連載
posted:2016.4.4 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/
春の気配があちこちでする小豆島。
庭のサクランボの木の花は散り、新しい葉っぱが出てきました。
柿の木の新芽も。これ天ぷらにするとおいしいらしい。
毎年春の訪れはワクワクしますね。
いつもこの時期になると春休みということもあり観光客の方が増えます。
今年は瀬戸内国際芸術祭(以下、瀬戸芸)開催中ということもありより賑やか。
今回で3回目の開催となる瀬戸芸ですが、
作品の中には1回目から継続して展開されているもの、今回初めてのものがあります。
1回目からある作品については、その地区の人たちもよく知っていて、
「またあれができるんだね〜」
「◯◯さん(作家さん)もう来てるの〜?」
なんて感じで、制作の様子を見ていたり、制作の手伝いをしたりしています。
そんな作品のひとつが、小豆島・中山地区にある大きな竹のドーム『オリーブの夢』。
台湾のワン・ウェンチー(王文志)さんの作品です。
今回から少し形と名前が変わりましたが、
いつもと同じ場所に地元の竹を使ってつくられています。
3年前、いろは(娘)が幼稚園に通っていた頃は、春の親子遠足で歩いて行きました。
そして今年は、地元子ども会のイベントで歩いて行きました。
地元の子どもたちにもなじみのある作品です。
私たちが暮らす肥土山地区から『オリーブの夢』がある中山地区までは
歩いて20分ほどです。
田んぼの中を抜けて、川沿いに山の中の道を歩いていきます。
この道はときどき猿に出くわすこともあり
ちょっとスリリングですが、私的にはオススメの散歩道です。
『オリーブの夢』は何千本もの竹を編んでつくられているのですが、
間近で見るとほんとに美しい。
場所によって編み方が違っていて、いろんな表情を見せてくれます。
あー、竹って美しい。何度もそう思ってしまいます。
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ドームの中に入ると、この編まれた竹のすき間から入ってくる
太陽の光がなんとも気持ちがいい。
自然と寝転びたくなります。
寝転んで、見上げて、しばしぼーっとする。
これがここでのオススメの過ごし方。
自分が大きなザルの中に入ってしまったような不思議な気分。
気持ちがいい〜。
そんな大人たちを横目に、子どもたちはじっとしていません(笑)。
ドームの外に出て、近くの川へ。
つくしを採ったり、川に枝を流して遊んだり。
作品をじっと鑑賞するなんてことはせず、
こうしてそのまわりにある自然の中で遊ぶ。それもいいな〜と。
これから、この中山地区の棚田には水がはられ、稲が植えられ、
7月頃にはそれはそれは美しい黄緑の風景が広がります。
その棚田の間を歩いて訪れる『オリーブの夢』はまた格別です。
いまから楽しみです。
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