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Akiko Saito
齋藤あきこ
さいとう・あきこ●宮城県出身。図書館司書を志していたが、“これからはインターネットが来る”と神の啓示を受けて上京。青山ブックセンター六本木店書店員などを経て現在フリーランスのライター/エディター。
モフモフの秋田犬(あきたいぬ)天国、秋田にて
先月、2つのお祭りが行われました。
ひとつめはこちら、大館市の「大館アメッコ市」。
「この日にアメを食べると風邪をひかない」という言い伝えのもと、
天正16年(1588年)から400年に渡って行われている行事です。
今年は2月14日(土)と15日(日)の二日間に渡って開催。
会場である大館市の「おおまちハチ公通り」には
約100店のアメ屋などの露店が軒を連ね、
アメを買い求めるために訪れる観光客約10万人で通りが埋め尽くされます。
「アメッコ市」では、秋田犬のパレードにふれあいコーナー、
からみアメのサービス、郷土芸能獅子舞、大館曲げわっぱ太鼓の演奏や
ご当地ゆるキャラショーなどなど、多彩な催しが行われます。
ちなみに、ハチ公と秋田犬のふるさとというだけあって、
出演したゆるキャラ11体のうち8体が秋田犬モチーフのキャラと犬率高め。
今年は開催日前日には大雪が降り、また当日も吹雪で
大変だったそうです。
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ほかには、「丸髷行列」というイベントもユニーク。
「丸髷」とは、大館・北秋田地域の風習で、女性の厄年33歳の「年祝い」の際に
既婚の女性が黒留袖に丸髷姿を結うという珍しいもの。
近年減少しつつあるこの風習を継承していこうという意味も込めて、
大館市では4年前の2011年からアメッコ市にあわせて練り歩きをしているそう。
そして「白ひげ大神巡行」は、大館市で最も高い山「田代岳」から、
神様がアメを買いにやってくるという言い伝えを再現したもの。
白ひげ大神は帰る際にその足跡を隠すため吹雪を起こすと言い伝えられて
いるのですが、その言い伝えのとおり、不思議とアメッコ市の期間中は
雪が降ることが多いんだそう。
■湯沢の「犬っこまつり」
もうひとつ、秋田で行われている犬の祭典が、
湯沢市で行われている「犬っこまつり」。
こちらも約400年もの長い間続いたといわれる湯沢地方の民俗行事です。
今年は2月14日(土)と15日(日)の二日間に渡って開催されました。
雪で犬の像を作ってお祀りするのですが、
町内の広場やまつり会場などにつくられた雪のお堂っこの
ろうそくに火がともり、とてもメルヘンチック。
地元の大工さんたちが、重機で雪を固くかためて、製図に沿って
チェンソーやスコップを使って形を作っていきます。
崩れると危険なので、祭り期間が終わるとすぐ取り壊してしまうのだそう。
もともとは、白昼堂々と人家を襲う「白討」という大盗賊を退治した殿様が、
再びこのような悪党が現れないようにと、
米の粉で小さな犬っこや鶴亀を作らせ、旧小正月の晩に、
これを家の入口や窓々にお供えして祈念させたのが始まりと言われています。
秋田では、夕暮れになると子どもたちが、門口に雪で作ったお堂っこの中に
犬っこを餅や甘酒などとともにお供えして、
夜が更けるまで遊び明かす風習があったのだそう。
ほかにも、花火、郷土物産展示即売会、湯沢南家佐竹太鼓演奏、
どんど焼き、愛犬祈願祭など、多彩なイベントでにぎわいます。
「アメッコ市」に「犬っこまつり」、冬の秋田は
ワンコ好きには見逃せない祭りが行われています。
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