいまの山本通あたりで、
山本通は別名「パールストリート」とも呼ばれていました。
一時はたくさんの真珠を持って坂道を歩くバイヤーの姿も見られたそうですよ。

山本通=通称パールストリートには、いまでも真珠関連企業が残っています。

そんな神戸の真珠産業の一端をうかがい知ることができる施設が、旧居留地にあります。
それが〈神戸パールミュージアム〉。なんと入場無料で、
養殖真珠の歴史や真珠ができるまでを展示から知ることができます。
約1万粒の真珠をひと粒ずつ手作業で連ねていった〈パールツリー〉が最大の見どころ。
さまざまな真珠製品も展示されていますので、
神戸の陽光が育てたやわらかな輝きを、ぜひその目で見てください。

レトロビルの1階にある〈神戸パールミュージアム〉。建物のレトロな雰囲気が、パールをより輝かせています。

information

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神戸パールミュージアム

住所:兵庫県神戸市中央区東町122 日本真珠会館1F

TEL:078-332-8050

営業時間:10:00~17:00

定休日:土曜、日曜、祝日

http://www.japan-pearl.com/museum/

ちちぶメープルプロジェクト vol.6 シュガーハウスってどんなとこ?

そうだ、カナダへ行こう!

いよいよ秩父も春本番! 木が芽吹いてきています。
今回は、このコラムを書くきっかけになった“シュガーハウス”と、
シュガーハウスを秩父につくろうと思ったきっかけ、
その後の思わぬ進展までお話できたらと思います。

早くも6回目を迎えたこの連載ですが、実はこれまでの内容は
すべてこれからのテーマの前置きなのでした……。
とても長い前置きになったのは、秩父で行われているメープルの活動の背景や目的を
きちんと知ってもらいたかったからなのです。

いまから2年前、秩父でメープルの活動をしたいと思った私。
会社に退職を告げ、最初にしたことは有給休暇をとってカナダに行くことでした。
メープルのことは何ひとつ知識のなかった私でしたから、
やはり本場のカナダでメープルがどうつくられているのか、
秩父のやり方とどう違うのか? など、たくさんの疑問がいっぱいで、
自分の目で見てみたいと思ったのでした。インターネットを駆使して、
いくつかのおもしろそうな活動をしているメープル農家をピックアップし、
会ってもらえないかとメールでコンタクトをとったりもしました。

今回訪れたのは、カナダの第2のメープル生産地であるオンタリオ州。州都はトロント。

カナダのメープルシーズンは、秩父よりも遅い3月から4月にかけてが最盛期。
レンタカーを借りて、観光客は絶対行かないであろう田舎道を進みます。
着いた先は、広大なカエデの森!

びっしりと植えられたカエデの木々、さすがメープルの本場!

秩父と違って平らな土地にびっしりカエデが生えている様子に衝撃を受けます。
そして、パイプラインが張り巡らされていて、
ポンプに樹液が流れる音が静かな空間に響きます。
遠くには、煙突から煙がモクモクとのぼっている建物が。

シュガーハウスはメープル農家によって、掘っ建て小屋から立派な建物までさまざま。いろいろなシュガーハウスがあっておもしろい。

これがシュガーハウスか!
カナダでは、採取した樹液はすべてその日のうちに
メープルシロップに加工してしまいます。
寒い外と違って、シュガーハウスの中は樹液を煮詰める蒸気と
甘いメープルシロップの香りで満たされているのでした。
なんて幸せな空間……。

メープルシロップを煮詰める機械はエバポレーター(蒸発機)といって、
樹液を煮詰める専用のもの。
熱源はなんと薪をくべるというちょっとアナログな感じで、
とても温かみがあってすてきです。

メープルシロップの製造過程をこんなに間近で見られるなんてびっくり!

ほとんどのシュガーハウスでは、地元の人から観光客、小学生などの社会科見学まで、
見学を受け入れていて、カエデの森をガイドしてくれたり、
メープルシロップのつくり方を教えてくれるのでした。
そして、できたてのメープルシロップを販売していたり、
季節限定でパンケーキショップもオープンしていたりして、
この時期しか見ることのできない風景を五感で堪能できるのです。

カナダの人たちは、毎年この時期にお気に入りのメープル農家からできたてのメープルシロップを大量に購入するそう。

ちょうどカナダに滞在しているときに、
各地でメープルの収穫を祝うメープルフェスティバルが開催されていたので、
そのうちのひとつであるエルマイラメープルフェスティバルに参加してきました。
人口1万人くらいの小さなまちに、1日のお祭りのために
国内外より5万人以上の人が集まるそう。
メープルシロップを売る屋台やできたてパンケーキを売っている巨大テントまで、
お祭りらしいワクワク感でいっぱいです。

寒空のなか、メープルの甘い香りが立ち込めます。

衝撃的だったのは、パンケーキ投げ大会なるものがあり、
バケツリレーのようにチームでパンケーキをパスしていくゲームに
大人も子どもも夢中になっていました。
メープルを楽しむ方法はまだまだいろいろあるのだなと、
刺激をたくさんもらった旅になりました。

瀬戸内国際芸術祭開催中! 小豆島・北海岸線の アートと海をめぐる

海を感じながらアートを楽しむ

今年で3度目の開催となる〈瀬戸内国際芸術祭〉(以下、瀬戸芸)。
回を重ねるほどに作品の数が増え、展開される場所も少しずつ広がっています。
小豆島では今回の瀬戸芸から、島の北側の大部・北浦地区と
〈二十四の瞳映画村〉がある堀越・田浦地区にも新たに作品が展開されています。

小豆島は皆さんが思っているよりもずっと大きな島です。
瀬戸芸の開催場所となっているほかの島と比べても圧倒的な大きさです。
とても1日でまわりきれるような広さではなく、
1週間滞在したとしてもすべての作品は見きれないかも。
といってもそんなに長く滞在するのは難しいと思うので、
行くところを絞ってめぐる感じですよね。

