連載
posted:2015.3.16 from:香川県小豆郡土庄町 genre:暮らしと移住
〈 この連載・企画は… 〉
海と山の美しい自然に恵まれた、瀬戸内海で2番目に大きな島、小豆島。
この島での暮らしを選び、家族とともに移住した三村ひかりが綴る、日々の出来事、地域やアートのこと。
writer profile
Hikari Mimura
三村ひかり
みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島の中でもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。
http://homemakers.jp/
credit
撮影:小豆島カメラ、竹中あゆみ(PHaT PHOTO)
いろは(娘)の通っている小学校は、この3月で閉校します。
移住者が増えて、来年はまた瀬戸内国際芸術祭も開催されて、
わいわいと賑やかそうな小豆島ですが、それでもやっぱり人口は減少しています。
いま島の人口は約3万人、最近は毎年約400〜500人ずつ減少しているそうです。
小豆島にはふたつの町があって、それぞれに4つの小学校があります。
この3月で私たちが暮らす町の小学校4校は閉校となり、
次の4月からは統合されて1校に。
小学校の閉校・統合なんて他人ごとだと思ってたけど、
ここ小豆島ではまさにいま起こっていること。
学校や病院の数がじわりじわりと減っていっています。
その今年閉校となる小学校のひとつ、渕崎小学校で
先日子どもたちと撮影ワークショップを行いました。
当たり前のようにあった小学校がなくなってしまう、
その前に自分たちが通った小学校の写真を撮ろう。
そして、記憶に残そうという思いから。
小学校で子どもたちに参加してもらってワークショップを開催する。
いろんなことが初めてで、何をどんなふうに進めていったらいいのか
わからないことだらけ。
学校の先生方との調整、保護者の方への連絡、機材の準備、そして当日の段取り。
いろんな人に相談しながら準備を進めました。
親子で参加してもらい、カメラを1台ずつ貸し出し。
学校の中で好きな場所、思い出の場所、友だち、先生……、
とにかく撮りたいものを撮ってみよう。
そしてその写真を使って「ありがとう渕崎小学校」のポスターをつくろう。
最後にどうしてその写真を撮ったのかひとりずつ発表しよう。
という内容のワークショップ。
「とにかくたくさん撮ろう。1枚のポスターをつくるのに
1枚の写真じゃなくて100枚くらい写真を撮ってきてー」
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撮影開始とともに、子どもたちはカメラを持ってあっちこっちへ。
小さい子たちは目に入ったものをまっすぐそのまま、
大きい子たちは少し物を動かしたり斜めから撮ったり。
子どもたちは思ったよりもずっと真剣に、
そして楽しそうに何枚も何枚も撮影していました。
撮影が終わったら、1枚をセレクト、そしてMacに取り込んで印刷します。
自分が撮影した写真がかっこいいポスターになる、写真を使ってこんなことができる。
たった1日の経験だけど、この積み重ねが、
この先子どもたちが自分の未来を考えるときに、
なにかのきっかけになればいいなと思います。
変わってゆく島のいまを撮る。
子どもたちと一緒に撮る。
島と子どもたちの未来につなげる。
こんな活動を島で続けていきたいなと思っています。
information
HOMEMAKERS
住所:香川県小豆郡土庄町肥土山甲466-1
営業時間:金曜、土曜のみ 11:00~17:00(L.O. 16:00)
http://homemakers.jp/
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