みりんを使って造る天然醸造醤油 和歌山・カネイワ醤油本店
きれいな水といい空気で育む醤油
奥深くて力強い醤油を造る和歌山県有田川町の〈カネイワ醤油本店〉。
一番の売れ筋である〈天然醸造醤油〉は、
みりんを使って口当たりやわらかく仕上げている。
少量でもコクのある魚の煮物ができあがるこの醤油は、
関西中心に口コミで広がっています。
訪ねた場所は、醤油発祥の地とされる和歌山県の湯浅町から
車で20分ほど走った山手の有田川町。
緑豊かで空気も清らかなその土地の川沿いに、カネイワ醤油本店はあります。
車を降りると、心地いい醤油の香りが広がっていました。
迎えてくれたのは4代目を継ぐ予定の岩本行弘専務。
晴れ晴れとした笑顔で迎えてくれ、
さっそく醤油造りへの熱い想いを力強く語ってくれました。

大正元年創業のカネイワ醤油本店。高野山から湧き出る清涼な水と、澄んだ空気に恵まれた土地で醤油をゆったりと育む。
「ここに下りてくる高野山系のきれいな湧き水といい空気は
醤油造りにかかせんのや」と山に目をやります。
カネイワ醤油本店の初代店主は、明治時代後半に醤油の製法を湯浅で学んだ後、
大正元年に良質の水に恵まれるこの土地に蔵を建てたそう。
そしていまなお、青々とした樹木と、清涼な水が流れる有田川のそばで、
2年の歳月をかけてゆっくりと育みます。
「2年の歳月をかけて、焦らずゆっくりと木桶の中で育むことで深い味わいになる。
昔から『麹は寝ても蔵人は寝るな』と言ってきたもんや。
僕も一晩中、1時間から2時間おきに麹の様子を見に行っとる。
大変とかいう以上に気になるんや。
天気や気候、そして麹の育ち具合で温度が下がったり上がったりする。
しかも品温計や湿度計だけでは判断できんことが多いから、
ちゃんと人の手で触って判断して、適切な温度になるよう手助けせなあかん。
それに醤油を造る菌も生きもんやから、僕の姿勢を見とると思うし、
熱い想いで造ったら期待に応えてくれる気がするんや」

すべて木桶の中で2年間かけてゆっくりと育む。

このような鮮やかな茜色のもろみは珍しくて驚いた。蔵の香りもよく、もろみは見るからにおいしそう。