瀬戸芸が開幕した週末、今回新たに作品が展開されている
大部・北浦地区をさっそく訪れてみました。
私たちが暮らしているのは肥土山(ひとやま)という地区なのですが、
そこから車で20分くらいのところです。
この小豆島日記でも何度か書いていますが(vol.120vol.123)、
島の北側は観光地感が強くなく、静かで穏やかな暮らしを感じます。
その雰囲気がなんとも好き。

車で走って行くと、道沿いではためく青いフラッグ。
作品が近くにあるよ〜の印です。

海風にはためく瀬戸芸の青いフラッグ。

普通の暮らしのなかにポスターとフラッグがある感じがなんともいい。

大部に到着し、まずは腹ごしらえ。
大部には、岡山県の日生港とフェリーが行き来する大部港があります。
その港のすぐ横にある〈喫茶 サンワ〉へ。
鍋焼きうどんから焼肉定食、チャンポンメンまでメニュー豊富で、
田舎の良き喫茶店という感じのお店。
私はいつものナポリタンを注文。
鉄板の上に盛りつけられ、中のほうに生卵が入ってます。
いただきます!

大部港すぐ横にある〈喫茶 サンワ〉。

サンワのナポリタン(イタリアンスパゲッティ)は島の隠れた人気メニュー。

窓のすぐ外は海。大部港に入ってくるフェリーが目の前を通過。

絵になる男の、絵になる店。 三宮のレジェンド 〈BARふくろう〉

オリジナルレシピのカクテルとおしゃべりを楽しむ

路面店なのに、窓はない。実はちょっと入店をためらってしまう。
〈BARふくろう〉は、そんな店です。
1967(昭和42)年、お酒が大好きだった23歳の福田二郎さんは、
だったら自分で店を始めれば好きなお酒とともに過ごせる、
そんな軽い気持ちで店を開きます。

世間では国産ウイスキーがサラリーマンの圧倒的支持を得て大流行、
そんななか、洋酒をメインに始めた福田さんのお店は、なかなか客足がのびません。
奥さんと悩んだ末、お茶漬けを出したこともありました。
それが評判を呼び、贔屓にする人も増え始め……。
以来49年、東門街のはずれで〈BARふくろう〉は
今宵も、ふらりと訪れる人を待っています。

ヨーロッパの石畳のまち並みにぽつんとありそうな、小さなお店。年齢を感じさせない福田さんの笑顔が迎えてくれます。

福田青年も気づけば72歳、店も来年で50周年。
バーテンダーが一代で50年以上も立ち続ける店は、そうはありません。
もはやここは、レジェンドとでも言うべきでしょうか。
おそるおそる扉を開くと、カウンター越しににっこり微笑む福田さん。
席についたら、福田さんオススメのカクテルをオーダーしてみましょう。

ソルティーキャッツにソルティーマウス。
ん? ちょっとへんてこな店?? 
もちろんどちらも、ソルティードッグとはレシピが違います。
それ以上に違うのは「ソルティードッグはステアすれば完成。
それじゃあバーテンダーの活躍する場所がないじゃないですか」

背筋をピンと伸ばし、シェーカーを振る福田さん。時折目をつぶり、何か考えているかのように腕だけを動かします。

というわけで、オリジナルレシピ、シェイクして提供するこのカクテルが誕生したとか。

焼酎ベースのソルティーマウス(左、1000円)は、「森伊蔵が高くて飲めない」というお客さんの声で誕生したもの。森伊蔵をもっとおいしく飲んでもらいたい、そんな気持ちで誕生した焼酎ベースのカクテル。ソルティーキャッツ(右、1000円)は女性が楽しめるように考えられたフルーティーなカクテル。

〈BARふくろう〉のもうひとつの楽しみは、
そんな福田さんとのおしゃべりかもしれません。
かつての三宮の話、お酒の話。
店には時折、福田さんが「最高のパートナー」と呼ぶ奥さんも立ちます。
すると話はもっともっと、盛り上がるんですよ。

気がつけばすっかり時間が経っていたなんてこともしばしば、なこの店。
派手な特徴があるわけではありませんが、神戸で覚えておきたい、
できればたまにふらっと顔を出したい、そんなバーです。

これはなんと、27歳の頃の福田さん。常連のお客さんに写真家を志している人がいて、その人に撮ってもらったそう。

information

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BARふくろう

住所:兵庫県神戸市中央区中山手通1-9-9

TEL:078-332-2960

営業時間:18:00~翌2:00

定休日:日曜、祝日

カフェで感じる有馬温泉の文化。 芸妓がいるカフェ・バー〈一糸〉

気軽に有馬温泉の文化に触れられる場所

日本最古の温泉と言われ、関西の奥座敷として長い歴史を刻んできた有馬温泉。
6世紀頃にはすでに天皇が行幸する湯として歴史の表舞台に登場、
以後現在まで、歴史上の人物からまちの人まで、多くの人たちに愛されてきました。

山深きこの温泉地で旅人を迎えたのは、湯だけではありません。
芸妓衆も、有馬温泉には欠かせない存在でした。
遙か昔、有馬温泉には入浴時の世話や酒宴の席で客を楽しませる
“湯女”という人たちがいたそうです。それがやがて有馬の芸妓となり、
いつしか有馬温泉では芸妓とのお座敷遊びが楽しみ、とまで言われるようになったとか。

しかし現在。芸妓と遊ぶ人は少なくなりましたし、
そもそも日中に日帰りで有馬温泉を訪れる場合、出会う機会も……。
と思いがちですが、実は昼間でも、芸妓さんに会える場所があるんです。

〈金の湯〉横の石段を上ると、路地の先に〈一糸(いと)〉の提灯が見えてきます。ロゴには15個の千成ひょうたん。芸妓さんが所属する“置屋”が有馬温泉にはかつて15軒あり、ひょうたんの数はそれを表しています。

