米をめぐるワークショップ開催!
2012年晩秋、「山ノ家」初の地域コラボレーションの出発点となったのは、
「米」をめぐるワークショップ!
まったく人が来ない状況を打開するために、
「地元の里山の魅力を味わい尽くしてもらえるようなイベントを!」
と地域の方々に協力いただいて組み上げたツアープラン。
オープンした夏から知り合えた方々や
動きに注目してくださりながらも来れていなかった方々など、
とにかく縁あったみなさんにニューズレターを配信した。
夏のオープンの喧噪期を過ぎて秋にようやく立ち上げた
フェイスブックにも情報を公開。
それは、すでにイベント開催の3週間前を切ったタイミングで、
集客は絶望的にあやぶまれていたのだが、
蓋を開けてみれば、なぜか男性部屋は満室!の大盛況。
それに加えて、関西からはるばる参加してくれた女性客など、
それなりに賑やかな人数の参加者が都市圏から集まってくれた。
後に回を重ねることになった、この「里山の自然と農」の
記念すべき初ワークショップに参加してくださったみなさんには
今も感謝の気持ちでいっぱいである。
この寂しかった秋の終わりに、
私たちを見つけてくれてありがとう、と。
実はこのワークショップの直前に、請われて
「複数拠点を移動するライフスタイル」について
語り合うトークイベントに出演させていただいていて、
そのトークでファシリテーターを務めた某誌の編集長さんと意気投合。
取材もかねてと、スタッフを参加者として
送り込んでくれたことも大きかった。

山ノ家に到着したワークショップ参加者の面々。
ちなみにその時のトークイベントで、
私(池田)は「ダブル・ローカル」
=複数の拠点を行き来して生活と仕事を持つくらし方
=複数の “地元”を持つ生き方が、
ローカルの過疎の是正に繋がるのでは、と、
初めて「ダブル・ローカル」という言葉をパブリックに発したのであった。
どちらにも「ただいま!」と帰って行くふたつの地元。
それは現在も変わらない。

アート散歩中の参加者のみなさんと案内役の隣人たち。
さて、実際のワークショップツアーはというと、
とれたての新米を味わうクライマックスを楽しみに、
到着すると、まずは松代散策からスタート。
山ノ家の地元、松代周辺に点在する大地の芸術祭作品を鑑賞するアート散歩は
農舞台や松代城山周辺の作品群を、
芸術祭ファンという地元の小学生、大貴くん(vol.2参照)と
彼のお父さんに案内してもらう。
ちなみに、大貴くんの芸術祭作品巡りのパスポートは
各作品を訪ねると押してもらえるスタンプで真っ黒。
生え抜きの芸術祭猛者である。
生まれ育つ場所に、生まれた年から(彼は芸術祭がスタートした年に生まれた)
世界的に評価の高い実験的な芸術作品が存在していたなんて、
何とうらやましい境遇だろうか。
でも、彼にとっては、これは「日常」なんだろうな。

甘酒をつくるところ。

できたての甘酒。
すでに雪が積もっていることもめずらしくない11月下旬の松代だが、
この週末はめずらしく小春日和。穏やかな空気の中、アート散歩の後は、
松代生活の大先輩、かつ「発酵」研究実践家の若井明夫さんを先生に
米のとぎ汁で万能せっけん水を作ったり、塩糀を作ったり、
玄米と米糀だけで甘酒をおこしたりともりだくさんなワークショップ。

紅葉の中を芝峠温泉「雲海」に向かう。
続いて、紅葉に染まる山道を山ノ家から車で登ること約10分。
芝峠温泉の眺めのよい露天風呂で疲れを癒した後は、山ノ家でわいわいと晩ご飯。
ちなみに、この露天風呂、入湯料600円!
十日町市内には多数の良い温泉がたくさんあって、
日帰り入浴はすべてほぼそのくらいの料金。
おそらく全国各地の温泉地もそんな感じなのであろうと思いつつも、
日常的によい温泉に気軽に入れる喜びといったら、もう至福である。
しかも、山ノ家に車で迎えに来てくれるのだ。
申し遅れましたが、山ノ家には車がない。
実は2015年の冬現在も、まだない。
ローカルライフの移動には欠かせない車を持たない私たちは
よく驚かれるのだが、ここに住んでいるメリットのひとつは
コンパクトシティであること。
駅も病院も銀行も農協ストアも5分以内で歩いていける距離にある。
しかも温泉はドア・トゥー・ドア。
今のところ、車を使っていなくても困らないのだ。
とはいえ、さすがに歩いてはいけないが、
行きたい/行かなくてはならない場所も
もちろん多々あるため、近未来には必要かなと思う。
さて、翌朝はきのこ狩りである。
地元のタクシー会社の代表であり、
松代の名ガイドとしても名を馳せる村山達三さんが「きのこ先生」。
この時以来、彼が先生をつとめてくれている「きのこ狩り」「山菜採り」の
ワークショップに参加したことのある方はよくご存知なのだが、
彼の案内はダイハードかつタフな道行きとなること必至。
もうついて行くのでやっとである。
熊除けの鈴をチリンチリンと鳴らしながら
ずんずんずんずん山に分け入っていく。
私たちは息を切らして追いすがる。

きのこ狩りの道行き、分け入る達人追う我ら。

山の達人、達三さん。
「きのこはなあ、朽ちかけている木に生えるんだよ。」
なるほど。
それらしきものを見つけて先生に見せる。
「これはどうですか?」
「これは食えないやつだな。」
ううむ。まったく見分けがつかないな。
ひたすら山道(というか、そこに「道」はない)をかき分けて歩いていくが、
なかなか、「食べられるきのこ」というものにめぐり会えない。
実はもともと、きのこ先生をお願いした時にも、
きのこ狩りとしてはかなりぎりぎりの季節だけどねえ
とは言われていたのである。
時期としては晩秋過ぎると。
いや遅めなのは重々承知ではあったのですが。
本来ならば初雪が降ってもおかしくないタイミングだし。
(なんとこの快晴のきのこ狩りの週末が明けたとたんに松代に初雪が降ったのであった)
ふかふかした落ち葉を踏みしめてさらに分け入る。

必死できのこを探す我ら。
しかし本当に見つかるのか……
と、冷や汗を体感しつつ悩ましく思った瞬間、
ついに!