連載
posted:2016.3.28 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/
今年で3度目の開催となる〈瀬戸内国際芸術祭〉(以下、瀬戸芸)。
回を重ねるほどに作品の数が増え、展開される場所も少しずつ広がっています。
小豆島では今回の瀬戸芸から、島の北側の大部・北浦地区と
〈二十四の瞳映画村〉がある堀越・田浦地区にも新たに作品が展開されています。
小豆島は皆さんが思っているよりもずっと大きな島です。
瀬戸芸の開催場所となっているほかの島と比べても圧倒的な大きさです。
とても1日でまわりきれるような広さではなく、
1週間滞在したとしてもすべての作品は見きれないかも。
といってもそんなに長く滞在するのは難しいと思うので、
行くところを絞ってめぐる感じですよね。
瀬戸芸が開幕した週末、今回新たに作品が展開されている
大部・北浦地区をさっそく訪れてみました。
私たちが暮らしているのは肥土山(ひとやま)という地区なのですが、
そこから車で20分くらいのところです。
この小豆島日記でも何度か書いていますが(vol.120、vol.123)、
島の北側は観光地感が強くなく、静かで穏やかな暮らしを感じます。
その雰囲気がなんとも好き。
車で走って行くと、道沿いではためく青いフラッグ。
作品が近くにあるよ〜の印です。
大部に到着し、まずは腹ごしらえ。
大部には、岡山県の日生港とフェリーが行き来する大部港があります。
その港のすぐ横にある〈喫茶 サンワ〉へ。
鍋焼きうどんから焼肉定食、チャンポンメンまでメニュー豊富で、
田舎の良き喫茶店という感じのお店。
私はいつものナポリタンを注文。
鉄板の上に盛りつけられ、中のほうに生卵が入ってます。
いただきます!
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さてお腹もいっぱいになったし、さっそく作品を見に行こうとぶらぶら。
大部では今回の瀬戸芸でふたつの作品が展開されています。
ひとつは竹腰耕平さんによる『小豆島の木』、
もうひとつは台湾のリン・シュンロンによる『国境を越えて・潮』です。
春会期から展示されている『小豆島の木』を見に行きました。
この日は開会式典が行われており、役場の方などたくさんの方がみえていました。
作品は見てのお楽しみ!
1本の木を、根の下から体験する作品です。
それにしてもこのあたりは本当に海が近い。
ごはんを食べていても、作品を見ていても、どこかに海を感じる。
帰り道、近くの海岸に立ち寄り、コーヒーを淹れておやつ。
沖に見えるのは〈こぼれ美島〉。
海辺で過ごす時間はなんとも至福。
アートをめぐりつつ、ぜひそこでの時間を
ゆっくりと感じていただけるといいのかなと思います。
作品鑑賞パスポートにスタンプを貯めていくことも楽しいかもしれないけれど、
急いで次々と進まずに、まわりの景色を見たり、空気を感じたり。
アートをきっかけに普段行かない場所を訪れ、
いままで気づかなかったその場所のよさに気づく。
何を隠そう、私たちも第1回目の瀬戸芸のときに小豆島・豊島を訪れ、
「あー、なんていいところなんだろう」と感じたことが
ここへ移住したきっかけのひとつだったりします。
というわけで、私たちもまだまだ知らない島の魅力を感じに、
アートを見にいこうと思います。
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