2015年にオープンしたカフェ・バー〈一糸(いと)〉では、
現役の芸妓さんが常駐し、コーヒーを出してくれます。
この建物には“有馬検番”という芸妓たちのスケジュール管理をする事務所があり、
上は芸妓さんの稽古場、お店はその1階にあります。

「お店で気軽に芸妓とお話ししていただくことで、
有馬の文化をちょっぴり覗いてみてほしい」と言うのは、芸妓歴17年の一菜さん。
検番にお店があるため、日中の早い時間なら上階でのお稽古の声が聞こえてくる、
という楽しみも教えてくれました。
長唄に太鼓、踊りまで、芸妓さんたちが熱心に稽古に励む音が
BGMとして聞こえるなら、それはそれは、風流ではありませんか。
現在有馬温泉には15名ほどの芸妓さんがいますが、
そのうちふたりが、毎日日替わりでお店にいてくれますよ。

ちなみに予約すれば、酒宴でなくカフェで、芸妓さんの唄や踊りを見ることもできるそう(予約は10名くらいから。1名3000円)。時間が許せばお座敷遊びなども少しだけ披露してもらえるかもしれないので、有馬の湯に浸かりに行くなら、セットで考えておきたいですね。

和菓子つきのお抹茶は1000円。これも芸妓さんが点ててくれるんですよ。

information

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一糸

住所:兵庫県神戸市北区有馬町821

TEL:078-904-0197

営業時間:11:00~15:00、20:00~24:00
(当日15時までに予約の人のみ、お座敷がある場合は夜の営業はなし)

定休日:木曜、行事の際に臨時休業あり

ご当地餃子は神戸にも! 味噌ダレでいただく 〈ひょうたん〉の神戸餃子

クセになる味、神戸のソウルフード

日本各地にご当地餃子があり、B級グルメとして人気ですが、
実は神戸にも、地元の人が日常的に食べる“神戸餃子”があるのをご存じですか?
日本三大中華街の南京町があるので、やっぱり本格的な中華餃子かな? と思いますが、
なんと、肉味噌をつけていただくもの。

実は戦後すぐから、神戸では「餃子は味噌ダレで食べる」が常識だったようです。
ちなみに味噌ダレには赤味噌派、白味噌派の店があるそう。
取材でお邪魔した、御三家と呼ばれるお店のひとつ〈ひょうたん〉は赤味噌。
たっぷりの水で蒸し焼きにした餃子を、まずは赤味噌ベースの肉味噌でいただきます。

JR三ノ宮駅西側の高架下にある〈ひょうたん〉三宮店。餃子は1人前7個370円。持ち帰りは2人前から、偶数人数で注文できるそうです。

餃子がひたひたになるくらいまで水を入れ、そのままじっくり蒸し焼きにするのが〈ひょうたん〉流。だから皮はもっちもち、中はジューシーな餃子ができあがります。

1人前は7個なので、3個ほどそのままいただきましょうか。
その次に、卓上にあるニンニク醤油を赤味噌ダレに2回しほど入れ、よく混ぜて食べる。
するとまた違った味わいで、もっと食べたくなって「おかわり!」と言う人も多数。
小さい子どもからおじいちゃん、おばあちゃんまで、
お店では3世代、4世代の地元の人が、神戸餃子をハフハフと頬張っています。
これが神戸の日常、餃子のある暮らし、です。

1日平均3000個近く出るという〈ひょうたん〉三宮店の餃子。神戸餃子はまぎれもない神戸のソウルフード。

そんなことを考えながら神戸のまちを歩いていると、
結構あるもんですね、餃子の専門店。
三宮から元町までのエリアだけでも、10軒以上あります。
そのうちのひとつ、〈ひょうたん〉三宮店は、JR三ノ宮駅西側の高架下。
三宮センター街で買い物を済ませた人たちが、夕方近くになると
ちょっと立ち寄って食べて帰ったり、晩ごはんのおかずに持ち帰ったりしています。
こちらは餃子以外、飲み物しかメニューにありませんから、
本当に餃子目当てで、皆さんお店を訪れていることがわかります。

最近では、遠方からの注文も多いとか。
神戸に観光で来たときに食べ、その味が忘れられずに注文してしまう、
ということのようです。確かにクセになる味です、神戸餃子。

information

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ひょうたん 三宮店

住所:兵庫県神戸市中央区北長狭通1-31-37

TEL:078-331-1354

営業時間:11:30~24:00(LO 22:30)、日曜 ~23:00(LO 22:30)

女子だって家の改装はできる! 暮らしを変えるDIYの力

美流渡に移住したインテリアデザイナー、吉崎さんとの出会い

コロカルでの連載を始めたことによって広がった出会いがある。
エコビレッジをつくるために山の土地を探していると記事に書いたところ、
「美流渡(みると)に興味はありませんか?」と声をかけてくれたのが、
岩見沢の地域おこし推進員(協力隊)である吉崎祐季さんだった。
メールをもらってすぐに連絡をとり、美流渡周辺を案内してもらったのが
昨年夏のことになる。

以降、わたしがこの地に空き家を借りる決断をするまでのあいだ、
その経過を彼女はずっと見守ってくれていた。
吉崎さんは、昨年7月から地域おこし推進員となり、移住して8か月となる。
これからわたしが、美流渡で空き家を借りて
リノベーションを始めようとしていることから、
この地の暮らしが実際にどんなものであるのかを彼女に教えてもらいたいと思い、
自宅を訪ねることにした。

