連載
posted:2016.3.22 from:兵庫県神戸市 genre:暮らしと移住 / 旅行
sponsored by 神戸市
〈 この連載・企画は… 〉
旅するように暮らす、暮らすように旅する。それができるのが神戸の魅力。
ブックレット『CLASS KOBE』で紹介した場所、そして、オリジナル記事も加えた、
神戸の暮らしを訪ねたくなるコロカルの神戸案内です。
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文:橋本勲(glass)
撮影:猪股純一
Supported by 神戸市
明治の開国と同時に、神戸のまちにはたくさんの外国人がやってきました。
それらの人とともに、外国の家具もすごい量が上陸(したと思います)。
しかし外国と気候が違いますから、経年劣化だけではない障害が、
持ってきた家具に発生します。
当時それらを修理していたのは、和船の船大工たちだったとか。
かれらは居留地に暮らす外国人の求めに応じて家具を修理しながら、
やがて見よう見まねで、家具をつくるようになっていきました。
といっても最初からつくるというよりは、居留地で使われなくなった家具を引き取り、
それを日本人の背丈に合わせてリサイズする、というほうが多かったようです。
明治5年に元町で創業した〈永田良介商店〉は、その歴史をいまに伝える希有な店。
「最初はね、居留地で使われなくなった家具などを引き取って
販売する商いだったんですよ。それから親戚の船大工とともに、
家具店を創業することになったのが店の歴史です」と言うのは、5代目の永田耕一さん。
息子さんである6代目店主見習・泰資(たいすけ)さんとともに、お店に立っています。
5代目の耕一さん(右)、息子の6代目店主見習・泰資さん。
「神戸家具の根本にあるのは、製品を長く愛して、
使っていただける状態にしておくこと」と耕一さん。
お客さんには家族3代にわたってひとつの家具を修理しながら、
代々受け継いでいる家庭も少なくないそうで、
「人の数だけいすやベッドのサイズはあります。
それを定期的に預かり、時には布を張り替え、木材部分をリペアしていく。
こうやってうちの家具は長生きしているのだと思います」
脚の高さ、座面の広さ、背もたれの角度にいたるまで計測し、経験値から導き出した数字で家具をオーダーメイド。どれをとっても、愛着がわきそうな風合いです。
創業時から比べると、まったく別次元のように、暮らしは変化しました。
それでも神戸には、永田良介商店の神戸家具が生き続けています。
親から子、子から孫へ、家具を受け継ぐ。とてもステキだと思いませんか?
これが神戸のこだわりであり、神戸のよさ。
布生地は世界中から集めています。
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永田良介商店
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