インテリアデザイナーとして仕事をしつつ、美流渡で地域おこし推進員として働く吉崎祐季さん。Facebook〈ミルトのここち〉では地域の情報を発信している。

彼女の住まいは勤務先になっている美流渡サービスセンターのすぐ近くにある。
この地域によくあるモルタルの平屋でこれといった特徴はないが、
中に入ってみてとにかく驚いた。
玄関の壁には黒板塗料が塗られ、リースと乾燥させたリンゴが飾りつけられていた。
またリビングにあるドアには木を組み合わせて模様がつけられているなど、
随所に工夫が凝らされていたのだった。

美流渡のある東部丘陵地域はリンゴづくりがさかん。乾燥させたリンゴをインテリアにするという発想が新鮮。

リビングの様子。木肌を生かした棚や机替わりの木製ドラムが、温かみのある空間をつくり出している。

木の板を短冊状に切って模様をつけたドア。手間を惜しまない吉崎さんの姿勢が伝わる。

ドアノブは古くなったメッキのようなイメージで。ブロンズスプレーの上につや消しの黒いスプレーを吹きつけ、ヤスリがけをして味わいを出した。

実は吉崎さんは、地域おこし推進員としての活動と並行して、
インテリアデザイナーとしてさまざまな取り組みを行っている。
現在、DIYが可能な賃貸物件を扱うポータルサイト〈DIYP〉の
北海道エリアでの活動〈BASE project〉の運営にも携わり、
家の改装方法を学ぶワークショップの企画も行っている。

このほか、〈earth garden〉というサイトでは、
自宅の改装についての連載を続け、DIYの楽しさを発信している。
吉崎さんは、こうした改装のテクニックを、すべて独学で身につけたという。
DIYはDo It Yourselfの略称であり、まさにこの言葉を実践しているのだった。

神戸の懐の深さを感じる、 中華料理店の名物。 元町〈香美園〉のカレー

インドカレーとは違う、中華食堂の味

JR元町駅と花隈駅の間、その南側のエリアにはかつて、
中華食堂がいくつもあったそうです。
中華食堂というのは中華料理あり、オムライスあり、ラーメンあり、
つまり限りなく“食堂”に近い中華料理店のこと。
それらのお店ではもちろんカレーもありました。
といっても、本格的なカレーではなく、あくまで食堂のカレー。
中華鍋で具を炒めてカレー粉で味つけ、片栗粉でとろみをつけた、
学校給食で出てきそうなカレーです。

しかし時代の流れとともに、中華食堂は姿を消していきました。
いま残っているのは南京町の有名中華料理店〈民生〉の支店〈香美園〉を含め、数軒。
カレーを出しているのは、唯一〈香美園〉だけです。

店構えはごく普通の中華料理店。店内に漂うカレーの香りをのぞけば……。

昭和42年に誕生したこちらの店、オープン翌年にはもうメニューにカレーがありました。
「もともと民生にもカレーがあって、それをこっちでも出したのが始まりのようです。
それがお客さんに好評でね、いつしかうちの看板メニューになっていました」
と言うのは、2代目の藤原良明さん。
中華料理を食べるつもりで訪れて、しかしカレー粉のスパイシーな香りに誘われ、
ついついカレーをオーダー。そんなお客さんが多かったそうです。
「ま、うちは中華料理店なので、そっちも食べてほしいんですけどね(笑)」
いまではお客さんの6割近くがカレーをオーダーするのだとか。

料理している姿は、中華料理を作っているときと同じ。でも完成したものは、カレーなんです。

そんなカレー派に人気のもうひとつのメニューがカレーそば。
〈民生〉と同じ手打ちの麺、鶏ガラスープの上からカレー。
ご飯と一緒に食べるカレーよりもあっさりしていて、最初は鶏ガラが強く、
食べ進むほどに、カレーの味わいが強くなっていく。
つるっと細麺が、なんとも小気味よい喉ごしです。

国産の豚肉と淡路島の玉ねぎを中華鍋で炒め、カレー粉で味つけする黄色いカレー。歯応えのいい細麺とカレーのマッチングにうなるカレー麺(そば)670円、大930円。カレーは650円、大880円。

なかなか甲乙つけがたし、なこの2品ですが、
神戸の中華料理店の懐の深さを知る料理として、ぜひ一度、食べてみてください。

information

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香美園

住所:兵庫県神戸市中央区元町通3-16-2

TEL:078-391-4015

営業時間:11:00~15:00、17:00~20:00(LO)

定休日:月曜(祝日の場合は翌日)

名所ではなく暮らしを撮る。 秋田県の映像プロジェクト 『True North, Akita.』前編

豊かな暮らしそのものを伝える

『True North, Akita.』という秋田県で撮影された1本の映像が
大きな感動を呼んでいる。この映像は、秋田県への
移住を促進するための取り組みの一環として制作されたものだが、
秋田の名物や名所が紹介されるわけでもなく、解説やナレーションもない。
そこで暮らす人たちと美しい自然、ありのままの光景が、
のびやかな歌声が印象的な曲とともに流れる。

True North, Akita. Vol.1

映像の撮影と編集をしたのは井野英隆さん率いる〈augment5 Inc〉。
井野さんについては以前コロカルでも紹介したが、
つくり手の思いが伝わるような豊かな表現による作品を多数手がけ、
グローバルに活躍する俊英だ。
これまでもさまざまな地域にまつわる映像を手がけてきたが、
これほど地域にコミットしてつくり上げたのは初めてだという。

2015年のある統計で「一度も訪れたことのない都道府県ランキング」1位の秋田県。
井野さんも秋田県についてはよく知らなかったが、
海外の映画祭に出品する映画をつくるために秋田に行くようになり、
それまでのイメージとのギャップに驚いたそうだ。
「とにかくすごい風景にばんばん出会うんです。
お酒もごはんもおいしいし、とても豊かだと思いました。
経済的にというより、風景、食べ物、文化も含めて、暮らしそのものが豊か。
その魅力が全然伝わっていないと感じました」

2014年頃から横手市にある酒蔵にまつわる映画の撮影を始め、
現在も今年のカンヌ映画祭に出品するために仕上げの作業が続いているが、
その映画のディレクターを務めているのが、秋田県出身の印藤麻記さん。
ご主人の印藤正人さんはカメラマンで、
麻記さんが里帰りするたびにホームビデオのような家族の記録映像を撮っていたそう。
秋田で映画を撮るには最適なパートナーだと思った井野さんは、
印藤さん夫妻に声をかけ、撮影がスタート。

ちょうどその頃、秋田の魅力をPRする事業を行っていた秋田県が、
秋田の豊かな暮らしを伝えられるような映像制作を、augment5 Inc.に依頼したのだ。
彼らのほかの作品も見て、これなら間違いないと思ってのことだろう。
こうして井野さんと印藤さん夫妻、それに夫妻の小さな息子さんも一緒に、
4人で秋田各地に出かけ、『True North, Akita.』のプロジェクトにも
取り組むことになった。

地元テレビ局の取材を受ける井野さん(左)と印藤さん夫妻。(撮影:蜂屋雄士)

神戸の春は海からやってくる。 人々の心も躍る 〈いかなごのくぎ煮〉

春の訪れを告げる、神戸の郷土食

神戸と言えば異国情緒漂うオシャレな“港町”のイメージはあっても、
“漁港”と言われてもピンとこない人が多いかもしれません。
でも実は、自然豊かな瀬戸内海に面しているだけに、
漁業が盛んなまちでもあるんです。

神戸市の西端に位置する垂水漁港は兵庫県内でも有数の漁港で、
明石海峡の強い潮流で育った、身の締まった魚介が水揚げされることで知られています。
神戸ではそんな海の幸を使った名産が多く楽しめますが、
なかでも地元の人々が特に愛して止まないのが“いかなご”です。

垂水漁港のいかなごの水揚げ量は全国でもトップクラス。

東京や千葉では〈コオナゴカマス〉と呼ばれるなどカマスに似た魚で、
体は細長く槍形、色は背部が青褐色で腹部は銀白色。
成長すると約25センチにもなりますが、最もおいしいと言われるのは
体長3センチ前後の新子(生後3~4か月の稚魚)です。

全国トップクラスの水揚げ量を誇る垂水漁港で漁が解禁されるのは
2月下旬から5月頃までという短い期間。
それ以降、夏場には砂に潜って夏眠するために
このような漁の期間となっているのですが、
旬の時期にはスーパーに特設コーナーが登場し、昼網の新鮮ないかなごを求めて
大勢の人々が押し寄せるほどのにぎわいをみせます。

イカナゴが飛び跳ねる音など、垂水漁港のイカナゴ漁で出る音は環境省の選定する「残したい日本の音風景100選」にも認定されています。

さて、いかなごの食べ方で神戸人のイチオシは、
農林水産省の「日本の農山漁村の郷土料理百選」に選定されている“くぎ煮”。
釜で醤油、砂糖、ショウガとともに水分がなくなるまでじっくり煮詰めた甘辛い佃煮で、
いかなごの旨みとショウガの風味が抜群。
ご飯のおともにも酒のアテにもいい、そして引く味わいの珍味です。

特に発祥地とも言われる垂水区の各家庭では、大鍋で大量に炊きあげ、
ご近所や遠方の親戚へ送ることも盛んに行われているそうで、
炊きあげる際の醤油の香りがまち中に立ちこめてくると、
「ああ、春がきたんだなぁ」と思うほど。
地元の人にとって、いかなごは春の訪れを知らせてくれる存在なのです。

とれたてのいかなごの稚魚を生のまま、醤油、砂糖、ショウガで味つけして炊きあげたいかなごのくぎ煮。

完成品を買うのもいいですが、市内のスーパーでは鍋や保存容器はもちろん、
醤油、砂糖、水飴、ショウガ、山椒など、
いかなごのくぎ煮作りに必要なものをそろえて販売しているので、
一度チャレンジしてみてはいかがでしょう。

くぎ煮のおいしさのポイントは、やはりいかなごの鮮度。漁港から近い神戸だからこそ味わえる逸品です。

オンリー神戸なファニチャー。 神戸家具〈永田良介商店〉

神戸の歴史がつまった、使い続けられる家具

明治の開国と同時に、神戸のまちにはたくさんの外国人がやってきました。
それらの人とともに、外国の家具もすごい量が上陸(したと思います)。
しかし外国と気候が違いますから、経年劣化だけではない障害が、
持ってきた家具に発生します。
当時それらを修理していたのは、和船の船大工たちだったとか。
かれらは居留地に暮らす外国人の求めに応じて家具を修理しながら、
やがて見よう見まねで、家具をつくるようになっていきました。

といっても最初からつくるというよりは、居留地で使われなくなった家具を引き取り、
それを日本人の背丈に合わせてリサイズする、というほうが多かったようです。
明治5年に元町で創業した〈永田良介商店〉は、その歴史をいまに伝える希有な店。
「最初はね、居留地で使われなくなった家具などを引き取って
販売する商いだったんですよ。それから親戚の船大工とともに、
家具店を創業することになったのが店の歴史です」と言うのは、5代目の永田耕一さん。
息子さんである6代目店主見習・泰資(たいすけ)さんとともに、お店に立っています。

5代目の耕一さん(右)、息子の6代目店主見習・泰資さん。

「神戸家具の根本にあるのは、製品を長く愛して、
使っていただける状態にしておくこと」と耕一さん。
お客さんには家族3代にわたってひとつの家具を修理しながら、
代々受け継いでいる家庭も少なくないそうで、
「人の数だけいすやベッドのサイズはあります。
それを定期的に預かり、時には布を張り替え、木材部分をリペアしていく。
こうやってうちの家具は長生きしているのだと思います」

脚の高さ、座面の広さ、背もたれの角度にいたるまで計測し、経験値から導き出した数字で家具をオーダーメイド。どれをとっても、愛着がわきそうな風合いです。

創業時から比べると、まったく別次元のように、暮らしは変化しました。
それでも神戸には、永田良介商店の神戸家具が生き続けています。
親から子、子から孫へ、家具を受け継ぐ。とてもステキだと思いませんか?
これが神戸のこだわりであり、神戸のよさ。

布生地は世界中から集めています。

information

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永田良介商店

住所:兵庫県神戸市中央区三宮町3-1-4

TEL:078-391-3737

営業時間:10:00~18:00

定休日:水曜、第1・第3火曜

http://www.r-nagata.co.jp

瀬戸内国際芸術祭2016スタート! 小豆島の食材を使ったジェラートを 食べられる〈MINORI GELATO〉

空き倉庫をリノベーションしたジェラート屋さん

3月20日、いよいよ〈瀬戸内国際芸術祭2016〉(以下、瀬戸芸)
春会期が始まりました。
今年で3回目の開催となる瀬戸芸。
今回も小豆島はその舞台のひとつです。
瀬戸芸期間中、小豆島でどんなことが起こっているのか紹介していこうと思います。

3月に入り、島のあちこちで作品ができあがってきました。
瀬戸芸の青いフラッグも作品周辺に立ち始め、いよいよ始まるんだな〜と。

3月18日、今回の作品のひとつである
Shodoshima Gelato Recipes Project by カタチラボ〉のお披露目会がありました。
〈Shodoshima Gelato Recipes Project by カタチラボ〉は、
大阪のクリエイティブユニット〈graf〉と、
小豆島のイタリアンレストラン〈FURYU(フリュウ)〉による企画で、
島の旬の食材を使ったジェラートをつくり、そのジェラートを食べられる場所として
〈MINORI GELATO(ミノリジェラート)〉という名前のジェラテリアを展開します。

FURYUを営む渋谷夫妻(写真右)と去年夫婦で移住されてきてこれからMINORI GELATOを運営されていく市川夫妻(写真左)。

「3月20日にオープンするよー」
とFURYUの渋谷さんから聞いていたのですが、建物の横を通り過ぎるたび、
間に合うのかなぁと内心思っていました(笑)。
草壁港すぐ横にある使われていなかったお米の倉庫。
そこを改装してジェラート屋さんに。
はたしてどんなふうにリノベーションされてるのか
ワクワクしながらお披露目会に向かいました。

使われていなかったお米の倉庫を改修。

エントランス正面にはおいしそうなジェラートが盛り盛り〜。

初めて建物の中に入ってみて、びっくり!
思ったよりずっと広い空間。
その広々とした建物の中に大きなカウンターが設置され、
入ってすぐ正面にはおいしそうな何種類ものジェラートがきれいに盛られていました。
は〜、すごいなぁ。
こんな風にして古い建物が生まれ変わるんだなぁと素直に感動。

中に入ってびっくり。広々とした空間の中に大きなカウンター。

立派な小屋組。屋根裏のすき間から土が落ちてこないように板を打ちつけたそう。それがストライプになってきれい。

この斜めの材はもともとあったそう。美しい。

日本初のテーラーはいまも現役。 伊藤博文も愛した 〈柴田音吉洋服店〉

その人に似合う、最高の一着をつくる

神戸が明治の開港で賑わいを見せている頃、
ひとりの男性が「洋服づくりの天才」と話題になっていました。
それが柴田音吉さん。〈柴田音吉洋服店〉の創業者です。
10歳には京都で裁縫の勉強を始め、その後、明治2年になると
今度は、近代洋服のテーラーをメリケン波止場で開いていたイギリス人、
カペルさんの弟子になります。
そして1880(明治19)年に開業。ここに日本初の本格的テーラーが誕生します。

当時の日本ではあまり手に入らなかった最高級の生地を使い、
とにかく着心地のいい、丁寧な仕事。その噂を聞きつけ、
初代兵庫県知事の伊藤博文もスーツやコートをあつらえたそうです。

創業以来顧客の型紙が保存されています。震災前には2万枚の型紙がありましたが、建物の倒壊で一部は持ち出せませんでした。それでも2000枚を保存しているのは、お客さんと一生のおつき合いをしていく証。

「これ以後、伊藤博文に大変かわいがられ、
伊藤博文が天皇に対して礼服は洋装にすべき、と進言することになった
きっかけだと言われています」と言うのは、5代目の柴田音吉さん。
なんと太政官布告に列記された内容は、
柴田音吉洋服店の初代が深く関係していたのでした。

それから代は移り、阪神淡路大震災も経験し、店は現在の場所へ。
予約制のテーラーとして、新たな価値をつくり出しています。
「近年は既製のスーツをフィッティングするだけで買える時代です。
しかし、やはりその人に合う一着というのは
じっくり話をし、採寸するというプロセスを経ないといけません」
そう、現代の柴田音吉洋服店は、テーラーの国イギリスの本流でもある
ビスポークテーラーとして、ひとりひとりのお客さんに向き合っているのです。

お客さんとの話は、体型や好みの話だけではありません。
経済のこと、嗜好品のこと、あらゆる話をしてお客さんとのつながりを深め、
その中から最適の一着を生み出していきます。

生地はオールシーズン使えるものを常時500種類そろえています。

「洋服は利益ではなく芸術性を追求しなさい」
先代に教えられた言葉を守りながら、日本最古のテーラーは、
今日も紳士服を生み出しています。
「いい洋服をつくるのは、テーラーなら当たり前。
うちはその先の世界まで、お客さんと共有していきます」
5代目の言葉は、服づくりの魂を物語っていました。

「ブランドを誇るのではなく、質を誇ってほしい」。お客さんにそう願うから、ブランドタグは襟元だけにさらりと入っています。

information

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柴田音吉洋服店

住所:兵庫県神戸市中央区元町通4-2-22 2F

TEL:078-341-1161

営業時間:12:00~18:00(要予約、予約時間により午前中も可能)

定休日:水曜、日曜、祝日

*都市によっては訪問も可能
http://www.otokichi-kobe.co.jp/

神戸に“レンタサイクル”が 増えているワケ。 〈こうべリンクル kobelin〉

まち巡りにも、日常にも便利なシェアサイクル

瀬戸内海と六甲山系の山々に囲まれた、自然豊かな神戸。
新たな発見を求めて、緑あふれるこのまちをサイクリングで楽しむ人が増えています。 

地元の人だけでなく訪問する人にも注目されているのが、
神戸コミュニティサイクル〈こうべリンクル kobelin(コベリン)〉です。
コンパクトで真っ赤なボディが愛らしい神戸のシェアサイクルで、
坂道が多い神戸の道のりも電動自転車なのでスイスイ行けて快適です。
特に北野方面は坂道の風情を楽しみたい場所でもありますから、
これさえあれば無敵! ですね。

またうれしいのは、借りた場所まで返しに戻らなくてもいいこと。
JR三ノ宮駅や元町駅、ハーバーランドなど神戸市内に10か所、
サイクルポートと呼ばれる駐輪場が設置されていて、
このサイクルポート間であれば、借りたり返したりが自由にできるのです。

収容台数15台の三宮駅前サイクルポート。サイクルポートのデザインは、〈こうべリンクル〉の名前に由来して輪が連なっているイメージに。

ハーバーランドに設置されているサイクルポート。サイクルポートにある登録機からも登録OK。阪神高速沿いのガスビルにあります。

もちろんインターネットで簡単に会員登録して利用できるので、
ショッピングはもちろん、神戸といえば、のスイーツ巡りなど、
多彩なまち巡りができそうです。

自転車のサドルについている操作パネルからも簡単に登録可能! ICカードやおサイフケータイが必要なので準備しましょう。

最近は通勤や仕事の移動などにも利用する人が多いようで、
車で移動するまでもないけど歩くと時間のかかる市内では、自転車が重宝しそう。
日々の行動範囲もぐんと広がりますね。

ちなみに〈こうべリンクル kobelin〉の名前には、
Link=つなぐという意味が込められています。
kobelinで走り抜ける神戸の街角では、新たな人やまちとのつながり、
出会いが待っているかもしれないと思うと、とてもウキウキしてきます。

information

こうべリンクル kobelin

お問い合わせ:サイカパーキング 0120-040-587

料金:1回利用の場合、最初の60分100円(30分ごとに+100円、最大1000円)、1日利用の場合、500円 *24時間利用可能

http://www.kobelin.jp/

港町・神戸の普段着は、 日本唯一の船員服の専門店で。 〈アリマ〉のトレーナー

元町の船員服専門店のオリジナルグッズ

美しいガラスアートのある東玄関から、東西に1.2キロ続く元町商店街。
居留地のハイカラを取り込んだ神戸を代表するこの商店街も
西へ歩いて5丁目あたりに行けば、和洋のお店が混在し、
先代からの専門知識とお客様からの信用を得ているお店が並んでいる
昔ながらの雰囲気になってきます。

看板のイカリのモチーフ。ついショーウィンドウに飾られたカッコイイ船員の制服にも目を奪われてしまいます。

その中にある〈アリマ〉は、日本で唯一の海員制服の専門店です。
1961年の創業から全国各地の船員の服を作り続け、船員の服といえばアリマの制服、
と言われるほどに、その世界では名前が知られています。

店内は広々としているので、ゆっくりとショッピングすることができます。

もともと海軍出身の先代が、港にまつわる仕事がしたいと
独立を考えたことからお店はスタート。
2004年に元町商店街に移転したことをきっかけに、
少しずつ一般のお客さんにも商品を見てもらえる機会が増えてきたそうです。

そこでトレーナー、エコバッグ、ストラップなど、
一般のお客さんのためにオリジナルグッズの販売をスタートさせました。
すると、そのオリジナルグッズのデザインがおしゃれだとたちまち評判に。
販売開始から6年以上が経ったいまでも、専門店にもかかわらず、
このオリジナルグッズをおみやげや自分で持ちたいと購入する人が多いそう。
単なる話題性ではなく、ものづくりの姿勢が
多くの人のハートにしっかり響いている、ということなのでしょうね。

エコバッグ1512円(税込)。ネイビーとホワイトの2色展開。かわいいデザインに一目惚れする人が続出!

ちなみに船員の制服をモチーフにしたトレーナーがおみやげに一番人気で、
洗練されたデザインが私服にも使いやすいと、
いまでも口コミで人気が広がり続けているとか。
アリマでしか手に入らないレアなアイテムは、
海、そしてファッションのまちでもある神戸にピッタリです。

オリジナルトレーナー3888円(税込)。バックプリントのイカリやコンパスなどのデザインが好評。

information

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アリマ

住所:兵庫県神戸市中央区元町通5-4-13

TEL:078-341-2910

営業時間:10:00~18:00

定休日:日曜

神戸の人はパンが好き。 仕事帰りは〈イスズベーカリー〉

“神戸マイスター”がつくる風味豊かなパン

全国でも2番目にパンの消費量が多い神戸。確かに神戸のまちは
各所にベーカリーがあり、まちの人が日常のパンを買っている姿をよく見ます。

イスズベーカリー元町店は、元町駅から徒歩1分とアクセス抜群。香ばしいパンの香りに、ついつい誘われてしまいそう。

なかでも神戸の人が愛してやまないのは、〈イスズベーカリー〉です。
1946年の創業以来神戸の人を虜にしているのは、
小麦粉の旨みが最大限に引き出された風味豊かなパンのおいしさにほかなりません。

イスズベーカリーではイーストの使用を極力抑えて、
小麦粉の生地が醗酵しようとする力を引き出すために長時間醗酵法を採用。
そのため小麦粉のおいしさが噛めば噛むほど感じられる、深い味わいになっているのです。
そのパンづくりの姿勢から、イスズベーカリー2代目の井筒英治さんは、
ハイレベルな技能者に与えられる“神戸マイスター”にパン部門で初めて認定されています。

店内には、全国菓子博内閣総理大臣賞受賞をした、人気の食パン〈ハード山食〉や、乳脂肪45%の生クリームなどを加えたしっとり食感の〈エンペラー〉も好評です。

お店は三宮、元町、北野に計4店舗ありますが、
なかでも2006年7月にオープンした元町店には130種類以上のパンが並び、
洋菓子なども含めると、アイテム数がなんと200種類以上。
もちろんほかのイスズベーカリーの店舗と比べても、品ぞろえの多さは群を抜いています。

“神戸マイスター”の製法を受け継いでいるパン職人さんたち。

しかしこちらのお店、人気なのは品ぞろえの豊富さだけではありません。
訪れるお客さんは、地元の40~50代の人が中心。
イスズベーカリーのパンは毎日食べたい味だから、というのが
多くの人を魅了し続ける理由なのです。

朝は朝食としてサンドイッチを買う出勤前の人、
15時を過ぎるとお母さんたちが明日の朝食用に食卓に並べる食パンを、
夕方以降は仕事帰りのOLさんが自分へのごほうびに菓子パンを買って帰る……。
つまりイスズベーカリーのパンは、神戸の人のエネルギーそのもの。
いつでも食べたい、そして食べれば元気になれる神戸パンの代表です。
おやつにも、食卓にも、毎日の生活においしパンがあれば、
それはそれは、ハッピーに違いありません。

information

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イスズベーカリー 元町店

住所:兵庫県神戸市中央区元町通1-11-18

TEL:078-393-4180

営業時間:8:00~21:00

http://isuzu-bakery.jp/

思い立ったらすぐ行ける。 神戸のふたつの山、 六甲山と摩耶山へ

まちの近くで楽しめるハイキングや眺望

日本三百名山に選ばれている〈六甲山〉と、
展望台からの眺めが日本三大夜景のひとつとされている〈摩耶山〉は、
ずっと変わらずに神戸の人のオアシス的なスポットとして親しまれています。
ここには心洗われるような絶景や広大な自然があり、
それがまちから近いことで、思い立ったらすぐ行けるのも大きな魅力です。

山上まで登れてしまうケーブルカー。1932年開業の歴史あるケーブルカーで、レトロとクラッシックの2種類で運行しています。

六甲山上へ向かうのに便利なのが、六甲ケーブル。
一気に山上まで登り切ることができるので、
到着した六甲山上駅から六甲山頂を目指したり、
下りルートの爽快な森の空気にふれたりと、気軽にハイキングを楽しむことができます。
ちなみにこの六甲山上駅、近代化産業遺産にも指定されているので、
駅そのものもしっかり見学しておきましょう。

六甲ガーデンテラス内にある〈自然体感展望台 六甲枝垂れ〉。ヒノキのフレーム越しには、壮大な六甲山からの景色が広がります。

駅から山頂方面へ歩いていると、六甲山の中腹に六甲ガーデンテラスが見えてきます。
ここにはヒノキの無垢材でできている〈自然体感展望台 六甲枝垂れ〉があります。
暖かな木漏れ日のような光に包まれたり、六甲の風を体感できたりと、
大自然を肌で感じながら、標高888メートルからの眺望を満喫するのは
ハイカーの定番の楽しみ方。
明石海峡大橋から大阪平野あたりまで広がるパノラマの景色は必見です。
その先には六甲有馬ロープウェーがあるので、そのまま有馬温泉へ向かい、
日本三名泉といわれる湯で、疲れた体を癒やしましょう。

見晴らしいい昼真の掬星台はすがすがしい空気いっぱいで、神戸ー大阪間が一望できます。

一方の摩耶山は、〈掬星台(きくせいだい)〉から見える
阪神間の眺望がとにかく最高です! 
晴れた日には関西国際空港が見えることもあるという見晴らしのよさに、
休日には多くの人が訪れる人気スポットとなっています。

まやビューラインのロープウェーから眺める夜景は、きっと格別。掬星台の大パノラマを、空の旅で楽しんでみてください。

もちろん眺望だけでなく、山上と麓を結ぶ
ケーブルカーとロープウェーを堪能することも忘れずに。
車窓の外に広がる壮大な景色が実に圧巻ですよ。

ちなみにオススメの楽しみ方は、まず山頂までケーブルカーと
ロープウェーで移動し、そこから青谷道を下るコース。
途中には茶屋があってひと休みすることができますし、
比較的やさしい道なので、ハイキングデビューにもぴったりです。
神戸の人が愛して止まないふたつの山は、
遊びがいっぱい詰まったスポットでもあるのでした。

掬星台の展望台からの眺望は、まさに1000万ドルの輝きです。ライトアップされた遊歩道もロマンチックな演出をしてくれます。

information

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六甲山

住所:兵庫県神戸市灘区六甲山

http://www.rokkosan.com/

六甲ケーブル

TEL:078-861-5288

運行時間:7:10~21:10

料金:片道590円、往復1000円

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摩耶山

住所:兵庫県神戸市灘区摩耶山

http://www.mayasan.jp/

まやビューライン(摩耶ケーブル&ロープウェー)

TEL:078-861-2998

運行時間:摩耶ケーブル10:00~17:40、摩耶ロープウェー10:10~17:30(曜日・季節により延長ダイヤあり)

料金:ケーブル(摩耶ケーブル駅~虹の駅)、ロープウェー(虹の駅~星の駅)片道440円、往復770円、全区間(摩耶ケーブル駅~星の駅)片道880円、往復1540円

http://kobe-rope.jp